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対馬交通の貸切車両~路線車ベースの車両が多数派を占めているものの…

2014-01-27 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが初めて足を運んだ長崎県の対馬では、近年島内に新規参入の貸切バス事業者が幾つも進出し、これらの事業者の貸切車両が外国人団体客輸送などを乗せて、島内各地を走る姿も目撃したものでした。

しかしながら対馬では、これらの貸切事業者だけでなく、対馬島内全域で路線バスを運行する対馬交通も、路線バスだけでなく貸切バス運行も行っています。

対馬交通における貸切輸送の主力は、トップドアで一般路線用車種よりも豪華な雰囲気ながら、路線バス用の車種をベースにした車両となっています。

中型車以上の一般路線車も一応2人がけの座席がズラリと並び、補助席も設けられた着席重視仕様の車両ばかりですので、一般路線車が貸切輸送に充当される事もある様ですが、MAKIKYUが対馬に足を運んだ際には、一般路線車や路線車ベースの貸切仕様車が貸切運行で走る姿は見る機会がありませんでした。

対馬の南方に位置し、距離的にも比較的至近の壱岐島でも、島内路線バスや貸切バスを運行する壱岐交通が、路線車ベースで貸切にも対応可能な兼用車を多数導入していましたが、こちらは近年貸切専用の中古車を大量に導入し、古参兼用車を代替する一方で、残った兼用車は専ら路線用に充てている状況です。

対馬交通では路線車ベースの貸切仕様車による一般路線運行は見かけず、逆に一般路線車が貸切にも充当されるというのは、距離的には至近の島ながらも対照的と感じます。


ちなみに路線車ベースの貸切仕様車は一般路線車と同様に、大型車と中型車の双方が存在し、どちらもいすず車となっていますが、大型貸切車は対馬交通の一般路線車では見られない西日本車体工業(西工)製車体の車両ばかりで、路線車で活躍するキュービックは皆無という状況です。

 
中型貸切車はいすず純正のばかりで、大型貸切車と同じ装いの車両が多数派ですが、異なる装いの車両も活躍しており、これらの路線車ベースの貸切仕様車は厳原だけでなく、豊玉(仁位)や上県(比田勝)でも姿を見る事が出来ます。


小口貸切向けに、貸切専用のマイクロバスも所属しており、こちらはツシマヤマネコのイラストが描かれるなど、如何にも対馬のバスらしい雰囲気を受けるものです。


また近年では一般路線用車両とは異なり、貸切車両では中古車の導入も行っており、こちらは壱岐島の壱岐交通が近年導入した中古貸切車の如く、元事業者の装いのまま…という状況になっています。
(壱岐の場合は前事業者時代にももしかしたら壱岐へ足を伸ばしていたのでは…と思われる車両ですが、対馬の場合は前事業者のバスが対馬へ足を伸ばす事はまずないと思われ、余所で見慣れたバスが何故対馬に…と感じてしまうものです)


しかしながら完全な元事業者塗装ではなく、部分的に対馬交通の塗装を加える事で、独自性を主張している様に見受けられ、貸切中古車では対馬交通で大半を占めるいすず製ではない車両も活躍しているのも大きな特徴です。

一般路線車だけでなく、高速・貸切車でも近年排ガス規制の影響などにより、大都市圏からの地方移籍車が相次ぐ状況で、対馬島内でも対馬交通だけでなく、貸切専業の新規参入事業者でもその姿を多数見かけますので、今後対馬交通では貸切専用の中古車導入→路線車ベース貸切仕様車の路線転用という動きが出てこないのかも気になる所です。

厳原~比田勝間の縦貫線ともなれば、全線乗り通すと所要時間は片道2時間半超となり、1時間以上の長時間乗車は当り前、また一般路線車もトップドアの着席重視仕様になっている状況を踏まえると、中型の路線車ベース貸切仕様車辺りにワンマン装備を施し、縦貫線辺りに転用されても不思議ではない気もするのですが…
(個人的には西工ボディの大型路線車ベース貸切仕様車が縦貫線に充当されれば大歓迎なのですが、これは車齢なども踏まえると少々厳しいかと思いますので…)


対馬交通で活躍するマイクロバス~社名表記がなければ…

2014-01-24 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが先月長崎県の対馬を訪問し、島内を走る対馬交通の路線バスに乗車した際には、主力となっている中型路線車をはじめ、大型路線車にも1度乗車していますが、この他にマイクロバスにも乗車する機会がありました。

マイクロバスは道路条件的な問題よりも、輸送量や運行コストなどを踏まえての導入と言う色彩が強い様に見受けられ、装いも中型や大型路線車の様なクリーム+紺色ではなく、メーカー標準仕様のままとなっています。

緑色の営業用ナンバープレートや行先表示、対馬交通の社名表記などがなければ、路線バスには見えないと感じる方も居られるかと思いますが、中型車や大型車でも路線車は専らいすず車を導入している対馬交通だけあり、マイクロバスも一応いすず車となっているのも特徴です。
(路線バスとしての使い勝手を考えるなら、フロントオーバーハングが短めで、前輪のすぐ後ろにドアが配置された三菱ローザの方が、左最前列の座席1脚を撤去して運賃箱を設置するだけで、路線バスとしても使い勝手が良い気もするのですが…)


このマイクロバスの大半は、白とバイオレットの装いとなっており、導入年次などにより前面行先表示器の有無など、若干の差異が見受けられるのも特徴です。


中にはバイオレットではなく朱色となっている車両も少数ながら活躍しており、MAKIKYUが乗車したマイクロバスは、この朱色の車両でした。


対馬交通では中型車以上の路線車では、路線バスでは一般的な自動両替機能付き運賃箱を採用しているのですが、車両前方にエンジンが設置され、車内前方に出っ張りのあるマイクロバスでは、隣の壱岐を走る壱岐交通の路線車を連想させる、両替機能などのない小型の運賃箱を採用しているのも大きな特徴(事業者によっては、このサイズの車両でも大型運賃箱を設置しているのですが…)で、如何にも離島のローカルバスと言った雰囲気を感じさせられたものでした。

デジタル運賃表示器の設置もなく、テープデッキこそ設置されていても車内放送も流れない(支線ではテープを作成していない様です)など、路線バスとしては最小限の装備だけを施して運用している印象を強く受けたものでした。

この様な車両だけあってある程度運用路線やダイヤも限定されている様で、離島の中では大規模な島として知られる奄美大島・道の島交通の如く、同一路線の同時刻便でも、日によって中型車が充当される一方で、マイクロバスが充当される事(道の島交通の名瀬~古仁屋間では、キュービックとローザやシビリアンが同一路線、それも片道所要1時間以上の路線で混用されており、同一時刻の便でも日によってマイクロバスが充当される一方で、中型車が来る事も日常茶飯事です)も…という事は余りない様です。

たださすがに厳原~比田勝間の縦貫線でマイクロバス充当は目撃していませんが、支線だけでなく厳原~空港間の便(便によっては大型車が充当されている姿も目撃しています)でもマイクロバスが充当されている姿を目撃しています。
(元々大型車が充当されていた縦貫線も今や殆どが中型車による運行に変わっていますので、車両経年と利用減が進めば、将来的にはマイクロバスの縦貫線充当も出てくるかもしれません)


また近年対馬交通の一般路線としては廃止となり、対馬市営バスに移管→対馬交通が受託運行している路線でも、対馬交通の一般路線で充当されているマイクロバスと同種の車両が主力を占めています。


MAKIKYUは対馬市営バスに乗車する機会はなかったものの、こちらも一日フリー乗車券やフリーパスポート(1ヶ月全線定期券)の通用対象にもなっており、車体表記などを除けば、対馬交通で運行しているマイクロバスと大差ない印象を受けたものでした。
(ただ中にはマイクロバスではなく、メルファ(写真の一番手前)が活躍している姿も目撃しているのですが…)


対馬交通・空港シャトルと厳原市内循環で活躍するエルガミオ

2014-01-21 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが長崎県の対馬へ足を運んだ際には、対馬交通の島内路線バスに幾度も乗車し、同社の一般路線車は平成1桁の経年車ばかりと言う状況でした。

しかし1年程前に、対馬市では厳原~対馬やまねこ空港間を運行する「空港シャトルバス」と、この間合いで厳原の市内中心部を循環運行する「厳原市内循環線」の運行を開始し、この路線の運行開始に合わせて、対馬交通の路線車では久々の新車が導入されています。

新車で導入された車両は、路線車は専らいすず車を用いている対馬交通だけあり、今日全国各地で姿を見ない地域の方が珍しい中型車「エルガミオ」のワンステップバスで、離島の路線車としてはかなり上級の部類に入ります。

この新車は空港シャトルと厳原市内循環の2路線に限定充当される事もあり、対馬交通の一般路線車とは大きく異なる装いとなっています。


2台中1台はピンク色、もう1台は水色を基調とした装いで、前者は「やまねこサクラ」、後者は「やまねこブルー」の愛称が付けられています。


車内に足を踏み入れると、立席空間が多くつり革も設けられているなど、やや都市型仕様の車両と感じられる辺りは、比較的乗車時間の短い路線に専従する車両ならではと言う印象があります。


ビニールではなくモケットの座席をはじめ、補助席が設置されていない辺りも、対馬交通らしさが薄れている気がしますが、右前方に荷物置きが設置されているのは、他の路線車と共通する特徴と言えます。

音声読み上げソフトを用いた音声合成による車内放送や、土地柄も影響してかハングル表示もあるLCDモニターを用いた運賃表示器なども、対馬交通の他車両とは一線を画する装備で、離島のバスと言う雰囲気とは程遠いものと感じます。

MAKIKYUは対馬交通の1日フリー乗車券(日本人は土休日のみ購入可)を利用し、5000円のフリーパスポート(1ヶ月全線定期券)でも乗車できますが、運賃設定は厳原市内循環は100円均一、空港シャトルバスは最大300円と、対馬交通の既存一般路線に比べて割安な運賃設定となっているのも大きな特徴です。
(対馬交通の一般路線で厳原~空港間を乗車すると、片道680円になります)

空港シャトルバスではバイパス経由で所要時間短縮も図るなど、使用車両だけでなく、運行面でもサービスレベルが格段に向上しているのも大きな特徴ですが、空港シャトルバスは空港発着での利用に限定されているのは惜しい所です。
(厳原~空港間では一部途中バス停にも停車しますが、厳原~白土間のみの乗車などは不可です)

空港シャトルバスや厳原市内循環は、対馬交通の既存一般路線と運行区間や運行時刻が重複する便も多く、特に空港シャトルはこの傾向が顕著な状況と感じます。

フリーパスポート設定などで一般路線の運賃が形骸化しており、離島という土地柄故に需要自体が限られる事も踏まえると、空港シャトルバスの各停留所における乗降扱い実施と、空港シャトルバスや厳原市内循環バス運行区間における一般路線の運賃共通化(値下げ)を実施し、双方の垣根を無くす一方で運行時間帯の近接する便の統合を行い、運行経費を減らしつつも利便性を向上させる事はできないのだろうか…と感じたものでした。

また空港シャトルバスと厳原市内循環で運行しているエルガミオは、4気筒エンジンを搭載した最新鋭のMT車ですが、エルガミオ自体は既に大都市圏の排ガス規制区域では見た目は大差ない初期車が運用離脱し、地方移籍も相次ぐ状況です。

今後対馬交通の経年車取替えや空港シャトルバス予備車確保などで、大都市圏移籍車が導入されるとしたら、現行一般路線で用いている中型車の最も新しい車両よりも経年の浅い車両となります。

大都市圏で離脱が相次ぐ車両も大半がバリアフリー対応車という事もあり、観光車では中古車導入を行っている事を踏まえると、車内設備面(座席交換・増設などを行えば問題ないと思います)を別とすれば路線車の中古導入は妥当な方法とも感じますが、今後この様な動きが出てこないのかも気になる所です。


対馬交通で活躍する大型路線車~古参車ばかりながらも厳原周辺を中心に活躍

2014-01-18 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、対馬交通の縦貫線で活躍する中型路線車に関して取り上げ、同社一般路線ではこの中型車が主体となっていますが、比較的利用の多い通学時間帯の厳原周辺を中心に、大型路線車も活躍しています。

 
大型車も中型と同様にいすず純正ばかりで、トップドアで車内は2人がけの座席が並び、補助席もある着席重視仕様、座席はビニール張りで右側最前部に荷物置きが設置され、導入年次の違いなどで細部に差異が見受けられる点も、中型車と共通する特徴です。

平成5年を最後に、大型路線車の新車導入は行われておらず、現段階では路線車の中古導入も行われていませんので、平成1桁の古参車ばかりと言う状況になっています。


中には排ガス規制記号「P-」という、経年車が多い地方の路線バスでも古参の部類に入る車両も活躍しており、MAKIKYUもこの車両に乗車する機会がありました。


車体側面にツシマヤマネコの写真が掲出されている辺りは、如何にも対馬のバスという雰囲気が漂っており、雞知宮前(Kechi-Miyamae)は空港もある旧美津島町のバス停名ですが、「雞」は殆ど使われない漢字と言う事もあってか、前面行先表示は「鷄」の字で代用しているのも特徴です。
(「雞知」は空港の南側に位置し、旧美津島町の中心に当たる地区の地名です)

ちなみにMAKIKYUが乗車した車両は厳原所属で、対馬滞在中に大型路線車に乗車したのは、写真の車両に1度だけと言う状況でしたが、豊玉(仁位)や上県(比田勝)に所属している車両もあります。


豊玉所属の車両は朝の仁位→厳原と、夜の厳原→仁位間を運行する便で活躍する姿も目撃したもので、比田勝でも車庫内に停車している車両を目撃しています。
(写真は厳原・白土の車庫に停車中の豊玉所属車両です)

ただMAKIKYUが対馬交通の各車庫に足を運んだ際には、どの車庫でも大型車が待機している姿を目撃する有様で、中型車でも輸送量的には問題ない路線・便が多い事に加え、大型車は経年車ばかりという事もあり、予備車として車庫に待機している事が多い様です。

個人的にはこの大型車で縦断線を全線走破できれば…と感じる程ですが、台数の割に稼働率は余り芳しくない様に感じたものです。

大型車は車齢20年超の経年車ばかりですので、運用離脱車も相次ぎ、残存車両の活躍もそう長くない気がします。

今後車両代替の際には久々の大型新車導入となるのか、大都市圏中古車の導入に踏み切るのか、それとも一般路線車はダウンサイズ化を更に進めて中型車かそれ以下の車両のみの運行になるのかも気になる所です。


対馬交通・縦貫線~島の大きさを実感させられる長大路線

2014-01-15 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、福岡(博多)~対馬(厳原)間を運航する壱岐・対馬フェリーの貨客船「フェリーつばさ」に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUがこのフェリーで対馬へ到着した後は、島内を路線バスで巡ったものでした。

対馬島内の公共交通は、鉄道が存在しない事もあり大半が路線バス、この路線バスは専ら対馬交通が運行しています。

近年では廃線となった路線を「対馬市営バス」として運行し、対馬交通がその運行受託を行っている路線も幾つか存在しますが、この対馬交通は厳原の白土(Hakudo)に拠点(厳原営業所)を持つほか、島の中央にある仁位(豊玉営業所)と、北部の比田勝(上県営業所)が存在しています。

路線は対馬島内を南北に縦断する厳原~空港~仁位~比田勝間の縦貫線を軸に、縦貫線の一部区間便や、縦貫線の途中から枝分かれする支線が幾つも存在しています。

他に厳原市内を運行する路線や、厳原から南方などへ向かう路線などもあり、MAKIKYUは対馬滞在中、縦貫線のバスには何度も乗車したものでした。

とはいえ対馬の人口分布が厳原と美津島に偏重している事もあってか、基幹軸の縦貫線でも、全線通しての運行は僅か4往復しかなく、厳原~空港間以外では1本逃がすと…という状況です。
(離島の路線バスにしてはそこそこの便数がある厳原~空港間でも、時間帯によっては運行間隔が1時間以上開く事もあります)

この縦貫線は、以前は大型車が充当されていた様ですが、近年では対馬交通車両の老朽化に加え、対馬自体の急激な人口減少・過疎化も災いしてか、全区間運行便では専ら中型車が充当されている様で、MAKIKYUが何度か乗車した縦貫線の各便は全て中型車と言う状況でした。


対馬交通の中型路線車は、概ねいすず純正(LR)のトップドア車で、座席は2人がけの座席が並び、補助席も設けられた着席重視仕様といった特徴があります。

 
概ね平成1桁年の車両ながらも、年式に幅がある事もあってか、側面行先表示装置の有無などの差異があり、中型車の中でも標準より車体長がやや短い車両も存在するなど、似た様な見た目のLRでも、よく見ると差異が存在する状況になっています。

また対馬自体が南北に細長い形をしている事もあり、対馬の南北を縦断する厳原~比田勝間の縦貫線全線では片道90km超、日本の離島では他に類を見ない長距離を走破しており、これは沖縄本島の最長路線・沖縄バス77系統をも凌ぎます。
(島自体の大きさは沖縄本島や奄美大島の方が大きいですが、これらは名護や名瀬以北と以南でバス路線が分断されています)


道路混雑などはまず無縁の土地柄とは言えども、片道乗り通すだけでも所要2時間半以上を要する有様で、大半の区間は片側1車線ずつの車線が確保されているものの、旧上県町内を中心に車両行き違いが困難な狭路も存在しており、仁位以南でも万関橋以北では一部に狭路があります。


運賃も結構な賃率でずっと上がり続けますので、厳原~比田勝間を乗り通すと3000円超、日本国内の一般路線バスにおいて、運賃表示でこれだけの金額を目にする機会は滅多にないかと思います。

区数の多さに加え、自由乗降区間が大半を占めm一部区間では停留所間距離がかなり開くために、整理券番号が一つ変わるだけでも、かなり運賃が変動する箇所が幾つも存在するのも大きな特徴です。

所要時間・運賃共に高速バスを除けば、日本国内でこの路線を凌ぐ路線は幾つか…という程度ですが、運賃面では幾つもの割引乗車券が用意されていますので、正規運賃で厳原~比田勝間を往復する乗客は、島民・島外問わずまず居ないかと思います。
(島民向けには、島内全路線バスが1月乗り放題で5000円の定期券が発売されているほか、縦貫線厳原~比田勝間の区間指定回数券が4枚綴り8800円(1枚当たり2200円)で発売されています)


また一日フリー乗車券も1000円で発売されているのですが、島内・島外問わず日本人の利用は土休日や年末年年始などに限定されているのに対し、外国人は毎日購入・利用が可能となっています。

通勤通学でのフリー乗車券利用を避けるために、島内在住者の利用日を制限するのは、隣の壱岐で行っており、壱岐交通でフリー乗車券の平日購入を島外在住者に限定しているのは、事業運営などを考えると分からなくもない気がします。

しかしながら日本国外に籍を置く人物であれば、比田勝から2桁kmしか離れていない所(対象者数3桁万人)に居住していても毎日購入できる反面、MAKIKYUの様に比田勝や厳原から4桁km離れた遠方に居住していても、日本国内に在籍・居住と言うだけで制限されるのは少々頂けない気がします。

ただ幸いにもMAKIKYUが対馬を訪問した日は、丁度土日でしたので、一日フリー乗車券を購入・利用できたのですが、この利用制限は島内でも異論が出ている様で、今後改善願いたいと感じたものです。

対馬交通に関しては、縦貫線以外にも幾つかの路線に乗車していますので、これらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


徳之島を走る路線バス~一般路線は専らリエッセが活躍

2013-09-15 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に奄美・沖縄方面へ足を運んだ際には、奄美大島・沖縄本島以外にも、鹿児島~沖縄航路フェリーの途中下船制度を利用し、徳之島へも立ち寄ったものでした。

徳之島は日本国内の離島では面積・人口などの規模が突出している奄美大島に比べると、小規模な印象がありますが、それでも島内の人口は2万人を超えています。

鹿児島市からは400km以上離れており、島の規模の割には観光客の入り込みが少ない事もあってか、余り馴染みない方も多いかと思いますが、鹿児島~沖縄航路のフェリーが発着する亀徳新港に近い島内最大の街・亀津の街中には、コンビニやファミレスも存在するなど、離島の中では比較的規模の大きい部類に入ります。

この徳之島における公共交通機関は、鉄道の存在しない土地柄だけあって当然路線バスが担う事になりますが、島内の路線バスは徳之島総合陸運1社が担っており、同社は路線・貸切バスの運行をはじめ、「総合陸運」と名乗るだけあって、他にガソリンスタンド営業など様々な事業を行っています。


徳之島は離島にしては珍しい私立の高校が存在し、同校は島内各地にスクールバスを走らせている事もあってか、島の規模の割には路線バスの運行路線・便数などが極めて僅少で、輸送力的には路線バスよりも、指の数以上の大型車を用いているこのスクールバスの方が…と感じる程です。

亀津の街中から少し南(伊仙方面)へ向かった所に位置する徳之島総合陸運の車庫へ足を運んだ際には、このスクールバス(学校名などは一部塗り消し加工しています)の1台にも遭遇し、島内では他にもエアロスターMや西日本車体工業製車体の大型車など、様々な車種に遭遇しており、そのバラエティは島内路線バスを遥かに凌ぐ程です。

ちなみに路線バスの主要路線は、亀津を起点に、花徳(Ketoku)・平土野(Hetono)を経て徳之島空港に至る路線と、伊仙方面へ向かう路線(犬田布止めか平土野まで運行)程度、他に島北部などでワゴン車を用いた予約制のデマンドバスが運行されている程度となっています。

観光地へのアクセスとしても使い勝手は良いとは言い難く、生活路線として最低限の便が確保されているだけと言った感があり、日頃専ら公共交通機関を利用し、レンタカーなどを用いる機会は稀なMAKIKYUでもレンタカーを利用せざるを得ない状況でしたが、徳之島訪問記念も兼ねて、基幹路線とも言える亀津~徳之島空港間の路線には一度乗車したものでした。


現在徳之島総合陸運が運行する路線バスは、需要が限られる事もあってか、大半の便は日野製マイクロバス・リエッセによる運行となっている様で、乗車した便を含め、MAKIKYUが徳之島滞在中に稼動している姿を見かけた車両はリエッセのみと言う状況でした。

このリエッセは年式などに幅があるものの、どれも特徴的な緑系の装いを纏ったトップドア車(前扉のみ)、車内は2+1列の座席に補助席が設けられた貸切兼用の着席重視仕様となっていますが、島内何処へ向かうにもさほど長時間を要さない事もあり、座席自体は機能性重視の比較的シンプルなものを採用しています。

車内はデジタル運賃表示器や整理券発行機こそ備えているものの、奄美大島の道の島交通などと同様に、音声合成などによる車内放送などはなく、ワンマン機器が動作している様を見なければ、路線バスと言うよりも送迎車に乗車している様に錯覚してしまいます。


ただ主力のリエッセ以外にも、車庫には三菱製中型車・エアロミディMKトップドア車などの姿もあり、過去には大型路線車を用いていた事もあった様です。

 
またMAKIKYUの訪問時には、試験運行終了となったポンチョ電気バスや、屋根付きの車庫に頭を突っ込んだ状態で撮影は困難ながらも、大型貸切車が駐車している姿なども見られたものでした。

島内ではそれなりの数のバスが稼動しているだけに、限られた人間しか利用できないスクールバスばかりでは余所者が訪問した際には非常に不便で、できる事ならスクールバスへの一般客混乗でも実現すれば…と感じた程でした。


壱岐交通のワンマン機器~他では余り見かけない運賃箱なども…

2013-08-28 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが6月に足を運んだ長崎県・壱岐島を走る壱岐交通の路線バスは、トップドアの兼用車が主流を占めているだけでなく、各種ワンマン機器なども他者ではあまり見られないものが幾つも見受けられます。


ワンマン機器と言って真っ先に思い浮かぶものとしては、運賃箱がその代表格ですが、現在日本国内では全国的に一般的な自動両替装置付きの運賃箱ではなく、国内の路線バスでは余り見かけないただの「箱」となっているのが大きな特徴です。
(壱岐から200km程北方へ行けば、ごく当り前の話ですが…)


マイクロバス・ポンチョに装備された運賃箱などは、主力を占める兼用車の運賃箱に比べると、やや大型になりますが、それでも自動両替機能などは装備しておらず、両替が必要な時には乗務員に申し出て、大きな金額のお金しか持ち合わせていない時は、小銭入りの袋と取り替えて貰う事になります。
(島外から訪問した観光客の場合は、1000円で1日乗り放題のフリー乗車券が毎日利用できますので、両替を申し出る機会はかなり少ないと思いますが…)

壱岐交通の路線バスは、小型の行先方向幕を装備しているのも外観上の大きな特徴ですが、この行先方向幕は手回し式となっています。


そのため前面だけでなく、側面前扉背後にある行先表示も、循環路線などでは運行途中で乗務員がハンドルを回し、表示を変える必要があり、左側最前部の座席に着席していると、路線によっては途中で乗務員氏に一旦席を立つ様に頼まれる事があるのも、他者では余り見られない特徴と言えます。
(他者では手回し式の場合でも、運行途中で行先表示を変える事例自体が少なく、また乗客が着席しているとハンドルを回せない位置に手回し式の側面行先表示幕を装備している事もまずないと思います)


また車内の運賃表示器は、地方の路線バスでは比較的良く見かける小田原機器製の一般的なタイプが主流を占めていますが、中には新型のLCDモニターを用いた車両(ニューエアロスター)も存在しており、離島のバスらしからぬ雰囲気を感じたものです。

ただその一方、6月の訪問時点では各車両共に車内放送は音声合成装置ではなくテープを使用しており、鹿児島県・奄美大島を走る道の島交通の如く放送廃止→停留所名は乗務員によるマイク案内という事例も異例ですが、今年に入ってからMAKIKYUが音声合成装置ではなく、テープによる車内放送を行っている路線バスに乗車するのは初めてと言う状況でした。
(昨年もテープによる車内放送を行っているバスには、潟東や大船渡で遭遇する程度でしたので…)


LCDモニターの運賃表示器を装備した車両でテープによる車内放送、ましてや運賃箱は両替機能のないただの箱で、行先表示幕も手回し式と言うバスは、全国各地を探しても壱岐以外では一体どれだけ…と感じたものでした。


沖縄の路線バス・120番~2社共同運行の長大路線

2013-08-20 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に沖縄本島へ足を運んだ際には、島内の公共交通機関は那覇市内を走るゆいレール(沖縄都市モノレール)を除くと、専ら路線バスと言う土地柄だけあって、幾つもの路線バスに乗車していますが、その中で最も乗車距離・時間の長かった路線が120番でした。


120番は名護西空港線という路線名も付いており、那覇空港~那覇バスターミナル~(国道58号線)~名護バスターミナル間を結んでおり、早朝・深夜などは那覇方で那覇バスターミナル発着となる名護西線(20番)も運行、両者を合わせて概ね毎時2本程度の便が確保されています。

全長70km程度の距離を、一般道路(国道58号線)の各停留所に停車して運行していますので、那覇空港~那覇バスターミナル~(沖縄自動車道)~名護バスターミナル間を結ぶ高速バス(111番)に比べると、所要時間はかなり長くなり、全区間を乗り通した場合の乗車時間は、運行予定表通りの運行でも片道2時間半を超えます。

那覇バスターミナル~名護バスターミナル間を、コザ・安慶名・石川などを経由して運行している名護東線(77番)に比べると、所要時間や運行距離は若干短くなりますが、どちらも路線バスにしては長大路線である事に変わりはなく、全国的に見ても一般路線ではかなりの長大路線です。

MAKIKYUが4月に那覇~名護間を移動する際には、それでも敢えて120番を選んで乗車しています。


これは利用日が土休日で、第一交通産業グループ(琉球バス交通・那覇バス)が高速バス(111番)を除く一般路線全線で通用するフリー乗車券(2000円)を発売しており、この乗車券を利用するとなれば、沖縄バスが運行する77番や、利用対象から除外されている高速バス(111番)は利用対象外になる事が大きく、120番で那覇空港~名護バスターミナル間全線を乗り通すと、片道で1940円(写真は120番バスが終点・名護バスターミナルに到着した際の運賃表示です)になる事を踏まえると、フリー乗車券通用日の120番利用価値はかなり大です。

ちなみに120番・20番の運行は「共同運行」となっており、各バス停に掲出されている時刻表では、琉球バス交通の時刻表に (共同運行) と記されているだけ、利用者側はバスが来るまでどの会社のバスが来るか分からない状況ですが、琉球バス交通と沖縄バスの2社共同運行となっています。
(沖縄では名護以北の各路線(北部支線)をはじめ、中南部でも那覇~糸満間の89番などが琉球バス交通・沖縄バスの2社共同運行となっています)

この2社共同運行路線では沖縄バス運行便でも、琉球バス交通と那覇バスで発売している土休日フリー乗車券は通用しますが、沖縄バスでは発売を行っておらず、また同一区間でも共同運行系統以外のバスで土休日フリー乗車券は通用しませんので要注意です。


そしてMAKIKYUが那覇空港から乗車した名護バスターミナル行きは沖縄バス運行便、フリー乗車券を所持していると、どうしても第一交通産業グループのバスを利用する機会が多くなりますが、個人的には三菱車が好みと言う事もあり、フリー乗車券で専ら三菱車を走らせている共同運行系統の沖縄バス運行便に当たると、充当車両にもよりますが、個人的には少し得した気分になります。
(120番では共同運行ながらも、琉球バス交通運行便比率がやや高めになっている様です)


充当車両はかつて首都圏大手事業者の特定輸送で用いていた大型トップドア車、窓割などは古株車両とは異なるものの、沖縄の郊外線における標準仕様に近いグレードを誇っており、2人がけのハイバックシートがズラリと並ぶ着席重視仕様の車内は、片道2時間半以上に及ぶ長大系統に用いる車両に相応しいと感じます。

元が特定輸送用車両車両だけあり、一般路線車に比べると事業者の独自仕様が見受けられる部分は少なく、まして一般人の乗車機会は…という状況ですが、沖縄バスとは異なるサイズのスターフ入れや、灯火類の球切れを確認するランプチェッカーなどは、元事業者の
路線車にも共通する特徴です。

三菱製大型路線車を主力としており、現在エアロスターだけでも4桁台走らせている元事業者では、ギア比が加速仕様となっており、走行音や変速タイミングなどが標準仕様と大きく異なりますので、そのお陰で個人的には非常にお気に入りの乗り心地が存分に堪能できたものです。

ただかつてこの車両は高速バス(111番)に充当された事もある様ですが、加速仕様で一般道路での運行に最適化された車両ですので、高速道路での高速走行には余り適さない様で、この事もあって120・20番へ転用された様です。

名護西線は長大路線にも関わらず、当然ながら一般路線だけあって車内にトイレは設置されておらず、途中でのトイレ休憩もないなど、幾らバス好きでも…と感じる状況にも閉口されられたものですが、途中での乗務員交代もなく通し乗務でしたので、乗務員の方も長時間連続乗務は大変だろうと感じたものでした。
(余談ながら日本一長い路線バスと言われている奈良交通の八木新宮線(近鉄大和八木駅~十津川経由~JR新宮駅)も、途中での乗務員交代はありませんが、この路線は路線車で6時間以上の超長時間乗車になる事にも考慮し、途中3回の休憩時間が確保されています)

またMAKIKYUが120番を通し乗車した際には、大型車が充当されたものの、現在120番・20番では2社共に中型車による運行が主流となっており、居住性と言う観点では長時間乗車には余り芳しくない状況となっています。


それでも沖縄バス運行便では写真の車両をはじめ、古参車ながらもハイバックシートを装備した前後扉車(後扉締め切り)などが活躍しており、長時間乗車もそこそこ考慮していると感じたものです。

とはいえ琉球バス交通運行便では、最近導入された元名古屋市営バスの日野製中型車が主力となっており、120番乗車中にはこの車両が充当されている便とも何度もすれ違い、MAKIKYUが20番で名護市内を移動する際にも一度当たっています。


この車両は元々が都市内の短距離路線用に導入された車両だけあり、座席は薄くて硬く、奄美大島・道の島交通の名瀬市内~古仁屋間などで頻出する元名古屋市営小型車と同様に、設備的には長時間乗車には余り嬉しくない状況です。

残念ながら車内の様子は撮影できていないのですが、この車両の座席は背もたれを一旦外して板を挟んだ上に、この板の上に背もたれを貼り付ける事で、無理矢理セミハイバックシート化改造と言っても過言ではない座席改造を行っているなど、車内はかなり凄まじい状況でした。

前乗り前降りながらも、沖縄の郊外線バスでは良く見かける中扉を塞いでの座席増設は行っておらず、中扉部分は棒で仕切っているだけ、その上左側最前部座席を撤去して荷物置きを設置しているなど、グレード面だけでなく座席数自体も少ないなど、余程の名古屋市営バスファンや日野車ファンの方は別として、一般的に見れば相当なハズレ車両なのでは…と感じたものでした。

120番・20番は充当車両に大きな格差もあり、所要時間もかなり長いですので、土休日フリー乗車券利用と早朝・深夜時間帯を除くと、那覇市内~名護市内の利用はどれだけあるのだろうかと感じたもので、この事も中型車が主流になっている一因なのでは…と感じたものでした。
(MAKIKYUが120番に乗車した際には、途中区間で乗客がMAKIKYUだけという区間もある程でした)

沖縄は首都圏からは他都道府県とは比べ物にならない程遠く、本土で最も沖縄本島に近い鹿児島市からでも、フェリーで丸1日を要するなど、韓国など近場の異国へ足を運ぶよりもずっと遠く、足を運ぶだけでも難儀する土地ですので、再訪に機会はあるのだろうか…とも感じたものでした。

またフェリーで再び足を運ぶ機会があり、土休日フリー乗車券利用などの制約がなければ、今度は77番の全区間乗車も是非…と感じたものでした。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も沖縄本島へ足を運ばれる機会がありましたら、鉄道が殆どない代わりに120・20番や77番など多数の路線が存在する長大路線バスにも是非乗車してみては如何でしょうか?


壱岐交通で活躍する三菱製路線車

2013-08-18 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、壱岐交通で主力として活躍する西日本車体工業(西工)製58MCボディの日野車に関して取り上げましたが、同社の路線車では日野と並び三菱車も多数活躍しています。


大型車に関しては西工+日野の車と同様の「兼用車」で、58MCとほぼ同年式で三菱純正仕様のエアロスターMをはじめ、現行三菱製大型車と同じデザインのニューエアロスターとも呼ばれるエアロスターも何台か活躍しています。


ニューエアロスターと言っても、既に初期車両は大都市圏排ガス規制区域からは退役を余儀なくされ、第2の活躍舞台に場を移し、地方で活躍する車両も多数存在する状況で、壱岐で活躍するエアロスターもこの手の車両と年式的には同等です。

それでも壱岐交通の大型路線車では新鋭の部類に入り、乗車した車両では車内にLCDモニターを用いた新型運賃表示器が装備されていたのも印象的でしたが、その一方で前面行先表示は相変わらず小型となっている辺りは、少々違和感を感じます。

また近年はバリアフリー法の関係などもあり、兼用車を導入できない事も影響してか、中型のバリアフリー対応車も少数ながら導入されています。


数の少ない車両だけあって、郷ノ浦の八畑にある車庫で見かけただけで、乗車機会はありませんでしたが、中扉が一般的な引戸や4枚折戸ではなく、2枚折戸となっているのが特徴的です。


中型車はこの車両の他にも、自家用バスを連想させる離島のバスらしい兼用車仕様の車両も活躍していますが、こちらも数は少なく、土地柄などを踏まえるともっと数が走っていても…と感じます。

ただその代わりとでも言うのか、中型よりも更に車長が短い「小型」のトップドア兼用車は結構走っており、この車両には何度か乗車する機会もありました。


大型兼用車とこの小型車、時によってはマイクロバス(日野ポンチョ)まで同じ路線で運用されるとなると、キュービックのリクライニングシート車と、ローザやシビリアンなどが同一路線で運用される鹿児島県・奄美大島の道の島交通程ではないにしても、随分な車両格差が…とも感じます。

とはいえ小型車の座席は大型兼用車と同レベルのハイバックシートを装備しており、輸送力はともかく、設備的にはさほど遜色を感じないものでした。
(さすがにポンチョなどになると、兼用車仕様の座席などは期待できず、長時間乗車には著しく適さない気もするのですが…)

壱岐交通に関しては、まだ取り上げていない車両も多数ありますので、近日中に続編記事も公開したいと思います。


沖縄バスで活躍するエアロスターK~同車種でも様々なバリエーションが…

2013-08-07 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に沖縄本島へ足を運んだ際には、本島内を走る大手4社の路線バスを幾度も利用したものでしたが、その中でも個人的にご贔屓なのは、MAKIKYUが三菱車好みという事もあり、専ら三菱車を使用している沖縄バスです。

沖縄のバスは各社共に車齢20年超の古参車が多数活躍していますが、沖縄バスでは車齢20年超の三菱車が多数活躍している事もあり、排ガス規制対象の大都市圏では姿を見なくなって久しく、MAKIKYU好みの車種の一つでもあるエアロスターKも多数活躍しています。

MAKIKYUも沖縄バスを利用した際には、何度かエアロスターKにも乗車したものでしたが、自社発注車や各地からの移籍車両などが入り乱れている事もあり、同年式車でも車によって随分な差異が見受けられます。


自社発注車は、前乗り前降りとなる沖縄の郊外線バスでは典型的なトップドア(前扉のみ)車で、写真の様に窓サッシが黒く、ガラスもスモーク付きとなっているなど、やや高級な仕様となっている車両も多数活躍しています。


自社発注車の比率は低く、過半数は大都市圏移籍車両になりますが、こちらはU-規制車はおろか、昭和末期~平成元年辺りにかけて製造されたP-規制車もまだ多数活躍しており、MAKIKYUも実際にP-規制車(P-MP218M)に乗車する機会がありました。


この大都市圏移籍車両は、首都圏からの移籍車両が大半を占めており、銀色2段窓で中引戸という車両が主体になりますが、中には関西から移籍した前後扉車なども混在しています。

 
一見すると同じ様に見える車両も、良く見ると移籍前事業者の差異などにより、エアロスターシリーズではお馴染みのセーフティウィンドゥ(死角確認窓)の有無や、側面幕(大半を占めるサボ使用車では不使用)の位置や大きさに違いがあるなど、幾つものバリエーションが存在します。

車長も短尺と標準尺が入り乱れ、バスを見かけて撮影できる状況であれば、片っ端から撮影しても全バリエーションは…という程の多様さは、趣味的には非常に興味深いものです。

そしてバスに乗車すると、出自の差異などによりギア費が異なり、走行音も異なりますし、車内の内装や座席モケットなども異なりますので、見ているだけでなく乗る事で更に楽しむ事ができます。

沖縄の路線バスは、系統毎に概ね充当車両が固定されている傾向がありますが、同一系統を走る同車種(89番那覇~糸満間を運行する、沖縄バスのエアロスターKなど)でもバリエーションがあります。

おまけに路線によっては座席増設を行い、増設部分だけ異なる座席を用い、それも増設座席だけモケットが異なり、余り見付を配慮せず、見るからに改造車である事をPRしているのでは…と感じてしまう車両が多いのも、他地域では余り見られない沖縄の郊外線路線バスならではの特徴です。

中扉や後扉のある大都市圏移籍車両では、この部分を埋めているか否かなど、元車種だけではなく車両改造のバリエーションが幾つも存在するのも面白い所ですが、沖縄は国内他都道府県とは比べ物にならない程遠く、本土で最も近い鹿児島からでもフェリーで丸1日を要し、首都圏に身を置くMAKIKYUにとっては、韓国など近場の海外へ足を運ぶよりもずっと遠い地です。

そのため再び沖縄を訪問する機会が訪れるのか、そして車齢などを踏まえると、その時にまだエアロスターKが走り続けているのか…と感じる程です。

今や国内各地を探しても、沖縄バス以外にこれだけの数と種類のエアロスターKを使い続けている事業者は他にどれだけ存在するのだろうか…と感じる程ですが、機会があれば再び沖縄バスのエアロスターKに乗車したいと感じたものでした。


壱岐交通で活躍する日野車~主力の58MC兼用車以外に中小型車も…

2013-08-05 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが6月に足を運んだ長崎県・壱岐の壱岐交通で活躍する車両は、観光車などで最近他メーカーも導入されているものの、一般路線車は日野と三菱が勢力を2分している状況です。

一般路線では既に取り上げた西日本車体工業(西工)58MC車体+日野の兼用車に当たる機会が最も多く、次いで三菱車という状況ですが、日野車は58MCの兼用車だけでなく、中型・マイクロも存在しています。


日野製の中型車は1台だけの様ですが、MAKIKYUも一度乗車する機会があり、大型兼用車と異なり純正仕様となっています。

ただこの車両もトップドアで側面窓は引き違い式、車内は2人がけのハイバックシートがずらりと並ぶ兼用車仕様は相変わらずで、複数台走っていても不思議ではない気もします。

この中型車以外にマイクロバスも活躍していますが、意外にも日野製路線バス用マイクロ車の大ヒット作で、全国各地で活躍しているリエッセの姿はなく、リエッセ登場以前のレインボーRBと、新鋭ノンステップのポンチョという、年式的にも非常に偏った状況になっています。
(リエッセも大都市圏排ガス規制区域での離脱車両などが、相次いで地方移籍していますので、今後中古などで導入されても不思議ではないのですが…)


レインボーRBは車庫に駐車している姿を見ただけで、稼動している姿は目撃していませんが、この車種自体が年式的には古参に属しますので、あとどれだけの活躍が見られるのか気になる所です。

ポンチョは現在2台が在籍している模様で、MAKIKYUの知人の中には、この車種を猛烈に愛好している者も居ますが、壱岐交通の路線車では最新鋭の車両になります。

2台しかない割には、1扉のみの車両と2扉車の双方が存在し、敢えて仕様の異なるポンチョを導入していますので、それぞれの使い勝手を検証しているのでは…と感じる程です。


ポンチョは前扉のみでも車椅子乗車に対応可能ですし、2扉車にするとただでさえ少ない座席数が更に減少する羽目になり、前扉と後扉の間隔も僅かと言う状況になります。

大都市圏の乗降が多く、道路事情などの関係で小型車充当が必須な路線に充当するならともかく、トップドア車が主流を占める壱岐の様な離島では、郷ノ浦の市街地内を走る市民病院線の専属運用などでもなければ、座席定員減少の弊害が目立つのでは…と感じたものです。


写真はこのポンチョ2扉車の車内ですが、仕様はメーカー標準仕様をほぼそのまま取り入れた雰囲気で、グレード的には残念ながら兼用車には遠く及ばないと感じるものです。


もう1台のポンチョ(1扉車)は、座席配置も2+1列の着席重視仕様で、MAKIKYUは両者共に乗車機会がありましたが、1扉で着席重視仕様の方が使い勝手が良さそうな路線でも、全国的にポンチョは2扉車を導入する事例が圧倒的に多いのは気になる所です。

壱岐交通でも古参車を多く抱え、バリアフリー対応なども考えると、今後もポンチョの追加増備が行われても不思議ではない気がしますが、その場合には1扉車と2扉車のどちらが導入される事になるのかも気になる所です。


壱岐交通の主力・西工58MC車体の日野車

2013-07-28 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが長崎県の壱岐島へ足を運んだ際には、島内バスのフリー乗車券(車内発売あり・但し平日の利用は島外在住者のみ)を利用し、壱岐交通の路線バスを利用して島内を廻ったものでした。

壱岐交通は九州本土・佐賀県を中心に路線・高速バスなどを運行する昭和自動車の系列会社ですが、離島と言う土地柄も影響してか、路線バスの使用車両は昭和自動車とは大きく異なっています。


島の規模の割には、路線バスの運行路線数・便数や運行本数などは比較的多い印象を受けたものでしたが、路線・貸切双方の用途に使用可能な「兼用車」を多く導入してきた事もあってか、一般路線では大型車による運行が比較的多いのも大きな特徴です。


壱岐で活躍する兼用車は、扉は前1箇所のみ(トップドア)、車内は2人がけのハイバックシートがズラリと並ぶ着席重視仕様、そして側面窓は引き違い式といった仕様が特徴的ですが、島内は何処へ向かうにも最短ルートで30分もあれば…という小規模な島だけあって、長乗車時間はあまり想定していないのか、兼用車でも各座席にリクライニング機能は存在しません。

近年はバリアフリー法絡みでこの兼用車が導入不可になっている事もあってか、兼用車は年式の古い車両が大半を占め、おまけに貸切車両の中古車を導入する事で兼用車の古参車を淘汰していますので、一応兼用車ながらも路線バスとして走る事が殆どの様です。


この兼用車の中でも、主流を占めているのは土地柄も影響してか西日本車体工業(西工)製の車体を装備した車両で、壱岐で活躍するこのタイプの下回りは全て日野です。

しかしながら西工製車体でも、現在の主流になっており、大都市圏では既に排ガス規制の影響による退役車も続出している96MCは1台もなく、全てそれ以前のモデル(58MC)ですので、大都市圏では車検登録・更新が出来ない古参車ばかりと言っても過言ではない状況です。


この主流となっている西工58MC車体の日野車は、現在活躍中の車両は概ね平成1桁年製で、見た目はどれも似たような雰囲気ですが、よく見ると年式の差異などによって、側面窓割などに違いが存在しています。

古参大型路線車が好みのMAKIKYUとしては、乗客として乗車するのであれば大歓迎という状況ですが、古参車ばかりに偏っている状況では、いつ大々的な車両代替が行われても不思議ではない気がしますし、その際には兼用車の導入ができない事から、どの様な車両で代替するのか気になる所です。

大型車が主力を占めているとは言えども、昼間時間帯などは基幹路線の循環線でもマイクロバス(ポンチョ)が充当されている姿も見かけており、通学ラッシュ時間帯などを除くと輸送力過剰気味の印象を受けたものでした。

近い将来に大幅な車両のダウンサイズ化が行われても不思議ではなく、58MC日野車の兼用車を存分に堪能したいという方は、なるべく早めに壱岐へ訪問された方が…と感じたものでした。


沖縄の富士5Eボディ路線車~第一交通産業傘下の2社で活躍

2013-07-23 | バス[九州離島・沖縄]

富士重工業が路線バス車体製造から撤退して結構な月日が経過し、排ガス規制による古参車の車検更新が出来ない大都市圏特定地域では、同社製ボディのバス自体目にする機会が減っていますが、その中でもモノコック車体末期~スケルトン車体初期の大型路線車(5Eボディ)は製造から概ね25年以上が経過した今日、大都市圏はおろか地方へ足を運んでも、姿を見る機会は限られる存在になっています。

大都市圏の排ガス規制特定地域に生活拠点を置くともなれば、日常生活ではまず乗る機会のない車両になっていますが、各メーカー共に古参車の多い沖縄ではまだ活躍しています。

沖縄本島の大手4社中、専ら三菱車を用いている沖縄バスや、日野車を用いている東陽バスでは、共に純正仕様が殆どですので、富士重工製ボディの路線車自体を見る機会がない状況です。
(過去には僅かに中古車の導入があった様ですが…)

とはいえ第一交通産業傘下の2社(琉球バス交通・那覇バス)は、元々が富士重工製車体のバスが多数存在する日産ディーゼル(琉球バス)やいすず(那覇交通)の車両を多数導入していた事業者だけあり、MAKIKYUが4月に沖縄本島を訪問した際には、何台かの車両が活躍する姿を見る事が出来ました。


那覇バスで活躍している車両は、如何にも都市型路線車と言う雰囲気の中4枚扉で、一般路線ではなく特定輸送(貸切)に充当されている姿を、那覇空港で目撃する事が出来ましたが、首都圏大手事業者からの移籍車両で、左側後部にルーバーが存在する事で判別できる方も多いかと思いますが、那覇バスでは多数派のいすず車です。

同種車両は移籍前の大手事業者と、高速バス共同運行を行っている秋田中央交通などに多数移籍事例があり、MAKIKYUが秋田中央交通の路線バスを利用した際には、何度かこの富士5Eボディの中4枚扉いすず車に乗車した事がありますが、同社でも現在は…という状況です。

同じ秋田県内で路線バスを運行し、移籍前の大手事業者と良く似た装いのバスが活躍している事でも知られる羽後交通でも乗車した事がありますが、今やこの大手事業者で活躍していた中4枚扉の5Eボディいすず車に乗車できる路線は、現行主力車種のいすずエルガ・ノンステップ車ですら地方転出が始まっている状況では、国内各地を探してもどれだけ存在しているのだろうか…と感じる程です。

また5Eは那覇バスだけでなく、琉球バス交通でも活躍中の姿が見られ、こちらは自社発注車と移籍車の双方が導入されたものの、古参車だけに廃車も進行し、MAKIKYUが姿を見る事が出来たのは自社発注車の方だけでした。


自社発注車は郊外線用のトップドア車で着席重視仕様、スモークガラスを採用した黒逆T字窓になっているなど、古参車ながらも豪華な路線車という印象を受けます。


旧琉球バスでは元々日産ディーゼルと日野の2メーカーを導入していた事もあり、当然ながら富士重工製バスでは最多数、かつ富士重工業のバス車体製造中止までの間は、標準車体として指定されていた日産ディーゼル車は活躍しており、那覇滞在中に何度か那覇バスターミナルに足を運んだ際には、常に写真の1台が待機している状況でした。

TOMYTECのバスコレクションでもこのタイプの車両が製品化され、MAKIKYUの手元にも1台ありますが、製品化されているのは5Eボディの主流となっている日産ディーゼル車ではなく、旧琉球バスが日産ディーゼルと共に以前から導入している日野車の方になります。


こちらはエンジン音などが全く異なり、乗車すれば運転席廻りなどを見ただけでも一目瞭然ですが、非公式側(客ドアと反対側)の後部ルーバーが灯油ポリタンクの様な妙な形をしており、バスターミナルに停車している姿を見ただけでも比較的容易に識別できます。
(バスコレクションでもきちんとこのルーバーは再現されています)


バスコレ製品の車両は、残念ながら撮影していないのですが、同形車が琉球バス交通の主力路線・23番(那覇バスターミナル~具志川バスターミナル)で活躍している姿を目撃しており、目撃頻度こそ少ないものの、探せばまだ何とか乗車も…という状況でした。

琉球バス交通の5Eは随分数を減らしたとはいえ、自社発注車だけでも2メーカーが混在、そして前面行先表示も字幕式とLED式に取り替えられた車両が混在するなど、よく見ると幾つものバリエーションが存在するのも注目です。

沖縄でも有名な「730」と共に注目の存在となりつつあり、5Eボディでは比較的少数派の日野車は、豪華仕様もあってか特に注目の存在ですが、古参車が多い沖縄でも大都市圏移籍車の大量導入などにより、車両入れ替えは着実に進んでいますので、あとどれだけの活躍が見られるのかも気になる所です。


琉球バス交通で活躍する元米軍輸送用車両~よく見ると似た様な車両も…

2013-07-18 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に沖縄本島へ足を運んだ際には、沖縄本島の大手バス事業者で最大規模を誇り、現在は那覇バス(旧那覇交通)と共に第一交通産業傘下となった琉球バス交通の路線バスも、何度か利用する機会がありました。

同社は事業規模最大手である上に、元々日野と日産ディーゼルの2メーカーを導入(他社は基本的にほぼ1メーカー)、その上第一交通産業傘下に入ってからは、いすずや三菱製のバスも導入され、現在は4メーカー全ての車両が見られる様になっています。

これらの中には、僅かながらブルーリボンⅡノンステップ車の様な国土交通省標準仕様の新型車も存在するものの、車齢20年を超える古株古参車や大都市圏移籍車が大半を占めており、車両バラエティは相当なものです。

おまけに同社は郊外線のみの運行でありながらも、第一交通産業傘下入りしてからの新塗装(那覇バス郊外線などと同一)をはじめ、それ以前の旧琉球バス時代に導入された車両は、自社発注車と他社からの移籍車で装いが異なり、更に一部の移籍車は移籍前事業者の装いのまま走らせている状況です。

その上同社はかつて米軍輸送を請け負っており、路線車のどの塗装とも異なる装いを用いていたのですが、この米軍輸送用に用いていた車両を路線用に大量転用し、老朽車を置き換えています。

そのため琉球バス交通だけでも、カラーバリエーションは沖縄の大手他社が運行する路線車の全種を凌ぐ程で、様々な姿のバスが活躍する様は趣味的には非常に興味深いものの、琉球バス交通の統一性のなさを露呈する状況になっています。


その中でも元米軍輸送用の車両は、中には写真の様に琉球バス交通新塗装に改められた車両も存在するのですが、大半は米軍輸送用で用いられていた装いのままで活躍しています。

そのため塗装などで一目で他の車両と識別できますので、結構目立つ存在ですが、那覇バスターミナル~具志川バスターミナル(うるま市)間を結ぶ主要路線・23番をはじめ、中南部の大型車充当路線で他車に混じり、かなりの数が活躍しています。


旧琉球バスは元々日野と日産ディーゼルの2メーカーを採用していた事もあり、元米軍輸送用車両もこの2メーカー製が存在していますが、日産ディーゼル製(写真:富士7Eボディ)は見かける機会が少なく、大半は日野純正(ブルーリボン)となっています。

 
このブルーリボンはトップドアの2段窓車で、多数が活躍するこの車両が続行していたり、バスターミナルで並んで停車している姿を見ると、同じ様なバスがゴロゴロ…という印象を受けるのですが、車体長も標準尺と短尺が入り乱れており、両者では窓割も異なります。


その上正面のナンバープレートも左側に寄せて配置されている車両と、中央に配置されている車両があるなど、よく見比べると差異が幾つも見受けられる状況です。

前面行先表示も字幕式が主体ですが、中にはLEDに取り替えられた車両も存在するなど、比較的ありふれた存在と感じるブルーリボンの元米軍輸送用車両も、趣味的には結構注目点があります。


MAKIKYUが琉球バス交通の路線バスを利用した際には、一度この元米軍輸送用で用いられていたブルーリボンにも乗車機会があったのですが、車内に足を踏み入れると、2人がけの座席がズラリと並ぶ自家用バスに近い仕様になっています。

 
沖縄の郊外線バスは最近の新車や大都市圏移籍車を除くと、基本的に前乗り前降りの着席定員重視型仕様ですので、座席配置自体はさほど違和感を感じないかもしれませんが、各種注意表記などは一部で英語表記が見られるのが大きな特徴で、これは他の一般路線車では見かけない元米軍輸送用車両ならでは…と感じます。

那覇バスターミナルなどでバスを待っていると、結構な数が活躍している事もあって、元米軍輸送用のブルーリボンは、嫌でもその姿を見る事が出来る車両の一つですが、沖縄ならではの路線バスの一つとも言える気がします。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も沖縄へ足を運ぶ機会があり、この元米軍輸送用車両に興味がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?


東陽バスで今も活躍する「730」~こちらも日曜日に定期運行

2013-07-12 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、沖縄バスで活躍する「730」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが4月に沖縄へ足を運んだ際には、沖縄バスの730と共に、東陽バスで活躍する730にも乗車しています。


東陽バスは専ら日野車を導入している事業者だけあり、同社で活躍する730も日野製の「RE101」で、年式的には沖縄バスの730と同部類ですが、登録番号は「沖22か906」、沖縄バスで活躍中の730よりも少し前に登録された車両になります。


トップドアで座席定員が多く、床材もリノリウム張りとなっており、古参車ながらも冷房車である点など、仕様的には沖縄バスで活躍している730と共通する部分も多く、1台だけ残存する動態保存車という点も共通しています。

現在は専ら日曜日の191系統・馬天営業所~城間(Gusukuma)で運行しており、城間付近はラケット状のループ運行、そして運行区間の半分程度は、沖縄バスの730運行路線・39番(那覇バスターミナル~新原ビーチ)とも重複します。

起点となる馬天営業所は、沖縄バス39番も通る「新里(Shinzato)」バス停からも徒歩10分程度ですので、その気になればこの馬天営業所へのアクセスに、730も走る沖縄バス39番を利用し、その後東陽バスの730に乗車(或いはその逆)も可能です。
(勿論那覇バスターミナルから直接馬天営業所へ向かうバス路線(東陽バス)もありますので、アクセスは好みに応じて色々選べます)

MAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、馬天営業所から乗車し、途中停留所で下車して那覇バス市内線に乗り換えたのですが、191番は那覇市内の中心部へは入らず、那覇市内に入ると市内北東部をかすめ、その後浦添市内へ入る経路となっています。

南風原町内や那覇市郊外、浦添市内などで那覇市内中心部へ向かうバスへの乗り換えも容易で、途中儀保でゆいレールに乗り換える事もできます。
(勿論城間まで乗車し、その後国道58号線を頻発する各社バスに乗り換えて那覇市内中心部へ抜けたり、或いは逆に宜野湾など中部方面へ向かう事も可能です)

またMAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、他にも首都圏から遠路はるばる730を求めて来た同好者も居り、この730をはじめとするバスの話題などを交わしていた事もあり、乗り心地を堪能するのは半分程度…という状況でしたが、日野のモノコック車というと「ガーガー」と煩い音を立てている印象があるものの、現在活躍中の730は「RC」ではなく「RE」という事もあり、古参車の割には静粛性に優れ、居住性も悪くないと感じたものでした。
(日野はモノコック車体末期~スケルトン車体初期にかけて、エンジン形式の異なる複数車種の大型車を出しており、同年式で似たような見た目の大型路線車でも、車種によって別メーカーの車両に乗車したのでは…と思う程の差異があります)

ただ見るからに古そうな風貌に加え、ブレーキペダルを踏んだ際のエアー音などは、ブルーリボン(東陽バスの現行主力車種)などに比べると…と感じたものでした。

現在活躍する2台の730車は、貸切などの申し込みがない限りは、機能維持を兼ねて日曜日の午前中(東陽バスは昼過ぎも)に動態保存車として運行するだけですので、経年者故の劣化進行もさほどではないかもしれませんが、何時まで走らせ続ける事が出来るのか気になる所です。

バス事情に疎い人物などは、ただの古い車としか受け取らず、ボンネットバスの様な超古参車に比べると、一般向けのインパクトは薄いかもしれませんが、希少性と言う点では既にボンネットバスと大差ないか、場合によってはそれ以上なのでは…と感じる車両です。

加えて沖縄では730交通変更という特殊事情があり、この交通変更に合わせて導入した車両という観点でも、相当な価値のある車両です。

単に公共交通としての輸送効率性を考えるだけであれば、路線車としての経済性はとても…という車両かと思いますが、MAKIKYUの周囲でも、この車両を貸切運行したという話を聞いた事もあり、今後730の価値が更に評価される事になれば、このバス自体が沖縄の希少な観光資源の一つにもなるかと思います。

沖縄の路線バスは決して芳しいとは言い難い状況で、特に東陽バスはここ最近路線用の新車を導入した話を聞かず、見かけたのは旧年式車ばかりでしたので、大都市圏で車検を継続更新できる年式の車両はどれだけ走っているのか…という状況ですので、この様な厳しい状況においても、この730を1台だけながらも残存させるのは相当な事かと思います。

もう少し仕様車両や経営が良さそうな沖縄バスでも、この様なバスをわざわざ残し、走らせ続けている事は大いに評価できる事と感じ、今後も現状の730車動態保存運行が末永く続く事を願いたいものです。