MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

小湊鐵道「里山トロッコ」(1)~今春本格運行を開始した観光列車

2016-06-30 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨年秋に運行開始したものの、運行開始直後はトラブルが相次ぎ長期運休となり、今春に本格運行開始となった小湊鐵道の観光列車「里山トロッコ」、MAKIKYUは今月初めて乗車機会がありました。

小湊鐡道は「鐡道」を名乗りながらも交通事業はバス事業が主体、こちらはアクアライン高速バスや千葉市内・市原市内の路線バスなどで新車も多数導入され、路線バスの一部路線ではPASMOなどの全国交通系ICカードも導入されていますが、鐵道事業は小規模で旧態依然とした状況という印象があります。

1
路線だけの鐵道線は東京通勤圏では数少ない単線非電化のローカル線、この手のローカル線では大半の路線で実施されているワンマン運転も行っておらず、現在定期列車で運行中の車両も経年30年超えの古豪ばかりとなっています。

しかも現在活躍中の車両は製造初年1960年代のキハ2001形式のみ、その後導入された車両も大差ない設計が踏襲され、最も新しい1980年代製の車両でも、見た目はもっと古く見えると感じる方も少なくないと思います。

経年車では施行事例も多い大規模リニューアルや機関換装も施しておらず、バス用冷房装置を用いた冷房化(一部車両を除く)を行った事を除くと、30年以上前の雰囲気が非常に色濃く残存しており、車両だけでなく駅施設なども古びた印象を受けるものが少なくない事から、五井駅でJR線から乗り継いで乗車した際には、タイムスリップした様な錯覚を感じる位です。

古風な雰囲気を感じる鉄道としては、首都圏各地から日帰りで容易に足を運べる箇所で、小湊鐡道線の右に出る存在はないと言っても過言ではない事から、近年では数十年前の光景をイメージしたドラマなどの舞台として登場する事もあり、逆に注目される存在になっています。

小湊側もこの事を意識し、安全面に関わる面以外では敢えて鐵道線の近代化を行わずに古びた雰囲気を堅持する事に力を入れているのでは…と感じる程ですが、定期列車として活躍するキハ200形車両はトイレなし・オールロングシートの設備故に、観光向けとしては不向きと言わざるを得ない面もあるのが事実です。

ただ沿線には養老渓谷をはじめとした観光地も存在し、終点駅の上総中野で接続するいすみ鉄道も古参気動車導入などで観光鉄道化を図るなど、行楽利用には適した条件は揃っています。

そのためMAKIKYUは車両面で小湊鐡道自体が既存車両と異なる車両を走らせても…と感じた事が何度もあり、「里山トロッコ」運行開始はこの念願を見事に叶えてくれた車両とも感じたものでした。

小湊鐡道の鐡道線では久々の新製車で、近年の日本国内では数少ない機関車牽引の客車列車となっているのも大きな特徴と言え、車窓は山間部で一層ローカルムードが強くなる反面、生活交通としての利用は大きく減少する上総牛久以南の閑散区間(但し末端の養老渓谷~上総中野1駅間は運行せず)で運行しています。


上総中野方の先頭車となっている機関車は、昔活躍したC型コッペル蒸気機関車を再現した姿ながらも、さすがに蒸気機関車運行は様々な面で負担が大き過ぎる事から、「偽SL」と言っても過言ではないSL型ディーゼル機関車となっています。

この機関車の後に車体長9m程度という、通常の鉄道車両の半分に満たない長さで2軸の小型客車が4両連なる編成となっています。

SL+小型客車の組み合わせで観光向けに特化した列車を、定期旅客列車も運行している路線で運行する形態は、伊予鉄道が松山市内の軌道線で走らせている「坊ちゃん列車」を連想させられたものでした。


4両の小型客車は真ん中2両が吹きさらしのトロッコ車両、両端はガラス付きのルーフ車両となっており、トロッコ車両を組み込んでいる辺りは観光列車らしい編成と言えます。


客車の装いは既存のキハ200形と同系のクリームと赤色のツートンとなっており、近年JR九州をはじめ各地で流行している某有名デザイナーが手掛けた観光列車などの派手な装いに比べると、平凡で地味な印象を受ける方も少なくないと思いますが、観光列車では凝ったデザインを用いる事も多いサボも、運行区間のみを表示した非常にシンプルなモノになっています。

また里山トロッコは機関車牽引の客車列車ながらも、養老渓谷駅の配線(棒線駅)なども関係してか、機回しは行わず上総牛久行では最後尾の客車を先頭にした推進運転を実施し、機関車は最後尾で客車を押す運行形態となっています。


そのため最後尾客車には、日本の客車では数少ない運転台が装備
(他にはJR北海道の「ノロッコ」などで導入事例あり)されていますが、上総牛久行では先頭車となる最後尾客車は簡素な印象の3枚窓配置、何となく旧鹿島鉄道キハ600形の末期を連想したものでした。

塗装と小柄な車体は最後の非電化軽便としても注目され、廃線から40年近くなる今日でも多数の車両が動態保存されている事でも知られる尾小屋鉄道(石川県)を思わせるものがあり、偽SLが小型客車を牽引するという編成形態としては「坊ちゃん列車」を連想する面もあるなど、地方私鉄のエッセンスを寄せ集めた車両という雰囲気の列車とも感じたものでした。

また車内の様子なども外観に劣らず特徴的なものでしたが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


好きな昭和の名曲~お題参加キャンペーンに参加

2016-06-29 | Weblog

gooブログのお題参加キャンペーンで、「好きな昭和の名曲は?」というお題があり、このお題が気になった方も中には居られるかと思います。

個人的には2000年代の楽曲を聴く事が圧倒的に多く、昭和の楽曲で知っている曲は有名な曲の一部という状況ですが、このお題は昭和の歌姫として知られた美空ひばりの命日に合わせて出題されています。

美空ひばりの楽曲で個人的に名曲と感じており、最も印象に残る曲は末期の「川の流れのように」で、美空ひばりに限れば次点は「愛燦燦」かな…と感じています。
(余談ながら「川の流れのように」は製作において、現在流行している48名程度のグループをプロデュースをしている人物も関与しています)

他のアーティストも含めた昭和の名曲という意味でも、「川の流れのように」は個人的には昭和の名曲ベスト5に入るのでは…と感じている位で、それ以外だと鄧麗君(Teresa Teng)「時の流れに身をまかせ」・山口百恵「いい日旅立ち」・石川さゆり「津軽海峡冬景色」・小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」辺りが個人的には昭和の楽曲の中で、特に印象に残る曲と感じています。

また原唱者の楽曲の好感度という点では上記の5楽曲程ではありませんが、「いい日旅立ち」の原唱者でもある山口百恵の「イミテーション・ゴールド」は2000年代に入ってからカバーした曲も発売されており、これも個人的には悪くない1曲と感じています。

楽曲やアーティストに関しては嗜好が大きく分かれる所で、人によってどの曲が良いと感じるのかは大きく異なる所だと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も感想などありましたら、コメントもどうぞ。


北海道新幹線・新規開業区間と新函館北斗駅~大規模インフラを有効活用するには…

2016-06-27 | 鉄道[北海道]

今年春は今まで地震の少ない土地と言われていた熊本で大規模な地震が頻発、またこれに加えて今月に入ってから豪雨による土砂災害も発生、同県山間部の阿蘇山周辺は非常に危険な状態の箇所が幾つも…という状況で、この事は盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もご存知かと思います。

九州だけでなく逆方向の北海道でも、今月函館市内やその周辺地域で震度6弱と言う大きな地震が発生しており、これでは日本中どこに居ても地震頻発なのか…と感じる程ですが、函館周辺は地震発生前の先月に足を運ぶ機会がありました。

その際は今春開業したばかりの北海道新幹線にも乗車しましたが、諸問題を抱えてのスタートに加え、青函トンネルと言う特殊区間を走行する事もあり、「低速で割高」と騒がれる事も少なくない状況です。

しかしながら首都圏~新函館北斗間が乗換なしで約4時間、新函館北斗駅で在来線特急に乗継で札幌などへ向かう場合も、新幹線開業前に比べて所要時間が短縮されただけでなく、運転本数増大など利便性が向上したと感じられるのは嬉しい限りです。


車両面では
JR北海道所属車両として、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げたH5系(既公開画像で使用した画像の再掲です)が導入されているものの、大半は既存の東北新幹線車両・E5系が新青森以北まで延伸運転しているだけですので、新鮮味には乏しい印象があります。


ただ青函トンネル内やその前後の貨物列車と共用となる区間では、フル規格新幹線では初の標準軌・狭軌共用3線軌道となっており、貨客混在の高速鉄道路線も日本国内では初となりますので、この点は他の新幹線では見られない北海道新幹線ならではの特色とも言えます。


今春に開業した新青森~新函館北斗間では、途中駅として本州側・北海道側に各
1(奥津軽いまべつ・木古内)が設けられ、両駅は共に一部列車のみ停車となっていますが、奥津軽いまべつ駅は1日の停車本数が7往復のみとなっています。


新幹線の閑散駅としては、
MAKIKYUは以前北陸新幹線の安中榛名駅を利用した事が1度だけありますが、奥津軽いまべつ駅は停車列車本数に加え、新青森以北のJR北海道区間は特急料金が新青森以南と別料金になる料金体系も災いし、安中榛名駅をも超える存在になってしまうのでは…とも感じたものでした。

これに比べると木古内駅の方がまだ利用は見込めそうなものの、こちらも芳しいとは言い難い状況と感じ、沿線途中駅周辺が人口希薄な地域である事を考慮すると、本州~北海道の流動を如何にして新幹線に取り込むかが大きな課題かと思います。


また現在の北海道新幹線終点駅・新函館北斗駅は、函館本線の渡島大野駅を改称し、新幹線の函館方ターミナルとして整備した駅で、駅周辺には新幹線車両の整備基地も設けられています。


新幹線ホームは
22線ですが、現在到着ホームとして利用している12番線脇にもう1線増設可能な構造となっており、出発ホームとなっている11番線は、在来線の一部ホームと上下移動せずに移動できる構造となっています。


新幹線在来線の乗継では、必然的に階段などで上下移動を迫られる構造ですが、在来線新幹線の乗継では、函館からのシャトル列車(はこだてライナー)・札幌方面からの特急(スーパー北斗・北斗)などからの乗継のどちらも、新幹線連絡改札と平面移動可能なホームに入線させる事で、基本的に上下移動なしで乗継可能となっています。

 
新幹線新駅に近接している在来線駅の中には、接続路線がローカル線だとホーム1本の無人駅と言う事例も幾つかありますが、新函館北斗駅は以前の渡島大野駅時代とは大きく様変わりし、駅舎も新幹線と在来線特急の乗継拠点、そして函館の新たな玄関口として整備した事を実感させられる雰囲気となっています。


ただ函館の市街中心部からは10㎞以上離れている事もあり、駅前の整備などはまだまだこれから、駅構内の物販店舗も新幹線駅にしては最小限という印象を受けたものです。

北海道新幹線という大きなインフラを有効に活用するためには、今後の周辺環境整備も課題の一つで、現在の新函館北斗駅は在来線に乗り継いで函館駅か札幌など道央方面へ移動する際の乗継駅的性質が極めて強い状況と感じたものでした。

ちなみに函館~新函館北斗間では新幹線開業と同時にシャトル列車「はこだてライナー」が運行開始しており、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


最新!「住みよさランキング2016」トップ50が発表~今年もまた北総監獄が…

2016-06-22 | 北総監獄

東洋経済新聞社が毎年6月頃に発表している、自治体別の「住みよさランキング」の2016年版が発表され、既に同社が発表した記事をご覧になられた方も居られるかと思います。
(該当記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

 
このランキングでは市域の一部が「北総監獄(千葉ニュータウン)」とも呼ばれ、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の沿線でもある千葉県印西市が毎年上位に位置し、個人的には首を傾げたくなる様なランキングとしか言い様がない状況です。

2016年の「住みよさランキング」でも1位としてランクインしており、「これはワーストランキングなのでは…」と感じてしまう程です。

印西市に続いて2位にランクインしている愛知県長久手市や、3位にランクインしている富山県砺波市をはじめ、それ以外のランキング上位に位置する各地自体に関しても、居住地として個人的には魅力を感じる所とは言い難く、ランキング抽出方法に難がある事をPRしている様にも感じる程です。

このランキングに対するネット上の講評を見ても「快適度で都市公園面積を考慮するのをやめるべき」といった評も見受けられ、ランキング上位自治体の住民や元居住者などへのアンケートなども点数化してランキング指標に活用するなら、結果は大きく変わりそうな気がします。


このランキングで毎年上位にランクインする千葉県印西市も、近年は新鎌ヶ谷駅(鎌ヶ谷市・東武アーバンパークライン/新京成線が発着)~北総監獄の核心となる中央地区の北総監獄中央駅を直通運行する「生活バスちばにう」運行定着などで、東京都内への通勤圏では屈指の「公共交通の不毛地帯」と言わざるを得ない惨状が、部分的ながらも一時期に比べてマシにはなっていますが、それでも決して芳しい状況とは到底言い難い気がします。

 
さすがにありえない話かと思いますが、今年導入され通称「悪徳」と呼ばれる列車でも運行している新型車両(写真は「悪徳」とは異なる列車に充当された際に撮影したものです)を高評価、高品質の車両で割安な運賃と頻発運行を行い、電車の便利さと快適さは何処にも負けないという意味を込めてのランキングのトップ入りではないと願いたい所です。
(「開発を止めた某鉄道」を巡る諸問題に関して関心のある方は、非常に分かり易く明確に記された名著に関して取り上げた記事(ご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)も公開していますので、併せてご覧頂けると幸いです)

大都市圏では公共交通の利便性も住みよさと直結する問題だけに、ランキング算出方法の変更なども検討余地ありなのでは…と感じたものでした。


Nゲージ鉄道模型の動力ユニットが崩壊~当該車両はMA社製品

2016-06-19 | Weblog

数日前MAKIKYUは知人某氏と共に横浜市内某所の鉄道模型店へ足を運び、店内にあるレンタルレイアウトで模型車両(Nゲージ)走行を行う機会がありました。

その際にはMAKIKYUが久々に走らせようとした車両のケースを開けたら、動力車のカバーが妙な状況になっている車両が存在したものでした。


気になって動力ユニットを車体から外して様子を見たら、ダイキャスト製の動力ユニットが崩壊を起こし、マトモに走行できない状況でした。
(写真は床下カバーや動力台車・モーターなどを外した状態のダイキャスト製ユニットです)

様々なメーカーの動力車を合わせると、Nゲージ車両の保有数は動力車だけでも3桁に達する状況ですが、それでもこんな事態に遭遇したのは初めてで、レンタルレイアウトの運営を行っている店舗の店員も「こんなの見たのは初めて」と驚く有様でした。

帰宅後に気になってネットで調べたら、ダイキャストの材質が悪く、不純物などが混ざっていると、「数年程度でダイキャストが自己崩壊する事もある」という記述が幾つか見受けられたものでした。

ちなみに先日動力ユニットのダイキャスト崩壊が発生した動力車は、車両だけでなく軌道や制御機器(パワーパック/パワーユニット)なども含めてトータルでNゲージ鉄道模型を展開しており、玩具メーカーとしても有名なT社や、鉄道模型専業の老舗的存在として有名なK社、以前はキット製品主体で近年完成品主流に移行したGM社などではなく、比較的近年になって急速な勢いで台頭しているMA社の製品です。

当該車両はJR九州で活躍する交流区間専用の一般形電車(4両セット)で、改良品と称されるフライホイール装備の車両ですので、MA社の製品の中でも特に問題の多い初期製品ではありませんが、MA社は先述の3社などと異なり、補修部品の分売なども行っていない状況ですので、この様なトラブルが生じた際は非常に厄介と感じます。

幸いにもたまたま動力台車やモーターの交換予備備品として購入していたMA社製車両が1両手元にあり、この車両がJR在来線や首都圏狭軌大手私鉄などで一般的な20m車だった事もあり、この車両とダイキャストを差し替える事で交換補修できました。

ただMA社製品はT社やK社などの製品に比べると、動力ユニットを分解した後に組み立てなおすのも厄介で、ビギナー向けとしてはとても勧められない代物と感じ、他社が製品化しない車両を次々と製品化してくれるのは有難いと感じる一方、問題点も多々ある事を改めて実感させられたものでした。


また動力ユニット崩壊事故発生日は、他車両も複数持参していた事もあり、事故発生後は他車両を幾つか走行させ、その中には実車が事故発生車両とは対極の存在とも言えるMAKIKYUの保有車両(左側・K社製)と知人の保有車両(T社製)を並べたりもしたものでした。
(こちらは無問題で、初心者向けにおススメするなら断然こちらの方が…という状況でした)

MA社も近年は以前に比べると品質も向上し、限定的ながら動力ユニット分売を行う様になるなど、幾分改善の兆しもありますが、ただでさえ決して安くない商品価格に加え、近年特に製品価格が高騰している事も考えると、まだまだ価格に見合うだけの状況とは言い難い気もしますので、品質管理の強化徹底と補修部品の分売体制確立を願いたいと強く実感したものでした。


北海道新幹線・H5系~JR北海道初の新幹線車両

2016-06-13 | 鉄道[新幹線]

先月MAKIKYUは今春開業したばかりの北海道新幹線に乗車機会がありました。

北海道新幹線は料金面では東北新幹線との跨ぎ利用で若干の割引が適用されるものの、特急料金は㎞通算されず別料金(運賃部分は㎞通算)となっており、分割民営化以降に開業した他新幹線(北陸・山陽~九州)と同様の扱いになっています。

列車の運行面では大半の列車は東北新幹線に直通運転、車両も東北新幹線と共用となっており、開業区間も青函トンネルを挟む新青森~新函館北斗間の部分開業のみ、北海道の基幹都市・札幌と東北新幹線沿線各都市の移動では、新函館北斗駅で新幹線と在来線特急に乗り継ぐ必要があります。

この様な状況に加え近年のJR北海道を取り巻く諸問題も影響してか、比較的近年開業した九州や北陸などの新幹線に比べると、盛り上がりも今一つという印象があります。

ただそれでも今までに比べると「近くて遠い北の大地」という印象が強かった北海道内各地への道程が、以前より随分便利になったと感じたのは事実で、近年在来線特急で相次いだ重大インシデントが、新幹線において発生しない事を強く願いたいものです。

前置きが少々長くなってしまいましたが、この北海道新幹線は東北新幹線と車両を共用しており、運行距離比率なども影響してか、運行車両の大半はJR東日本所属のE5系車両となっています。

しかしながらJR北海道も4編成(1編成10両-計40両)だけながら、E5系とほぼ同仕様の自社所属車両・H5系車両を導入しており、MAKIKYUが北海道新幹線に乗車した際には、この数少ないH5系に乗車する事ができました。


導入数が少なく車両の独自開発を行うのは厳しい上に、運用差替やミニ新幹線車両との混結なども考慮すると、JR東日本で実績のある車両と同等の車両を導入するのは必然で、H5系は北陸新幹線でJR東日本とJR西日本がE7系/W7系として、両者で同等の車両を走らせているのとほぼ同様の状況です。


とはいえE7系/W7系や東海道・山陽新幹線のN700系などとは異なり、車体塗装は窓下の帯色を変えているのが大きな特徴(E5系はピンク・H5系はパープル)で、車体側面にも北海道をイメージしたロゴを配しています。


車内に足を踏み入れると、普通車の客ドアは内側が黄緑色に塗装され、これもベージュ色のE5系とは異なったものです。


客室内も座席数や座席形状などはE5系と同等ながら、床材も雪の結晶をイメージした模様が入れられるなど、こちらも内装は完全共通仕様のE7系/W7系に比べると、JR北海道の個性を感じられる仕上がりになっていると感じたもので、LED蛍光灯を採用した関係で、天井周りの雰囲気がやや変化した点も注目と感じたものでした。

またMAKIKYUが先月北海道新幹線を利用した際には、JR東日本の株主優待乗車証(自社線内のみ料金を含めて2割引・1度に2枚まで利用可能)を用いた事もあり、新青森を境に北海道新幹線を含む以北のJR北海道区間と、新青森以南の東北新幹線を含むJR東日本区間で乗車券を分割して購入したものでした。

この事もあってか、新函館北斗から乗車したはやぶさ号(東京行)は新青森で下車、その後青森市内に数時間滞在してから新青森始発の東北新幹線で帰京していますが、帰京の際に乗車したはやぶさ号も北海道新幹線区間とは別編成ながら、こちらもJR北海道所属のH5系でした。


新青森から乗車した新幹線は、株主優待乗車証利用で料金も割引される事もあり、グリーン車を利用(株主優待乗車証2枚利用の場合はグリーン料金も4割引)したものでしたが、グリーン車デッキの客ドアは内側が赤紫色に塗装され、これもE5系とは異なるものです。


客室内に足を踏み入れると、こちらもLED蛍光灯採用に伴う天井構造の変化に加え、床敷物が流氷をイメージした柄になっているのが目立つと感じたものでした。
(E5系グリーン車は見た事があるだけで未乗ですが…)

ちなみにH5系はE5系と同様に「グランクラス」も設定されていますが、こちらはグランクラス利用客以外の見学目的での客室内立入りはご遠慮下さいという掲示が目立つ状況、専任アテンダント乗務もあって視察も困難な状況だけあり、こちらの画像はありませんのでご了承下さい。

このH5系は基本的にE5系の仕様を踏襲しながらも、可能な範囲で北海道らしさを出すという点では、他のJR複数社共同設計車両よりも一歩上を行く存在と感じたものでしたが、車内放送はチャイムも含めてE5系と全く同一、その上北海道新幹線区間でも東北新幹線区間と同一と言うのは、少々残念と感じたものでした。
(E7系/W7系やN700系では所属会社毎に車内放送チャイムが異なっており、個人的にはJR西日本の車両で用いているチャイムが好みです)

またH5系は新幹線50年の歴史において、初めてJR他社の新幹線車両と併結して運行を行う形式になったというのも注目点で、MAKIKYUが大宮駅ではやぶさ号から下車した際には、後部にJR東日本所属車両(E6系)を従えた姿を見る事も出来ました。


途中で社籍が変わった事(国鉄→JR各社への転換を除く)により、2社の所属歴(JR東海→JR西日本)を持つ新幹線車両には以前乗車した事もありますが、1列車で2社の新幹線車両が併結した列車に乗車したのは当然初めてで、H5系の運用数が少ない事もあってか、このシーンも注目と感じたものでした。

新青森以北の今春開業した北海道新幹線区間の様子に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


4月にオープンした高速バスターミナル「バスタ新宿」

2016-06-08 | バス[首都圏]


数日前
MAKIKYUは都内へ足を運ぶ所用があり、その際には4月にオープンした新宿の高速バスターミナル「バスタ新宿」を初めて視察する機会がありました。


ネット上でも様々な方が話題を取り上げている「バスタ新宿」は甲州街道を挟み、新宿駅南口と向かい合う箇所に立地しており、
4階建ての最上階(4)がバスの出発ホーム、乗車券売り場もこのフロアに位置しており、到着ホームやタクシー乗り場は1つ下のフロア(3)となっています。


出発ホームの乗り場数は
12箇所、都内では屈指の運行本数を誇る東京駅八重洲口を凌ぐ規模となっており、陳腐な上に発着番線数も限られていた西口ヨドバシカメラ脇の旧中央高速バスターミナルなどに比べると、格段に改善されたターミナルと感じたものでした。

また新宿発着の高速バスは、以前は旧中央高速バスターミナル(京王やその共同運行会社の便が主体)をはじめ、西口小田急ハルク脇の35番乗り場(小田急系が主体)や新南口(JR系やその共同運行会社が主体)など、運行事業者や路線によって乗車箇所が分散しており、特に不慣れな利用者にとっては非常に分かり難い状況だったものが、殆どの路線がバスタに集約される事で分かり易くなったのも、大きなメリットなのでは…と感じたものでした。

運行本数的にも国内で業界最大手と言われる西日本鉄道(西鉄)の拠点になっている福岡・天神バスセンターに匹敵する事から、一部では「国内最大級のバスターミナル」とも言われ、特に首都圏では天神バスセンターに匹敵する存在の高速バスターミナルも存在しなかった事から、「かなり大きな高速バスターミナルが出来た」という評も散見する程です。


ただ都市間バス大国となっている隣国・大韓民国
(韓国)の高速バス・市外バスに何度も乗車、これらのバスが発着する巨大なターミナルを何度も利用しているMAKIKYUとしては、「バスタ新宿」は規模的に大きなターミナルとは言い難いと感じたものでした。
(
韓国の都市間バスターミナルは、地方都市の一つに数えられる光州(Gwangju)でも乗り場数が60程度、首都のソウルに至っては最大規模を誇る江南(Gangnam)の高速ターミナル(写真・既公開画像の再掲です)が方面別に京釜・嶺東線と湖南線に分かれ、京釜・嶺東線ターミナルだけでも光州のタ-ミナルを遥かに凌ぐ程、その上市内には他にも大規模な都市間バスターミナルが複数存在する状況です)

とはいえ韓国の都市間バスは、ターミナルを中心部ではなく市内の中心からやや離れた高速道路のインター近くに設けている事も多く、東京に例えるなら綾瀬や用賀辺りに大規模ターミナルを設置、ターミナル~市内各所間は別途市内交通(地下鉄や市内バスなど)利用という状況です。

そのため用地の限られる都心の一等地にターミナルを設け、限られた設備を効率よく駆使する事で多くのバスを発着させるという点では、「バスタ新宿」は総体的に見て悪くないターミナルと感じたものでした。
(混雑時間帯のトイレ混雑などの問題は、一部ではかなり問題視されていますが…)


バス大国・韓国から訪日した旅行者をはじめ、韓国をはじめとする都市間バス大国の現状を見た人物から見ると、「バスタ新宿」は小規模なターミナルとして映ると思いますが、今後国内各地でもバスタを参考に、都市間バスターミナルを集約する動きが各地で続くのか否かも気になったものでした。

日本の都市間バスは九州の一部などを除くと、専ら2点間輸送に特化し、鉄道など他交通機関を補完する役割に甘んじている路線が大半を占めている事もあってか、一部の「知っている使い慣れた乗客」を除くと利用し難い路線が多いと感じています。

特に複数事業者に跨る乗継利用となると、殆ど考慮していない事が大半と感じますので、発券システムなどのソフト面と共に、ターミナルなどのハード面での難点を改善する事で、都市間バスの利用増も見込める気がしますので…