まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

「これも人生」

2009-03-10 12:22:34 | くらし

買い物に行く道で、散歩中の近所のおじさんと会った。
「ひさしぶりですねえ」と私
「しばらく見んかったけど、お父さん元気だかや」とおじさん。

おじさんは雨の日でも傘をさし、雪の日は長靴を履き、散歩を欠かさない。
灰色の上下スェットでひょこひょこ歩いているから、遠目にもすぐに分かる。
お散歩コースも時間もいつも変わらない。会うときはほとんど毎日会っていた。

しばらくぶりだから、ちょこっとご一緒する。



今朝の日の出 太陽は小佐渡の先端近くから


82歳になるおじさんは数年前から、認知症になった奥さんのお世話を一人でしている。
息子さん夫婦と一緒に生活しているけれど、「俺が面倒みる」と頑張っている。

デイサービスに週3日行っていることは、前におじさんから聞いていた。
「おかあさんの具合はどうですか」
「うん、まあまあだが」
「おじさんがご飯ごしらえをしているの?3食とも?洗濯も掃除も」と聞くと、
「そうだがさ」って、いとも簡単に。私は、絶句してしまう。感嘆してしまう。
「おじさん、すごいねえ、ようがんばっとるねえ」って、先輩につい偉そうな口をきいてしまう。それなのに、おじさん、たった一言、
「これも人生!」ときっぱり。

「これも人生!」って、
いくらおばさんの認知症が重くないって、もう10年近くの看護人生なのに・・・
どこをどう押せばそんな潔い言葉が出るのだろう。

我らは、何か事があるとすぐに愚痴を言い合い、それもひとしきり言い終わると、
「仕方がねえっちゃ、しょうがないよね、私らじゃあどうにもならんもの」
なんて、あきらめとも投げやりとも言えるこんな言葉で、今の自分を受け入れているというのに・・・・

「これも人生!」か。
今はとてもそう思えなくてもこの言葉は覚えておこう。
「仕方がない」の言葉を言いつのるうちの1%くらいは「これも人生」と言えるようになれば恩の字というもの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする