今年のGW期間は平成天皇の生前退位などがあったため、例年にない祝日続きとなり、長期休みを利用して日頃滅多に足を運ぶ機会のない遠方へ出向かれた方も少なくないと思います。
MAKIKYUは何日か仕事が入った事もあり、仕事以外の日も遠方へ出向く事はなく、割合近場へ外出した程度、最も遠方でも宇都宮周辺という状況でした。
宇都宮は東京都心一帯からの交通選択肢が多様で、多少割高でも早く行きたい向きだと東北新幹線利用、一方所要時間が長く乗換回数が増えても安く行きたいとなれば東武鉄道利用、またその間を取ってJR在来線利用など、様々なニーズに応じた交通機関が存在するのは魅力的と感じる方も少なくないと思います。
その中でもMAKIKYUがGW期間に宇都宮へ出向く際に利用したのは、普通運賃でも距離の割に値頃感のある東武鉄道、東武利用の場合は日光線~宇都宮線利用となりますが、東武宇都宮線では昨年秋から車両代替が始まり、少し前まで主力だった8000系も今月宇都宮線内での定期運行を終了しています。
少し前まで宇都宮線における主力車両だった8000系に代わり、新たな宇都宮線の主力車両となったのが20400型で、20400型は新造車ではなく、地下鉄日比谷線直通で用いている車長18m級の20000系列各形式(20000型/20050型/20070型)を4両編成に短縮して改造転用したものです。
装いはマルーンの細帯→紺色の細帯+窓周りに黄色を配したものに改められ、行先表示器はフルカラーLED化、運行路線の土地柄を配慮してか半自動押しボタンスイッチが追設されるなど、日比谷線直通で活躍している20000系列とは様々な点で差異が存在しています。
側面の行先表示は「ワンマン」「行先(東武宇都宮/新栃木など)」を交互に表示、ここまで大々的に「ワンマン」表示を行う車両は他社を含め余りないと思われ、行先表示の英文部分を英文/ワンマン交互表示にするなど、今後表示様式を改めても良いのでは…と感じたものでした。
ちなみに20400型の中でも最初に登場したのは3扉車の20070型のみを種車にした編成、次いで20000型を混成した編成が登場していますが、今年に入ってから一部車両が5扉車の20050型を種車にした編成も登場しています。
MAKIKYUが栃木駅で南栗橋発の列車から乗り換えの際に停車していた宇都宮線列車も、一部車両が20050型を種車にした編成でした。
MAKIKYUが乗車した編成は、東武宇都宮方から数えて2両目の車両のみが元5扉車、2箇所の扉を埋めた部分は大窓が設けられているものの、ステンレス製車両という事もあってか、見るからに改造車である事が一目瞭然と言う印象。
こんな車両が1両だけ組み込まれた編成は非常に不揃いな感があり、一部の趣味者からはかなり注目される存在なのでは…とも感じたもので、今後この様な編成だけでなく、4両全てが元5扉車で構成された編成の登場も予定されています。
車内に足を踏み入れると、化粧板や座席モケットが日比谷線直通用車両の4扉車代替に伴って導入進行中の最新型車両・70000系と同種のものに改められています。
一部ドア上には小型ながらLCDモニターも設置、天井などに種車の雰囲気を感じる部分も多々あるものの、先代主力車両の8000系に比べると、随分近代的な印象と感じたものです。
ただ外観程の違和感はないものの、元5扉車は特徴的な戸袋窓がそのまま残存しており、扉を埋めた箇所に設けられた大窓周辺は、枕木方向に配していたつり革を取り付けるパイプの撤去痕が見受けられるなど、如何にも改造車という雰囲気が色濃く、これは善し悪しの評価がかなり分かれるのでは…とも感じたものでした。
また私事ながら、20400型はMAKIKYUが令和時代になってから乗車した鉄道車両の新形式第1号にもなっています。
これからしばらく続くであろう令和時代における宇都宮線主力車両としての活躍に期待すると共に、導入予定編成数を考慮すると宇都宮線以外の北関東ローカル各線に導入される事も推測されますので、今後の動向にも注目していきたい車両の一つと感じたものでした。