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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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静岡駅前に現れた富士急高速バス~PASMO/Suicaは使えますが…

2008-08-18 | バス[東海]

先日MAKIKYUは青春18きっぷで名古屋・岐阜方面へ出向いたいましたが、その際に途中下車した静岡駅では、丁度駅前に富士山へ向かう富士急の高速バスが…

静岡市内を走る路線バスは、一般路線に関しては専ら静鉄グループのしずてつジャストラインが運行しており、静岡県内の富士急グループ運行範囲は富士・富士宮・沼津・御殿場などの富士山周辺ともいえる県東部となっています。

静岡駅前を発着する高速バスも、東名ハイウェイバスはJRグループによる運行ですので、静岡駅での富士急の存在感は非常に薄いですが、その上やって来た車両が奇抜なキャラクターデザイン(前面中央に描かれたキャラクターが、持っている文字にも注目)となっていましたので、静岡駅前では珍しい富士急のバスが、尚更目立つ状況となっていました。

ちなみにこのバスは静岡駅前を発着していながらも、富士急がPASMO加盟事業者という事もあって、首都圏の鉄道・路線バスで幅広く通用するPASMO/Suicaも通用し、その事を告知するステッカーもしっかり貼られていますが、MAKIKYUは今回旅程の関係もあってこのバスに乗車こそしなかったものの、記念にPASMOへのチャージ(履歴が残ります)もしたものです。

ただ静岡ではJR線でSuicaの利用こそ可能なものの、PASMOは通用しませんし、一方地場で発売しているJRのICカード(TOICA)はPASMOエリアでの利用が出来ませんので、富士急の牙城ともいえる県東部でもPASMO利用者がどの程度いるのか気になりますし、静岡駅発車時点でPASMOでの乗車と見られる乗客の姿も見なかった事から、静岡市内でのPASMO利用はまず…という感じでした。

また静岡では現在静岡~清水間の電車と、周辺一帯の路線バスを運行する静鉄グループがスルッとKANSAIに加盟している事から、独自カードのLuLuCa(静鉄のみ通用)以外に、名古屋圏の近鉄と同様にPiTaPa!及び相互利用を行っているICOCAの利用が可能(TOICAは不可)になっており、PiTaPa!はJR東海での利用こそ不可能なものの、ICOCAはJR東海(TOICAエリア)の利用も可能になっています。

そのため現在JRが発行するICカードの中では、ICOCAが名古屋圏・静岡圏双方のJR東海エリア内では最も利便性の高いICカードという状況になっており、静岡県東部では富士急グループ路線バスの利用、また県東部から比較的至近なエリアを走る小田急線・箱根登山バスなどをはじめとする首都圏私鉄・バスなどの利用や、首都圏JR線でのSuicaグリーン券システム利用(TOICAは可能ですが、ICOCAでは不可です)を考えると、Suicaの利便性も高いと言えます。

定期券の組み込みを別とすれば、地場で発売しているICカード(TOICA)は、現在相互利用を行っているJR3社が発行するICカード乗車券の中で最も後発にも関わらず、最も使い勝手が悪いという皮肉な結果になっています。

現在行っているICカードの相互利用範囲を拡大(ICOCA・Suica・TOICA・PASMO・PiTaPa!の各ICカードエリア全てで相互利用を行うのは、運賃収受体系が特殊なPiTaPa!の他エリア利用を除くと、システム的にもさほど難はなさそうな気がします)し、利用路線毎にICカードを使い分ける状況(特にICカードは一部の例外(エクスプレスICカード+ICOCAなど)を除き2枚以上重ねての使用が不可ですので、日頃ICOCAとPASMOを使い分けているMAKIKYUも、利用時にはわざわざ利用するICカードを財布から取り出す状況ですので尚更です)から早く開放される事に期待したいと感じたものです。


浜松バス~浜北区内を走る新規参入事業者

2007-08-31 | バス[東海]

MAKIKYUは今月下旬に静岡県方面へ出向いており、既にその際に乗車したJRの313系電車や、遠州鉄道のHEV(モーター駆動のハイブリッドバス)に関する記事を取り上げましたが、この方面で取り上げたい記事はまだまだあり、今日はその一つで、最近浜北区内(最近浜松市に合併され、政令指定都市化でこの様な自治体名となっています)にオープンした大型ショッピングモール・サンストリート浜北から、遠鉄電車の浜北駅まで移動する際に乗車した浜松バスに関して取り上げたいと思います。

浜松バスは元々浜北などで観光バスなどを走らせていた事業者で、路線バスに関しては今年になってから浜北区内で運行開始したばかりの新規参入事業者ですが、浜松圏においては遠州鉄道の勢力が圧倒的ですし、浜松の玄関口とも言える浜松駅や中心部に乗り入れる訳でもなく、MAKIKYUも比較的最近になって浜松周辺の情報をネット上で調べている際に知った程ですので、静岡県外の人間にとって路線バスとしての知名度は余り高くない様です。

浜松バスが運行している路線は、なゆた浜北駅(浜北駅前:すぐそばに「なゆた浜北」という施設があり、停留所名は両者を合体させたものです)を起点に、遠州小松駅を経由して循環運行するもので、経路は遠鉄電車の東側を先に廻るルートと、西側を廻るルートの双方が概ね1時間毎程度(完全なパターンダイヤではなく、間隔は不揃いです)の本数で運行され、全線を廻る循環便の他に、朝や夜間には区間便も設定されています。
(時刻などは浜松バスHPに掲載されています)

運賃は初乗り100円と近距離でも利用し易い運賃設定となっており、これも浜松圏の既存事業者である遠州鉄道と同様ですが、最高運賃も300円が上限となっているのが特徴で、車内の運賃表示器は新規参入という事もあって、真新しいLCDを用いているのが印象的でした。

使用されている車両は他事業者からの転籍車両で固められている様で、新車は存在していない様ですが、MAKIKYUの乗車した写真の車両は、隣県にある前事業者の特徴あるウインカー音や座席配置などもそのままで、塗装も前事業者のモノを生かしているの特徴的ですが、他の車両(ISUZUキュービックの前後扉車を目撃しています)は車体下部が白色になっており、白に青と水色という塗装は共通ながらも、車両によって塗装に若干の差異があります。

この浜松バスはコミュニティバスの如く地域内を細かく廻るルート設定となっており、既存路線バスの空白地域をカバーする路線設定となっているのが特徴ですが、今後も浜北区内の足として活躍する事を期待すると共に、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?


遠州鉄道で走るモーター駆動のハイブリッドバス(HEV)~見た目は意外と普通ですが…

2007-08-26 | バス[東海]

先日MAKIKYUが静岡方面へ出向いた際には、浜松市内やその周辺で幅広く路線を運行する遠州鉄道の路線バスにも何度か乗車しましたが、遠州鉄道では全国的にも稀有な存在となっている三菱ふそう製のハイブリッドバス・HEVが活躍しており、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

HEVは遠州鉄道でも2台しか走っていない様で、それも所属営業所の各路線で「オムニバス」(遠州鉄道では低床ノンステップバスをこの様に呼称しており、充当ダイヤが決まっています)のダイヤに入る様ですし、場合によっては一日中運行しない事もある様ですので、せめて姿を見られればと思い、浜松駅のバスターミナルに十数分張り込んでいた所、大塚経由新貝住宅行き(大塚ひとみヶ丘線)として出没しましたので、MAKIKYUも貴重な機会という事で乗車して来ました。
(まあ浜松の方にとっては大して珍しいものではないのかもしれませんが…)

この車両は2004年に三菱ふそうが発売開始した低公害バスで、「モーターで駆動し、エンジンで発電する電気ハイブリッドシステム」を用いているのが特徴で、エンジンを動力の主体としている一般的なハイブリッドバスと大きく異っており、この様な仕組みは、今年夏に「世界初のハイブリッド鉄道車両」として営業運行を開始して話題となっているJR東日本のキハE200形気動車『こうみ』を連想させられます。

勿論HEVも一般の路線バスに比べ、騒音や排出ガスの低減という面では非常に優れたものとなっており、トロリーバスの様に静かな走行音も特徴的ですが、見た目はHEVという標記と天井の張り出し(これもHEVに限らず、一般のハイブリッド車や天然ガス車でもよく見られますので…)を除くと遠州鉄道の路線バスで主力を占めている一般のNEW AEROSTARと大差なく、塗装なども他のオムニバスと同一ですので、一般へのPRという点では今一歩の感があるのは惜しまれます。

その上三菱ふそうHPに掲載されているプレスリリース(該当記事はこちらをクリック)によると、発売価格は約4000万円と一般のノンステップバスに比べて大幅に高い様ですし、車内も後部にデッドスペースが多く、座席数も一般のノンステップバスに比べて少なくなっている事等も難点です。

またエンジンではなくモーターを使用している事もあり、シフトレバーこそ付いているものの、これはギアの変速ではなく進行方向を設定するもの(一般のフィンガーコントロールと同形状ながら、R・N・Dの3通りのみ・またクラッチペダルは当然存在しません)となっており、ギアチェンジによる変速時の衝動が発生しない事もウリとなって
います。

しかしMAKIKYUが乗車した限りでは、一般の路線バスに比べて発進や低速走行時、停車時の衝動が激しく感じられ、運転士の方から伺った話でも運転には結構気を使う様ですので、本格的な普及に向けてはコスト面と共に、運転性の改善も必須の様です。

ただ今後これらの問題を克服し、環境負荷の少ないバスの普及を期待したいものですし、遠方から浜松を訪問する機会があっても容易に乗車できる状況ではありませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も浜松を訪問され、もし幸運にもHEVに遭遇する機会がありましたら、是非一度試乗されてみては如何でしょうか?


ここも今日まで~伊豆下田バス

2006-09-30 | バス[東海]

丁度年度の中間となる今日・9月30日限りで、愛知県の桃花台新交通が、莫大な累積赤字も起因して都市近郊鉄道・また新交通システムとしては異例の営業廃止となる事はご存知の方も多いかと思います。

これは地方のローカル私鉄の廃止とは様相が異なり、いくらトヨタ自動車のお膝元で車社会の愛知県とはいえ余りに酷い話(第3セクター故の問題も色々と…)ですが、これと日を同じくして営業を終了するバス会社が愛知県のお隣・静岡県に存在します。(静岡県といっても、愛知からは最も遠い部類に入る伊豆半島南部ですが…)

それが「伊豆下田バス」で、写真を見て頂ければ分かる通り、西武系の伊豆箱根鉄道系列のバス会社で、同じ伊豆半島の北部を運行する伊豆箱根鉄道(伊豆箱根バスを含む)のバス路線とはエリアが離れており、南東部の下田周辺に幾つかの路線を持つだけの会社です。

この会社のバスは、見た感じは伊豆箱根鉄道のバスと殆ど変わりないのですが、元々は全く別の会社だった事もあり、伊豆箱根バスとの回数券共通利用も不可能です。
(余談になりますが、同じ西武系でも西武バスの回数券は、軽井沢や草津を運行する西武高原バスで使用できます)

この伊豆下田バスの路線は、伊豆半島各地で幅広く路線バスを運行する東海自動車グループ(分社の南伊豆東海バス)の路線と競合している区間が過半数を占めているのも特徴(写真の路線もその一つです)で、規模が小さい事もあってあまり芳しい状況ではなく今後発展性も望めず…という事で営業終了に至った様で、今後会社も解散される様です。

この伊豆下田バスには、MAKIKYUは昨年1回乗車しただけ(それも伊豆東海岸フリーきっぷが使える路線をちょっと試しに…)でしたが、各路線は明日から南伊豆東海バスに引き継がれます。

下田地区の路線バスは東海バスグループに一元化されますが、今後はこちらの健闘も願いたいものです。

ちなみに写真の車両は、伊豆下田バスでは典型的な日産ディーゼル製・トップドアの大型路線車ですが、路線車にしては結構グレードの高い車両という事もあって、MAKIKYUが昨年下田へ出向いた際には、、一般路線の他に下田市内定期観光バスにも動員されているのを見かけましたが、これも思い出話になりそうです。