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札幌市交通局 6000系電車~東西線の顔と言える存在だった車両も…

2008-07-28 | 鉄道[北海道]

    

MAKIKYUが今月北海道へ行った際には、札幌市内で地下鉄に乗車する機会もありましたが、東西線に乗車した際には、6000系と呼ばれる車両に乗車する機会がありましたので、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は1976年の東西線開業時(琴似~白石間)に導入が開始され、その後の延伸開業で編成数の増加や、既存編成への増結が行われていますが、他線への乗り入れや途中駅止めの列車設定がなく、運行系統が単純な事も影響してか、側面どころか前面にすら行先表示器を設けていないのは特徴的(これは東豊線7000系の一部なども該当します)です。

また現在退役してしまった試作編成(1編成のみ:MAKIKYUも以前一度だけ遭遇した事があり、これは丸っこい前面が特徴的でした)以外は、一度見たら忘れられない角ばった奇抜な前面に、北海道をイメージしたマークも取り付けられており、非常に個性的なモノとなっています。

車内も外観に負けず個性的で、貫通路は特徴的な6角形となっており、化粧板も白・ピンク・黄色のラインが入り、その上時計台などの札幌をイメージさせる絵柄が描かれるなど、非常に特徴的ですので、ただでさえ日本では札幌のみの存在となっているゴムタイヤ地下鉄の印象を、より強烈なモノにしていると言えます。

ただ比較的近年(1999年)に延伸された琴似~宮の沢間の開業に伴う車両増備では、6000系の製造開始当初から随分年月を経ており、6000系が順次老朽取替えの対象となる事もあって、この際の増備編成は新系列8000系の登場となっています。

それどころかこれに伴う東西線既存編成の増結車両(6→7両)までもが8000系となっているのは特徴的で、7両化された6000系は、中間に1両だけ8000系を組み込んでいるのですが、この車両は塗装こそ6000系に合わせているものの、車体断面や内装などは大きく異なり、非常に奇妙な感じの編成となって現在に至っています。
(日本の地下鉄全体を見渡しても、現段階では都営新宿線10-300R形や名古屋市営3000/3050形(こちらは1編成のみという事もあって、MAKIKYUは残念ながら乗車した事はないのですが…)などと並び、奇抜な編成の代表格と言える状況です)

6000系はその後順次8000系に取替えが行われ、これと共に中間に組み込まれた8000系のみは、増備された8000系の中間に組替が行われていますが、MAKIKYUが先日札幌を訪問した際には残り3本まで本数を減らしており、MAKIKYUが大通駅で宮の沢行の電車を待っていた時には、幸運にもたまたま発車間際の電車を1本見送っただけで遭遇できたものの、その後MAKIKYUが乗車した編成は退役してしまった様ですので、現在は残り2本のみなってしまい、狙ってもなかなか乗れない車両になっています。

この6000系も来月には全編成が引退とも言われており、東西線では今後8000系に統一されると共に、新さっぽろ方から順次ホームドア設置し、また来年頃からはワンマン運転も行われる模様ですので、つい数年前までは当たり前の様にその姿を見られ、東西線の顔とも言える存在であった6000系の姿が見納めになるのは惜しい限りです。

東西線開業から今日まで活躍し続けてきた6000系の活躍ぶりを、いつまでも記憶に留めておきたいものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もこの車両に関する思い入れなどがありましたら、コメントも是非どうぞ。


JR北海道 789系1000番台電車~JR北海道標準仕様特急車ながらも…

2008-07-25 | 鉄道[北海道]

先日JR北海道の標準仕様特急形車両とも言える789系電車に関して取り上げましたが、この形式は新幹線連絡特急・スーパー白鳥号用として導入された車両の他に、道央地区で国鉄時代から活躍していた781系電車の老朽取替え用に、昨年になって導入された車両があります。

この車両は789系の中でも1000番台と呼ばれており、MAKIKYUも先日北海道を訪問した際に初めて乗車する機会がありましたが、道央地区で活躍する785系電車と極力使用を合わせて設計され、同系と共通運用される事もあって、編成はuシートと呼ばれる指定席車1両を含む5両固定編成となっています。

グリーン車の組み込みはなく、塗装も785系とほぼ同等の装いとなっているなど、スーパー白鳥号用車両とは同形式を名乗りながらも、随分様相の異なるものとなっています。

デザイン的にはスーパー白鳥号用の789系や、気動車ながらも789系とほぼ同等のデザインとなっているキハ261系などと類似しており、JR北海道の新標準仕様特急用車両の一群と言えますが、旭川方面からの特急の一部は、札幌から快速「エアポート」として新千歳空港まで運転されており、この列車は時間帯によってはかなり混雑する事もあって、乗降性を高めるために各車両の客ドアを片側2箇所としている事は、他のJR北海道新標準仕様特急用車両との違いの一つと言えます。

常時5両固定編成で運用し、増結を行わない事もあってか、前面のデザインこそ他のJR北海道新標準仕様特急用車両と類似していながらも、貫通路は設けられずに非貫通形となっている事も特徴ですが、貫通扉だけでなく最前部への通路も設けられていない事から、ほぼ同等のデザインを採用している他のJR北海道新標準仕様特急用車両とは異なり、前面展望を楽しむ事が叶わない構造となっている点は惜しまれます。

とはいえ前面展望はその気になれば、789系1000番台の定期旅客列車としての運転区間では、千歳線の1駅間(南千歳からの盲腸線部分:地下区間で車窓を楽しむ事は出来ませんし、終点もMAKIKYUにとっては用のない所ですので、MAKIKYUは先日北海道へ出向いた際にようやく乗車した程です)を除き、他列車で楽しむ事が可能ですので、老朽取替えによる大量増備(JR北海道の規模から考えての話ですが…)を実現する為に割り切ったものなのかもしれません。

車内も構造的には、uシートを除くとスーパー白鳥号用の789系や、キハ261系の普通車とほぼ同等の構造となっていますが、真っ白なFRP製の天井(スーパー白鳥号用の789系や、キハ261系では濃いブルーになっているのが特徴的です)などを見ると、内装は特急用車両としてはやや簡素な感がありますが、一方でuシート車の各座席にはコンセントが設けられている点などは評価できるもので、ビジネス需要主体の列車として使う事を前提に、シンプルながらも機能性を重視した車両となっている事を実感させられたものです。

現在この車両は基本的に室蘭方面への「すずらん号」には運用されないものの、札幌~旭川間の電車特急「スーパーカムイ号」で785系と共通運用されており、同区間の特急やそれに関連する運用では、789系1000番台の運用比率がやや高い状況となっています。

この車両の導入によって、今まで車両性能の違いなどによって「スーパーホワイトアロー号」「ライラック号」と分けられていた札幌~旭川間の特急列車が、これらを統合した「スーパーカムイ号」として統一されており、これによって昼間完全30分間隔による分かり易いダイヤが実現すると共に、列車によるグレードのばらつきも随分緩和された事(厳密に言えば旭川以遠の道東方面などからの気動車特急が少数混じっており、これらの一部は所要時間や車両グレードなどで随分な違いがあるのですが…)は大いに評価すべき点と言えます。

785系とは色々差異も見られます(こちらもその内取り上げたいと思います)ので、両者の好みは分かれる所ですが、785系と共に北の大地を駆け抜ける電車特急として、今後末永く活躍する事に期待したいものです。

(ちなみに写真はJRマークを表示しており、列車を特定できない状況ですが、快速エアポート号乗車の翌日に、たまたま発寒駅を通過するホームライナーを撮影したものです。)


JR北海道 789系電車~本州でも北の大地を感じさせる特急車両

2008-07-21 | 鉄道[北海道]

  

先日MAKIKYUが「ぐるり北海道フリーきっぷ」を利用して北海道へ出向いた際には、往路は新幹線+特急の乗継で札幌(厳密には南千歳で特急は下車しているのですが…)へ向かったのですが、その際新幹線を八戸で下車してから北海道までのアクセスとして利用した列車が特急「スーパー白鳥」号で、今日はこの列車に用いられる789系電車に関して取り上げたいと思います。

現在運転されている「スーパー白鳥」「白鳥」号は、かつて大阪~青森間を運行し、日本最長距離を走る昼行特急として知られた「白鳥」号とは異なり、この列車が廃止されてからしばらく経過した2002年の東北新幹線八戸延伸にあわせ、八戸駅発着の新幹線接続北海道連絡列車として、それまで東北本線盛岡以遠を運行していた「はつかり」号(一部は函館まで足を伸ばしていました)を改編して誕生した列車です。

八戸~青森~函館間(一部列車は青森~函館間のみ)を運行しており、「スーパー」を冠する列車と、そうでない列車の双方が存在していますが、これは車種による違いを表しており、「スーパー」を冠する列車は今日取り上げる789系、そうでない列車は旧国鉄から引き継いだJR東日本所属の485系(原型ではなく、随分手が加えられた車両ですが…)による運行となっています。

789系はJR北海道の新標準仕様特急車とも言える存在の一つで、前面貫通型の高運転台となった先頭部や、その貫通路部分に設けられた小窓などは、この車両が登場する前から運行している、北海道内を走る新系列特急形気動車と共通する特徴となっています。

最前面の小窓からは、青函トンネル進入時やトンネル内走行時をはじめ、常に最前部からの車窓を楽しめ、その上789系では手動のワイパーも備えられていますので、これは他社の車両では余り見られない特徴と言え、なかなか面白いものです。

車内も特急車両の中では、決して豪華な部類に入る車両とは言えないものの、近年の他のJR北海道車両と同じく、デンマーク国鉄(DSB)との共同制作によるデザインとなっており、青色の天井や照明配置などは特徴的ですし、外観もシンプルなステンレス製ながらも、北海道をイメージさせる黄緑色をベースに、青函海峡をイメージしたカラーテープをドア周りに配したデザインとなっており、走行エリアを強く打ち出したものとなっています。

車内も各座席に備えられた背面テーブルに、「スーパー白鳥」号各列車の青函トンネル通過予定時刻を掲出するなど、如何にも現在世界最長を誇る青函トンネルを走り、北海道へ至る列車である事をアピールしており、内外共に北の大地・北海道を感じさせる車両となっています。

車内の自動放送も特徴的なJR北海道仕様になっていますので、北海道まで出向く用事がなく、八戸~青森間のみを乗車する場合でも、この車両に当たれば、手頃に北海道気分を味わう事が出来るのは嬉しい限りです。
(こんな事を考えるのは本州の人間だけで、道内の方にはあまり関係ない話かもしれませんが…)

またこの列車の登場と共に、津軽海峡線(正式名称ではなく愛称で、本来は幾つかの路線に跨っているのですが…)を走り、JRでは希少な昼行客車列車として知られた快速「海峡」も置き換えているのですが、これによって青函トンネルを挟む区間においては、普通・快速列車の設定が無くなった事もあって、本州~北海道跨ぎの蟹田~木古内間(その途中駅も含む)のみを乗車する場合に限り、自由席車は特急券なしで乗車できる特例が設けられたほか、この区間内のみであれば、青春18きっぷなどでの乗車も可能となっています。

そのため普通・快速列車利用で本州~北海道を移動するとなれば、蟹田・木古内の両駅で普通列車との乗継が必須となり、両駅共に比較的短い時間で接続するダイヤは限られますので、以前(5~6年以上前の話ですが…)に比べて不便になった感もありますが、時間帯次第では普通乗車券のみ(時期によっては格安な青春18きっぷでも)でこの車両に乗車し、青函トンネルを越える事も可能ですので、非常に乗り得感があり、昼間に青函トンネルを超えて本州~北海道間を移動する機会があるならば、是非選んで乗車したい車両とも言えます。

ただそんな事をいうMAKIKYUは、この列車の運行開始以来、青函トンネルを先日の旅行を含め、昼間には往復合わせて3回通っているのですが、3回とも時間帯の関係もあってこの車両に当たっており、「白鳥」号の方にはまだ一度も乗車していない有様ですので、また今度北海道へ行く機会があるとすれば、どちらの列車に乗車しようか迷いそうな所です。
(首都圏~函館間を新幹線+特急乗継往復の旅行であれば、比較的迷わずに往復で列車を変える事も出来そうですが…)

写真は789系電車の外観と、座席背面テーブルに貼られた青函トンネル通過予定時刻案内、海峡線内の北海道側一部区間で見られ、新幹線用の軌道が敷設された区間を走る、この車両ならではとも言える最前部からの前面展望シーンです。


JR北海道 キハ40形350番台気動車~日高本線を走る国鉄型気動車

2008-07-16 | 鉄道[北海道]

 

先日MAKIKYUが「ぐるり北海道フリーきっぷ」を使い、北海道へ出向いた目的の一つに、未乗で残っていたJR線3区間への乗車がありましたが、その中でも全く手付かずの状態で残っていた路線が日高本線で、今日はこの路線で現在活躍している車両・キハ40形350番台に関して取り上げたいと思います。

日高本線はJR化後に軽快気動車・キハ130形が導入され、一時は定期旅客列車がこの系列のみという状況になりましたが、この車両はJR化後に導入された車両とはいえ、コスト削減も兼ねて極力メーカー標準仕様を採用した事もあって、客室と乗降口を隔てるデッキがないなど、酷寒地・北海道で使用する車両にしては耐寒対策も不充分な状況でした。
(MAKIKYUは残念ながらキハ130形の現役時代に乗車した事はないのですが、ほぼ同形と言える道内の第3セクター鉄道・北海道ちほく鉄道(現在廃線)の車両に乗車した際には、とても北海道の車両とは思えない状況だったのを記憶しています)

加えて海沿いを走る区間も多い日高本線故に、車体の塩害なども影響して急速に老朽化が進んだ事もあって、事故廃車となった1両を除いても2000年頃に順次廃車となっていますが、この寿命の短さは路線バスとほぼ同等かそれ以下という状況で、新幹線やJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」を別とすれば、鉄道車両としては極めて短命な部類に入ります。

その代替車両は事故廃車となった車両の代替で、一両だけ製造されて暫くの間日高本線などで活躍した珍車・キハ160形(現在はハイブリッド車両の試作車に改造され、営業からは離脱)ではなく、キハ130形導入によって日高本線からは一旦淘汰されたキハ40形となっており、最近は珍車キハ160形も営業から離脱していますので、一旦はJR化後に登場した車両で統一されたにも関わらず、現在は皮肉にも国鉄時代に製造されたキハ40形のみが運行する状況(臨時列車を除く)となっています。

キハ40形といえば、最近はJR北海道各線を走る車両も順次更新工事が施工され、エンジンの換装などが行われているものの、基本的には重たい車体に非力なエンジンが1台だけという有様で、これでは軽快気動車の運用を前提としたダイヤでの運行には難がありますので、日高本線用としてキハ130形取替え用に導入された車両は、エンジンを載せ変えて出力を強化し、新たに350番台と区分された車両が専属運用されています。

そのためこの車両に乗車すると、のっそりと這う様に走る印象が強いキハ40形(特に北海道内の特急運行線区で走る普通列車に乗車すると、余計その感が強いです)とは思えない程快調に加速します。

その上350番台車は他の道内で走るキハ40形とは異なる白と青にピンクのラインが入った独自の塗装を纏っており、車内も座席モケットが札幌圏を走る新型通勤型電車・731系などで用いられているモノに取り替えられていますので、道内のキハ40形の中では異色の存在と言えます。

ただ接客面では座席モケットの交換だけは行われているものの、北海道以外のJR各社に所属する大半のキハ40系列で行われている冷房化改造(JR北海道でも札沼線の一部車両は冷房化改造されています)は施工されず、それどころか天井の扇風機に「JNR」(日本国有鉄道)のマークまで残存している状況ですので、改造は最小限に抑えた印象も感じられます。

とはいえ最近かなりの暑さで、MAKIKYUも体調を崩し気味の首都圏などとは異なり、日高本線沿線は夏でも比較的涼しく、MAKIKYUが乗車した際は長袖でも丁度良いと感じる程でしたので、下手に固定窓の冷房車を導入するよりも、路線条件を考えると窓の開く非冷房車の方が有難く、冷房がなくても困らない土地柄は羨ましいと感じたものです。
(これは今の時期限定の話で、酷寒の冬季などは足を踏み入れるのも躊躇う所ですが…)


JR北海道 キハ160形気動車~1両だけの異端車はMAハイブリッド駆動の試験車両に…

2007-10-25 | 鉄道[北海道]

  

ここ最近は北の台地・北海道に足を伸ばしていないMAKIKYUですが、3年程前に彼の地を訪れた際にはフェリーで苫小牧に上陸した後にバスで苫小牧駅に移動し、南千歳経由で石勝線に乗車して道東方面へ向かう計画をしていました。

しかしその際苫小牧駅で停車していた列車を見ると、室蘭本線追分行きの普通列車(休日運休)は日高本線用の車両が充当される運用なのですが、この列車に1両だけの珍しい車両が運用されていた事もあり、急遽予定を変更してこの車両に乗車したもので、今日はその1両だけの珍車・キハ160形に関して取り上げたいと思います。

この車両は1997年に新潟鉄工所(現新潟トランシス)で1両だけ製造された気動車(ディーゼルカー)で、導入当時は専らキハ130形と呼ばれる軽快気動車(現在は全廃)が運用されていた日高本線において、同車の事故廃車が発生してその代替として導入されたもので、北海道という土地柄も影響してか、車内の様子を見る限りでは冷房車の様な感じを受けるものの、冷房車もどきとも言える非冷房車となっている事が特徴です。(その事もあって、客室窓は上部が内側に開く構造となっています)

この時期には苫小牧周辺でも既にキハ150形と呼ばれる新型気動車が活躍(専ら室蘭本線苫小牧以南で使用)していましたので、敢えてキハ150形とは取り扱いが異なる別個の新形式を1両だけ導入したのかは不思議でなりませんが、その後の日高本線車両代替(キハ130形の代替)は国鉄時代から走り続けている既存の気動車・キハ40形で行われた事から、増備などは行われず1両のみという状態が続き、なかなか遭遇できない珍車となっていました。

しかも1両だけの異端車的存在という事で、使い勝手の面でも問題があるのか稼働率も低かった様で、せっかくの新型車両で既存のキハ40系列などに比べてグレードの高い車両でありながら最近は保留車になるなど、不遇の車両とも言える状況になっていました。

ところがつい最近JR北海道がモータ・アシスト式ハイブリッド(MAハイブリッド)と呼ばれ、JR東日本が今年夏に運行開始したばかりの新型気動車・キハE200形『こうみ』(以前「MAKIKYUのページ」内でも記事として掲載)とはまた異なる方式を用いたハイブリッド車両の試験車両に改造されて今後営業線での試験運行に供され、試験車両として新たな活躍の場が与えられた事は歓迎できる反面、MAKIKYUが北海道では数少ない未踏路線である日高本線(他は富良野~新得間と千歳線盲腸区間程度ですので…)を乗車する機会があれば是非キハ160形に…と思っていた願望は残念ながら叶わずに終わってしまいそうです。

それでもMAKIKYUは内地(北海道では道外の本州などをこの様に呼称します)の人間で、ふらりと何度か旅行で北の大地を訪問した事があるだけですが、その際に遭遇できただけでも幸運なのかと思いますし、ハイブリッド車両への改造前の同形に乗車した事は今となっては貴重な思い出の1コマですが、今後ハイブリッド車両に改造されたキハ160形が試験運行だけでなく営業運行に投入され、再び日高本線で活躍する姿に期待したいものです。(これは夢物語でしょうか?)

またこのMAハイブリッドシステムは既存車両にも割合容易に改造で採用可能な様ですので、今後JR北海道をはじめ、各地の気動車において普及していくのか否かも気になる所です。

写真は3年程前に乗車したキハ160形の外観と車内の様子で、試験車転用と共に外観は塗装が改められてしまいましたので、現在この姿を見る事は出来ません。

あとMAハイブリッド車両に関するニュースリリースがJR北海道HPに掲載されており、試験車両やこの新種のハイブリッドシステムの概要などが取り上げられていますので、興味のある方はこちらも参照されると良いかと思います。


JR北海道 781系電車~過酷な気候に耐えながらの活躍も…

2007-10-02 | 鉄道[北海道]

 

昨日から10月に入り、MAKIKYUも私事ながらこの日は非常に大きなイベントがあったのですが、1日にはJRでも北海道の札幌~旭川間で「スーパーカムイ」号と呼ばれる新名称の特急列車が運行を開始し、これに伴って青函トンネルを通る特急「スーパー白鳥」号で使用されている789系のマイナーチェンジ車(789系1000番台)が運行を開始しています。

ただその一方で国鉄時代から走り続けてきた特急「ライラック」号は消滅し、この列車で長い間使われて来た781系と呼ばれる車両は現役を引退しています。

MAKIKYUはここ3年程、北の大地・北海道へは足を踏み入れていませんので、「スーパーカムイ」号乗車どころか、この列車で使用される新型車両の姿を見たことすらなく、この列車への乗車機会も当分なさそうですが、先日退役した781系には一度だけですが乗車した事があり、今日はこの車両の長年の活躍に対する労いも兼ねて、記事として取り上げたいと思います。

この車両は寒さの厳しい北の大地・北海道での使用に備えて多少は酷寒地対策を施したものの、汎用特急形車両のマイナーチェンジ車であるが故に酷寒の北の大地ではトラブルが多発し、内地の撤退(転配)を余儀なくされた・485系1500番台の後継にあたる酷寒地専用の特急形車両として1979年に試作車が運用開始していますが、北海道専用の車両である事から、交直両用ではなく交流専用車として登場しており、国鉄時代に導入された在来線用の交流専用特急形車両は、この形式が唯一の存在となっています。

そして翌80年に量産車が稼動し始め、この年に特急「ライラック」号も運行を開始していますので、80年から本格的に稼動し始めた車両と言えますが、運行区間が比較的短い事もあって、当初からグリーン車なしの6両固定編成で登場しています。

国鉄民営化(87年)直前の86年には短編成化による増発を行うために4両編成へ短縮・編成組み換えが行われ、以後退役までの間は後にイベント列車・「ドラえもん海底列車」として一時期運行された車両を除き、この編成で活躍する事になります。

JR化後は全車両がJR北海道へ継承され、後に塗装の変更などが行われると共に、一部区間で一時期快速(エアポート)として運用された「ライラック」号用の車両は後に乗降性を高めるために乗降扉の増設(片側1扉→2扉へ)や、指定席車両のグレードアップ(uシート導入)が行われ、uシートの車両のみ塗装も変更された事から、外観もその違いは一目瞭然となっていました。
(札幌~室蘭方面の特急「すずらん」号用の車両は一部車両の扉増設は行ったものの、uシート設定やこれに伴う塗装変更はなし)

しかしそれでもJR化後に導入された785系電車に比べると性能は大きく劣り、停車駅数が同一でも所要時間は余計にかかっている状況でしたし、また車内のグレードも格差があるなど、一般客の目から見れば近年は陳腐な印象が否めなくなっており、MAKIKYUも以前北海道を旅行した際に短距離ながら「ライラック」号でこの形式にも乗車したものの「同じ運賃・料金を支払うのであれば785系の方が…」と感じてしまう状況でした。

またJR化後に導入された785系とは編成両数なども異なり、運用上の難点もあった事から、今月のダイヤ改正で第一線とも言える札幌~旭川間の特急運用から退くと共に、すずらん号での運用も785系に譲る事で、完全に退役となっています。

現に北の大地の厳しい気候故に内地への撤退を余儀なくされた485系1500番台車ですら、今でも一部がJR東日本で活躍しており、一部は最近「彩(いろどり)」と呼ばれるジョイフルトレインに改装されて今後も暫くの間は活躍が期待できる状況ですし、北海道専用の一般型電車として、この781系よりも以前から走り続けている711系電車も、まだ一部が現役の状況ですので、781系の完全退役はまだ少し早過ぎる感があり、高速バスなどとの競合も激しく北海道第一の都市・札幌~第二の都市・旭川を結ぶ第一線からの撤退は止むを得ないにしろ、車両の導入年次なども考えるとすずらん号も含めた完全退役は少々早い感もあります。

ただ冬の寒さが厳しい過酷な気候の北海道において、先月までずっと特急列車として第一線で活躍し続けてきた事を考えると、車両の傷みも大きいでしょうし、引退も止むを得ないのかもしれませんが、最後まで北の大地で活躍し続けた同車の活躍を労うと共に、その活躍ぶりをいつまでも記憶に留めておきたいものです。

写真は2003年にMAKIKYUが乗車した際に撮影した「ライラック」号と、2004年に他の列車の待ち時間に偶然撮影した「すずらん」号で運用中の781系電車です。