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福岡県内へ乗り入れる日田バス急行便~nimocaなどは使えるものの…

2011-05-24 | バス[九州本土]

MAKIKYUが今月九州へ出向いた際には、九州新幹線に乗車して南九州へ足を運ぶだけでなく、福岡県内でも様々な鉄道や路線バスを利用する機会がありました。

その際には来年2月までの期間限定で、福岡・久留米・佐賀・筑豊エリアの西鉄バスグループ一般路線全線(急行便は利用可・特急や高速は不可)と、西鉄電車の福岡(天神)~久留米間及び大宰府線が乗り放題(甘木線と貝塚線は不可)となる「FUKUOKA 1DAY PASS」も利用したものでした。

この乗車券でMAKIKYUは福岡市内の西鉄バスに乗車し、福岡市郊外を視察した後、西鉄電車で久留米へ向かい、更に西鉄バスで吉井へ足を運んだものでした。

福岡(天神)~吉井営業所間(西鉄久留米乗換)の片道だけでも1300円を越えますので、随分広いエリアで使える割に1500円は非常に割安です。

そのため来年2月以降の設定継続に期待すると共に、機会があればこの乗車券の設定期間内に再び福岡県内に足を運び、西鉄バスの様々な路線を堪能したいと感じたものですが、西鉄久留米~吉井営業所間を往復するだけでも元が取れてしまう程の激安価格も影響してか、発売箇所が随分限られているのは惜しい限りです。
(博多や天神では容易に購入できますが、久留米周辺や筑豊では通用範囲ながらも、発売箇所がありませんので要注意です)

少々前置きが長くなりましたが、MAKIKYUが吉井まで足を運び、首都圏を川越を連想する様な蔵造りの街並みを眺めた後は、来た道を田主丸(Tanushimaru)まで引き換えし、そこから甘木観光バス(FUKUOKA 1DAY PASS対象外・SUNQパスなども使えません)に乗り換えて甘木へ抜けたのですが、吉井の街中で田主丸へ向かうバスの時間を見ると、丁度日田バス急行便の運行時刻となっていました。

日田バスは大分県日田・豊後森周辺に路線を持ち、日田~福岡間で頻発する高速バス「ひた号」の運行会社としても知られる西鉄グループのバス事業者ですが、高速バス以外にも僅かながら福岡県内に乗り入れる路線が存在しています。

その僅かな路線が、高塚・日田から甘木を経由して朝倉街道(Asakura-Gaido)と、吉井を経由して久留米へ向かう系統で、どちらも1日に僅か2往復しか走らない僅少系統となっており、どちらも福岡県内では急行便として一部停留所を通過運行しています。

両系統では西鉄エリアに乗り入れる事から、西鉄の各種乗車券が通用し、大分県内の日田バス一般路線では通用しないICカード・nimocaにも対応しており、この関係もあって使用車両が限定されています。

福岡県内へ乗り入れる急行便は、専ら西工製車体の中型トップドア車(日野)が充当されており、西鉄の一世代前に用いられていた観光バスと同系統の塗装となっており、頻発する西鉄バスに紛れながら走る様は、非常に異彩を放つものです。
(写真は以前日田BCで撮影した朝倉街道系統の急行便で、車両は同型車ですが、MAKIKYUが今月乗車した久留米系統とは字幕標記などが異なります)

こんな路線ですので、存在は非常に気になっており、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、なかなか乗れない僅少路線に乗車できる絶好の機会とばかりに、吉井駅前~田主丸中央間という短い区間ながらも、日田バス急行便に乗車したものでした。

この日田バス急行便では、充当車両はICカード関連機器はおろか、デジタルタコグラフやドライブレコーダーといった運行支援装置までしっかりと装備しているにも関わらず、音声合成による案内がなく、停留所名案内は運賃表示器の表示を除くと、マイク肉声のみと言うのも異色でした。

また「FUKUOKA 1DAY PASS」に関しては、事前の告知では「福岡・久留米・佐賀・筑豊地区の西鉄グループ一般路線全線」と案内(西鉄バスグループ一般路線全線ではありません)されており、急行便は使える事も確認していました。

とはいえ当初日田バスの乗車予定はなかった事から、MAKIKYUもこちらの利用可否までは確認しておらず、西鉄側のHPや案内チラシなどを見ても、日田バス急行便に関しては白黒が付け難い状況となっていました。

そのため「FUKUOKA 1DAY PASS」が利用不可であるならば、別途nimocaで運賃を支払えば…という事で日田バス急行便に乗車したのですが、運賃を支払う段階で乗務員氏に利用可否を訪ねると、「見た事がない」「分からない」との事で、手持ちのnimocaで運賃を支払い、後で西鉄側にメールで利用可否を問い合わせたものでした。

その後西鉄側からは「弊社お客様センターの説明不足で…」というお詫びと共に返答があり、日田バスは福岡市内を走る観光循環バス「ぐりーん」などと共に、通用範囲内でも「FUKUOKA 1DAY PASS」の適用外路線という返答を頂きました。

日田バス急行便は専ら杷木・浮羽以遠の日田方面と、福岡県内の間を移動する便宜を図るために運行されており、福岡県内では西鉄による大型路線車を用いた便が頻発している事や、車両の収容力などを考えると、一部の乗降制限箇所を除き福岡県内の西鉄バス運行区間内のみで利用できるとは言え、適用外となるのは致し方ないかもしれません。

また管理者には説明不足のない様に申し伝えて頂くと共に、HP上の表記も紛らわしい標記になっており、早急に改善するとの事で、後日HPを確認したら、乗り放題エリアマップの注記事項で、

※日田バスはご利用いただけません。

という文面が追加されるなど、今回のMAKIKYUの事案は極めて稀な事例とはいえ、早急に改善して頂いたのは好感です。

そのため「FUKUOKA 1DAY PASS」を利用して福岡県内を廻る際、珍しいバスが来た…とばかりに日田バス急行便に乗車すると、適用外で別途運賃(西鉄並行区間の普通運賃は、西鉄便と同額)が必要になってしまいますので要注意です。
(九州一円で路線バスが乗り放題となる「SUNQパス」を利用する場合は、日田バスも対象事業者となっていますので利用可能です)

運行本数や設定時間帯、運行エリアなども考えると、地元の方以外で日田バス急行便に乗車する機会は非常に限られるかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、是非福岡県内に乗り入れる日田バス急行便に乗車してみては如何でしょうか?


大分バスで活躍する富士重工製車体の日野車~7Eボディは多数が活躍

2011-05-02 | バス[九州本土]

MAKIKYUが2月に大分に立ち寄った際には、大分県内では先日取り上げた亀の井バス以外にも、大分市内で県内最大手を誇る大分バスの路線バスにも乗車する機会がありました。

大分バスは以前近鉄系列だった事も影響してか、日野自動車製のバスが大半を占めているのですが、日野製でも純正車体や九州では多数が活躍する西日本車体工業(西工)製ではなく、富士重工製の車体に日野の下回りを組み合わせた、全国的に余りメジャーとはいい難いバスが多数活躍している事でも知られています。

他地域では幾つかの事業者が、富士重工製の日野車を好んで導入しており、三菱製との組み合わせに比べると数も多いですが、九州で富士重工+日野の組み合わせとなっているバスをまとまった数で走らせている事業者は大分バスのみとなっています。

また大分バスは九州の路線バスらしく、高速バスで共同運行も行っている業界最大手の事業者にも影響されたのか、中扉が4枚折戸の車両が、自社発注の大型路線車では多数派を占めており、この扉配置で富士重工+日野の組み合わせというバスは、大分バスを代表する存在と言っても過言ではありません。

富士重工がバス車体製造から撤退し、末期は日野製との組み合わせも取りやめとなった事や、大分バスでも中古車やメーカー純正使用の新車が続々と入っている事などから、近年では特徴的な富士重工+日野の組み合わせというバスばかりという状況ではありませんが、それでも大分市内の中心部などでは結構な数を見る事が出来ます。

その中でも比較的古い5Eボディを載せた車両となると、全国的にも数を減らしている古参車だけあって遭遇頻度はかなり低くなりますが、7Eボディとなればまだまだ結構な数が走っており、その気になれば比較的容易に乗車できます。

MAKIKYUが大分市内で多少の時間を確保できた際には、この大分バスの名物車両に乗車して何処かの鉄道駅へ抜けられれば…と思い、市内中心部で行き交うバスを観察しながら、富士重工製の日野車で適当な行き先へ向かうバスが来れば…と思っていましたが、時間や行き先の兼ね合いで、乗車する事になったのは大学病院(大分大学とは方向が全く異なりますので要注意です)行きで、都心部から郊外へ向かう30分弱の小旅行を楽しんだものでした。

 
車両はラッピングを纏った車両でしたので、同形車で比較的渋い印象の大分バス標準塗装(塗りわけなどは異なりますが、色合いを見ると、全国有数の規模を誇る某政令指定都市の市バスを連想する方も居られると思います)を纏ったバスの写真も合わせて掲載しますが、乗車した車両は見た目はさほど古さを感じないものの、平成3年式と既に車齢20年に達しています。

そのため大都市圏ではなかなか乗れない車両になっており、またこの年代の大型路線車は個人的に結構好感を持っている車両が多い事もあり、なかなか良い車両に乗れたと感じたものでした。


ちなみにMAKIKYUがこのバスに乗車した際には、「桑原上」というバス停まで乗車し、その後徒歩5分程度の賀来(Kaku))駅からJRに乗車したものでしたが、「桑原上」は「くわばるかみ」と読み、車内で次停留所名を告げるアナウンスが流れた際には、その手前の「桑原下」バス停と共に、如何にも九州らしさを感じさせられたものです。


亀の井バス・別府由布院線~有名観光地間を結ぶ景勝路線

2011-04-29 | バス[九州本土]

2月にMAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、韓国へ向かう高速船(BEETLE)が発着する九州内も廻っており、既に幾つかの記事を取り上げていますが、大分方面へ足を伸ばした際には、亀の井バスの路線バスにも乗車する機会がありました。

大分県の路線バスと言うと、大分市内で多数の市内線を運行する県内最大手の大分バスと、大分以北に多数の路線を持つ大分交通の印象が強く、これらは以前MAKIKYUも乗車する機会がありましたが、それ以外は日田周辺の日田バスに乗車した事がある程度と言う状況でした。

そのため亀の井バスは福岡への高速バスも運行するなど、比較的有名なバス事業者にも関わらず、今まで乗車した事がない事もあって、気になる存在でしたが、2月の大分県内訪問でようやく乗車機会が巡ってきたものでした。

MAKIKYUが乗車したのは別府市内と湯布院を結ぶ「別府湯布院線」で、大分県内の有名観光地間を結ぶ路線ですが、昼間は毎時1~2本とそこそこの本数が確保されているとはいえ、最終が18時台と早く、また平日よりも休日の運行本数が多いなど、運行ダイヤを見ただけでも、観光向けの色彩が強い路線と言う事を伺う事が出来ます。

MAKIKYUは由布院駅近くにある湯布院バスセンターから、別府駅方面へ向かう便に乗車したのですが、湯布院の市街地を出ると高度を上げ、城島(Kijima)高原から湯布院の市街地を見下ろす事になります。

 
この景色は絶景で、中九州に存在する数々の景勝地を巡り、熊本と大分県内を結ぶ九州産交バスの定期観光バス「九州横断バス」の一部便が通るルートにもなっており、多数の観光バスの姿も見受けられるのも頷けるもので、別府市内に入っても、高低差のある別府の街を見下ろす事が出来ます。

車両は亀の井バスの一般路線車各種が用いられ、専ら中型車が充当されていますが、亀の井バスと言うと日野製中型車(Rainbow)の印象が強く、現にこの車両だけで一般路線車の過半数を占めている様です。

MAKIKYUとしては日野Rainbowか、余り数の多くない西日本車体工業(西工)製車体の若年車(58MC)の登場に期待しており、せめて日頃身を置く首都圏のバスと大差ない、比較的新しい中引戸の低床車以外で…と思っていました。

ただ乗車した便に充当されたのはRainbowと58MCのどちらでもなく、西工製車体でもつい最近の西工事業廃止まで製造されていた96MCでした。


それでも大都市圏では既にお払い箱になってしまう年式(1996年式)で、西工製車体でも下回りは日野、しかも中折戸のワンステップと結構特徴的な車両に当たり、期待していた車両とは異なるものの、車両面でも意外と面白い車両に乗れたと感じたものでした。
(乗車車両の写真は、乗車前に許可を得て湯布院バスセンター内で撮影しています)

この別府湯布院線は路線バスに興味のある方は勿論、そうでなくても景勝路線として結構楽しめるかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も大分県内へ足を伸ばされた際には、是非乗車を検討してみては如何でしょうか?


九州で活躍する現代UNIVERSE~いわさきグループでは多数が活躍

2010-07-14 | バス[九州本土]

   

先月MAKIKYUが熊本県の人吉を訪れた際には、じゅぐりっと号やさるく人吉をはじめとする路線バス以外に、人吉駅周辺で韓国の現代(HYUNDAI)製観光バス・UNIVERSEの姿を見る事も出来ました。

UNIVERSEは日本の三菱ふそう製観光バスとよく似たデザインが特徴だった現代の先代観光車に代わり、近年製造されている現代自動車の大型観光バス最新モデルで、韓国ではかなりの多数が走り回っています。

韓国では長距離の高速バスや市外バス、団体ツアーの貸切バスなどでその姿をよく見かけるほか、日本ではまず見かけない中扉付きの車両も多数活躍しており、MAKIKYUも昨年韓国へ訪問した際には、中扉付きのUNIVERSEに乗車した程でした。
(韓国のUNIVERSEに関して以前取り上げた事もありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

また最近では韓国だけに留まらず、日本国内にも右ハンドルの日本向け仕様として韓国から輸出された車両が存在しており、やはり韓国のメーカーである大宇(DAEWOO)と共に、日本製の同等車種に比べて割安な車両価格をウリに、若干ながらも日本市場にも進出しています。

現代製UNIVERSEは、日本では鹿児島県のいわさきグループが多数導入している事で有名で、他にも小規模貸切事業者などでの導入事例も存在していますので、日本国内では全国的に見るとまだ珍しい存在であるものの、既にいわさきグループでは20台以上が活躍しており、南九州では決して珍しい車両とは言えない状況になっています。

MAKIKYUが目撃したUNIVERSEも、鹿児島県境に近い熊本県南部の人吉と言う土地柄だけあって、現代製観光バスを多数導入している事で知られるいわさきグループに属し、鹿児島県有数のバス事業者の一つであるいわさきバスネットワーク(旧林田バス)の車両で、乗車機会こそなかったものの、許可を得て車内の様子を伺う事も出来ました。

如何にも韓国的なデザインに加え、日本のバスに比べて大きめのシフトレバー(フィンガーコントロール)や、車外からドアを閉める際にはコックではなくボタン(しかもドア開閉時は韓国で良く聞くブザー音が鳴ります)を用いている辺りは、日本のバスとは随分異なるものです。

この様な車両でも南国らしい椰子の木を配したシンプルなデザインのいわさきグループ塗装は、新旧様々なバスに似合う装いだけあって、UNIVERSEにも意外と似合っている様に感じたものです。

ちなみにMAKIKYUが遭遇したUNIVERSEは、大手旅行会社の貸切で熊本から鹿児島県内へ向かう途中で、いわさきグループに所属するUNIVERSEも、貸切に充当される車両が多数を占めています。

しかしながらUNIVERSEの中には貸切ではなく、現在熊本~鹿児島間の高速バス路線に用いられている車両も存在しており、車両価格の割安さが評価されていわさきグループで導入が進む現状を踏まえると、今後更に他の高速路線などにも進出するか気になる所です。

日本の国内製バスは、メーカーの統合などで車種が減少し、以前に比べると面白みが減っていると感じるだけに、この様な車種の登場は興味深いものですが、活躍舞台がいわさきグループとなると首都圏からは極めて遠く、乗りに行くなら本場(韓国)も距離的にはさほど…という状況なのは惜しい限りです。

また韓国勢は観光車こそ続々と進出しているものの、路線車は韓国では新車でもまだ2段ステップ車が主流という事もあってか、日本への進出は聞きません。

とはいえ最近では割合こそ少ないものの、韓国でもトルコンATを装備したノンステップ車の姿もよく見かけるようになっていますので、韓国製一般路線車の日本進出も今後出てこないのか気になるのはMAKIKYUだけでしょうか?


熊本城周遊バス「しろめぐりん」~4ヶ国語表示が座席モケットにも…

2010-07-12 | バス[九州本土]

   

MAKIKYUが先月九州を訪問した際、熊本県の人吉市で乗車した産交バスのコミュニティバス「さるく人吉」に関しては、数日前「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、MAKIKYUが先月熊本県内を走る九州産交グループのバスを何度か利用した際には、人吉市内以外でも日野製の「ポンチョ」と呼ばれる低床のマイクロバスに乗車する機会がありました。

九州産交グループでは、熊本都市圏以外の閑散路線などに、マイクロバスを路線車として多数走らせているのですが、一般路線で用いている車両は、車両価格の関係もあって主にリエッセが用いられています。

こちらは最近導入した車両でも、低床化の代わりに車椅子用リフトを装備する事で、バリアフリー対応としていますので、マイクロバスで低床のポンチョは余り見る機会がないのが現状です。

そのためポンチョの活躍は、専らコミュニティバスなどの類に限られますが、九州産交グループでは「さるく人吉」以外にも幾つかの導入事例が存在しており、MAKIKYUは先月、その一つである熊本市内の「しろめぐりん」にも乗車機会がありましたので、取り上げたいと思います。

「しろめぐりん」は熊本城周遊バスの通称で、このバスは熊本駅を起終点に、熊本城の周りを循環運行するラケット状の運行経路となっており、昼間時間帯に概ね30分間隔で運行しています。

熊本城はMAKIKYUもその姿は何度も見ていながらも、先月初めて城内を見物する有様だったのですが、天守閣の建物自体はさほど…という印象を受けたものの、城周囲の石垣などが相当な規模を誇っており、城内の規模は相当なものと感じたものでした。

城周囲の石垣などが相当な規模を誇っている事から、熊本城の入口は天守閣などに近い箇所以外にも幾つも存在しており、それも天守閣などから離れた入口は、市電や一般路線バスなどでのアクセスは比較的至便な位置にもあります。

路線バスを利用し、天守閣などから結構離れた入口から熊本城内に入場したMAKIKYUは、汗だくになって天守閣や宇土櫓を目指したもので、MAKIKYUでもややハードと感じた程ですので、熊本城の石垣が相当な規模を誇っている事を実感するには良いとは言え、これでは体力に自信のない高齢者の訪問などはまず無理なのでは…感じたものでした。
(今日の観光訪問はともかく、外敵の侵入から身を守るという城本来の目的を考えると、訪問し難い方が良いのは言うまでもない事ですが…)

ただ熊本城は熊本を代表する名所だけあって、当然ながら石垣を上がるハードな道程だけでなく、坂道を上がった天守閣や宇土櫓の近くにも入口が設けられており、こちらであればさほど体力に自信がなくても容易に訪問できるのですが、こちらは観光バスによる団体ツアーやマイカーでの訪問には便利なものの、市電や一般路線バスのルートからは結構離れており、公共交通機関での訪問にはやや難ありなのが現状です。

そのため公共交通機関で熊本城を訪れる観光客の便宜を図り、運行しているバスが「しろめぐりん」で、MAKIKYUは熊本城見学の後、天守閣や宇土櫓の近くの入口に近い「熊本城・二の丸駐車場」から乗車したのですが、他にも熊本城周囲を巡回するルートの途中では旧細川刑部邸近くなども経由するなど、熊本城周辺の観光には非常に便利な存在となっています。

運賃は熊本市内の一般路線バス初乗りと同額の130円で、全区間均一運賃となっていますので、そこそこの距離を乗車すれば割安感があり、300円で「しろめぐりん」専用の一日乗車券も設定されているのですが、元々熊本市内中心部の路線バス運賃は比較的値ごろ感がある上に、500円で市内中心部の市電・電鉄電車・熊本バスを除く各社バスが利用可能な「わくわく1dayパス」の設定もありますので、運賃設定は一般路線と同等扱いでも良いのでは…と感じた程です。

また運行ルートは多数の一般路線と重複する通町筋~交通センター~熊本駅間などでは、一部停留所のみ停車となっており、実質的に快速運転を行っていると言っても過言ではないのですが、電鉄電車の始発駅となっている藤崎宮前の直ぐ近くを通りながらも、ここは通過(しろめぐりん~電鉄電車の乗換時は、壺井橋バス停利用が比較的至便)であるなど、他交通機関との結節性と言う面ではやや問題もあります。

熊本駅~交通センター間は一般路線バスが頻発し、「わくわく1dayパス」などで乗車可能な事を考えると、鉄道利用客の市内中心部(交通センター)までの移動は一般路線バスに任せ、交通センターを起終点に熊本城周辺を巡回するルートを運行し、一般路線バスの各停留所に停車させる運行形態に改めると共に、運行区間を短縮した分だけ増回か、余裕時間の確保(MAKIKYUが乗車した際は、通町筋付近で渋滞による遅れが発生していました)を行った方が…とも感じてしまったものです。

使用車両は既に触れた「ポンチョ」を用いており、乗車したのは先月が初めてだったものの、「しろめぐりん」専用車はMAKIKYUが以前に熊本を訪問した際にも、交通センターなどで既に何度か目撃しており、熊本城のイラストなどが描かれた外観は、一般路線バスとは異なる「熊本城周遊バス」である事を強く印象付けるものになっていますが、これに加えて「熊本城周遊バス」という標記を4ヶ国語(日本語・English・한국어・中文)で表示しているのも特徴的です。

車内に入ると、先日取り上げた「さるく人吉」などと同様に、ポンチョの標準的な仕様となっており、内装などは特に強い印象を受けるものではありませんが、運転席背後にLCDモニターが設置され、海外に近い土地柄も影響してか、日本語を使えない海外からの観光客にも考慮して4ヶ国語表示(日本語・English・한국어・中文)による案内を行うと共に、車内放送も4ヶ国語案内に対応する辺りは、観光客向けに走らせている路線ならではと感じたものです。

また車両自体は比較的標準的な仕様になっているとはいえ、車内随所には「熊本弁一口講座」と称し、いくつかの方言を紹介しており、これもさほど手をかけずとも、地域色を出して他所からの観光客が楽しめる様にする施策としては面白いもので、ここまで4ヶ国語の登場とは大したものですが、この様な取り組みは他のバスでも各地で登場しても…と感じたものでした。

そして車内の座席モケットも、「ようこそ くまもと」を4ヶ国語で記したものを用いており、乗車前にはこんな所にまで4ヶ国語を登場しているとは予想していませんでしたので、これには脱帽したものでした。
(中文は「歓迎光臨」ではなく「熱烈歓迎」と記しているのは、Englishや한국어に比べ、随分大袈裟な気がしないでもないですが…)

「しろめぐりん」は使用車両がポンチョと言う事もあって、旧年式車や大都市圏移籍車をはじめ、多数の大型路線車が走る熊本市内では、車両面では地味な印象が否めず、今まで乗車機会がなかったものでしたが、熊本城訪問の際には非常に便利な手段であると共に、至る所に見られる4ヶ国語表示なども興味深く、意外と面白いバスと感じたものでした。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も熊本市内を訪問する機会がありましたら、熊本城訪問などと併せ、熊本城周遊バス「しろめぐりん」への乗車を検討してみては如何でしょうか?


人吉タウンバス「さるく人吉」~専用デザインの車両が活躍するものの…

2010-07-05 | バス[九州本土]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、人吉市内を走る観光巡回バス「じゅぐりっと」号に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月人吉を訪れた際には、このバスの他に「さるく人吉」と呼ばれるコミュニティバスにも乗車する機会がありました。

「さるく人吉」は今年3月に運行開始したばかりの新路線で、「じゅぐりっと」号や人吉市内を走る一般路線バスと同様に、産交バスが運行を行っています。

主に人吉産交・人吉駅~人吉ICを結ぶ区間を運行していますが、この他に一部便は更に人吉産交~温泉町方面を循環運行する運行形態となっています。

この「さるく人吉」の運行開始と共に、「じゅぐりっと」号の人吉IC乗り入れは中止され、「じゅぐりっと」号は市内中心部の運行に特化する事になり、両者で役割を分担する格好になっています。

「さるく人吉」の運賃は「じゅぐりっと」号とは異なり、一般路線バスと同等の距離制(初乗り130円・整理券方式)となっており、両者の路線が重複する区間では、「さるく人吉」の方が安くなるケースが多いですが、「さるく人吉」はコミュニティバスながらも産交バスの一般路線と同等の運賃体系となっていますので、産交バス専用回数乗車券をはじめ、わくわく1dayパス(熊本県内版)やSUNQパスでの乗車も可能となっています。

人吉駅周辺~市内中心部~願成寺周辺の移動では、運行経路などは異なるものの、「さるく人吉」と「じゅぐりっと」号のどちらも利用可能な事もあって、両者で運賃制度は異なるものの、2つのバスが利用可能な共通定期券(産交の一般路線バスでは重複区間でも使用不可)が一般月2000円と、バス定期にしては極めて安価な値段で設定されている事も、大きな特徴と言えます。

使用車両は運行開始したばかりのコミュニティバスという事もあって、近年のコミュニティバスでは定番車種の一つと言える低床マイクロバス・日野ポンチョの専用塗装車が導入されていますが、夕方の一往復は運行時間の関係で、産交バスの一般路線車が動員されています。
(この時間はその気になれば「じゅぐりっと」号の車両を動員する事も不可能ではないのですが…)

MAKIKYUが乗車したのは午前中だった事もあり、「さるく人吉」専用塗装のポンチョに当たったのですが、このバスのデザインは九州内をはじめ、主に西日本の鉄道をはじめとする公共交通機関のデザインで有名な某デザイナーが手がけています。

そのためこのデザイナーならではと言える車体随所に書かれたロゴや英文字が特徴的で、ありふれた車種ながらも外観は非常に目を引くものですが、車内に足を踏み入れると外観とは裏腹に、比較的一般的な仕様となっています。

同じデザイナーが手がけた福岡市内の観光循環バス「ぐりーん」(以前取り上げた事があり、該当記事はこちらです)の如く、某デザイナーの個性が強烈に発揮された車両でない点は残念な所で、人吉周辺の鉄道では某デザイナーが内外のデザインを手がけ、目を引く車両がゴロゴロしている事を考えると、物足りない面も感じたものです。

とはいえ「さるく人吉」は人吉周遊バス「じゅぐりっと」号の様な観光客向けに運行しているバスではなく、基本的には地域住民の足として活躍するバスと言う事も考えると、趣向を凝らした車両を充当する必然性はありませんので、車両面で余り過大な期待は出来ませんが、人吉市内中心部の移動手段の一つとしては有用な存在です。

また九州自動車道を走る高速バスを利用する際に、人吉駅周辺や市内中心部~人吉IC間の移動手段としても活用できますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非「さるく人吉」に乗車してみては如何でしょうか?


産交バス「じゅぐりっと」号~レトロ調バスで運行する人吉周遊バス

2010-07-03 | バス[九州本土]

   

先月MAKIKYUが熊本県南部の人吉市を訪れた際には、「じゅぐりっと」号と呼ばれる観光巡回バスにも乗車する機会がありました。

このバスは「SL人吉」号の運行開始にあわせ、公共交通での市内移動は決して便利とは言い難い状況を改善し、他所からの観光客の便宜を図るために産交バスが運行している路線です。

運賃は1乗車200円と、人吉市内を走る産交一般路線バスの初乗り130円(整理券方式)に比べると、短距離では運賃が割高になってしまうのは難点ですが、じゅぐりっと号専用の1日乗車券(500円)も設定されています。

また運賃体系は一般路線バスとは別立てとはいえ、産交バスが運行している事もあって、産交バス専用回数乗車券の使用が可能(但し熊本市内や周辺で通用するTO熊カードは不可)となっており、MAKIKYUもじゅぐりっと号乗車にはこの回数券を利用しましたが、他に熊本県内の大半の地域で通用するわくわく1dayパスの熊本県内版や、九州内路線・高速バス乗り放題の「SUNQパス」なども利用できる点は評価できるものです。

車両も肥薩線の「SL人吉」号や、「いさぶろう・しんぺい」号などで人吉を訪問する観光客を想定してか、ありふれたマイクロバス(三菱ふそうローザ)ながらも、ボンネットスタイルでレトロな雰囲気の装いとなった車両が用いられています。

車内も木製で革張りの座席を用いるなど、見た目だけでなく車内も凝ったものとなっていますが、車両自体が小柄な事もあってか、運賃箱が日本のワンマンバスで一般的な自動両替器装備のモノではなく、時折自治体バスなどで見かけるただの箱を用いていた点や、均一運賃ながらも乗車停留所把握のため整理券を発券していた事も、MAKIKYUは非常に気になったものでした。
(運賃も両替を必要とするケースが少ない金額である事や、1日乗車券の利用が多い事も考えると、設備的に充分と割り切った面もあるのかもしれません)

またレトロな雰囲気の車両ながらも車内には停留所案内をはじめ、観光案内も行うLCDモニターを装備しているなど、今日のバスらしい面も見受けられたのも特徴です。

肥薩線では「SL人吉」号をはじめとする観光列車の運転により、観光客の利用は増加しても、列車を乗り継ぐだけの利用形態も多く、人吉市内には意外と観光客が足を踏みいれないという話も聞きますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も人吉市や周辺の球磨盆地一帯を訪問される機会がありましたら、是吉の市内にも足を踏み入れ、人吉巡回バス「じゅぐりっと」号にも乗車してみては如何でしょうか?


宮崎交通の古参車両~年式の割にはどれも綺麗な印象が…

2010-05-25 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では、宮崎交通で活躍する首都圏から移籍した中型ロング車に関する記事を公開しましたが、MAKIKYUが2月に宮崎を訪問した際には、それ以外にも様々な車両が活躍する姿を目撃すると共に、その幾つかは実際に乗車する事も出来ましたので、少々取り上げたいと思います。

MAKIKYUが2月に宮崎を訪れたのは、土日・祝日などに運転されるJR九州の観光特急「海幸山幸」号への乗車が大きな目的となっており、宮崎交通のバスへ乗車したのも、この列車の出発前に限られる状況でした。

そのため行動範囲も限られてしまったのですが、宮崎交通では土日・祝日に「ワンコインパス」という割安な一日乗車券(指定範囲内が1日乗り放題で500円・宮崎市以外に延岡・都城の周辺地域にも設定あり)を発売しており、MAKIKYUが宮崎交通のバスを利用した際もこの乗車券を利用したものでした。

「ワンコインパス」は利用区間によっては片道乗車するだけで元が取れてしまう程オトクなのは有難いものですが、販売箇所や販売時間が限られてしまうのはやや難点と感じたものでした。

前置きがやや長くなってしまいましたが、MAKIKYUがこの「ワンコインパス」を利用して宮崎交通の路線バスを利用した際は、時間の関係もあって4回程乗車するだけでしたので、これでも発売額の倍以上になるとはいえ、余裕があればもっと色々な路線を…と思ったものでした。

MAKIKYUが乗車した4回のバスは、どれも宮崎交通では主力を占める中型車で、各メーカーの車両を用いている上に、年式も新旧様々ですので、路線車は中型車ばかりとはいっても結構なバリエーションが存在しています。

大都市圏では排ガス規制の影響もあって、随分前に姿を消した車両も多数活躍しており、古参車でも融雪剤とは無縁の地域である上に、定評ある手入れの良さもあって、非常に綺麗な外観を保っているのは喜ばしい事です。


1枚目は三菱ふそうAEROMIDIの初期タイプで、MAKIKYUもこのタイプには一度乗車機会がありましたが、製造時期が比較的限られている上に結構古い車両と言う事もあって、全国的にも見かける機会は随分減っています。

MAKIKYUが乗車した車両(写真とは登録番号などは異なります)は昭和59年(1984年)製で、MAKIKYUが今年に入ってから乗車したバスの中では最も古い車両になりますが、地方でもこの年式が活躍する事業者は限られています。


2枚目は富士6Eボディの日産ディーゼル車で、この車体デザインは如何にも古めかしい印象を受けますが、こちらはAEROMIDI初期タイプなどに比べると後年まで製造されており、地方へ出向くとまだ結構良く目にしますが、登録番号を見るとこの車両も古参の部類に入ります。


3枚目はいすゞLRの純正車体を載せた車両で、このデザインの車両は結構長期に渡って製造されていましたので、宮崎交通でも多数が活躍しており、ありふれた存在ですが、MAKIKYUが宮崎交通のバスに乗車した4回中の2回がこのタイプでした。

宮崎では比較的新しい部類に入る車両も存在し、大都市圏でもまだ活躍が見られる車両ですので、余り古い車両と言う雰囲気はありませんが、MAKIKYUが乗車した2台の内1台は平成6年(1994年)製だったものの、もう1台は昭和62年(1987年)製という古参車で、これも今年に入ってからMAKIKYUが乗車した路線バスの中では、旧年式車の5本の指に入る程です。


そして最後の4枚目は、西日本車体工業製の車体を載せた日産ディーゼル車で、九州では比較的良く見かける車両の一つですが、前面デザインなどは結構近代的な印象を受けます。

このタイプにも一度乗車機会があり、平成7年(1995年)製という年式は、宮崎市内を走る路線バスの中では中堅格といった所で、古参車とは言い難いかもしれませんが、これでも大都市圏では既に淘汰対象の年式で、「ワンコインパス」で宮崎交通の路線バスに乗車した際には、日頃身を置く首都圏では乗れない車両ばかりに乗車できたのは喜ばしいものでした。

この他にも撮影は出来なかったものの、如何にも昭和のバスと言う雰囲気が漂う日野Rainbow(ライトが片側1灯)なども多数走っており、「ワンコインパス」の利用可能日に宮崎市内に滞在する事があれば、またこの乗車券を利用して宮崎交通の路線バスに乗車したいと感じたものでした。

それにまだ路線バス自体を利用した事がない延岡市内やその周辺なども、機会があれば「ワンコインパス」を利用して…と思ったものですが、現在宮崎県内では宮崎と延岡の中間に位置する高鍋や川南、都濃などで家畜伝染病・口蹄疫が蔓延し、非常事態宣言が出されている状況ですので、宮崎交通の路線バス運行エリアでもあるこの地域の非常事態が、一刻も早く収束する事を願いたいものです。


宮崎交通の中型ロング車~移籍車両自体が少ない彼の地では…

2010-05-23 | バス[九州本土]

MAKIKYUは数日前所用で秋田県内など北東北へ出向いており、この事もあって「MAKIKYUのページ」更新も数日間停止していました。
(東北関連の記事も、数日中に公開を開始したいと思います)

この間には現在九州南部の宮崎県で、猛威を振るっている家畜伝染病の口蹄疫が更に拡大して非常事態宣言が出され、畜産以外の所でも様々な影響が出ています。

航空会社各社では宮崎発着航空券の特例無手数料払い戻しが発表され、宮崎県内の路線バスの殆どを運行する宮崎交通でも、HPで消毒ポイント通過による遅延が見込まれる事を告知するなど、今回の事態が極めて深刻である事を痛感させられ、早期の事態収拾を望みたいものです。

ところで現在宮崎県内の路線バスの殆どを運行する宮崎交通は、MAKIKYUが2月に宮崎を訪問した際にも、観光特急「海幸山幸」号に乗車するまでの短い時間ながら、土休日限定の「ワンコインパス」を利用し、宮崎市内で乗車する機会がありました。

同社の路線バスは、観光・高速バス車両の転用を除くと、国内4メーカー各社の車両を導入しているものの、宮崎市内でも殆どを中型車が占めており、MAKIKYUが乗車したバス4台も、全て中型車という状況でした。

それも殆どが自社発注車ですので、大都市圏の中古大型車が多数導入されている都市が多い、地方県庁所在地の路線バスにしては異色の部類に入りますが、そんな宮崎でも僅かながら、他社からの移籍車を見かける機会がありました。

写真の日産ディーゼル製車両が、僅かに走る大都市圏からの移籍車両で、MAKIKYUが目撃した限りでは写真の車両をはじめ、同形のナンバー違いももう1台目撃しており、1台だけでなく複数台が稼動していますが、見かける機会は今の所余りない状況です。

この車両は大都市圏では収容力の小ささ故に見劣りしてしまう中型ロング車ですが、宮崎ではこれでも主力を占める中型車に比べると収容力があり、宮崎の一般路線車にしては長い車体長も非常に目立つものです。

中扉4枚折戸に黒逆T字窓なども九州では一般的ですが、宮崎交通では少数派で、バリアフリー対応車という事もあって見栄えは良く、古さを感じないどころか新車の様な雰囲気を感じたのは、手入れの良さで定評ある宮崎交通ならではです。

また今まで大都市圏からの移籍車両を余り導入してこなかった宮崎交通でも、今後この様な車両が増えてくるのか否かも気になったものです。

(お詫び)記事作成時の設定ミスにより、記事公開後暫くの間画像が表示されない状況になっていました事をお詫びします。


旧国鉄志布志線代替バス~運行開始当初の車両が今日でも活躍

2010-03-13 | バス[九州本土]

 

「MAKIKYUのページ」では、先月MAKIKYUが乗車した日南線を走る観光特急「海幸山幸」号や、快速「日南マリーン」号に関する記事を取り上げましたが、MAKIKYUがこれらの列車を乗り継いで日南線の終点・志布志に到達した後は、来た道をそのまま戻るのも…という事で、鹿児島交通グループの路線バスを利用したものでした。

志布志はかつて日南線の他に鹿屋・垂水を経て国分に至る大隅線と、都城へ抜ける志布志線との3線が発着する要衝だった事でも知られていますが、この両線は共に国鉄末期の分割民営化直前に廃止され、第3セクター鉄道への転換も実現せずに路線バス代替となっています。

この大隅・志布志両線の代替バスは、鹿児島交通グループ(近年のグループ再編で、大隅半島内を運行するバスは、大隅交通ネットワークなどの子会社が運行を担っています)が運行しており、大隅では代替バス以外の既存路線バスと合わせ、現在では同グループがその大半を占める状況になっています。

その中でも志布志~鹿屋~垂水間の大隅線代替バスと、垂水~鴨池(鹿児島市内)のフェリーを乗り継ぐルートは、志布志~鹿児島市内間を公共交通機関で移動する際には最も一般的で、運行本数も土地柄の割には至便(志布志~鹿屋間で毎時1本程度、鹿屋~垂水間と垂水~鴨池間は毎時2本程度かそれ以上)ですので、MAKIKYUも過去に利用した事がありますので、先月の訪問時にはそれ以外のルートを使ってみようと思っていたものでした。

MAKIKYUが志布志を訪れた際には、比較的至便な大隅線代替バスは勿論、丁度良い時間に運行する便があったのですが、それ以外に国分を経て鹿児島空港へ至るバスと、県境を跨いで都城へ至る志布志線代替バスの2路線も丁度良い時間にありましたので、比較的便数が少なく乗り難い志布志線代替バスに乗車したものでした。

志布志線代替バスは高校生の通学が主な任務となっている様で、運行ダイヤも主に通学時間帯に合わせた運行となっている様に見受けられ、MAKIKYUが乗車した際には一部区間で高校生が多数乗車した他は乗客の姿もまばら、都城手前で県境を越える時には車内も閑散とした状況でしたので、旅行者にとって利用し難いダイヤも止む無しといった感があり、よくこんな所に国鉄分割民営化直前まで鉄道が走っていたと感心してしまう程でした。

そのため比較的開けた印象がある鹿屋などを通り、その気になれば鉄道存続も可能だったのでは…と感じてしまう大隅線代替バス沿線に比べると、沿線は随分長閑な印象を受けたものでしたが、起伏のある台地を走る志布志線代替バスは車窓の変化に富み、一部で大型バスが通行するには比較的道幅が狭い所を走り、サイクリングロードに転用された旧志布志線跡と並行する区間を走るなど、片道1時間半程度の乗車時間も飽きる事無いものでした。

しかも鹿児島交通グループの賃率が低く抑えられている事もあって、運賃表には初乗り運賃の「130」が幾つも並ぶ姿が見られ、旧志布志線に相当する志布志~西都城間を乗車して980円、終点の都城まで乗り通しても1030円と、MAKIKYUが利用したRapicaなどのICカード乗車券を利用すれば、全線を乗り通しても実質1000円以下(Rapicaなどを利用する場合、1000円入金した場合に1100円分チャージされます)という、乗車時間や距離の割に割安な運賃設定も評価できるものです。

また使用車両も、MAKIKYUが乗車したバスは鹿児島交通グループでは数少ない宮崎ナンバーの車両で、見た目は他の鹿児島交通グループで活躍する車両と大差ないものの、写真のAEROSTAR Mは専ら志布志線代替バスに充当されている様です。

AEROSTAR Mは製造年月が長く、最後期の平成8年(1996年)製ともなれば排ガス規制によって古参車両が使用できない大都市圏でも走っていた車両である上に、写真の志布志線代替バス充当車両に限らず、鹿児島では一般的な仕様ともいえる黒い引き違い窓に4枚折戸の中扉、エアサスにハイバックシートという装備も、一般路線バスの中ではハイグレードな部類に入ります。

これに加え鹿児島交通グループの椰子の木を散りばめた装いも、車両をより近代的な印象に見せる雰囲気があり、見た目はさほど古さを感じさせず、むしろ首都圏で最近まで走っていたAEROSTAR Mよりも上等に見える程です。

しかしながらMAKIKYUが志布志線代替バスで乗車した車両の製造は昭和62年(1987年)と、製造から既に20年以上を経過した古参車で、鉄道廃止→志布志線代替バス運行当初から今日までずっと走り続けている事になり、鹿児島交通グループでも鹿児島市内を中心に大量に導入している大都市圏からの中古車導入などで、いつ代替されても不思議ではないのが現状です。

大隅半島ではこの車両に限らず、同レベルの車両がゴロゴロしており、大型路線車の古参車両が好きなMAKIKYUとしては、この様な車両に当たるのは大歓迎ですので、志布志線代替バスへの乗車は路線・車両の両面で非常に満足感を感じるものでした。

大隅半島内を走る鹿児島交通グループの路線バスは、志布志線代替バスに限らずとも趣味的に興味深く、珍車の部類に入る車両の活躍なども見られますので、志布志周辺を訪問する機会がありましたら、日南線乗車と共に、鹿児島交通グループの路線バス乗車も検討してみては如何でしょうか?


鹿児島市営バスのNEW AEROSTAR~前面形状に注目

2010-02-21 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島中央駅を発車する旅行商品扱いの貸切リバイバル急行列車「最南端」号に関する記事を取り上げましたが、MAKIKYUが鹿児島からの帰路に着く前には市内の路面電車や路線バスにも乗車したほか、鹿児島中央駅前では多数の路線バスを視察・撮影する事も出来ました。

鹿児島市内を走る路線バス車両は、複数事業者が入り乱れている上に、メーカーや年式も様々ですので、各者共見ていて飽きないもので、排ガス規制の影響で旧年式車が次々と淘汰されて似た様なバスばかりになりつつある大都市圏に身を置くモノとしては、非常に羨ましく感じるものです。

その中でも鹿児島市交通局(市営バス)の車両は、比較的近年導入されているノンステップ車両は目立つ装いの反面、国土交通省標準仕様車故にさほどの個性は感じないのですが、それ以前に導入された車両は非常に特徴的な車両を多数走らせています。

ノンステップ車導入以前に導入され、如何にも公営バスといった雰囲気の装いとなっている2段ステップ車は、エアサス車で窓枠が黒い引き違い窓、中扉は4枚折戸で座席はハイバックシート装備と、非常にハイグレードな仕様となっている事が大きな特徴と言えます。

これに加え鹿児島市営バスでは、通常前面2枚窓となっている車種でピラーなしの1枚窓を採用し、ワイパーもいすゞキュービックなどで用いられるタイプとなっているのが大きな特徴となっており、その上これらの中には大都市圏ではすっかり姿を見なくなった三菱AEROSTAR Kや、殆どが西日本で活躍し、首都圏などでは殆ど見かけない西工58MCといった車種も含まれるのは大きな魅力です。

そんな中で三菱NEW AEROSTARとなると、ようやく大都市圏でも初期導入車の代替が始まった車種ですので、古参車種に比べると面白みの点では…と感じてしまうものですが、NEW AEROSTARの一般路線仕様では標準装備となっている死角確認窓(セーフティウィンドウ)を省略している点は、鹿児島市営ならではの特徴的な仕様と併せ、市営バスのNEW AEROSTARをより特徴的なものにしています。

死角確認窓なしのNEW AEROSTAR自体は、同車種を日本で最も多く導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で一般的で、この事業者では代わりに運賃支払表示方法を示す幕を装備している事でも有名ですが、この場合は死角確認窓自体はなくても、NEW AEROSTARではそれに準じた窪みが見受けられるのが大きな特徴です。

またこの事業者から近年地方へ転出したNEW AEROSTARの場合も、運賃支払表示方法を示す幕が撤廃されても、死角確認窓に準じた窪みが存在していますが、鹿児島市営バスのNEW AEROSTARの場合、AEROSTAR Kの死角確認窓なし車両などと同様に死角確認窓に準じた窪みがなく、自家用や短距離高速仕様車の如く左右対称の姿(ワイパー形状の関係で、厳密には左右非対称になりますが…)となっている点も大きな特徴と言えます。

見栄えの点から言えば、鹿児島市営のNEW AEROSTARの方が優れているのは言うまでもなく、運賃支払表示方法を示す幕を装備する関係で、死角確認窓なし仕様のNEW AEROSTARを多数導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者などでも、鹿児島市営バスの様なスタイルに出来ないものかと感じてしまったものです。

ちなみに首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で導入されているNEW AEROSTARがどんな車?と思われた方は、こちらをクリックして頂ければ画像がありますので、この記事の車両と対比して頂ければと思います。


西日本車体工業・会社解散へ

2010-01-24 | バス[九州本土]

  

先日日本国内バス事業最大手でもある西日本鉄道(西鉄)のHPにアクセスした所、ニュースリリースに「バス路線の見直しについて」といった告知(燃料代高騰や高速道路ETC1000円の影響などによる乗客減→赤字増大のため、一部路線の減便や廃止を行うというものです)と共に、「子会社の解散に関するお知らせ」が発表されていました。

記事タイトルだけ見るとさほど大事でもなさそうな雰囲気とはいえ、気になったので詳細を見ると、8月31日付けでの西日本車体工業の会社解散という衝撃的な内容です。

西日本車体工業は北九州市内に工場を構え、親会社の西鉄をはじめとするバス車両の車体製造を手がけるメーカーで、NSKや西工といった略称で呼ばれる事も多いですが、同社の車体を載せたバスは、関西以西では非常にポピュラーな存在です。

また近年では富士重工のバス車体製造撤退に関連し、富士重工に代わって日産ディーゼル製バスの標準車体になった事もあり、比較的新しい車両に限っては、首都圏や東北などの東日本でもポピュラーな存在になっていますので、お馴染みという方も多いかと思います。

しかしながら日産ディーゼルは近年、三菱ふそうバス製造との業務提携を行っている事はご存知の方も多いかと思いますが、業務提携の進展と共に今後西日本車体工業への車体発注を取り止める事となり、これによって西工の事業存続が困難になった事が解散理由として発表されています。

西日本車体工業が解散となれば、他に類を見ない独特な車両を次々と送り出してきた同社の車両が今後見られなくなり、ただでさえ車種整理や標準化が進み、最近車両面での面白みがなくなってきていると感じる日本国内のバスが尚更…という事になってしまいます。

今後の日本国内のバス事情は、西工の工場から海を隔てた隣国の様に、路線バス車両に関しては2強体制となってしまうのか、それとも観光バス車両などで進出している外国勢が、特殊用途(神奈中の連接バスTwin Linerなど)以外の路線車などにも進出してくるのかも気になる所ですが、時代の流れもあるとはいえ、日本中何処へ行っても同じ様なバスばかり…というのでは余りに寂しいものです。

写真は西日本車体工業製のバス(既公開記事で使用)です。


九州産交バス・快速あまくさ号~片道2時間以上を要する天草の基幹路線

2008-12-25 | バス[九州本土]

 

先月MAKIKYUが九州を訪問した際には、熊本県の天草を訪問する機会があったのですが、その際には熊本市内から九州産交バスの快速・あまくさ号を利用する機会がありましたので、今日はこの路線に関して取り上げたいと思います。

天草諸島は現在に至るまで鉄道が通っていないものの、九州本土とは幾つもの橋を渡ることで陸続きとなっている事もあって、天草一帯の公共交通機関は主に九州産交グループの路線バスとなっており、他にフェリーなどの航路(熊本~本渡・八代~松島間など)が存在する状況です。

その中でも県都熊本と、天草の中心都市である本渡(旧本渡市:現在は市町村合併によって天草市となっています)を結ぶ快速あまくさ号は、天草一帯の公共交通機関の中で、最も重要な役割を果たしている基幹路線と言えます。

快速あまくさ号は九州はおろか、国内全体を見渡してもバスターミナルの中で極めて大規模な部類に入り、熊本市内中心部に位置する交通センターを起点に、JR熊本駅を経由して三角方面へ向かい、その後橋を渡って天草諸島に入り、松島(高規格道路経由の便は経由しません)を経て本渡バスセンターまで運行しています。

一部の便は熊本方で阿蘇くまもと空港まで足を伸ばし、また本渡方も本渡アレグリアガーデンズ(その少し手前に産交天草営業所があります)まで運行される形態となっているのも特徴です。

熊本~本渡間は熊本県内とはいえ、高速道路も通っていない事(最近は「高規格道路経由」と呼称して有料道路を経由する事で、若干所要時間が短くなっている便も存在します)もあって、同区間を乗り通すと片道2時間半程度、阿蘇くまもと空港からともなれば所要3時間を超える長大路線だけあって、車両も主に高速バスタイプの車両が使用されます。

とはいえ比較的古参の部類に入る車両の中には、路線バスタイプの車両をベースとしたあまくさ号専用車(リクライニングシート装備で乗降扉も前1箇所ですので、エンジン音などを聞かなければ、路線タイプの車両をベースにした車両とは気付き難いですが…)も用いられています。

塗装も高速バスからの転用車などが混入している事もあって、あまくさ号専用塗装こそ存在しないものの、数種類が混在している状況ですが、MAKIKYUが乗車した便に充当された車両は、産交の一般路線車と同じ塗装を纏う路線タイプの古参車両(平成2年製いすゞ車・車体は西日本車体工業製)でした。

あまくさ号は快速バスと名乗っているだけあって、主要停留所停車の形態となっており、通過停留所も多数存在していますが、整理券方式の路線バス扱いとなっていますので、長大路線にも関わらず高速バスとは異なり、熊本~本渡間を直結するだけでなく、停車各停留所間で乗車できる事も特徴です。

最近では三角~松島間の産交一般路線がさんぱーるで分断された影響もあって、一部便(あまくさ号の約半数)がJR三角駅前を経由する様になるなど、都市間輸送だけでなく、地域内輸送路線としても重要性を増しています。

運行本数も概ね毎時1~2本と、地方のバス路線にしては比較的運行本数が多い部類に入り、本渡行の最終便が本渡着22時過ぎ、本渡発の始発が6時前から運行されている事なども考えると、あまくさ号の運行区間は、土地柄の割にはバスの便が比較的至便とも言えます。

また快速あまくさ号は、熊本~本渡間の片道だけでも2000円以上を要しますが、九州島内の路線・高速バスが乗り放題となる「SUNQパス」での利用も勿論可能で、全区間が熊本県内に属すこともあって、3日間乗り放題で6000円(兵庫県以東で引換券を購入した場合:九州内などでの発売価格は8000円)の北部九州版を利用する場合などは結構割安感があり、他にも幾つかの割安な乗車券類の設定(福岡~熊本間の高速バス「ひのくに」号との乗継割引乗車券など)がありますので、乗車の際はこの様な乗車券類を活用するのも良いかと思います。

このため天草方面を公共交通機関を用いて廻る場合には、必須の路線とも言えますが、路線バス扱いで停車各停留所で乗降可能となっており、長距離路線などで時折見られる乗降制限などはありませんのでので、比較的アクセスし難い天草方面まで足を伸ばす機会がなくても、極端な例では熊本市内のJR熊本駅~交通センター間(所要約10分:運賃130円)のみで乗車して天草へ行く気分だけ味わう事も可能可能ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も熊本へ足を伸ばす機会がありましたら、是非一度快速あまくさ号に乗車してみては如何でしょうか?

写真はMAKIKYUが乗車した古参格のあまくさ号専用車と、阿蘇くまもと空港行の便に充当された空港リムジン塗装を纏ったあまくさ号(共に松島で撮影)です。


阿蘇地区を走る産交バス(2)~阿蘇山へ向かう路線は観光向けだけあって…

2008-12-12 | バス[九州本土]

 

先日「阿蘇地区を走る産交バス(1)」と題して、MAKIKYUが先月杖立~阿蘇間で乗車した車両などを取り上げましたが、今日はその続編として、阿蘇駅~阿蘇山西間を走る産交バスに関して取り上げたいと思います。

この路線は阿蘇登山バスと呼ばれ、阿蘇駅から阿蘇山火口へ向かうロープウェイが発着する阿蘇山西駅までの間を約40分程度で運行しており、朝の阿蘇山へ向かう便と、夕方の阿蘇山から下山する便の一部は、阿蘇駅から更に内牧まで足を伸ばしています。

阿蘇駅~阿蘇山西駅間は、その殆どが阿蘇山へ向かう登山道と言う事もあって、停留所は途中4箇所しか存在しておらず、運行時間帯も昼間に集中したダイヤ設定になっています。

阿蘇登山バスは純然たる観光路線と言う事もあって、ワンマン車内放送では一般的な行先や次停留所案内、注意事項などに加えて、阿蘇山に関する案内(何故かアナウンスの声は本州最大手の某バス事業者(バス専業事業者最大手とも言われますが…)などでよく聞くタイプでしたので、阿蘇山に関する案内が聞き慣れた声と言うのは少々奇妙に感じたものですが…)が随所に盛り込まれているのが特徴です。

その上阿蘇山へ向かう便では、草千里(阿蘇山西駅の少し手前の草原地帯)の手前の見晴らしの良い所で、数分間の停車時間が設けられ、一旦車外に出て雄大で独特な阿蘇の景観を楽しみ、撮影なども出来る事は非常に有難く、この様な運行形態は観光路線ならではと言えます。

使用車両もMAKIKYUが乗車した際は、往復共に中型車(乗車した車両は往復で別の車両で、富士重工製車体のいすゞ車で似た様な車両ながらも、2枚の写真を比較すると外観などに差異が見られます)とはいえ、リクライニングシートを備えた観光バスタイプの車両が充当され、ハイグレードな車両も観光路線に相応しいものでした。

この様な路線ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も阿蘇山を観光する機会がありましたら、是非阿蘇登山バスへの乗車をおススメしたいものですが、阿蘇山周辺の観光は観光バスや自家用車でのアクセスが多い事もあって、乗車した便は中型にも関わらず、往復共に空席が目立ったのは少々残念に感じたものです。

また阿蘇山へ向かう路線バスとしては、この阿蘇登山バスの他にも、産交グループが運行する九州横断バスの一部便(あそ号:予約制ですが空席がある場合は予約なしでも利用可、また九州内路線・高速バス乗り放題のSUNQパスも通用し、阿蘇駅~阿蘇山西駅間のみの利用も可能です)などを利用する方法もありますので、両者を乗り比べてみるのも面白いかと思います。

あと余談ながら阿蘇駅まで(もしくは阿蘇駅から)JR利用であれば、JR利用者専用の会員制バス「あそゆふ高原バス」(真っ赤な塗装はJR九州バスを連想させられますが、現在このバスの運行は亀の井バスが行っています)なども運行されていますので、これも選択肢の一つとしては悪くないかと思いますし、このバスで大分県方から阿蘇山へアクセスした後、阿蘇駅まで阿蘇登山バス利用というプランも、阿蘇山火口や草千里などの観光時間を確保したい時などに良いかもしれません。


阿蘇地区を走る産交バス(1)

2008-12-09 | バス[九州本土]

 

以前「MAKIKYUのページ」では、先月MAKIKYUが乗車した日田~杖立温泉間を走る日田バスに関して取り上げましたが、この記事では阿蘇方面に向かうバスに乗り継いだ事を記しており、どんなバスが走っているか気になる方も居ると思いますので、今日はその続編として、阿蘇地区を走る産交バスに関して取り上げたいと思います。

阿蘇地区の路線バスは、主に九州産交グループが運行しており、MAKIKYUが先月訪問した際には、杖立~小国~阿蘇駅間と、阿蘇駅~阿蘇山西間の産交バスに乗車していますが、前者をはじめとするローカル路線は、他の熊本県内ローカル路線と同様に、専ら中型車やマイクロバスが充当されています。

杖立発着の路線では、MAKIKYUが乗車した際には日野製の中型車が充当され、この車両自体は産交をはじめ、他事業者でもさほど珍しい車両ではないのですが、FFシフトを装備し、サイドブレーキもホイールパーク式になっているなど、産交で遭遇する2段ステップの中型車にしては、この点だけを見ると他の車両より上等と感じるものでした。

前面の行先表示幕も、産交に他の中型車に比べてサイズが小さいものを用いている他、2001年式と産交ではさほど古くない部類にも関わらず、車内に足を踏み入れると床は板張りとなっていたのは、車内に足を踏み入れた際には少々驚いたものでした。
(事業者によってはさほど古くない車両で、床が板張りという事もあるのですが、産交では大都市圏ではお払い箱になる様な年式の車両でも、今までMAKIKYUが何度か乗車した限りでは、床がリノリウム貼りの車両ばかりでしたので…)

その上座席もモケットではなくビニール張りと、内装は至って質素なものであるなど、随分風変わりな車両であるだけに、すれ違うバス(杖立~阿蘇間を1時間以上かけて走る便でも、産交では阿蘇地区をはじめ、各地のローカル路線で最近よく出没する日野製マイクロバス(LIESSE)が充当されている姿も目撃しています)などと比べると、この車両に遭遇できて良かったと感じたものです。

ちなみに杖立・小国から阿蘇方面へ向かう路線は、近年熊本直通の快速便が廃止されている上に、路線自体も廃止代替バスとして運行している状況ですので、決して至便とは言えず、予め時刻を調べてからでないと利用は厳しい感がありますが、杖立・小国から内牧・阿蘇方面へ向かう際に、車窓から望む阿蘇の山々の眺めも絶景で、特にバス好きの方でなくても、明るい時間であれば乗車そのものを楽しめるのでは…と感じる程でした。

そして阿蘇へ抜けた後は、阿蘇山火口へ向かうロープウェイ乗り場(阿蘇山西口)へ向かう産交バスに乗り換え、阿蘇山観光を堪能したものですが、この路線に関しても、続編として近日中に追って取り上げたいと思います。

写真は杖立~阿蘇間で乗車した日野製中型車と、阿蘇エリアの路線で見かける機会も多いマイクロバス(LIESSE)です。