先月MAKIKYUが福井へ足を運んだ際には、3月末に運行開始した「フェニックス田原町ライン」以外でも、えちぜん鉄道(えち鉄)に何度か乗車機会がありました。
えち鉄は京福からの事業継承後に車両代替を進めており、えち鉄発足当時と比べても三国芦原線・勝山永平寺線の両線で活躍する車両の顔ぶれは随分変化しています。
この車両代替は全て中古車両の導入で行われ、「フェニックス田原町ライン」用に近年導入されたL形(ki-bo)を除くと純粋な新造車は皆無と言う、地方ローカル私鉄ではよくある状況となっています。
しかしながら近年導入されたMC7000形は地方私鉄では少数派、まして第3セクター鉄道ともなれば尚更と言うVVVFインバーター制御車となっているのが特徴で、MAKIKYUはこのMC7000形にも初めて乗車機会がありました。
同形の種車は国鉄末期に導入、JR東海に継承されて主に飯田線で使用していた119系のワンマン運転対応車両で、至る所に種車の面影を感じる一方、前面形状などはえち鉄の主力車両となっているMC6000系列(MC6001形・6101形)に類似した形状に改められ、パンタグラフもシングルアーム式になるなど、JR時代に比べると近代的な雰囲気を感じる車両になっています。
車内に足を踏み入れると、LED蛍光灯やLCDモニターによる運賃表示器などは現代風ながらも、「国鉄」の雰囲気を感じる内装などは存置されている部分が多いと感じたものでした。
JR時代と大きく異なる点としては、座席モケットや床材の張替とトイレ撤去(フリースペース化)が際立ちますが、MC6000系列に比べると内装は古びた車両と感じたものでした。
列車が動き出すと、電気品関連がVVVFインバーター制御に換装された事もあり、起動音こそ静かで新鋭らしいと感じ、加速性能面でも1M1T編成(2両中1両がモーター無し)ながらも、加速性能面で問題を抱えている1M車のMC6000系列よりも良好と感じたものでした。
ただ台車は旧来のモノを用いている事もあり、居住性の面ではMC6000系列に比べると見劣りが否めず、また主回路更新を行いながらもブレーキ方式は旧来のままという事もあり、制動時の融解音なども最近のVVVF車らしくない雰囲気と感じたものでした。
両開き3扉車で乗降性に優れ、2両編成ながらも1M1TのVVVF車故に運行コストも割安で輸送力も大きいなど、使い勝手の面では非常に有用な車両と思われ、国鉄型ならではの雰囲気を感じるVVVF車という、趣味的にもかなり面白い車両と感じたものでした。
ただ内装や居住性の面ではMC6000系列に比べるとやや難ありとも感じ、現在のえち鉄で主力となっている2形式は、どちらも一長一短という印象ですが、他にえち鉄では京福から継承したMC5001形も1両だけながらも活躍、この車両にはまだ乗車した事がありませんので、機会があれば今度はこちらも…と感じたものでした。
先月MAKIKYUが福井鉄道(福鉄)に乗車した際には、土休日発売のフリー乗車券を利用した事もあり、福鉄で活躍する様々な車両に乗車する機会がありましたが、その際には「RETRAM」にも初めて乗車したものでした。
RETRAMは元々ドイツ・シュツットガルトの市内電車で活躍していた車両を土佐電気鉄道(高知県・現とさでん交通)が購入、735形として主に観光客向けの電車として走らせていたものの、近年は稼働率が低下し休車状態になっていた車両です。
何年も土電の桟橋車庫で放置状態になっていた車両を購入、形式をF10形に改めると共に福鉄向け改造を施した多重移籍車両で、以前土電の車庫で放置状態になっていた車両を見た際には、再起自体がまずないと感じる程でしたので、国内で再移籍して活躍と言う話を最初聞いた時には、随分驚いたものでした。
ヨーロッパ風の路面電車も、近年各地で登場が相次ぐ新型低床車に限れば、日本でもありふれた存在になりつつありますが、旧型車両に限ると日本国内では幾つかの動態保存車が存在するだけですので、希少な存在と言えます。
RETRAMは2014年に福鉄での稼働を開始していますが、冬季は積雪状態となる事も多い土地柄故に冬期運休、これに加えて非冷房車という事もあって夏季も運休となる上に、運行開始当初は車両不具合での運休も頻発したため、乗車機会がなかなかない車両という状態でした。
とは言えここ最近は車両の状態も比較的安定している様で、丁度運転日に福井へ足を運ぶ機会と重なった事もあり、ようやく乗車できた次第です。
内外共に日本の路面電車とは大きく異なる雰囲気、運転台のマスコン形状なども見慣れない独特なモノとなっています。
車内はドイツの路線図や広告類が存置され、上部が僅かに開く客窓の開閉方法も、国内の鉄道車両では殆ど類がない方法になっているなど、見所満載の電車と感じたものでした。
ただRETRAMと言う名前通りレトロな外観ながら、下回りは旧来の釣掛式ではなく、また近年大半の車両で用いられているVVVFインバーター制御への改造も行われていませんので、走行音に関しては意外と平凡な車両と言う印象を受けたものでした。
専ら観光向けで車掌乗務での運行となる事もあり、福鉄名物のステップは手動式のモノとなっており、極力種車の雰囲気を壊さない様に配慮した事が伺える一方、各駅での乗降時には車掌がステップ引出し・格納を行っていました。
行先表示幕も手回し式、おまけに40㎞/h程度になるとそれ以上はなかなか加速しないという車両性能上の問題もありますので、ダイヤに余裕がある土休日の限定ダイヤ運転以外での運用は困難、車両稼働数が最大となる平日朝ラッシュ時には、予備車として稼働させるのも厳しい印象を受けたものでした。
福井県の補助を受けて導入した車両ながらも、経営環境的にも決して芳しいとは言い難い中で専ら観光向けとしてしか使えず、機構的にも外来車両故に特殊な古参車両を維持する事は容易ではないのでは…と感じたものでした。
しかしながらRETRAMは日本国内では極めて希少な存在の車両だけに、運行には様々な制約が生じますが、今後の活躍にも期待したいと感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もRETRAM運行日に福井へ足を運ぶ機会がありましたら、是非一度RETRAMに乗車してみては如何でしょうか?
先日「MAKIKYUのページ」では、えちぜん鉄道(えち鉄)が「フェニックス田原町ライン」運行開始に合わせて導入した新型低床車「ki-bo」を取り上げましたが、相互直通運転先となる福井鉄道(福鉄)でも既存の新型低床車「FUKURAM」を増備しており、「FUKURAM」は現在3編成が活躍しています。
第1編成は以前富山県内~関西方面を移動する途中に一度乗車し、「MAKIKYUのページ」で取り上げた事もあります(該当記事をご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい)が、以後登場した編成は編成毎に装いを変えており、第2編成は青・第3編成は黄緑色を基調とした装いになっています。
先月福鉄に乗車した際には、土休日発売のフリー乗車券を利用して幾つもの電車に乗車した事もあり、FUKURAMは3編成全てに乗車機会がありましたが、車内に関しては各編成共に大差ない雰囲気でした。
(一応マイナーチェンジされた部分も存在していますが…)
この点では「ki-bo」に比べると新鮮味は…という気もしましたが、3車体連接で各編成共にボックス席主体という座席配置は、福井~鯖江・武生間を乗り通す需要も見込み、競合路線を意識している面もあるのでは…と感じます。
(競合路線も少し前まで活躍していた車両は古参車ばかりでしたが、近年は普通列車でも関西の新快速と同レベルと感じる車両ばかりですので、利便性はともかく設備面ではかなり上等と感じています)
フェニックス田原町ライン運行開始に伴い、えち鉄~福鉄境界駅となる田原町駅も大改良、両線を結ぶ線路が敷設されただけでなく、有人駅に昇格(近年は無人駅でした)するなど、随分変わったな…と感じたものでした。
また福鉄は近年低床車による運行が主体となり、併用軌道区間以外の各駅もホームを低床化、ラッシュ時を中心に活躍する高床車でも福鉄名物ともいえる可動式ステップを稼働させて対応しています。
しかしながらえち鉄の既存列車は低床ホーム対応ではない事もあり、鷲塚針原までのえち鉄(三国芦原線)各駅では、既存ホームとは別に低床ホームを設ける事で対応しているのも大きな特徴です。
この区間では既存ホームの先(もしくは手前)に低床ホームを設けている駅だけでなく、既存ホームと逆側に低床ホームを設ける駅(新田塚)、低床車専用番線を設けている駅(鷲塚針原)などが混在しています。
それどころか中角駅に至っては低床車ホームを設けず、フェニックス田原町ラインは全列車通過扱いで対応するなど、新路線ではなく既存路線の改良故に苦心した形跡が至る所にあると感じたものでした。
また「フェニックス田原町ライン」の運行経路からは外れており、えちぜん鉄道が導入した「ki-bo」入線も基本的にはないものの、FUKURAMが運行される事もしばしばの福鉄福井駅前電停も、今年春のダイヤ改正に合わせて短距離ながら延伸されて様相が大きく変わっています。
近年北陸では富山と高岡の市内電車が相次いで僅かながら路線延伸、基幹駅の最寄電停を鉄道駅の入口近くに移設しており、福井もこれに続いたな…と感じたものです。
今までの仮設電停と言っても過言ではない状況だった福井駅前電停の惨状に比べると大きな進化ですが、JR駅舎内までは線路が伸びておらず、この点では富山や高岡などに比べると今一歩と言う印象も受けたものでした。
ただ駅舎内まで軌道を延伸する事で、福鉄延伸と共に新たに整備され、多数のバスが行き交うバスターミナルの出入口を横切る事も考えると、現状がベストなのかもしれませんが…
今年春は北海道新幹線開業をはじめ、首都圏各線のダイヤ改正なども大きな話題として注目を集めていますが、同時期に福井でも福井鉄道~えちぜん鉄道(三国芦原線)の接続駅となっている田原町駅を大改良して相互直通運転を開始しています。
この新系統は「フェニックス田原町ライン」という愛称で案内され、鷲塚針原~田原町~越前武生間を運行、福井鉄道(福鉄)線内は主に急行運転となっており、また一部はえち鉄で鷲塚針原まで運行せず福大前西福井発着(この列車は普通)となっています。
MAKIKYUが先月滋賀県内へ足を運んだ際には、福井県は滋賀県の隣県という事もあり、もう少し足を延ばして福井市周辺にも足を運んだものでしたが、その際には運行開始して間もない「フェニックス田原町ライン」にも乗車したものでした。
このフェニックス田原町ラインは相互直通運転と言う事もあり、車両はえちぜん鉄道(えち鉄)と福井鉄道(福鉄)双方の車両が用いられていますが、えち鉄では既存車両ではなく新型低床車を新造し「フェニックス田原町ライン」専属で充当しています。
新型低床車はえち鉄発足後初の純新造車、L形という形式も制定されていますが、「ki-bo(キーボ)」という愛称が付けられ、一般的には形式名よりも愛称名で呼ばれる事の方が圧倒的に多い状況かと思います。
車両の仕様自体は「フェニックス田原町ライン」の主力的存在で、近年福鉄が導入を進めている新型低床車F1000形「FUKURAM」と類似している部分も多いと感じ、ボックス席主体の座席配置なども「FUKURAM」と共通しています。
ただ前面形状や車体塗装、内装配色などは「FUKURAM」とは大きく異なる雰囲気となっており、編成が3車体連接の「FUKURAM」とは異なる短い2車体連接となっているのも大きな特徴です。
「フェニックス田原町ライン」の主力2車種の名称を繋げると「Ki-bo、FUKURAM」となり、現にえち鉄の車内中吊りでも「キーボが走る。希望、ふくらむ。」と宣伝している位です。
「黄色い坊や」という印象と「希望」という言葉、更に福鉄「FUKURAM」の存在を考慮し、2社合わせて希望を膨らませる事を謳うために「ki-bo」という愛称にしたのであれば、えち鉄もよく考えたなと感心します。
また「フェニックス田原町ライン」は途中、えち鉄と福鉄の境界駅になっている田原町駅で乗務員交代を行っており、車両の所属に関わらず各社線内を乗務する形態になっています。
有人駅以外では車内で運賃収受を行う整理券方式(運賃後払い)のワンマン運転を実施、最近流行のLCDモニターによる運賃表示器はえち鉄既存車とは異なり、「FUKURAM」と同様のものを用いています。
「ki-bo」乗車時に発券された整理券も、福鉄線内での乗車でも乗車駅名と共に「えちぜん鉄道」という車両所属会社名がしっかりと印刷されており、これは少々紛らわしいと感じたものでした。
「フェニックス田原町ライン」は運行時間帯も限られ、昼間は毎時1本程度で様子見レベル、今後ダイヤ改正と共に相互直通運転拡充が期待される状況ながらも、「ki-bo」は「FUKURAM」に比べて収容力が圧倒的に劣るのは大きな難点と感じたものです。
現状では特に混雑が見込まれる朝ラッシュ時間帯運行の福大前西福井駅発着列車への「ki-bo」充当を避け、朝ラッシュ時間帯を終えてからの特定ダイヤ充当などで対処している状況ですが、今後中間車増結で「FUKURAM」と同様の3両編成化などの動きが生じるのか否かも気になる所で、新系統「フェニックス田原町ライン」の利用定着にも期待したいと感じたものでした。
先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島市交通局のレトロ電車「かごでん」を取り上げましたが、昨年は「かごでん」以外にも路面電車で初乗車となった車両が幾つかありました。
既に富山地方鉄道の旧型車両改装車「レトロ電車」などは取り上げていますが、昨年秋に北陸へ足を運んだ際には、富山県内だけでなく福井の福井鉄道でも軌道線電車に乗車しています。
福井は富山とは異なり、市内電車ではなく郊外電車が福井市内の中心部だけ併用軌道となる運行形態で、路面電車と郊外電車を足して2で割った路線と言っても過言ではありません。
以前は高床車が主力を占めていましたが、近年では路面電車型の車両が主流を占めており、以前とは様相が大きく変化しています。
(それでも旧型の高床車両が今でも残存・活躍しています)
路面電車型の車両は、大半が名鉄の岐阜市内線などが廃止→余剰となった車両を転用したもので、その中には2車体連接車に混じり、部分低床車の単車も含まれていますが、今日各地で導入が進む全低床車両は…という状況でした。
しかしながら福井鉄道でも2013年、遂に全低床車両が登場し、MAKIKYUは昨年秋の福井訪問時(富山県内→関西方面への移動途中なのですが…)に遭遇、この車両が「FUKURAM」という名称を持つF1000形電車です。
近年は他事業者からの移籍車両ばかりだった福井鉄道でしたが、現在は現役最古参、車齢50年を超える200形以来の自社発注車となっているのも特筆点です。
装いも既存車両とは大きく異なり、オレンジを基調とした装いですので、非常に目立つ存在で、日本国内で活躍するボンバルディアの技術をライセンス導入した車両では、初の3車体連接車である事も、FUKURAMの大きな特徴です。
車体幅がやや広い事や、カスタマイズした前面形状も影響してか、「FUKURAM」と言う名前の如く、他都市で活躍する全低床車に比べると、やや「膨らむ」車両という雰囲気も感じたものでした。
客室設備面でも、市内電車と言うよりは郊外電車的要素が強く、福井市内~鯖江市・武生(現在は越前市)まで乗り通す乗客もそれなりに居り、30分以上の乗車時間となる事もしばしばと言う事から、クロスシート主体の座席配置となっているのが特徴です。
車体幅がやや広い事もあってか、路面電車型の車両にしては空間にゆとりがある車両と感じたもので、JR線との競合なども影響しているのかもしれません。
最新鋭車両だけあり、バス用ながらも新型LCDモニターによる運賃表示器も装備され、中にはFUKURAMと既存車両(名鉄移籍車)のイラストが表示される姿も見受けられたものでした。
今日では名鉄移籍車と並ぶ事も多く、それどころか製造年次に50年以上もの差がある古参200形と並ぶ事もしばしばと言う状況ですが、200形は車齢を考慮するとそう長い活躍は期待できない気もします。
FUKURAMはまだ1編成のみ、福井鉄道に乗車しても必ず捕まる状況ではなく、余所者にとってはまだまだ乗り難い車両の一つですが、今後も200形代替などで更に導入される公算も高く、その一方で写真の如く古参200形と並んで活躍する姿は、何時まで見られるのだろうか…とも感じたものでした。
また福井鉄道では近年、FUKURAM以外に土佐電鉄の外国電車1編成を購入し、不定期運行している事は、ご存知の方も居られるかと思います。
こちらは運行時期も限定され稼動しない時もあるなど、FUKURAMと比べても、非常に乗り難い車両となっている様で、MAKIKYUもまだ乗車した事はありませんが、これも機会があれば…と感じたものでした。
先日「MAKIKYUのページ」では、富山地方鉄道(地鉄)の観光列車「アルプスエキスプレス」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが9月に地鉄電車に乗車した際にはこの車両以外にも幾つかの車両に乗車する機会がありました。
その際には昨年運行開始したばかりの17480形電車にも当たり、同系には初乗車となりましたが、この車両は元東急8590系電車で、東急時代には東横線や大井町線などで幾度も乗車した事がある車両ですので、初乗車ながらも乗り慣れた車両と感じたものでした。
形式番号こそ地鉄流の5桁番号に改められ、地鉄での輸送実態に合わせた短編成化(両先頭車のみの2両編成)、ワンマン運転対応装備の取り付けといった差異がありますが、外観は装いも東急時代末期(大井町線仕様)の装いが堅持され、車内も殆ど手を加えていない状況です。
行先表示も当然東急時代とは異なるものの、近年流行のLED式には改められず、東急時代の雰囲気に近い字幕を新調していますので、目新しさを感じるとは到底言い難いものです。
しかしながら地鉄鉄道線では初のステンレス車体、両開き4扉車である事に加え、電気指令式ブレーキを装備したワンハンドルマスコン車であるなど、地鉄電車では初づくしとなっていますので、日頃富山在住で地鉄電車をよく利用される方から見れば、非常に目新しい車両に映るかもしれません。
観光向けには余り適していないものの、4扉オールロングシートの車内は、短距離区間での普通列車などには適した車両とも言え、比較的運転距離の短い不二越・上滝線(電鉄富山~南富山経由~岩峅寺)や、本線の上市折り返し列車などに優先的に運用されている様で、MAKIKYUが17480形に乗車したのも不二越線の列車でした。
とはいえさすがに特急運用こそ避けているものの、固定された特定運用に限定充当している訳ではなく、場合によっては宇奈月や立山に足を伸ばす列車にも運用されますので、決して割安とは言い難い地鉄電車の普通運賃を支払い、観光気分で乗車という時に当たってしまうと行楽気分が台無しかもしれません。
両開き4扉のロングシート車だけに、その気になれば有人駅での全ドア開閉で乗降時間短縮も図れるかと思いますが、車内運賃収受式のワンマン運転が大半を占める事もあってか、現段階では中央2扉を締切としています。
せっかくの4扉も活用されず、車両自体の雰囲気は東急時代とは大差ないながらも、乗客数の多い混雑路線ばかりを走っていた東急時代との大きな違いと感じたものでしたが、中央2扉を締切のままで運用するのであれば、この部分にボックス席などを配置しても…と感じたものでした。
また9月には乗車機会こそなかったものの、車庫所在駅の稲荷町では、近年になって京阪電鉄で最後の1編成が廃車となり、その編成内に組み込まていた2階建て車両を購入、既存の京阪3000系編成内に組み込むと共に、京阪時代の装いで活躍する「ダブルデッカーエキスプレス」の姿も見る事が出来ました。
京阪(旧)3000系(現行3000系導入後は8000番台に形式変更)も、末期は1編成のみの活躍で、日頃京阪電車に乗車する機会も限られるMAKIKYUは、たまたま京阪電車を利用した際に、2回程乗り合わせただけですが、地鉄と共に京阪3000系が譲渡された大井川鉄道では京阪時代の装いのままで活躍していたものの、こちらは近年退役してしまいましたので、これも注目の存在で、機会があればこの車両にも乗車できれば…と感じたものでした。
先日「MAKIKYUのページ」では、元西武鉄道の特急車両(レッドアロー)の車体に、旧国鉄→JRの廃車発生品の下回りを組み合わせた富山地方鉄道16010形「アルプスエキスプレス」(写真)に関して取り上げましたが、今日はその続編でこの列車の中間車両に関して取り上げたいと思います。
16010形は元々西武時代6両編成だった先代特急車5000系「レッドアロー」を3両に編成短縮して導入したものの、近年ではワンマン運転実施や輸送力適正化なども影響してか、専ら両先頭車だけの2両編成での運行になっており、編成から外された中間車は保留車として稲荷町の車両基地内に留置されている状況でした。
同形1編成を「アルプスエキスプレス」に改装する際には、両先頭車だけでの運行も可能なものの、この中間車を特別車両として改装し、「アルプスエキスプレス」の目玉車両に仕立てているのが大きな特徴となっており、一時期は持て余していた感があった中間車の1両が、目玉の花形車両として再登板したのは喜ばしいものです。
この中間車も両先頭車と同様に、外観に関しては某デザイナーが改装に関与した車両ならではの英文字やロゴなどが追加されているものの、見た目は改装前と大差なく、西武時代の活躍ぶりも連想できる姿となっているのが特徴です。
車内に足を踏み入れると、特別車両として改装されただけに、先日取り上げた両先頭車を遥かに凌ぐ某デザイナーが関与した車両ならではの雰囲気に仕上がっています。
木をふんだんに用いた内装や座席、様々な柄が存在する座席モケットをはじめ、のれんやすだれなどが見受けられる辺りは、他のデザイナーが関与した改装列車ではまず考えられない某デザイナーが関与した改装車両ならではで、JR九州などで活躍する観光列車に通じる雰囲気を感じたものです。
物販コーナーの存在なども観光列車ならではで、本棚の存在も近年の某デザイナーが改装に関与した観光列車ならではと感じますが、この本棚には鉄道関係の雑誌や書籍などが多数収蔵されており、中には某デザイナー自身が著者となり、車両デザインに関して取り上げた本も見受けられたものでした。
ちなみに「アルプスエキスプレス」特別車両は、特急運行時は特急料金に加えて200円の特別車両料金を要しますので、ただでさえ割高感のある富山地鉄の普通運賃と合わせると結構な金額となり、企画乗車券などを上手く活用しないと…という状況です。
しかし運用上の関係で、普通列車として運行する列車も存在し、この場合は特急料金だけでなく特別車両料金も不要で、普通列車運行時は「開放扱い」と言っても過言ではない状況になっています。
(「開放扱い」とは通常優等列車として運用する車両を、間合い運用や末端の一部区間などで特別料金を必要としない普通・快速列車として運行する事です)
MAKIKYUが「アルプスエキスプレス」に乗車したのは、特別料金を要しない普通列車での運用時で、特急通過の某駅から電鉄富山まで乗車したのですが、大規模に改装された特別車両を堪能しながらの約1時間はあっという間と感じたものでした。
この様な車両は長く乗っていたいと感じる向きですので、様々な面で普通運用時の方が乗り得と感じ、少々割高感のある地鉄電車運賃も、この車両なら…とも感じたものでした。
また中間車として連結される特別車両は、モーターの付いていない車両で運転台もない事から、JRなどであれば車両称号は「サハ」となる車両ですが、この車両の形式番号は何故か「クハ112」となっています。
車内の形式番号掲出部分には某デザイナーのデザイン事務所名や、2011年に改装された旨を示すステッカーなども見受けられましたが、随分派手に改装されて車内は原型を殆ど留めていないにも関わらず、「西武所沢車両工場 昭和49年」のプレートもしっかりと残存している辺りも注目と感じたものでした。
富山地方鉄道の鉄道線では、某デザイナーが関与した「アルプスエキスプレス」以外にも、比較的最近になって登場した注目車両が存在しており、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
先月「MAKIKYUのページ」では、富山地方鉄道(地鉄)市内電車で活躍する、某有名デザイナーが改装に関与した「レトロ電車」に関して取り上げましたが、地鉄では市内電車だけでなく鉄道線でも、レトロ電車より一足早い2011年に、某有名デザイナーが改装に関与した電車が運行開始しています。
この電車が今日取り上げる「アルプスエキスプレス」で、種車は元西武鉄道の特急車両(レッドアロー)の車体に、旧国鉄→JRの廃車発生品の下回りを組み合わせた16010形の1編成を充当しています。
某有名デザイナーが既存車両の改装を手がけた事例では、車両の前面形状には殆ど手を加えない反面、塗装に関しては種車とは大きく異なる装いにイメージチェンジする事が多いのですが、「アルプスエキスプレス」は某有名デザイナーならではの特徴とも言えるロゴや英文字標記などが追加された程度で、外観に関しては改装前種車の雰囲気を強く残しているのが大きな特徴です。
しかしながら車内は大きく改装され、フローリングに改められた床をはじめ、至る所に木がふんだんに用いられ、様々な柄の座席モケットが混在する座席をはじめ、ワンマン運転時に用いられる運賃箱まで鮮やかな装いに改められています。
西武時代にトイレだった区画を撤去し、立席スペースに改められた車端区画(右側写真は比較対照用:アルプスエキスプレスに改装されていない編成の車端区画です)も、フリースペースとして小柄な木製ベンチを設置しているなど、至る所に手が入り、改装前とは大きく異なる雰囲気に改められているのは、某有名デザイナーが改装に関与した車両ならではと感じます。
また16010形は3両編成で導入されたものの、導入以後地鉄では列車のワンマン運転化拡充→大半の列車が2両運転化された事もあり、同形は中間車を外した2両で運行される事も多くなり、一時期は2編成活躍する16010形の両編成が常時2両で運行→中間車は運用から外れて保留車扱いとなっていた事もある程です。
アルプスエキスプレス改装後は、基本編成は中間車を組み込んだ3両となっていますが、中間車を外した2両での運行も可能となっており、平日の運用では2両での運行も多くなっています。
3両での特急運行時には、中間車は特別車両追加料金の特別車、両先頭車は乗車券と特急券のみで乗車できる一般車両として運行しています。
両先頭車は元々が有料特急車だった事もあり、種車の回転式クロスシートは大半が活用され、乗り心地は改装前と大差ない状況ですが、グループ客向けのボックス区画に改められた車端部分の一部座席は、種車とは大きく異なるものに取り替えられており、改装前とは雰囲気が大きく異なっています。
(右側は比較対照用:アルプスエキスプレスに改装されていない編成の客室内です)
結構な古参車という事もあってか、足元の狭さなどは近年の車両に比べると…という状況になっていますが、古参車故に窓脇の簡易テーブルには、最近の車両では見かけない栓抜きなども残っており、大改装を施しながらも、敢えて年代モノの車両ならではの雰囲気を残しているのも大きな特徴です。
大改装を施しながらも、古参特急車ならではの雰囲気が残存する車内は、座席下の足元が狭いなど、JRや私鉄有料特急の最新型などと比べると、見劣りが否めない部分もあると感じたものです。
しかしながら普通列車でも運用する車両にしては格段のグレードを誇っており、運賃は割高ながらも特急料金が比較的割安に設定されている地鉄の運賃体系も考慮すると、特急運用でも充分過ぎる設備と感じたもので、古参特急車の雰囲気を敢えて残していると捉えれば、観光向け列車としてこれもアリと感じたものです。
また3両運用時のみ連結される中間車は、両先頭車とは大きく異なる雰囲気に改められており、「アルプスエキスプレス」最大の目玉的存在とも言えるのですが、この車両に関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
先日「MAKIKYUのページ」では、万葉線で活躍する「ドラえもんトラム」に関して取り上げましたが、富山県内の路面電車は近年話題になる車両が多数登場しており、「鉄軌道王国とやま」と名乗るだけあると感じます。
話題になる注目車両は、どちらかと言うと新鋭車両の方が多いのですが、既存車両の改装車でも注目を浴びる車両があり、その一つが富山地方鉄道(地鉄)の「レトロ電車」です。
地鉄市内電車は2013年に開業100周年を迎え、この事を記念して主力の旧型車両・デ7000形の1両(7022号車)を改装したもので、この改装ではJR九州や両備グループなどの車両デザインを手がけている某有名デザイナーが関与しています。
この某デザイナーは英文字やロゴなどを多用し、他ではまずありえない独特なデザインの車両を続々と登場させており、交通機関では余り考えられないものを次々と取り入れるなど、非常に個性が強いモノが多くなっています。
「レトロ電車」でも、この某デザイナーが関与した車両以外ではまず考えられないと言っても過言ではない特徴が多数見受けられ、好みが大きく分かれる所かと思いますが、個人的には1両程度なら同形式の他車両とは雰囲気が異なる独特な車両が走るのも…と感じます。
車内に足を踏み入れると、某デザイナーが近年手がけた車両のデザイン傾向が強く感じられ、木をふんだんに用いた内装はこのデザイナー絡み以外では…と感じる仕上がりと言っても過言ではないと思います。
1席毎に区分された座席モケットは、1席毎にモケットの柄が異なり、その違いを見比べるだけでも…と感じる状況ですが、イベント用に設置された木製テーブルは、混雑時などには厄介かと思いますので、ダイヤ限定での運行は妥当な運用と感じます。
座席の背もたれにはクッションがなく、木が剥き出しとなっている辺りは好みが割れる所で、JR九州で最近続々と登場しており、一部では「板切れ」などとも呼ばれている一般車両の座席を連想させられます。
しかしながら硬いながらも合板の薄さ故に背もたれが安定しない「板切れ」とは異なり、背もたれの安定感はありますので、長時間乗車を考慮するなら少々厳しいかもしれませんが、専ら短時間乗車となる路面電車の座席としては、個人的には問題なしなのでは…と感じたものです。
(個人的には「板切れ」は少々問題ありですが、首都圏の標準軌某大手私鉄が近年続々と導入している「ブカブカした感触の座席」など
に比べれば…と感じています)
また普通なら余り気にしない天井の照明カバーにも、レトロ電車のロゴなどと共に「TOYAMA REGIONAL RAILWAY」という社名の英文字標記が記されており、この様な所までデザインする辺りは、某デザイナーならではの拘りを感じたものでした。
地鉄では路面電車だけでなく、鉄道線でも某デザイナーが関与した観光列車を走らせており、9月にはこちらも乗車機会がありましたので、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
先日「MAKIKYUのページ」では、JR氷見・城端線を走る「ハットリくん列車」に関して取り上げましたが、高岡周辺ではJRだけでなく万葉線でもキャラクター列車が走っており、9月上旬にはこちらも乗車機会がありました。
万葉線は一時廃線も検討された加越能鉄道の軌道部門を引き継いで再出発した第3セクター鉄道で、JR富山港線を移管・再生して大注目を浴びた富山ライトレールなとと共に、「鉄軌道王国とやま」を象徴する存在の一つと言っても過言ではありません。
設備面などはまだ改善余地もあると感じますが、万葉線発足後には「アイトラム」という名称を持つMLRV1000形新型低床車も多数導入され、現在では主力車両になっています。
このアイトラムの一編成が2012年秋に改装されており、この改装車両が「ドラえもんトラム」です。
アイトラムは真っ赤な装いの標準塗装でもかなり際立つ存在ですが、これとは異なる水色に改められた「ドラえもんトラム」は更に際立つ存在で、当然ながら外観だけでなく車内も特別仕様となっています。
既存車両の内装には大きく手を加えず、キャラクターのステッカーなどを多数貼り付けたJR氷見・城端線の「ハットリくん列車」とは異なり、天井や側面化粧板をはじめ、運賃箱までが鮮やかな水色に改められています。
そのため車内に足を踏み入れた時のインパクトは相当なモノですが、座席モケットはそのままで、少し浮いている様にも感じたものでした。
キャラクター列車らしく車内随所にキャラクターの姿が…というのは当り前過ぎる話ですが、「ハットリくん列車」はハットリくん以外のキャラクターも多数描かれているのに対し、「ドラえもんトラム」はあくまでもドラえもんに登場するキャラのみの登場となっているのも大きな特徴です。
ガラスにもキャラクターが描かれていたり、運転席脇には人形も置かれているなど、かなり凝ったキャラクター列車と言えるのですが、個人的には中華人民共和国の鉄道小児運賃適用ラインを示す標記を連想させる、車両連接部の「ドラえもんの高さ 129.3センチ」という標記が傑作と感じたものです。
(中華人民共和国の小児運賃適用ラインに比べると、ドラえもんの背の高さの方がやや小柄なのですが…)
また万葉線は今年に入ってから、今まで高岡駅前の1面1線だけだった簡素な電停が廃止され、若干延伸されてJR駅ビル内に2面2線の新たな電停が開業、MAKIKYUは9月に「ドラえもんトラム」に乗車した際、初めてこの新電停を利用したものでした。
この新電停入口付近には「ドラえもんポスト」も設置されており、高岡がキャラクターで街を盛り上げていこうという雰囲気を強く感じたもので、「ドラえもんトラム」も記念撮影に興じる乗客の姿を幾人も見かけるなど、相当な人気ぶりと感じたものでした。
富山県内ではこの「ドラえもんトラム」以外にも、富山市内で比較的最近になって運行開始した路面電車に乗車する機会があり、話題が絶えないと感じるのは「鉄軌道王国とやま」として大々的にPRしているだけあると感じますが、富山市内で比較的最近走り始め、9月時初乗車した路面電車に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
9月上旬MAKIKYUが青春18きっぷを利用し、北陸~関西方面へ足を運んだ際には、富山県内でJR氷見線を利用する機会がありました。
非電化単線の典型的なローカル線の一つである氷見線は、基本的に国鉄時代から活躍しているキハ40系列の気動車が運用され、大半の列車はワンマン運転を実施、利用時間帯がデータイムという事もあり、MAKIKYUが乗車した列車もキハ40形1両のワンマン列車でした。
JR西日本では近年車両の単色化が進み、気動車は各地域毎の独自塗装から、国鉄時代を連想させるタラコ色一色への塗装変更が進行しており、趣味的な面白さと言う点では頂けない状況になりつつあります。
しかしながら一部線区では、沿線にちなんだ特別な装いの車両を走らせており、MAKIKYUは以前鳥取県の境線を利用した際、ゲゲゲの鬼太郎(作者が境港市出身)に登場するキャラクターのラッピングを施した車両に乗車した事があります。
(以前当該車両に関して取り上げた記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)←現在はラッピングデザインが変更され、記事で取り上げた姿を見る事は出来ません
また氷見は忍者ハットリくんなどの作者出身地という事もあり、高岡を起点に氷見へ向かう氷見線でも、境線と似た様な列車が走っており、同じく高岡を起点として、氷見線と車両基地や充当車両を共用している城端線でも、この列車が運行されています。
このキャラクター列車が「忍者ハットリくん列車」で、MAKIKYUがたまたま乗車する列車にこの車両が充当されたものでした。
外観に忍者ハットリくんなどのキャラクターがデザインされているだけでなく、車内も座席カバーや天井など至る所にキャラクターがデザインされています。
車両も境線でキャラクター列車に乗車した時と同じキハ40系更新車ですので、以前境線に乗車した時を思い出させる一面があり、忍者ハットリくん以外にも、この作者やコンビを組んでいた作者(こちらも高岡出身)の絡むキャラクターが車両内外に多数描かれているのも特徴です。
ちなみに乗車車両の番号は「キハ40 2090」ですが、1番違いの「2089」は暖地形キハ40系の北限を走っており、MAKIKYUはこちらも
何度か乗車した事があります。
元々同仕様として製造された車両も、国鉄分割民営化で別会社に所属する事になり、その後20年以上もの月日が流れて幾種もの改造を
施されているため、同形式ながらも両者の現在の姿は大きく異なるものになっています。
描かれているキャラクターも、その一部は絶大な人気を誇りながらも、第1弾が僅か1ヶ月程度で諸事情によって運行中止になってしまった小田急のラッピング電車とも重なりますので、路線や使用車両に関しては対極ながらも、一時小田急線で運行していたキャラクター電車を思い出す一面もあると感じたものでした。
(以前小田急線で運行していたキャラクター電車に関する記事をご覧になりたい方は、以下の記事名をクリックすると該当記事へリンクします)
小田急3000形「F-Train」(外観編)
小田急3000形「F-Train」(車内編)
ワンマン車内放送でも、通常の音声合成に続いて忍者ハットリくんの声で沿線案内や次駅放送(次は 越中中川でござる、など)が流れていたのも特徴的でしたが、この放送は一部列車でしか流れない様ですので、キャラクター列車に乗車できただけでなく、キャラクター放送も聴けたというのは希少な機会と感じたものでした。
またMAKIKYUが北陸本線の普通列車で高岡に到着した際には、乗車する氷見線列車はまだ入線しておらず、別ホームに氷見線より先発の城端線普通列車が停車していましたが、こちらもデザイン違いながら「忍者ハットリくん列車」で、1両だけでなくデザイン違いで複数両が稼動しています。
この他にも氷見・城端線では「忍者ハットリくん列車」以外にも、沿線自治体をPRするラッピング車両が活躍しており、それ以外の車両も塗装変更中で新旧両色が入り乱れるなど、稼動車両数は決して多いとは言い難く、車種も少ない割には彩り豊かな状況です。
そのためレールファンでなくても、氷見・城端線は車両面で意外と楽しめる路線の一つかと思いますが、他地区も含めJR西日本の一般型気動車は、タラコ色への塗装変更から時期を経過した車両で色褪せが著しい車両が多いと感じ、同一塗装の退色有無によるカラーバリエーションの多様化だけは…と感じたものでした。
先日「MAKIKYUのページ」では、富山地鉄市内電車の新規開業路線・環状線と、同線で活躍する新型車両(9000形CENTRAM)に関して取り上げましたが、地鉄市内電車では環状線用の新型車両(CENTRAM)だけでなく、既存の市内軌道線用にも環状線開業後に新型低床電車が登場しています。
この新型低床電車が「サントラム」と呼ばれる車両で、昨年運行開始したこの車両は、T100形と言う形式を名乗っています。
富山市は市内電車の規模が国内でもさほど大きいとはいえず、またCENTRAMとさほど変わらない時期に登場していながらも、CENTRAMやほぼ同種の車両を使用している富山ライトレールとは全くの別物と言える車両となっているのが特徴です。
サントラムはアルナ車両製の低床3車体連接車で、以前MAKIKYUが一度乗車した事があり、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事がある豊橋鉄道のT1000形「ほっトラム」に酷似した車両ですが、製造メーカーやスペックが全く異なる全低床電車が、同じ線路で肩を並べて走る都市は、日本中を探しても他には市内電車最大規模を誇る中国地方の1都市位しか思い当たりません。
ほぼ同時期に登場しながらも、雰囲気が大きく異なる2種類の新型低床車が並ぶ姿は、路面電車・LRTにおける積極策を次々と実行している富山ならではです。
車内に足を踏み入れると、中間車両の座席はロングシート配置になっており、中乗り・前降りで必然的に車内を移動する必要性に迫られる日本の使用状況に考慮した構造は、純粋な国産電車ならではで、車内の雰囲気も豊橋の「ほっトラム」や、やはりアルナ車両が製造した最近の低床連接車の長崎電気軌道5000形などを連想させるものです。
案内設備も車外の行先表示は一般的なオレンジ色のLEDを装備しており、フルカラーLEDのCENTRAMに比べると、後発の割には…という印象を受け、車内のLCDモニターによる案内表示も、汎用のバス用を流用した様式になっているなど、CENTRAMに比べるとやや見劣りする印象がありますが、今後もしサントラムが増備される事になれば、行先表示はCENTRAMに影響されてフルカラーLED装備に改められるのかも気になる所です。
また今後富山ライトレールの電車も市内中心部に乗り入れる事になれば、この車両とも顔を合わせる事になり、更に見応えのある光景が展開される事になりますが、市内電車の既存路線では今も吊掛駆動車が主流を占めており、こちらは結構な経年車ですので、現在はまだ1編成しか存在しないサントラムも老朽車取替を兼ねて、今後数を増やしていくのか気になる所です。
10月にMAKIKYUが富山へ足を運んだ際には、2年程前に開業した富山地鉄市内電車の富山都心線(環状線)にも乗車機会があり、先日同線で活躍する9000形電車に関して取り上げましたが、今日はその続編として環状線新規開業区間の様子を取り上げたいと思います。
環状線の新規開業区間は丸の内~西町(Nishicho)間0.9kmと非常に短距離で、この間には国際会議場前・大手モール前・グランドプラザ前の3停留所が設けられています。
環状線電車の運転系統は、市内電車の既存区間とあわせ、富山駅前→丸の内→(環状線新規開業区間)→西町→富山駅前の反時計回りのみとなっており、環状線新規開業区間が単線である上に、行き違い設備なども設けられていない事から、当面片方向のみの運転が続きそうです。
環状線新規開業区間の各電停は、CENTRAMの車両と同じく、富山ライトレールと同じデザイン事務所が絡んでいる事もあってか、電停の案内標示類などはやはりこのデザイン事務所が絡むJR某社を連想させる雰囲気を感じたものです。
ちなみに新規開業区間の各電停間は、駅間距離が200m程度と非常に短く、おまけにどの電停も地鉄の路線バスが頻繁に発着する総曲輪(Sogawa)バス停から徒歩で数分と言う距離にあります。
(運賃は市内電車・バス共に富山駅から200円と同額に設定され、どちらも地鉄の運営で回数券や一日乗車券の共通使用も出来ますので、競合と言うよりは共存関係にあります)
環状線電車は10分毎程度の運行頻度で、中心部の短い距離を循環運転だけの運行形態である事や、総曲輪通り商店街も地方都市の典型と言える中心市街地空洞化の雰囲気が漂い、人出も少なく閑散とした雰囲気が漂っている様に感じた事などから、現段階で環状線新規開業区間は過剰設備の様にも感じたものでした。
ただ今後予定されている環状線~富山ライトレール直通運転による市内中心部~北部の移動利便性向上や、中心市街地活性化施策の如何によっては、大きな意義を持つ路線に発展する可能性も秘めており、今後の展開に注目すると共に、他都市でも富山に追随する動きが続くのか気になる所です。
10月にMAKIKYUが富山へ足を運んだ際には、2年程前に開業した富山地鉄市内電車の富山都心線(環状線)にも乗車機会があり、今まで未乗となっていた同線にもようやく乗車できたものでした。
この環状線は短い距離ながらも、国内では久々の路面電車新線として注目され、JR富山駅高架化工事終了後には富山ライトレールとの接続予定もあるなど、今後の展開にも注目の路線ですが、この路線で活躍する電車は9000形と呼ばれ、現在3編成が活躍しています。
この車両は「CENTRAM」という愛称も付けられ、編成毎に異なる単色を纏った姿も特徴的ですが、車両自体は今後富山ライトレールとの直通運転を行う事も考慮してか、装いを除くと富山ライトレールで活躍する車両(TLR0600形)とほぼ同等で、近隣の高岡市~射水市を走る万葉線の新型車両(MLRV1000形・アイトラム)などともほぼ同種の車両の、アドトランツ→ボンバルディア標準仕様低床車となっています。
環状線では通常、昼間時間帯に2編成の車両が運用され、MAKIKYUが環状線に乗車した日には、白色と黒色の2編成が稼動しており、一日乗車券(地鉄バスや鉄道線の一部区間も通用範囲に含み600円、更に富山ライトレール込みでも800円ですので、通用範囲や普通運賃の設定金額を考えるとかなり割安です)で富山市内を動き回っていましたので、稼動していた2編成双方に乗車機会がありました。
その内白色の方は、LRTサミットが迫っていた時期だった事もあって、この告知が掲出された期間限定仕様となっており、今度環状線を利用する機会があれば、今回遭遇しなかったメタリック色の編成と共に、真っ白な姿も見てみたいと感じたものでした。
黒色の方は活躍する3編成の中で、個人的には最もインパクトのある装いでは…と感じていますが、この様な色彩の車両は写真が撮り難い事が多く、SLや九州の一般型気動車改造ワンマン特急車などは、色飛びに泣かされるものですが、CENTRAMの黒色編成は光沢の強い塗装ではない事もあってか、意外と撮影しやすいと感じたものでした。
また最近鉄道車両ではフルカラーLEDに普及が進み、路線バスでも韓国に足を運んだ際には、フルカラーLEDを用いた車両を多数見かける反面、日本国内の道路上を走る公共交通機関では、3色LEDばかりという中、珍しくフルカラーLEDを採用しているのが特徴です。
日本の路面電車でフルカラーLEDは初採用の様ですが、今後他路線での普及にも期待したいもので、車外のLED表示だけでなく、車内の次停留所案内もLCDモニターが採用され、これに加えて文字案内によるニュースも流されるなど、案内サービスの面では最新鋭の路面電車ならでは…といった雰囲気を受けたものでした。
車内に足を踏み入れると、元々がアドトランツ→ボンバルディア標準仕様車だけあって、車内の構造も富山ライトレールの車両とは大差なく、運転席などを見ると、純粋な日本の国産電車とは異なる雰囲気が感じられます。
(この車両もノックダウン製造で、一応日本国内のメーカー製ですが…)
おまけにJR某社などでよく見られる特徴的な形状の黒いつり革が多数見受けられる点まで、富山ライトレールと共通していますが、座席モケットの色彩などに違いが見受けられ、CENTRAMの方が温かみを感じる装いと感じたものでした。
CENTRAMに関しては、近日中に新規開業の環状線区間の様子なども別記事で取り上げたいと思います。
先日「MAKIKYUのページ」では、黒部峡谷鉄道のトロッコ車両に関して取り上げましたが、今日はその続編としてMAKIKYUが先月乗車したリラックス客車に関して取り上げたいと思います。
黒部峡谷鉄道の旅客用客車は、先日取り上げた名物のトロッコ客車が普通運賃のみで乗車できる一般車両の扱いで、この車両は普通客車とも呼ばれていますが、それ以外の窓付き車両は運賃の他に追加料金が必要となっています。
この追加料金を要する車両は、ボックス席の特別客車(料金360円)と転換式クロスシートのリラックス客車(料金520円)、そして1両だけの存在で特別客車と連結して運用され、転換式クロスシートを装備するパノラマ客車(料金630円)の3種が存在しており、現在追加料金を要する窓付き客車は、リラックス客車が主流を占めています。
現在黒部峡谷鉄道で運行している旅客列車の大半は、特別客車(パノラマ客車1両を混成した編成も含む)かリラックス客車を6両と、普通客車を混成した編成で運行していますが、中には普通客車のみで運行する列車や、逆にリラックス客車のみで運行する列車も少数存在します。
このリラックス客車は、白と赤の装いのボハ2500・ボハフ2500形と呼ばれる車両(ボハフは車掌室設置車両で、ボハと混成して運行しています)が主流を占めています。
最近ではボハ3100・ボハフ3100形と呼ばれる新型のリラックス客車も登場し、こちらは装いが白に黄緑色とオレンジ帯に改められると共に、車両間に非常用貫通路が設けられ、客扉窓が最近の阪急電車の如く拡大されるなど、既存リラックス車両とは大きく異なりますので、一目で識別する事ができます。
MAKIKYUが欅平駅でリラックス車両券を購入した時には、この車両の充当を期待していたのですが、今後増備が見込まれるとはいえ、まだ1編成だけの少数派だけあって残念ながら既存車両の方でした。
そのため新型リラックス客車は、途中の鐘釣駅でMAKIKYUが乗車した列車とすれ違う列車に充当されている姿を目撃しただけですが、外から見た限りでは最新車両だけあって座席下の足元が広く確保されているなど、既存リラックス客車よりも上等な車両に見受けられたものでした。
ただMAKIKYUが乗車したリラックス客車は既存車両でも主流のボハ2500・ボハフ2500形ではなく、これまた1編成しか存在しない天窓付きの少数派車両ボハ2800・ボハフ2800形で、側面窓も他の既存リラックス客車より大きくなっている様です。
乗車券購入時に列車が指定される黒部峡谷鉄道では、この車両の姿を見て飛び乗るのも…という事を考えると、新型車両ではなかったものの、狙ってもなかなか乗れない車両に当たったのは幸運と感じたものでした。
ちなみにこのボハ2800形をはじめとするリラックス客車は、車体の大きさがマイクロバス並みに小柄な上に、客室内に通路を確保するために、座席は2+1列配置となっており、車両中央に設けられたドアを境に、2人がけと1人がけの座席配置が逆転する格好となっています。
転換式クロスシートの座席も「リラックス」と呼べる程の広さでは…とも感じたもので、決して新しい車両ではないだけに、座席下の足元も塞がっているなど、満席に近い混雑時には車両の狭さもあって、少々窮屈に感じそうです。
とはいえ客車には窓だけでなく暖房装置も備えていますので、雨天時に車内に雨が吹き込まないだけでなく、少々寒い日でもそこそこ快適に過ごせ、この事が雨天時に乗車したMAKIKYUが要追加料金のリラックス客車を選択した大きな要因ですが、土地柄も影響してか冷房装置の装備はありませんので、夏場の利用は要注意です。
またMAKIKYUが旅客列車で乗車したリラックス客車をはじめ、欅平下部駅~欅平駅間の黒部ルート公募見学会参加者移動で乗車した関西電力の事業用車両ボハ2550・ボハフ2550形(ボハ2500・ボハフ2500形とほぼ同形です)は、車内の化粧板や客ドアのガラス支持方法が、一世代前の東武線車両に類似したものとなっており、アルナ工機→アルナ車両が製造した車両(黒部峡谷鉄道の客車は殆どこのメーカーが製造している様で、上部軌道の客車もアルナ車両製でした)ならではと感じたものでした。