2月にMAKIKYUが韓国を訪問した際には、個人的には訪問機会の少ない江原道(Gangweon-do)方面へも足を運び、既に東海岸の江陵(Gangneung)周辺に関連した記事を取り上げていますが、その他に韓流ドラマ(MAKIKYUはこの手の話題には非常に疎いのですが…)の影響もあって、有名になって日本からの訪問者も増えている春川(Chuncheon)市や、その周辺も訪問しています。
春川市は比較的最近になってKORAIL京春(Gyongcheon)線の複線電鉄化が完成し、以前は毎時1本程度の客車列車が走るだけの非電化ローカル線だった同線が、見違える程の変貌を遂げており、随分前に乗車した時との違いは相当なものでした。
京春線の電鉄化完了後は、毎時3本の最新型電車でSeoul市内から3000W台でアクセスできるようになるなど、利便性も格段に向上しており、日本からの旅行者が足を運ぶ機会も更に増えると思いますが、MAKIKYUも春川を訪問する際にはこの電車を利用したもので、こちらに関しても近い内に取り上げたいと思っています。
MAKIKYUが春川を訪問した際には、京春線の変わりぶりも視察するため、終点の春川駅まで乗車した後、市内バスで市内中心部へ抜けようと考えていました。
春川駅前には観光案内所もあり、このクラスの都市でも日本語が通用するのはさすが韓国、日本の地方都市で韓国語の対応を期待するのは不可能な事を考えると、韓国で観光客の受け入れ態勢が進んでいる事は大いに評価すべき点です。
日本語が通用することもあり、市内地図を受け取ると共に情報も仕入れたのですが、その際には食事などは中心部だけでなく南春川(Namchuncheon)駅近くに結構多数の店があり、この近くにバスターミナルもあり至便と言う事で、中心部ではなくこちらへ向かう事にしたものでした。
南春川駅は春川駅から電車でSeoul寄りに一駅、来た道を電車で返しても良いのですが、せっかく春川へ足を運んだからには、春川の市内バスも乗車しておきたいと思い、こちらは中心部を経て南春川駅へ向かう路線も存在している事から、MAKIKYUはこの市内バスで南春川駅へ向かったものでした。
春川の市内バスは現在、Seoulの幹線バスを連想させる青一色となっており、2月の韓国訪問では他都市でも単色のバスを多数目撃している事から、単色化は韓国の市内バスにおける流行の様です。
車両も韓国の2大勢力となっている現代・大宇の双方が活躍しており、最初に春川駅前に姿を現したのは現代製(写真左)でしたが、南春川駅行でやってきたのは大宇製(写真右)の方でした。
南春川駅行の市内バスに乗車すると、20分程度で南春川駅に到着し、使用車両やその道中は、韓国の典型といった雰囲気でしたが、乗車したバスは南春川駅が終点でした。
終点南春川駅では折り返し時間があったのかそのまま停車し、車内の様子なども撮影できましたので、韓国にお住まいの方や、韓国に何度も足を運んで市内バスに乗車している方には全然珍しくないと思いますが、日本のバスとは少し様相が異なる韓流市内バスの様子も取り上げたいと思います。
行先表示は前面こそLEDが導入され、頻繁に切り替わることで様々な情報を表示(英文標記もあります)しているのは大いに評価できる事で、起点と終点の地名が羅列してあっても、どちらの方向へ向かうバスか分からない…という事が多い韓国市内バスの弱点を克服しています。
側面の行先・経由地案内は韓国の地方市内バスの典型といえるサボを用いており、その上部には黄色字で「天然ガスバス」と書かれていますが、この標記も韓国の市内バスでは当り前で、天然ガス車が市内バスで広く普及している韓国らしいものです。
車内に足を踏み入れるとまず目に付く運賃箱は、日本に比べると簡素なただの箱、その脇に釣銭機も併設していますが、ICカードリーダーは別付けとなっており、ここでは複数種のカードに対応するためか2種類のリーダーが設置されています。
ただSeoulから電車で一本、その電車もT-moneyなどのICカードが使えるにも関わらず、2月の段階では春川市内バスでの相互利用は実現しておらず、「交通カード150W割引」という案内が出ているにもかかわらず、MAKIKYUをはじめ多くのユーザーが居るT-moneyなどが利用できないのは残念な限り、MAKIKYUもこの時は現金で乗車したものでした。
(韓国では既にSeoulやその周辺の京畿道と、釜山における交通カード相互利用が実現しており、それ以外でも相互利用が拡大して既にT-moneyが江陵市内バスでも利用可能な程ですので、春川でも交通カードの早期相互利用化に期待したいものです)
客室を見渡すと前中扉で通路を広く確保した車内は、日本の都市型路線バスに近いものですが、やや広めの中扉は真ん中に手すりが設けてあり、座席もビニール張りとなっている辺りは、日本と趣が異なるものです。
そしてこのバスではLEDによる次停留所案内装置も装備しており、車内放送だけでなく、ハングル表示ながらも停留所名を視覚で認識できるのは、放送が聞きにくかったり聞き逃した際には有り難いものです。
特にマイク案内などは全くない韓国の市内バスともなれば尚更で、Seoulなど他都市でもLEDによる次停留所案内装置を設置しているバスが増えている事は喜ばしい限りで、写真は上段が「この 停留所」、下段が「春川中学校」をハングルで表示したものです。
また運転席も片言で技士(運転士の事を韓国ではこの様に呼びます)の方に断りを入れて撮影してきましたが、日本とは逆の左ハンドル車だけあって、サイドブレーキやシフトレバー、ドアスイッチの位置などに大きな特色が見られます。
乗車したバスは大宇製だけあって、メーター配置などを見ると日本で走っていてもおかしくなさそうな雰囲気ながらも、日本の既存車種とは何となく異なるものですが、これが現代AEROCITYともなると三菱ふそう製のバスに良く似たものも見られますので注目です。
あと江原道では春川市と江陵市以外でも、MAKIKYUが2月に訪問した際には日本の旅行者が余り乗車する機会はないと思われる路線バスにも幾つか乗車していますので、こちらも近い内に取り上げたいと思います。