今日10時30分過ぎ、小田急小田原線・愛甲石田~伊勢原間で線路脇の土砂が陥没、この影響で本厚木~愛甲石田~伊勢原間は長時間に渡り運転見合わせ、また特急ロマンスカーは全面運休となり、ニュースなどでも大々的に報じられていますので、ご存知の方も少なくないと思います。
MAKIKYUは日頃小田急線を利用する機会も多い伊勢原市民という事もあり、このニュースを聞いた際には、地元で非常に芳しくない事案が…と感じたものです。
土砂陥没が発生した現場は愛甲石田駅から伊勢原方へ徒歩10分程度、愛甲石田駅~粕屋経由~伊勢原駅北口間の路線バス(神奈川中央交通(神奈中)/伊76系統)の「谷戸入」バス停近くです。
長時間に渡る小田急線運転見合わせが災いし、今日昼間の国道246号線(伊勢原市内)はかなり混雑していると感じられ、車よりもMAKIKYUが乗っている自転車の方が早いと感じる状況でした。
渋滞車列の中には列車運転見合わせが長時間続く事を見込み、急遽手配された代行輸送バスの姿も散見したものでした。
今日の運転見合わせでは、GW期間の行楽で小田急沿線外から箱根などの行楽地に向けてロマンスカーで…と思っていたものの、ロマンスカー運転中止で行楽気分が…という方も少なくないと思われ、また小田急沿線各地に所用などで出向く方の中にも、予定が大きく狂った・変更を余儀なくされたという方も少なくないと思います。
しかしながら今回の運転見合わせでは、運転見合わせ区間の途中駅・愛甲石田駅利用者が最も大きな影響を被ったのでは…という気がします。
愛甲石田は小田急線が通常運行している際は割合至便なものの、運転見合わせとなると愛甲石田駅発着の鉄道並行路線や他社線駅へ向かう路線バス便数が少なく、数少ない他駅へ抜ける路線バスや、渋滞している国道246号を走る代行輸送バスなどに頼らざるを得ない状況は「陸の孤島」状態と感じた方も少なくないと思います。
(愛甲石田駅~伊勢原駅間の路線バスは最も便数の多い東海大学病院経由(伊74系統)でも昼間40分毎程度。本厚木駅への直通便設定はなく何処かで最低1回の乗換が必要、こちらも便数は余り多くない状況、また振替で東海道線を利用したい場合も平塚駅へ向かうバスはかなり少なく、本厚木駅や伊勢原駅に比べるとバス便の利便性は雲泥の差です)
MAKIKYUは長時間運転見合わせで自動券売機と自動改札が全てクローズ状態、運転見合わせの告知が掲出され異様な光景になっている愛甲石田駅改札前や、多数の乗客が並ぶ駅前バスロータリーの代行輸送バス発着場などの様子も視察したものでした。
代行輸送バス発着場には英文併記看板も用意され、急遽代行輸送を実施する状況になった割には随分立派なものが用意されているな…という印象を持ちましたが、道路渋滞に加え代行輸送バス自体もかなり混雑している状況で、小田急線の代替でこの代行輸送バスを利用して移動するのも容易ではないと感じたものでした。
この代行輸送バスは小田急グループに属し、厚木市や伊勢原市をはじめ、一帯広域で多数の路線バスを運行している神奈中の路線車が多数動員される状況でした。
愛甲石田駅の代行輸送バス発着場には小田急側の係員と共に神奈中の運行管理を担う人物と思われる人物も出陣しており、急遽運行受託する事になった代行輸送はかなりの大仕事なのでは…と感じたものでした。
神奈中では休日ダイヤ運行日で平日に比べると運行台数こそ少ないとはいえ、通常の一般路線運行を行いながら代行輸送バス運行も受託している事もあってか、動員されたバスは地元の伊勢原営業所や厚木営業所のバスが多いものの、それ以外に日頃本厚木・愛甲石田・伊勢原各駅を発着する路線を持たない綾瀬営業所のバスも複数台目撃しています。
その中には新型エルガの姿もあり、日頃愛甲石田駅で見かける機会のない車両という事もあって非常に新鮮な印象を受けたものの、今度愛甲石田駅にこの車両が出没する際には、不測の代行輸送ではなく別の形で…と感じたものでした。
また当初復旧は16時10分頃と案内されていた本厚木~愛甲石田~伊勢原間は、15時10分過ぎに運転再開となり、MAKIKYUは運転再開前の土砂陥没現場試運転列車(4000形10両)の姿を目撃、その後下り運転再開1番列車(3000形+1000形更新車併結10両)にも乗車機会がありました。
この列車は愛甲石田駅を出発すると、程なく差し掛かる土砂陥没現場周辺を25㎞/h程度の徐行で通過、車内でも車掌放送によりこの旨が案内され、また車内LCDモニター案内では運転見合わせの情報が表示されたままという状況でした。
その後もダイヤ乱れが続き、特急ロマンスカー運転再開は夜になるなど、今日は小田急線利用者をはじめ、小田急電鉄や代行輸送受託の神奈中現業関係者などにとっても、大変な一日になってしまったのでは…と感じます。
負傷者や車両への被害などが報じられていない事は不幸中の幸いですが、土砂陥没原因の究明と再発防止策が講じられ、今後同種事案が再発しない事を強く願いたいと感じたものでした。
今日MAKIKYUは所用で横浜市内某所へ出向いており、その後気まぐれで東急線に乗車、その際には二子玉川駅から田園都市線にも乗車したものでした。
その際には丁度やって来た列車で運行開始から日が浅い最新型車両・2020系が出没、まさかいきなり新車出没とは思っていなかっただけに、思わぬ大収穫と感じたものでした。
ちなみに東急では今年田園都市線向け2020系・大井町線向け6020系という塗装と両数以外はほぼ同等の新型車両を導入しており、6020系の方は既に先月末に乗車済。
「MAKIKYUのページ」でも既に6020系に関して取り上げた記事を公開(関連記事をご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい)しており、2020系もどの様な車両なのか凡その推測は付く状況でしたが、6020系と同様に今までの東急線車両に比べて走行時の静粛性が高く、東急の車両らしからぬドアチャイムまで6020系と同様でした。
ほぼ座席が埋まる状況での途中駅間乗車という事もあり、車内の様子などは撮影していませんが、座席や化粧板などは6020系と同等、4か国語対応のLCDモニター案内も6020系並に充実しています。
車内での差異は6020系よりも設置数が多いLCDモニター程度と感じ、先代5000系列では導入型式毎に座席モケットや化粧板を変えて個性を打ち出していたのに比べると、2020/6020系は対照的な状況という気もします。
ただメーカー標準仕様を踏襲した面も多い中でも、少々高級感のある内装は好感の持てるものと感じ、2020/6020系製造メーカーの現親会社一般車両も、2020系/6020系並の内装を誇る一般車両を導入する事は出来ないのだろうか…とも感じたものです。
またMAKIKYUが今日乗車した2020系充当列車は各駅停車、途中駅で急行の待ち合わせという事もあり、待ち合わせの駅で先行する急行に乗換、先回りした後に後から入線する2020系を撮影する事もできました。
6020系同様に先頭部には「Debut Series 2020」と記されたステッカーも掲出、新車ならではの雰囲気が存分に感じられる状況で、まだ東武スカイツリーライン乗入が解禁されていない事もあってか、前面ガラスにはマルケーマーク(マルケーではなくサークルKと呼ぶ方も多い様ですが…)の貼付もありました。
今後増備が進行、また東武線乗入も解禁されれば、Debutステッカーやマルケーマークのない姿も当たり前の様に見られる事になると思われ、首都圏通勤線区各線の中では古参車比率の高い田園都市線において、車両面での質的向上と運行コスト・電力消費量低減に大きく貢献する事になる事はほぼ確実かと思います。
走行音が特徴的な古参車は一部のファンからは絶大な人気を誇っており、2020系導入による代替は賛否両論が真っ二つに分かれる話かと思いますが、2020系撮影の後にしばらく滞在した駅では、その後数本の列車を撮影した中に古参車も参上、その中でも狙ってもなかなか遭遇しない少々派手な装いの車両にも遭遇したものでした。
この他にも近年田園都市線の運行機会が減少、代わって東武東上線の主力型式になっている車両にも遭遇し、短い滞在時間の割には随分な収穫が…と感じたものでしたが、2020系に対する感想等ありましたら、コメントもどうぞ。
先月複々線化事業完成による大規模ダイヤ改正を実施、登戸以東での混雑緩和や大増発などが実現した小田急線は、今年首都圏で最も注目の路線と感じている方も少なくないと思います。
計画されていた複々線化事業の完成が実現した今日でも、代々木八幡駅と開成駅のホーム延伸工事、通勤型車両3000形8両編成の中間車増結による10両化などが進められ、今後更なる輸送改善が図られる事が約束されていると言っても過言ではない状況で、今日付でこれらに加えて車両リニューアル(1000形と30000形EXE)やホームドア整備推進なども含めた「鉄道事業設備投資計画」が発表されています。
今日付で発表されたニュースリリースではこの「鉄道事業設備投資計画」に加え、「ロマンスカーミュージアム開業」というリリースも目を惹くものと感じ、こちらは2021年春開業予定と発表されています。
小田急電鉄は私鉄界では保存車両数もかなり多い部類、これらの車両が常設展示された施設の開設を切望する人物も相当数に及んでいると思われ、MAKIKYUも出来る事なら是非小田急沿線の何処かで…と思っていました。
ネット上でもJR東日本の「鉄道博物館」開館日と同日に「小田急バーチャル鉄道博物館」を開設するなど、小田急電鉄社内でもいつかは博物館開館を実現させたいと考えている人物が相当数いるのでは…と推測される状況でした。
小田急が社運を賭けた複々線化事業が一段落しまもなくGW連休期間を迎える今日、遂に公式発表が出たのは、小田急ファンの一員としては「遂に…」と感じる所です。
小田急沿線で広大な土地を確保するだけなら、伊勢原市内や開成町内などの方が地価も割安、また小田急線利用喚起・需要創出という点でも優位と感じますので、海老名の車両基地に隣接して開設というのは、一帯で商業施設やマンション開発が進捗している事などを考慮すると、個人的には少々意外だった気もします。
しかしながら海老名でのミュージアム開設となると、車両基地隣接立地ならではの催しの実施可能性、近隣商業施設への誘客に加え、都心方面からは特急ロマンスカーでのダイレクトアクセスも可能、また小田急線に加えて横浜や茅ヶ崎などから他社線でのアクセスも可能であるなど、移動選択肢が多様な事なども評価されたのでは…と感じています。
ちなみにミュージアム開業予定が発表された今日、近場という事もあり、恐らく建設地になると思われる海老名駅(西口)近くの検車区脇にある空き地も視察して来ましたが、ここなら先頭車と一部中間車程度に短縮された歴代ロマンスカー車両数編成程度の保存も出来そうな広さと感じたものです。
その気になれば空き地奥(小田原方)にある検車区施設内の小屋も解体、もしくは移設してミュージアム用地に転用する事も出来そうな雰囲気と感じましたが、今後この空き地がどの様に変貌していくのかも気になるものです。
このミュージアムの開業予定は2021年春、保存車両は現在非公開保存されている歴代ロマンスカー各車種(旧3000形SE車・3100形NSE・10000形Hi-SE・20000形RSE)とまもなく全廃となる事が想定される7000形LSEに加え、小田急線開業当初に導入されたモハ1形(一般車両)の名前が挙がっています。
「ロマンスカーミュージアム」と称するだけあって、収蔵・公開される保存車両の大半が特急車両となっており、小田急の保存車両は特急車両比率が高い事も考慮すると、ミュージアム収蔵車両も特急車主体になるのは必然と感じます。
(写真は以前ファミリー鉄道展で公開された旧3000形SE車&特急車両の並び:青いロマンスカー(60000形MSE)は保存対象外です)
しかしながら一般車両も保存車両として名前が挙がったモハ1形以外に、バーチャル鉄道博物館で公開されている2600形・9000形、これに加え2200形(写真)の3形式が保存されています。
この一般車3形式は現状通り喜多見検車区内で非公開保存継続なのか、それとも別の形で保存場所移動と共に公開保存、もしくは非公開保存となるのかも気になる所です。
(海老名検車区内で非公開保存されている旧3000形SE車の新ミュージアム移設はほぼ確実な情勢ですので、もし活用可能ならSE車保存庫への移動で喜多見検車区の留置線を空けるのも一つの方法かもしれません)
今後の展開も楽しみな朗報と感じ、3年後に予定されているロマンスカーミュージアム開館が待ち遠しいとも感じ、ミュージアム開館の暁には「小田急バーチャル鉄道博物館」は実在博物館への役割継承で閉館を迎えるのか否かも気になる所です。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、ロマンスカーミュージアム開業リリースを見た際の感想等ありましたらコメントもどうぞ。
先月小田急線は代々木上原~登戸間の複々線化事業完成に伴う大規模ダイヤ改正を実施、今日で丁度一ヶ月になります。
複々線化事業完成区間を運行する列車のラッシュ時混雑率も、一部の快速急行などを除くと概ね緩和されていると感じ、日頃小田急線を利用する一員のMAKIKYUとしては、総体的に見れば輸送改善が大きく進んだと感じています。
先月のダイヤ改正では一般列車の輸送改善が最も大きなポイントですが、新ダイヤ実施に合わせて特急ロマンスカーの新形式・70000形も運行を開始しています。
MAKIKYUは日頃小田急線を利用している身という事もあり、営業開始前の試運転も何度か目撃しており、また運行開始初日と翌日には乗車機会もありました。
他の記事作成・公開もあり、注目される存在の車両でありながらブログ記事作成がなかなか…という状況でしたが、ダイヤ改正1ヶ月記念も兼ねて、今日取り上げたいと思います。
新型車両・70000形はGraceful Super Express(GSE)と称され、ロマンスカーの名物とも言える展望席を備えており、オレンジ色の装いを纏った姿は非常に華のある車両と感じます。
今後小田急線でもホームドア設置を推進する予定もあり、展望席付き特急車では定番だった連接構造は取り止めとなり、連接車とほぼ同等の編成長ながら一般的なボギー車になっている事も大きな特徴になっています。
このため、一時期20000形RSEなどで見られた「7両」の特急が復活する事にもなり、現在活躍中の特急車は大量輸送向けのEXE/MSEを除くと乗降位置は車種によってバラバラ、駅ホームの乗車位置案内も非常に多彩なものになっており、全面退役もそう遠くないと推測される古参7000形LSEも残存する今日では特に…という状況です。
ちなみにMAKIKYUはホームウェイ号とダイヤ改正に併せて登場したモーニングウェイ号の2列車でGSEに乗車、LEDによる車外案内表示はMSEやEXEαと大差ないものになっており、華やかな外観の割に案内表示は大人しい印象を受けたものです。
車内に足を踏み入れると、デッキ付近は同じデザイナーが関与した箱根登山鉄道の新型車両「アレグラ号」などを連想させる雰囲気があると感じたものです。
随所にスーツケースなどの大型荷物に対応した荷物置きが設置されている辺りは、近年のインバウンド需要の増大なども影響しているのでは…と感じたものです。
荷物置き区画には製造メーカー(日本車輛)の銘板も見受けられ、脇には車号表記もあるものの、これらは控えめで余り目立たない雰囲気と感じ、デザイナーの意図でこの様になったのかも気になる所です。
客室に足を踏み入れると独特な形状の座席や天井、そしてVSEやMSEなどの先代特急車とは大きく異なる大きな客窓が非常に特徴的と感じたものです。
空調装置設置の関係で天井高さが低くなる車端部も、車内側への張り出しをアクセントとして上手く処理している辺りは、デザイナーの見せ所という印象を受けたものです。
座席は新宿駅構内で期間限定営業していた「GSE cafe」でも展示され、試しに着席した事もありましたので、事前予想通りと言った感触、独特なデザインのモケットはレトロとモダンの融合と言った感もあり、インパクトも結構大きい気がします。
ロマンスカーは乗車時間がさほど長くない事もあり、リクライニング角度などはさほど大きくないものの、VSEやMSEなどに比べるとクッション性もあり、足元空間も広く確保されているなど、乗車時間を考慮すると適度な設備なのでは…という印象を受けたものでした。
座席上部にある金属製の飾りも大きな特徴になっていますが、ここには座席番号を点字で記しているのも大きな特徴と感じたものです。
この様な取り組みはバリアフリーを考慮すると、今後ロマンスカー他形式や他社特急車でも普及していくのか否かも気になったものです。
車端には細長いLCDモニターによる案内表示装置も設置、ここには列車名や次駅などの表示が日英2か国語(MAKIKYUが見た限りでは)で行われます。
表示内容は最近の特急車にしてはかなり控えめという印象があり、LED式でも4か国語案内を実施しているMSEなどに比べても…と感じたものでした。
車内Wi-Fiを整備、これを活用した多言語によるGSE専用コンテンツ「Romancecar Link」なども存在する事から、英語圏外の外国人旅行者対応はこちらで充分と判断されたのか否かも気になる所です。
客層などを考慮すると昼間の箱根方面などは中国人旅行者なども多数乗車、中国語放送を実施しても不思議ではない位ですので、この点は評価が分かれる所とも感じたものでした。
またMAKIKYUが先月中頃のダイヤ改正日とその翌日に乗車した際は、2日間限定で乗車記念証の配布も行われ、日付部分以外は2日間共に同等のものでした。
この点も2日間でデザインを変えた方が…という方もいれば、一方で同一デザインなら17/18日で共通化しても…と捉える向きもあるとあると思いますので、この点は評価が分かれる所だと思います。
ちなみにGSEは観光向けを意図している部分も多々あるものの、VSEの様なグループ客向けサルーン設置はなく、座席は2人がけのリクライニングシートのみとなっています。
カフェコーナーも廃止され車内物販は専らワゴン巡回による対応になるなど、設備面では割り切って客席増を図った一面もあり、観光特化型のVSEと朝晩の着席需要増に応えるEXE/MSEの中間的存在という印象も受けたものでした。
今後GW期間には列車設定廃止となった「あしがら」号が期間限定臨時列車として復活、このあしがら号にも充当予定である事が告知されています。
現在は1編成のみ稼動していますが、今後LSE代替による増備も見込まれ、GSEと共に箱根観光輸送の花形として活躍する一方、朝晩の小田急沿線着席需要にも応える車両としてもどの様に評価されるのか気になる所です。
今後の展開にも注目したい車両と一つと感じたものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も乗車された際の感想などありましたら、コメントもどうぞ。
昨日大分県中津市で大規模な山崩れが発生、死者や行方不明者の発生も報じられる大災害となり、この山崩れに関してはニュースなどでも大々的報じられていますので、ご存知の方も多いと思います。
不幸にもこの山崩れで亡くなられた方に対しては、この場からも冥福を申し上げると共に、避難勧告が発令され避難生活を余儀なくされている方も、早く日常生活に戻れる事を祈願するばかりです。
また中津市というと、JR中津駅やその周辺を連想する方が多いと思いますが、今回山崩れが発生した所は元々中津市域だった所ではなく、平成の大合併で中津市に編入された地域の一つで、中津~日田を結ぶ国道から少し脇道に入った一帯になります。
MAKIKYUは今回の山崩れ発生個所には足を運んだ事はないものの、以前中津~日田間を結ぶ特急バスが走っていた頃に、柿坂など山崩れが発生した箇所の近隣を通過した事があり、土休日は全便運休となるものの、平日は柿坂~豊後森間を結ぶ路線バスも数本運行しています。
(ちなみに大交北部バスが運行していた特急バス(一般路線用中型車充当)は廃止されたものの、現在は代わりに中津~耶馬渓(旬菜館)と耶馬渓(旬菜館)~日田の2系統を利用し、2都市間を移動する事ができます)
また柿坂~豊後森間を結ぶバスの起終点となっている豊後森は、昨冬に足を運ぶ機会があったばかりですが、まだブログ記事は公開していませんので、今日取り上げたいと思います。
豊後森はJR久大本線のほぼ中央付近に位置し、かつては隣の恵良駅から小国線も分岐、機関庫もある鉄道の要衝として知られていた所ですが、現在小国線は廃止、また久大本線も大分自動車道開通などでローカル線化しているのが現状です。
豊後森駅に近接して立地していた機関庫は、本来の用途を終えても今日まで姿を留めており、近年近代化産業遺産認定や国の登録有形文化財登録などの動きもあってか、かなり注目される存在になっています。
機関庫は古いガラスが多数割れており、この修復に関しても現在検討中との事で、庫内には割れたガラスの破片などが散乱している事もあり立入禁止、外観見学のみとなっていますが、当面現状のままで外観見学のみとするの否かも気になる所です。
また国の登録有形文化財登録などが行われた後、福岡県内で解体予定だった9600形蒸気機関車も譲受、屋外静態保存ながらも非常に綺麗な状態で公開されており、希少な存在の機関庫に花を添える存在になっていると感じたもので、これだけのモノを維持していく労力も並大抵ではないと感じたものでした。
2015年には機関庫近くに豊後森機関庫ミュージアム(入場料100円)も開設、ミュージアム内には機関庫や久大本線の歴史などを紹介する資料などをはじめ、JR九州の車両デザインで知られる某有名デザイナーが描いた車両イラストなども多数展示されています。
そしてこの豊後森機関庫は静岡県沼津市周辺を舞台にした某有名アニメに登場し、伊豆箱根鉄道が楽曲に関連したラッピング電車も運行している「HAPPY PARTY TRAIN」の舞台にもなった事もあってか、ミュージアム内にはこのアニメの関連グッズも多数並べられており、
ミュージアムの方から伺った話では、ファンが陳列をお願いして持ち寄っているとの事でした。
(「HAPPY PARTY TRAIN」ラッピング電車に関して興味のある方は、こちらをクリック(以前公開した記事へ移動)して下さい)
また豊後森機関庫や機関庫ミュージアムにも近接している豊後森駅は、駅舎内が近年リニューアルされて某有名デザイナーの個性が強く表れたものに改められています。
某有名デザイナーが関与した改装車両などに興味をお持ちの方であれば、駅舎内待合室なども一見の価値ありと感じたものでした。
そして駅前からは幾つかのローカルバスが出ており、一応玖珠町内と周辺一帯への交通結節点になっていますが、先述の柿坂~豊後森系統など土休日運休の系統も多い状況です。
訪問日は土休日でバス便の数も少なく、宮原線代替バスでも小型車で乗客の姿はまばらな状況でした。
駅ロータリーには入らず、駅前の通りを発着する九重町営バスに至ってはワゴン車での運行となっており、輸送力の小さい車両でも足りてしまう辺りは、路線維持自体が厳しい現状を実感させられたものでした。
ちなみに豊後森を走る久大本線も、昨夏の集中豪雨で橋脚流出などがあり、現在でも一部区間不通が続いています。
大分~福岡県境周辺の内陸部は最近、自然災害が頻発している感もありますが、MAKIKYUの訪問時も久大本線一部区間不通の影響で特急が軒並み運休となった事も災いし、平時に比べ観光訪問者もかなり少ないと伺ったものです。
MAKIKYUが豊後森へ足を運ぶ際は普通列車(写真)を利用したものの、こちらも今春のダイヤ見直しで減便され使い勝手が悪くなっていますので、久大本線不通区間の早期運転再開(現段階では今夏予定)、並びに同線観光特急列車の運行再開などを待ち望みたいものです。
先日東京急行電鉄(東急)ではダイヤ改正を実施、この改正は複々線化事業完成による大規模ダイヤ改正を実施した近隣の小田急電鉄に比べると小規模なものですが、ダイヤ改正に合わせて増発と新型車両導入も実施されています。
新型車両は田園都市線と大井町線に導入、既存車両とは別の新形式となっており、田園都市線用は2020系(10両編成)・大井町線用は6020系(7両編成)という、どちらも非常に中途半端な形式名となっているのが大きな特徴です。
両者は両数やラインカラーなどが異なるものの、デザインや基本的仕様は概ね共通化されており、今後の東急新標準車両になると思われますが、中途半端な番号の形式名を聞くと、関西の有料特急運行で定評ある某大手私鉄を連想してしまう方も少なくないと思います。
製造メーカーは東急線車両製造においては定評あるJ-TREC(旧:東急車輌→現:総合車両製作所)、同社新標準ステンレス車「sustina」の一員となっています。
田園都市線と相互直通運転を行っている他社車両では東急車輌/J-TREC以外のメーカーが製造した車両も数多く走る中、東急グループから離脱した今日でもJ-TREC製ステンレス車を採用し続ける辺りは、東急らしい選択という気もします。
(東急と並び旧東急車輌製車両を好んで導入していた関西の狭軌某大手私鉄は、近年になって車両発注をJ-TRECから地場メーカーに移行しつつあります)
2形式の中でも2020系は運行範囲が中央林間~久喜/南栗橋間と非常に広く、同系統での稼働車両数も相当数に及びますので、まだ導入から日が浅く編成数が少ない今日では、狙ってもなかなか捕まらない状況です。
一方6020系は主に大井町~溝の口間(一部大井町~長津田など)の急行運用専従(急行通過駅は5両かそれ以下の編成のみ停車可)で運行範囲が狭い車両ですので、2020系に比べると割合容易に捕まえられます。
MAKIKYUが先月末に東急線を利用した際には、新型2形式の中でも捕まえやすい6020系の方に乗車機会がありましたが、ステンレス車ながらも平滑な側面などを見ると如何にもsustinaという雰囲気。
ステンレス無塗装の銀色が主体ながら、窓上にカラーテープを配した装いは、ホームドア導入が進む今日の状況を強く反映していると感じ、一昔前の東急線車両では標準的な切妻形状とは一線を画する丸みを帯びた前面形状も騒音対策などの実利面に加え、新車である事を強調するために差別化を図る意図もあるのか…と感じた程です。
車番を斜めに表記している辺りも独特で、6020系や2020系の大きな特徴になっており、運行開始したばかりという事もあってか、MAKIKYUが乗車した6020系の前面窓下には「6020DEBUT」のステッカーも掲出されていました。
行先表示は前面・側面共に近年の新型車両では標準的なフルカラーLEDを採用、側面は停車中に次停車駅も表示するのは、近年のJ-TREC製車両ではよくある仕様ですが、小さな表示器に駅番号まで表示する事もあってか、かなり狭苦しい印象を受けたものでした。
6020系の大井町線急行程度ならまだしも、2020系が田園都市線と直通運転を行っている東武線へ直通運転する「区間準急 東武動物公園」行きで運用ともなると…とも感じたもので、側面行先表示はsustinaでも少し前に登場した京王線5000系並の大きさにできなかったのか…とも感じたものでした。
車内に足を踏み入れると、こちらもsustina標準仕様が多数取り入れられており、JR山手線で導入進行中のE235系電車などと類似点も多く見受けられますが、化粧板や床材などは無地ではなく柄入り、一般車両にしては高級感を感じる雰囲気に仕上がっていると感じたものでした。
座席は5000系列後期車などでも採用されたセミハイバック型、座り心地は「硬過ぎず柔らかすぎず」で適度な感触と感じたものです。
同じくセミハイバックシートを採用した先代5000系列後期車では、ドア付近の座席に枕が設置されており、6020系では枕が廃止されていますので、この点は評価が分かれる所だと思いますが、個人的には枕なしでも支障なしと感じています。
客扉のガラス押え形状は、最近JR東日本などでよく見かける窓枠の4隅が角張ったものではなく、東急線車両では一般的な四隅が丸い化粧板仕上げ、車内側のドア隅に小さな注意喚起が複数見受けられる辺りは、最近の関西私鉄車両などを連想したものです。
ドアチャイムは東急独自と言っても過言ではない音色の5000系列とは異なり、JRのE235系などで用いられているチャイムと同等の音色となっており、京王5000系などと同種の扉脇手すり形状なども、標準仕様踏襲が深度化している印象も受けたものです。
走行中の電動車モーター音が静粛化され、6020系と共通で大井町線急行に用いられている6000系と乗り比べても静かと感じたもので、東急の車両らしくないと評する向きもあると思いますが、個人的には評価できる事と感じています。
東急田園都市線や大井町線を運行する古参車両の中には、一部で「爆音」と騒がれている走行音が極めて大きい車両も存在しており、2020系や6020系の導入でこの爆音車両の代替が進行すれば、趣味者の一部は別として一般客からは大いに喜ばれるのでは…とも感じたものです。
各客扉上には最近の新型車両らしくLCDモニターによる車内案内表示装置も装備、自動放送による案内は2か国語に留まっている中で、モニターでは4か国語案内を実施しています。
内容的にも韓国語表示における次駅案内で「次は」を彼の地の案内と同様の「이번역은」で表示している辺りなどは、内容的も悪くないのでは…と感じたものでした。
この6020系はまだ運行開始から日が浅いものの、営業運行開始前に早速今冬からロング/クロス可変座席を用いた座席指定車両導入の公式リリースもあり、車両差替実施の可能性が極めて濃厚な状況になっています。
そのため6020系は現在の姿を見れる短く、早くも大変貌を遂げる事になるかと思いますが、座席指定車導入をはじめとする大井町線急行の利便性向上策で、混雑が激しい田園都市線からの旅客シフトにどこまで威力を発揮するのかも気になる所です。
また兄弟車両とも言える田園都市線用の2020系も機会があれば一度試乗してみたいと感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も6020系や兄弟車両の2020系に乗車機会がありましたら、是非その際の感想コメントなどもどうぞ。