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中国・武漢で活躍するトロリーバスと電気バス

2018-12-01 | バス[中華人民共和国]

日本では現在、立山黒部アルペンルートのみで運行している珍しい乗り物として知られるトロリーバス(無軌条電車)、今年の同ルートの営業は昨日限りで終了となっています。

そして同ルート内に2箇所存在するトロリーバスの中でも、扇沢~黒部ダム間を結ぶ老舗格の関電トロリーバスは、今年限りでトロリーバスの運行を終了、来春の営業再開時は運行中常時集電ポールを上げて架線からの集電を行うトロリーバスではなく、急速充電用のパンタグラフを装備し、停車中に急速充電を行う新型電気バスへの運行に変更となります。

これは車両代替に伴い、電気バスの集電方法が変わっただけと捉える向きも少なくないと思いますが、法的には鉄道(無軌条電車)運行を廃止し、バスによる運行に切り替える事にもなり、バスには興味がないものの鉄道には多大な関心が…と言う向きにとっては、鉄道路線廃線&バス代替と捉える向きもあるかもしれません。

また今年限りで運行終了となった関電トロリーバスは、最終日の様子などもニュースなどで大々的に報じられ、少し前に発売されたNゲージサイズ(1/150スケール)のバスコレクションならぬ「鉄道コレクション」も、量販店ではあっという間に姿を消す店舗が続出するなど、注目する人物も少なくない話題である事を実感させられたものですが、今後機会があればトロリーバスに代わって運行開始となる電気バスにも乗車できれば…と思っています。

ちなみに日本では関電トロリーバス運行終了に伴い、営業運転を行うトロリーバスは同じ立山黒部アルペンルートの1路線のみ、トロリーバスに代わって運行される充電式電気バスも希少な存在として注目される事になると思います。

しかしながらMAKIKYUが何度か足を運んだ事がある中華人民共和国(中国)では、どちらも市内交通機関として多数運行しており、日本に居住する中国人が関電トロリーバス運行終了のニュースを聞いても、「何でありふれたトロリーバスの1つが電気バス化されるだけでわざわざニュースに…」と思う人物も少なくないのでは…と感じる程で、MAKIKYUがトロリーバスや電気バスに乗車した回数も、日本国内より中国内の方が…と言う有様です。
(MAKIKYUは旅行で中国へ足を運んだだけで、業務や留学などでの中国居住滞在歴は皆無です)

中国ではトロリーバスと電気バスの双方が走る街だけでも相当数あり、その中の一つが今年訪問機会のあった湖北省の省都・武漢市ですが、同市内では近年地鉄整備が急速に進み、また市内公共汽車(路線バス)が多数運行されています。

これに加えて現代有軌電車(LRT)の新線建設も相次いでいる事もあり、市内交通で無軌電車(トロリーバス)が占める比率は余り高いとは言えず、観光などで武漢を訪問して市内交通を利用するとしても、無軌電車に乗車する機会は皆無と言う人物も少なくないと思います。


MAKIKYUも武漢で無軌電車には2回程乗車したした事がある程度、使用車両も集電ポールが装備され、動力機構が異なる他は、他の市内公共汽車と大差ない雰囲気と感じたものでした。


また中国で電気バスは近年かなり普及しており、京都市内を走るプリンセスラインが導入した事でも知られ、中国内各地で多数姿を見かけるBYDをはじめ、様々な種類の電気バスが活躍しています。


これらの電気バスは、急速充電用のパンタグラフすらない車両が大半を占めており、最近では「また電気バスが来た」と思う事もしばしば、市内を行き交うバスの姿を見ると、中国が電気バス大国である事を実感させられます。


電気バスだけでも車種も相当数存在、電気バスと言うだけで存在が際立つ日本とは大違いですが、電気バスがありふれた存在の彼の地でも、武漢では非常に奇抜なデザインで目を惹く車両も活躍しており、最初この車両の姿を見た際には、何処かの路線で是非一度試乗してみたいと思ったものでした。


そして武漢を離れるために乗車する寝台列車の出発駅(武昌站)へ向かうため、路線バスに乗車していた際に、途中でこの奇抜なデザインの電気バスが武昌站を通る路線に充当されている姿を目撃した事もあり、乗車していた路線バスを途中で降り、この電気バス試乗を目論んだものでした。

そうしたら目論見通り数分でこの奇抜なデザインの電気バスが現れ、2元(約35円)の追加出費は生じたものの、武昌站まで10分程度試乗できたものでしたが、観光巡回バスを思わせる大きな窓や、丸い灯具類をはじめレトロとモダンを融合させた雰囲気のデザインの外観などは強烈で、日本でもこの様なバスが走る事はないのだろうか…とも感じたものでした。

中国関連は取り上げたい事が山ほどあり、記事作成が全然追いついていないのが現状ですが、記事中でも触れた武漢市内の現代有軌電車(LRT)をはじめ、他都市の交通機関に関しても、機会があれば国内各地の話題と合わせて公開して行きたいと思っています。

またこの記事での取扱内容は中国武漢のバス関連ですが、武漢やそれ以外の中国各都市におけるトロリーバス・電気バスの話題をはじめ、立山黒部アルペンルートのトロリーバスや電気バス関連で思い出話や言及したい事項などがありましたら、こちらのコメントも歓迎致しますのでお寄せ下さい。



広東省・肇慶駅近隣のバスターミナルと路線バス

2018-08-25 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、昨夏MAKIKYUが乗車した中国鉄路の準高速動車・CRH6型車両に関して取り上げましたが、MAKIKYUが広州からこの車両に乗車して終点の肇慶まで乗車した後は、広州へ戻る列車の乗車時間まで1時間半程の空き時間がありました。
(
その気になればすぐに引き返す事もできましたが、食事時間などを考慮し1本後の列車を利用しました)

 
肇慶駅は真新しい城際鉄路と既存の非電化鉄路の駅舎が別になっており、駅周辺はまだ整備途上で立入禁止区域も多数存在、城際鉄路の駅舎を出て駅前の通りに出るだけでも一苦労と感じさせられる有様でした。


駅前の通りに出て数分歩くと汽車駅(バスターミナル)が存在、折返し列車の時間もあり肇慶のバスには乗車していないものの、バスターミナルからは市内公共汽車だけでなく、近郊都市へ向かう長途汽車(都市間バス)の姿も多数見受けられたものでした。

  
バスターミナル内を発着する市内公共汽車は小さめの車両ばかりでしたが、ターミナル前の大通りを走る系統では大きめの車両も散見、塗装はオレンジ色基調と緑色基調の2タイプが多く見られる状況でした。


長途汽車も広州へ向かう路線などでは大型車両が活躍、広州方面は城際鉄路が開業しても根強い需要がありそうな印象でした。

  
ただ近隣の街へ向かう路線は小さめの車両が主体、発着便に占めるマイクロバスの比率もかなり高い様に見受けられ、城際鉄路を使えば広州から割合容易に足を運べる街とは言えども、バスターミナルは田舎の典型と言っても過言ではない印象を受けたものでした。


またバスターミナル内には安食堂が何店か営業、目の前を通りかかったら客引きの声がかかり、何店かある内の1店を利用したものでした。


入店した店ではメニューに書かれているものでも「没有」が幾つもある状況でしたが、結局注文した肉入りの面は10元でお釣りが来る程。
(
面と共に写っている飲料は別途購入したものです)

この面は安さの割に食べ応えがあり結構満足感のあるもので、鄙びた雰囲気の店ながら悪くない印象を受けたものでした。


上海市内公交71路~昨年運行開始したトロリーバスを用いたBRT

2018-01-30 | バス[中華人民共和国]

「MAKIKYUのページ」では時折中国の路線バスに関して取り上げており、その中には近年急速な勢いで整備拡充が進行している快速公交(BRT)も含まれていますが、中国大陸本土ではBRT運行都市が多数存在しています。

そのためBRTの要素として注目される専用路や専用レーンの確保、乗降場への改札やホームドアの設置・輸送力の大きい連接車運行などは、実施している路線とそうでない路線があり、同一都市内で複数形態のBRTが存在する都市もあります。

中国大陸本土内の幾つかの都市でBRTに乗車していると、実情に応じてこれらの一部が取り入れられていると感じますが、日本でBRTに関しての提議立案を行っている人物は、中国のBRTにおける現状をどこまで知っているのか…と感じる事もしばしばです。

また中国の都市交通に関しては、BRTだけでなく軌道系交通機関も猛烈な勢いで新線開業が相次いでおり、乗車済の路線でも記事作成が追い付かない状況ですが、先日のgooブログお題で取り上げた上海のBRT路線に関しては近日中に記事作成も…と記した事もあり、今日取り上げたいと思います。


今日取り上げる上海のBRT路線は「71路」と呼ばれ、昨年の運行開始からまだ1年経過していない路線で、市内中心部の外灘(延安東路外灘)~西郊の申昆路枢纽站(バスターミナル)間を運行しています。


所要時間は全区間乗り通すと1時間強、バッテリーを搭載した無軌条電車(トロリーバス)で運行しており、運行区間の大半は架線下ですが、バッテリー搭載車で運行する事もあり、架線のない区間も一部存在しています。

 
運行区間の大半は道路中央の71路専用レーンを通行、起終点を除く各バス停は道路中央に設置され、一般車両と同じ車線を走る路線バスに比べ速達性に優れています。


乗場も71路専用で分かり易くLRTに近い感覚で利用でき、各停留所にはホームドアも装備されています。


一般の路線バスとは逆側の扉から乗降する事もあり、右側通行の左ハンドル車ながらも、扉配置を見ると左側通行の地域で用いている車両の様な状況になっているのも大きな特徴です。


全程(全区間)運行の便は基本的に2両連接車を使用、また中心部方の運行区間が若干短い区間車(一部区間運行)は同等デザインの単車で運行しており、車両形状だけでなく塗装も一般の路線バスとは大きく異なりますので、違いは一目瞭然です。

 
71路では各停留所に改札はなく車内収受方式ながらも、基本的に車掌が乗務している事もあり、区間車用の単車も含め車両最前部に乗降扉が設けられていないのも大きな特徴です。


運転席右側には1人掛けの展望席とも言える特等席も存在、この特等席は実車運行中大抵着席している乗客の姿を見かける程の人気席ですが、始発から乗車するのであれば、この特等席で専用レーン快走を堪能するのもおススメです。

ちなみにMAKIKYUがこの路線に初めて乗車したのは昨年夏、上海虹桥站構内の旅行会社で近隣のホテル紹介を依頼した際、案内されたホテルのすぐ近くに71路の停留所があり、便利そうな路線だと思い利用してみた次第です。

上海虹桥站からは173路などの市内公交汽車で吴宝路バス停まで10分程度で移動可能、また起点の申昆路(バスターミナル)と吴宝路の間は、71路は大回りして運行しており走行距離はそこそこあるものの、最短ルートなら徒歩5分程度で移動可能な距離です。
(ただ上海虹桥站~吴宝路はバス停1~2個ですが、虹橋机場の脇を通る事もあり停留所間隔がかなり開いていますので、この間を徒歩移動するのはかなり厳しいと思います)

また上海虹桥站周辺で(外国人宿泊可能な)比較的割安な宿を探したいなら、71路沿線の終端近くに幾つもホテルがありますので、このホテルを利用し市内中心部との間を71路で移動するのもおススメです。

運賃も他の一般路線と同様に2元均一の格安運賃、上海交通カードでの乗車も出来ますので、上海虹桥站発着の高鉄を何度も利用しており、地鉄以外の交通手段で上海虹桥站と市内中心部の間を移動してみたいという方も、一度試乗される価値はあると思います。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も上海へ足を運ぶ機会がありましたら、是非71路BRTに乗車してみては如何でしょうか?


中国天津市・経済技術開発区を走る公交汽車

2017-03-26 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・天津(Tianjin)市の天津経済技術開発区内を走るトランスロール(ゴムタイヤ式トラム)に関して取り上げました。

MAKIKYUが数年前にこの開発区へ足を運んだ際には、地鉄やトランスロールなどの軌道系交通機関以外に、市内公共汽車(路線バス)にも乗車したものでしたが、バスの写真は何枚も撮影していながらまだ未公開という状況ですので、トランスロールの続編記事という形で公開させて頂きます。


天津で乗車したのは1路線だけでしたが、運賃が1.5元(乗車当時)という中途半端な金額だったのが印象的で、ワンマンバスでは日韓の市内バスと異なりつり銭が出ない事を考慮すると、少々不便な印象が否めない気もしたものでした。

 
車両の外観はモダンな反面、プラスチック製の硬い座席なども中国の標準仕様、天津だけに限らず中国はバス製造メーカーが無数に存在する事から、車両のバリエーションが非常に豊富なのも特徴です。
  
国産車は2強体制になりつつある日韓との大きな違いを感じますが、市内バス用でも随分大胆な形状の車両も存在、これは存在感はかなりあるものの使い勝手は余り芳しくないのでは…とも感じたものでした。

 
また塘沽火車站周辺では数台の都市間バス用車両を目撃、その中には運賃が6元とするされたプレートを掲げた車両もあり、これは比較的距離の短い都市間路線(天津市中心部~開発区など)で用いられる車両ですが、この手のバスに混じり日照(山東省)との間を結ぶ長途汽車の姿も見かけたものでした。


塘沽站周辺からなら天津市中心部はさほど遠くない距離、高速列車で容易に移動できる北京でも行先や運賃次第ではバス利用も…と感じますが、このバスを見た際には、さすがに日照までバスで移動するのは…とも感じたものでした。
(MAKIKYUは日照を訪問した事はなく、山東省で訪問歴のある街は青島と済南の2都市だけしかない状況ですが…)


中国福建省・厦門市内を走る市内公共汽車

2016-03-12 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国福建省・厦門(Amoi/Xiamen)市内を走る快速公交系統(BRT)に関して取り上げた記事を公開しましたが、以前MAKIKYUが厦門へ足を運んだ際には、BRT以外の市内公共汽車(路線バス)にも何度か乗車したものでした。

中国の中でも割合温暖(夏は暑い)地域という事もあり、活躍する車両は空調車(冷房付)ばかりでしたが、初乗り1元という割安な運賃設定(ICカードだと更に割引)となっており、途中の運賃区界を挟んで乗車する場合には2元と言う路線にも乗車したものでした。

 
活躍する車両も
BRTと同様の金龍製を多く見かけたものの、それ以外のメーカーが製造した車両も数多く見かける状況でした。


装いも黄緑と白色の車両と、黄色とオレンジの車両に
2分され、両者が拮抗している印象を受けたものでした。


「気電新能源混合動力公交」と表記されたハイブリッド車の姿も散見し、それ以外の車両も割合近代的な雰囲気の車両ばかりと感じたものでした。

 
一方つり銭の出ない簡素な「箱」という印象の運賃箱や、硬いプラスチック製の座席などは中国の標準レベルと感じたものでした。



また
BRT以外の一般路線では、2両連接車の姿を目撃する事はなく、一般的な単車が殆どと言う状況でしたが、乗車機会はなかったものの、僅かながらも2階建て車両が活躍していたのも印象的でした。


中国福建省・厦門市内を走る快速公交系統(BRT)

2016-03-02 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・山東省の済南市内を運行する快速公交系統(BRT)に関して取り上げましたが、近年中国では各地でBRT運行が相次いでおり、その中でも福建省・厦門(Xiamen/Amoi)市のBRTは有名な存在となっています。

MAKIKYU
も厦門市内へ足を運んだ際にこのBRTを利用しており、市内中心部では複数系統が運行している状況ですが、その中でも旅行者が利用する機会が最も多いと思われるのは、高鉄(CRH)の厦門北を起点に、市中心部を経て第一埠頭までの間を運行する快1路、MAKIKYUが乗車したBRTもこの路線でした。


起点の厦門北
をはじめ、快1路は全停留所に自動改札を設置、乗車券はICチップ入りトークンとなっていますが、乗車券発売は有人窓口、行先を口頭で告げて購入する辺りは中国らしい所で、厦門北の窓口では各停留所までの運賃表(区間によって運賃が異なり、MAKIKYUが終点まで乗車した際には3.5元でした)が見当たらなかったのは少々不便と感じたものでした。

 
そして
厦門北からBRTに乗り込むと、厦門北周辺を除くと殆どが専用路を運行する事もあり、非常に快調な走りは電車並みと言っても過言ではなく、厦門北近くでは交差点は一般車両と共用ながら、厦門島近くになると新交通システムやガイドウェイバスの如く高架の専用線を走ります。


厦門島内では
BRT同士の平面交差もあり、よくここまで大規模なインフラを構築したと感心する程で、所要時間も下道を走る市内公共汽車(路線バス)の半分程度かそれ以下と言う状況でした。

  
終点の第一埠頭站もBRT停留所としては相当な規模を誇り、中国の勢いを改めて実感させられると言っても過言ではない状況、これなら島道を走るバスより少々割高な運賃
(一般路線が安過ぎるだけですが…)でも充分なサービスレベルが確保されていると感じたものでした。

 
充当車両はバイオレットに黄色いラインを纏った金龍製の
BRT専用車が用いられ、快1路では連接車が主流となっています。


ただ一部便では同デザインの単車も稼働しており、快
1路以外の専用路を運行するBRTでは、単車ばかりを見かける系統も存在する状況でした。

車両面では同型車ばかりと言った雰囲気で、中国のバスではよく見かけるラッピング車もBRTでは見かけないなど、車両面でのバラエティは乏しい印象を受けたものでしたが、市内中心部の厦門島と大きく離れた厦門北を結ぶ交通手段としては非常に便利で、今後自動券売機設置などで外国人がもっと利用し易い体制が整えば…と感じたものでした。

またMAKIKYUが厦門へ足を運んだ際には、BRT以外の市内公共汽車にも乗車機会があり、こちらも近日中に追って取り上げたいと思います。


山東省・済南市内を走る市内公共汽車(2)~BRT以外の路線バス

2016-02-25 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国山東省・済南(Jinan)市内を走る快速公交系統(BRT)に関する記事を取り上げましたが、済南市内ではBRT以外にも多数の市内公共汽車(路線バス)が運行、その内の幾つかに乗車機会もありました。

済南市内では一般的なディーゼル車だけでなく、日本では現在市内バスでの活躍が見られない無軌電車(トロリーバス)も4系統運行、その内の一つはMAKIKYUも乗車機会があり、MAKIKYUが中国のトロリーバスに乗車した都市は、済南で8都市目となります。
(その中でも江西省・南昌(Nanchang)は現在運行廃止となっていますので、現存都市に限定すると7都市目(トランスロールを除く)になります)


乗車した車両は近代的なデザインで、同デザインのディーゼル車も多数見受けられる状況でしたが、一部で架線の設けられていない区間を運行し、この区間での運行に対応するために蓄電池を装備しているのも大きな特徴と感じたものでした。


他系統で活躍する車両の中には、比較的古参と見受けられる車両も混在していましたが、系統数が少ない上に済南駅や済南西駅に乗り入れる路線は皆無ですので、外国人旅行者が済南を訪問しても、トロリーバスに乗車する機会は少ないだろうとも感じたものでした。


また大多数を占める一般的なディーゼル車での運行路線は、路線数が多過ぎて極めて複雑、外国人旅行者には少々使い難い面もあると思いますが、市内の鉄道主要駅となっている済南駅(一般列車主体で昔から存在する駅)~済南西駅(高速鉄道駅として近年開業した駅)間を結ぶ156路は最も有用な存在かと思います。

MAKIKYUがこの路線に乗車した際には、ハイブリッド車に当たり、中国でも各地でハイブリッド車が普及している事を実感させられたものでした。


大型ディーゼル車は2軸前中扉の車両が主流を占めているものの、近年日本で活躍する低床市内バスでは見かける機会のない3扉3軸車の姿も散見、こちらへの乗車機会はなく何度か見かける程度でしたが、前中扉間が低床構造となっています。


後扉部分は複数段のステップが設けられている状況で、最後部座席~後扉との間の段数は4段程度存在、こんな構造のバスは日本ではまず考えられない代物と言っても過言ではない気がしますが、BRTやトロリーバスと並び、非常にインパクトのある車両の一つと感じたものでした。


この他にも日本の東京都内中心部で運行する無料循環バス(日の丸自動車興業が運行・丸の内シャトルなど)向けに導入されたニュージーランド(デザインライン)製電気バスによく似たデザインが特徴的な車体の車両なども散見し、これも結構印象に残る車両の一つと感じたものでした。


中国山東省・済南市内を走るBRT(快速公交系統)~扉配置にも注目

2016-02-19 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国山東省・青島(Qingdao)市内を走る市内公共汽車(路線バス)に関して取り上げましたが、山東省内の各都市は青島の他に、省都の済南(Jinan)市にも足を運んだ事があります。

済南市では地下鉄や軽軌など、市内軌道系交通機関の整備は行われていませんので、市内交通は専ら路線バスという中国の地方都市では典型的な状況となっています。

市内交通が専ら路線バスという状況ですので、地元住民にとっては勿論、外国人旅行者にとっても市内移動には欠かせない存在となっており、MAKIKYUも済南へ足を運んだ際には、何度か市内移動で路線バスに乗車しています。

済南市内を走る路線バスは、一般的な単車によるディーゼル車での運行が主体となっていますが、近年中国でも整備が進んでいるBRT(Bus Rapid Transit:快速公交系統)も7運行しており、BRTでは2両連接車による運行が主体となっています。


MAKIKYUが済南へ足を運んだ際には、済南火車站(済南駅)近くのホテルに宿泊しましたが、駅前でBRTの2両連接車を見た時には、他のバスとは異なる際立った存在と感じ、列車で済南を離れる前に時間が確保できた事もあり、このBRTに乗車したものでした。

済南市内を走るBRT各系統の中でも、済南火車站を発着する系統はBRT-5路で、市内中心部を経て東南の郊外に位置する全運媒体村までを運行、BRT車庫は終点・全運媒体村バス停のすぐ近くに設けられています。

済南站周辺はBRTと他系統の市内バス各系統が錯綜し、駅周辺も雑然とした雰囲気、駅周辺の数百mを移動する所要時間も、混雑時は徒歩以下と言う有様でしたが、郊外の一部では道路中央にBRT専用レーンが設けられた区間も存在しています。


BRT専用レーン設定区間では、バス停も軽軌站の如く改札が設けられており、この区間でBRTが複数系統発着している停留所であれば、追加運賃なしでBRT他系統へも乗継可能な状況になっています。
(一般道区間で乗車した際は運賃前払いで車内精算)


この区間の停留所ではホームドアも設けられており、BRTも上手く整備すれば下手な軌道系交通機関よりもずっと有用と言う事をPRしている様にも感じましたが、済南のBRT専用レーン設定区間にある停留所は。ホームが島式となっているのが大きな特徴となっています。
(他都市のBRTでは、上下線でホームが分かれる相対式が大半です)

そのため一般道区間とBRT専用レーンに跨って運行し、双方の区間にある停留場で乗降扱いを行うとなると、一般的なバス車両を用いる場合にはBRT専用レーン区間だけ通行方式を変える必要が生じます。
(中国大陸本土の道路は右側通行ですので、片側にしか乗降扉がないバスでBRT専用レーンでの乗降にも対応させる場合、BRT専用レーンを左側通行で運行する必要が生じます)


しかしながら済南のBRTは、BRT専用レーン区間も含めて右側通行で運行していますので、専用レーン区間での乗降にも対応させる為に運転席側にもドアを設けた特別仕様車となっているのが大きな特徴で、この独特な仕様を意識せずに乗車したMAKIKYUは、乗車後にビックリと言う有様でした。


運転席側の扉はBRT専用レーン区間での使用→運賃収受なしという事もあり、反対側の扉とは位置が対照になっていないのも特徴で、こんなバスはなかなかないと思いますので、一度見たら忘れられない強烈な車両と言っても過言ではないと感じたものです。

 
またBRT各系統では2両連接車が主流ながらも、一部便は単車でも運行しており、こちらもBRT専用レーン区間での乗降に対応するために、運転席側にも乗降扉が設けられた特別仕様車が限定充当されています。

済南市は山東省の省都と言う事もあり、中国内での知名度はそこそこあるものの、日本国内での知名度は余り高くなく、ネットで済南に関する情報を検索しても日本語で記された情報は数少なく、市内を走るバス情報ともなれば殆ど…という状況ですが、BRTはかなりインパクトのある乗り物かと思います。

移動区間次第では市内移動にも有用な存在ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も済南市へ足を運ぶ機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?


中国山東省・青島市内を走る市内公交汽車(2)~青島火車站周辺で見かけた車両の数々

2016-02-07 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUページ」では、中国・山東省の青島市内を走る市内公交汽車(路線バス)に関して取り上げましたが、青島火車周辺では様々な系統が錯綜している事もあり、駅前の交差点付近に数分程度いただけでも、信号待ちで停車する結構な数の車両を撮影する事が出来る状況でした。


その中には塗装こそ異なるものの、上海訪問時に最もよく見かける上海申沃
(SUNWIN)の車両も散見したものでした。


山東省に拠点を置く中通
(Zhongtong)汽車製の車両も多く活躍、写真の車両はハイブリッドバスの蓄電池、もしくは天然ガスバスのガスタンクと思われる天井のコブが非常に目立つ1台です。


青島港内のシャトルバスで用いられていた車両と同じ宇通(Yutong)製の車両も存在、広告ラッピングを纏った車両も数多く活躍しており、国防教育号と記されたプレートが掲げられている辺りは中国らしさを感じます。


大型車が主体を占めているものの、車長が短い中型車で運行している路線もあり、こちらは小柄故に逆に存在が際立つと感じたものです。


また休航となったオリエントフェリー「ゆうとぴあ」乗船時には、青島火車周辺だけでなく、青島港周辺でも通りがかったバスを何枚か撮影していますが、2度目の青島訪問では最初に足を運んだ時に比べ、バスの世代交代も随分進んだと感じたものでした。


中国山東省・青島市内を走る市内公交汽車(1)~無軌電車も活躍

2016-02-02 | バス[中華人民共和国]

先月「MAKIKYUのページ」ではオリエントフェリー「ゆうとぴあ」乗下船客向けに運行しているシャトルバスに関して取り上げましたが、青島港内を運行するシャトルバス画像を見て、市内を走るバスはどんな車両が活躍しているのだろうか…と感じた方も居られるかと思います。
(
中国のバスには興味ないという方も居られるかと思いますが…)

中国の路線バスは各地に様々なメーカーが乱立している事もあり、日本や韓国の様に指の数に満たない大メーカーの車種が全国で…という状況とは大違いで、一つの街中だけでも結構な数の車種が活躍、また特定地域でしか見られない車両も数大きく存在する状況です。

中国の路線バスに関しては、MAKIKYUはメーカー名すら把握しきれない程ですので、余り詳しい説明などはできないですが、青島市内だけでも結構な数の車種が活躍しており、その一部を以下に取り上げたいと思います。

青島港(国際客運)はターミナル前にはバス停がなく、目の前の通りを西へ進んで34分の所にある「海員」バス停が最寄停留場、ここからは幾つかの系統のバスが発着しています。


その中でも外国人旅行者にとって最も有用な路線は、青島火車
(青島駅)へ向かう系統かと思いますが、海員~青島火車の両停留所間は8路か303路で移動する事が出来ます。

 
また青島火車からは系統数は余り多くないものの、日本の街中では絶滅した無軌電車(トロリーバス)も運行しており、新旧合わせて幾つかの車種が活躍していますが、随分前に「MAKIKYUのページ」で取り上げた旧型車両の姿(興味のある方はこちらをクリック)は既に…という状況でした。

他にも青島市内では多数のバスを撮影していますが、残りは近日中に続編記事として追って取り上げたいと思います。


惜別・オリエントフェリー「ゆうとぴあ」(4)~シャトルバス編

2016-01-18 | バス[中華人民共和国]

昨年末で残念ながら運航休止となってしまった山口県・下関~中国山東省・青島間を結ぶオリエントフェリー「ゆうとぴあ」は、国際航路で両港共にボーディングブリッジなどを備えていない事もあり、両港でフェリーを上下船する際には、出入国手続きを行う港ターミナルとの間での移動でシャトルバスが用いられていました。

日本側はターミナルビルのバス発着口とフェリー乗下船口との間を徒歩2~3分程度でも移動できる距離ですが、出国後(或いは入国前)の制限区域内という特殊な状況に加え、フェリー周辺で荷役を行う車両などが多数行き交う状況という事もあり、シャトルバスが用いられていました。


車両自体は三菱製小型車の自家用仕様車ながらも、制限区域内のみを運行し公道上を走らない事もあってかナンバープレートなし、車体には「YUTOPIA LINE」の表記もされています。

MAKIKYUが下関港内で乗車したシャトルバスは、1992年(平成4年)製と言う結構な古参、今日では路線バスで乗車する機会もなかなか…という状況になりつつある年式の車両で、オリエントフェリー就航開始よりも前に登場した車両です。


この車両は車内に足を踏み入れるとビックリ、運転席と最後部を除くと座席が全く設けられておらず殆どが立席スペース、おまけにつり革は皆無、手すりも少ない状況で、その上車内は中央部分以外が1段高くなっている状況でした。

元々は通路を挟んで2人がけの座席が両側に並ぶ自家用バスでは一般的な仕様だった車両を何処かから調達、制限区域内シャトルバスとして転用する際に座席を撤去しただけという雰囲気を感じ、これは路線バスなら絶対にありえない、制限区域内シャトルバスならではのゲテモノ車両と感じたものでした。

乗車時間が1分にも満たない極めて短い状況で、乗船旅客数に応じてピストン輸送を行うため、稼働車両は小型車1台だけながらも、輸送力不足と言う事はなく、これで充分という雰囲気を感じたものでした。

また下関港だけでなく、中国側の青島港でも出入国審査を行うイミグレーションのあるターミナルビルと停泊箇所が離れており、こちらもフェリー乗下船口とターミナルビルの間はシャトルバスによる移動となっています。

こちらのシャトルバスは停泊箇所とターミナルビルという2箇所の制限区域間の途中で公道を挟むため、シャトルバス輸送が必然の状況となっており、乗車時間も片道4~5分と下関港よりもずっと長くなっています。

MAKIKYUが以前上海~関西間で就航する国際航路に乗船した際も、上海側は出入国審査を行うイミグレーションのあるターミナルビルと停泊箇所が離れており、この間をシャトルバスで移動、その際は一般路線車両を貸切したバスに乗車したものでした。

ただ青島港では一般路線車両の貸切ではなく、専用塗装で青島港の表記もあるシャトルバス専用車両が用意され、公道上も走行するだけに、こちらは下関港内のシャトルバスと異なりナンバープレート付きとなっています。

青島港では「ゆうとぴあ」以外に威東(Weidong)海運の韓国・仁川航路も発着しており、シャトルバスに「YUTOPIA」表記は見受けられない状況でしたので、威東海運のフェリー乗客向けシャトルバスにも用いられている可能性が高いと思いますが、それでも青島港を発着する国際航路乗客でなければ乗車できない車両ですので、このシャトルバスへの乗車は希少な経験と感じたものでした。


ちなみにMAKIKYUが乗船したシャトルバス車両は、中国の路線バスではありふれた存在の一つとも言える宇通(YUTONG)製のワンステップ車、路線バスではなくシャトルバス専用車という事もあり、運賃箱などの各種ワンマン装備は見受けられない状況でした。

車内画像は撮影していませんが、車内はプラスチック製座席が設けられ、前輪部分は横向き(ロングシート配置)となっているなど、中国国内を走る一般路線のバスとほぼ同等の仕様となっており、座席も手すりも殆どない古参小型バスが活躍する下関港に比べると、車両面ではこちらの方が遥かに上等と感じたものでした。

なお4回に分けて取り上げたオリエントフェリー「ゆうとぴあ」に関する記事は、この記事を持って一区切りとさせて頂きます。

「ゆうとぴあ」は運航休止と謳っていますが、2012年に休航→売船されて実質廃止となった燕京号の様な結末ではなく、他の中古船などを確保して航路復活が実現し、オリエントフェリーに関する続編記事を公開できる日が来る事を願いたいものです。

(お断り)この記事は日本の中国地方と中華人民共和国(中国)の2地域における制限区域内を運行するバスを取り上げた内容になりますが、バス[中華人民共和国]カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


中国・東北地方で活躍するキャブオーバーバス

2012-10-13 | バス[中華人民共和国]

MAKIKYUが7月に中国を訪問した際には、訪問各都市で地鉄や有軌電車(路面電車)などの軌道系交通機関をはじめ、市内公交汽車(路線バス)にも多数乗車しています。

最近BRT(快速公交)や有軌電車(路面電車)の記事を取り上げた大連でも、BRT乗車の後に軽軌(郊外電車)の駅へ向かうために、一般の公交汽車にも乗車しているのですが、その際にやって来たバスは、今や日本や韓国の大型や中型の路線バスではまず見られないキャブオーバーバス(エンジンが車体前部に装備されており、ボンネットバスのボンネット部分まで客室を延長し、この部分に運転席が存在するタイプ)でした。


近年北京や上海などでは、この手のバスは見る機会も随分減っていますが、大連ではまだまだ多数活躍しており、中国で前後扉配置の公交汽車となると、大抵はキャブオーバーバスになります。

それでも最近良く見かけるキャブオーバーバスは、外観はそこそこ近代的な印象の車両も多く、車内にある銘板を見ると、2004年製造などの標記が見られますので、一応21世紀に入ってから製造されたバスが主流を占めている状況です。

そのため日本の地方都市で、多数活躍する大都市圏中古の路線バスなどに比べると、年式的には新しい部類に入るのですが、中国東北地方では最新のワンステップバスでもまだ非冷房車が主流を占める状況ですので、当然ながらこの手のバスに空調を期待するのは無理な話です。
(日本でもMAKIKYUの知人の中には、非空調の路線バスに頻繁に乗務している者が居り、夏場は…と言っていますが、こんな事例は日本国内に限ればかなり少数派かと思います)


居住性は日本では観光用などで僅かに活躍する程度のボンネットバスレベル、その上座席はプラスチック製という状況ですので、居住性も良好とは言い難く、アクセル全快で凄まじいエンジン音を放ちながら運転しても、上り坂では喘ぐ様な走りで並行する車線を走る車に次々と抜かされ…という有様です。

おまけにほぼ満員状態で運行している事が多いともなれば尚更で、日本国内では「走らない」「力がない」などと酷評されているハイブリッドバスや、地方ではまだ時折やってくる昭和製の古参車でも、こんな車両に比べれば遥かに程度は良好と感じる有様です。

 
またMAKIKYUは大連だけでなく、同じ遼寧省の瀋陽でも市内公交汽車に乗車した際、車種こそ異なるものの同種車両に何度か当たっており、こちらも乗車した際の印象は似たようなものでした。

この手のバスは快適さとは程遠く、日頃通勤・通学や用務などで定期的に利用するとなると…という感もありますが、運賃も非空調車では1元均一程度(日本円換算で15円以下:日本の路線バスの1割程度という激安運賃です)と非常に割安な上に、土地の日常を容易に垣間見る事が出来るという点でも魅力的です。

まして日本ではマイクロバス以外で、キャブオーバーバスに乗車する機会自体がまずないかと思いますので、業務や留学などで中国に滞在されているかたは別として、観光で中国を訪問する機会があるならば、斬新な印象を受ける車両だけでなく、この手の車両に乗車されるのも面白いかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何でしょうか?


中国・大連市内を走るBRT~低床連接車の活躍も…

2012-09-21 | バス[中華人民共和国]

最近「MAKIKYUのページ」では、BRT(Bus Rapid Transit)として仮復旧したJR気仙沼線柳津~気仙沼間に関する記事を、2回に分けて取り上げました。

日本でBRTというとこのJR気仙沼線や、旧鹿島鉄道の廃線跡を整備し、鉄道代替の路線バスや石岡~茨城空港アクセス路線を運行している、関鉄グリーンバスの「かしてつバス」などを連想する方が多いかと思います。

これらの路線はローカル線の休廃止路線用地をバス専用道に転用し、地方交通機関として運行しているもので、車両も主に大都市圏中古車を充当(かしてつバスでは自社発注の旧年式車や中型新車も活躍しており、気仙沼線BRTも今後ハイブリッドバスの新車導入予定がありますが…)しています。

しかしBRTというと、世界的には「大都市~中規模都市内における中量輸送機関として運行する基幹バス路線」という位置づけである事が多く、この場合は幅の広い道路の一部をバス専用レーンとして整備し、一般の路線バスよりも速達性や定時性を向上させた付加価値の高い大量輸送型線バスとなっている事が多くなっています。

日本の路線バスの中では、名古屋市内中心部から東郊へ向かう名古屋市営バス・名鉄バス共同運行の基幹2号線(名古屋駅・栄~引山~瀬戸・長久手方面など)のイメージに近く、車両も条件の良好な道路で大量輸送を行うのに適した連接車両などの専用車両を用いている事例が多数存在します。
(名古屋の基幹2号線は通常の路線バス型車両で運行していますが、この路線では日本国内の路線バスでは採用事例が少ないシリーズ式ハイブリッドバス、三菱エアロスター・エコハイブリッドが名鉄バス便で多数活躍しているのは注目です)

海外に目を向けると、MAKIKYUは以前北京を訪問した際には、快速公交線とも呼ばれるBRT路線の第1弾が開業してまもない頃に、同市内の前門から出発する路線に乗車した事もあり、北京では現在3路線が運行しています。

中国では北京以外にも、幾つかの都市でBRTの運行を開始しており、都市内公共交通機関の整備がまだまだ…という状況の中国大陸本土では、今後更にBRT路線の新設・拡張が行われるかと思いますが、7月にMAKIKYUが中国を訪問した際には、まず最初に訪問した都市・大連(Dalian)でその姿を見る事が出来ました。

大連でのBRT運行開始は2008年、MAKIKYUが大連を訪問したのは6年ぶりでしたので、同市内でBRTの姿を見たのは7月が初めてになります。

BRT路線は中国では数少ない有軌電車(路面電車)が走る事で有名な大連において、現在運行する2路線の乗換站ともなっている興工街を起点に、周水子空港の脇(車内から空港の敷地やターミナルを目にする事が出来ますが、空港ターミナルには乗り入れていませんので、空港アクセスとして利用する事は厳しいです)を通り、市内北西部の張前北路までの間を結んでいます。

MAKIKYUは起点となっている興工街へ有軌電車でアクセスし、その後何処へ行こうかと思っていた矢先に、この路線を見つけて気になり、当初乗車予定はなかったものの、「時間にも余裕があり、なかなか乗る機会もなさそうな路線」という事で急遽このBRT路線に乗車したものでした。


始発の興工街は、かつて大連火車站方面からの有軌電車が、興工街から更に北の沙河口火車站まで続いていた頃の軌道敷を転用した、道路中央のBRT専用乗り場から発着しており、運賃収受も車内精算ではなく、乗り場での支払い(乗車前)となっているのも特徴です。


BRT路線自体も、路面電車や名古屋の基幹2号線の如く、屋根付きの専用停留所が道路中央に設けられている箇所も多く、一部区間はバス専用レーンとして整備され、バス運行の速達化にも貢献していますが、バスレーンと一般車両の車線は柵で仕切られており、バスレーン自体も一部は道路中央ではなく、片端に設けられているのも大きな特徴です。

この様な路線ですので、一般の路線バスに比べて速達性に優れており、車両面でも空調完備の低床専用車両が充当されるなど、大連市内の路線バスとしてのサービスレベルは突出しています。

おまけに全線乗り通すと40~50分程度を要するにも関わらず、運賃は全線1元均一と、現地物価を考慮しても割安に設定されている事もあり、昼間でもかなりの盛況ぶりで、終点近くの一部区間を除けば、常に立席客の姿が見られる程の状況でした。


ちなみにこのBRT路線で充当される低床車両は、丹東黄海とMANの合作車両で、MAKIKYUが目撃した限りでは、長尺の単車と2両連接車の2種類が活躍していました。


両者はデザイン的には類似しているものの、単車と2両連接車で装いを変えているのも大きな特徴です。


見た目だけならば、日本の国産バスよりも見栄えは良いものの、座席は中国の市内公交では典型的な「硬座」ですので、長時間の乗車には余り適さない気がします。


またこの路線の終点・張前北路は、BRT車庫がある以外は、郊外バス路線の幾つかが発着する程度の寂しい所で、特に外国人観光客が立ち寄る見所なども…という雰囲気でした。

興工街からのBRT全区間を単車で乗り通したMAKIKYUは、今度は連接車をチョイスして来た道を途中まで戻り、その後一般路線バスに乗り換えて快軌(中国では少数派の郊外電車で、大連は都市規模の割に公共交通機関のバリエーションが豊富で、今後更に地鉄開業予定もあります)站へと向かったものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も大連を訪問する機会がありましたら、有名な有軌電車乗車と共に、BRT乗車も検討してみては如何でしょうか?


広州市内を走る無軌電車~ユニークな形状の車両が幾つも…

2012-09-01 | バス[中華人民共和国]

ここ最近「MAKIKYUのページ」で幾つかの記事を取り上げている中国広東省・広州市の市内公交ですが、同市内には地鉄やディーゼルエンジンを搭載した一般的な路線バスが多数走っているだけでなく、日本では特殊用途で僅かに走っているだけであるものの、中国では幾つもの都市で見られる無軌電車(トロリーバス)も走っています。

7月にMAKIKYUが広州を訪問した際には、広州駅からも近い越秀公園周辺で、僅かな距離(1停留所)だけ乗車した程度でしたが、越秀公園の地鉄駅前(広州火車駅からは、地鉄で1駅です)では、乗車した車両以外にも様々な車両の姿を目撃する事が出来ました。


MAKIKYUが乗車した無軌電車は、蒸し暑い広州では少数派の非空調車で、上海辺りでも同形車体のバスが多数活躍していますが、運賃が1元と非常に割安に設定されています。
(空調車だと、同一系統・区間でも2元となります)

長時間乗車には適しませんが、1~2駅程度の短距離(中国のバス停間隔は日本よりかなり長く、地鉄1駅分程度ある事もザラですが…)でも、横に動くエレベーターの様な感覚で、気軽に乗車する事が出来るのは有り難いもので、MAKIKYUは短距離乗車となる場合、この手のバスを選んで乗りたいと感じてしまうものです。


越秀公園で見かけた無軌電車も、MAKIKYUが乗車した非空調車1タイプを除くと、後は空調車ばかりで、ディーゼルエンジンのバスも空調車ばかりという状況でしたので、中国ではバスを見ても比較的進んだ都市と言う印象が強い一方、物価も割高な広州において、非空調の無軌電車が何時まで活躍を続けるのかも気になる所です。


空調車の無軌電車の中には、路線バスと言うよりもLRTを単車化した様な雰囲気と言っても過言ではないデザインの車両や、丸型のライトを縦に幾つも並べたデザインの車両など、結構個性の強い車両も幾つか見受けられたものでした。


仕様標準化やメーカー統合・OEM供給の進行などで、似た様なバスばかりになりつつある某島国と比べると、新型車のバラエティは無軌電車だけでも…と言う程で、ディーゼルエンジンのバスも合わせると、種類の多様さは羨ましい限りと感じたものでした。


中国で相次ぐ長距離バス事故~長距離バスには寝台車も…

2012-08-27 | バス[中華人民共和国]

ネット上のニュースを見ていた所、昨日中華人民共和国(中国)で高速道路上におけるバスの特別重大事故(死亡者の発生した事故)が2件続けて発生した事が報道(陝西省・延安(Yanan)市、四川省・広安(Guangan)市)され、ご存知の方も居られるかと思います。

MAKIKYUも中国へは先月足を運んだばかり、それ以前にも何度か足を運んだ事があり、先月は長途汽車に乗車する機会はなかったものの、今までに何度か中国の長途汽車(長距離バス)を利用した事もあります。

中国では近年高速鉄道の相次ぐ開業と、これに伴う高速動車・動車組列車(CRH)の高頻度運行などで、火車票(鉄道乗車券)の確保が容易になった区間も多いとはいえ、全国的に見ればまだまだ交通機関の需要に対し、供給が追いついていない区間も多数存在しているのが現状です。

鉄道の輸送力が絶対的に不足し、数日先の列車でも無座(立席)すら「無」、連日満席御礼が続く事も珍しくなく、MAKIKYUが北京站の乗車券売り場で、乗車券購入窓口の行列に並んでいた際にも、「哈尔滨」の札を持った客引きが、長途汽車の売り込みを行っている姿を目撃しています。

乗りたい区間の火車票が確保できない、或いは硬座(有座)や無座しか買えない為に、長途汽車で長距離を移動する事も決して珍しい事ではなく、また比較的短距離の移動でも、鉄道は乗車券購入だけでも手間取る為に、すぐ近くに目的地への長途汽車が停車していれば、こちらの方が至便と言うケースも存在します。

MAKIKYUが以前に利用した長途汽車は、運行距離100km以内か100km台、所要時間も片道1~2時間程度の短距離路線ばかりで、夜行便などの長距離路線に乗車した事はありませんが、市内公交(街中を走る路線バス)と同様に車種が豊富で、汽車站(バスターミナル)などに停車している長途汽車を眺めているだけでも、趣味的には非常に面白いものです。

しかしながら運転マナーの悪さなどは相当なもので、MAKIKYUが以前乗車したバスでも、クラクションを鳴らし続けたり、少しでも遅い車両が前方を走っていると、反対車線にはみ出しての追い越しは当り前という状況です。

おまけに座席定員に達すると、今度は乗客に予め用意しておいたプラスチック製の椅子を渡し、通路にこの座席を置いて座らせ、定員以上の乗客を乗せて運行したり、高速道路のインターチェンジ付近で乗降扱いを行っていた事もあるなど、法令順守の考え方も…というのが現状です。

また運行途中に車両不具合で白煙が発生し、高速道路上で運行打ち切り(運賃払戻なし)、後から来たバスを現場に停車させ、このバスに別途運賃を支払って乗車する羽目になった事もあるなど、日本国内の高速・特急バスはおろか、運転の荒さで定評ある韓国の市外・高速バスでもありえない事態にも一度遭遇した事があり、こんな状況では利用するにはそれなりの覚悟が…と言わざるを得ないのが実情です。
(それでも空を飛ぶ事(航空機搭乗)に比べれば、個人的にははるかに良いと思っていますが…)

そのため日本なら世間を大きく騒がせる規模の事故も時折発生し、事故の報道を聞いてもこの状況なら…と感じてしまう事もありますが、それでも乗客39人中36名が死亡(助かったのは3名だけ)という陝西省延安市の事故は、幾ら中国でも酷過ぎる事故です。

この事故で亡くなられた方にはこの場でお悔やみを申し上げる次第で、同種事故が再発する事がない事を願いたいものです。

ちなみに陝西省・延安市で発生した事故は、内蒙古自治区・呼和浩特(Hohhot)市から陝西省・西安(Xian)市へ向かう長途汽車、車両も現在の日本では法令で禁止されており、世界的に見ても中国以外では余り運行されていないと言われる「寝台バス」で、中国では至る所でその姿を見る事が出来ます。

 
写真は先月MAKIKYUが大連(Dalian)站前で見かけた寝台バスの1台と、天津(Tianjin)市内で見かけた寝台バスの1台(共に26日の事故車両とは別物です)で、前者は経由地・行先がガラスに貼られていますが、恵州(Huizhou)・東莞(Dongguan)・深圳(Shenzhen)・広州(Guangzhou)と、東北の遼寧省・大連からは遠く離れた華南・広東省の都市名が続々と並んでいます。
(天津~日照(Rizhao・山東省)間も、大連~広州間などに比べればはるかに短距離ですが、それでも日本の感覚でみれば結構な長距離です)

大連~広州間を長途汽車で移動するとなると、一体どれだけの距離・時間を要するのかと想像するだけでも気が遠くなるもので、MAKIKYUは東北3省~広東省・香港間程の長距離を移動するならば、列車の寝台車か、高速動車・動車組列車(CRH)の乗り継ぎ以外は勘弁願いたいものです。


また大連站前には多数の寝台バスが停車しており、中にはドアが開いていて、車外から内部の様子を覗いて撮影する事も出来る車両もありましたが、夕~夜発で翌朝着となる路線・区間ならまだしも、昼夜を問わず走り続ける様な路線(遼寧省~広東省間ともなれば、夜間に車外のホテル等で宿泊する行程でもない限りは、丸1日以上走り続ける事は必須です)ともなると、安全面だけでなく居住性の面においても、相当な覚悟を要するのでは…と感じたものです。
(それでも座席のバスや、列車の硬座・無座で夜を越す事を考えれば、まだマシという声も出るかもしれませんが…)