「そうだ、極楽寺に行って紅葉を見て来よう」なんてどこかのCM真似て。
帰り道。集
落を通って
目指す欅。うまく撮れていないけれど、実物はそれはそれは立派な欅。
色づきも見事で、惚れ惚れ眺めていたら、後ろからお声がかかって。
「おくさん、どこのもん?」 いつでもどこでもの恒例のご挨拶。
「家にもきれいな紅葉があるが」とおっしゃるから遠慮なくお庭にずかずか入る。
ほんと!
「天気がいい日はの、外で仕事をしとる」って、竹の根っこ掘り。
写真断固拒否を無理やり。
毎日、欅の葉っぱの掃除をしているけど追いつかん、って。
そりゃあ、そうだわ。樹齢何百年とかいう欅が葉を落とすのですもの。
「全部落ちてから掃除をしたらどうですか!」とさかしらに提案する私。言下に、
「みっともない!!!」と即刻却下されて。首項垂れました。
あんたちょっと待っとってくれえや、のお言葉に立ち姿拝見。小柄ながらそりゃあ動作も機敏にしゃんしゃん歩いてお家の中へ。待つことしばし。
なんと、短歌集、英字つきの短歌プリントを手に。これは私が詠んだんだし、持ってってくれえっちゃ。って。はああ、ため息つく。
お見受けしたところ、目も歯も耳も何の不自由もなさそう。
「どっこも悪いところはない!そらし、子供たちが帰ってこいせんが」
そりゃあ、こんな母上なら安心するというもの。
「車はもう運転しとらせんだろうね、って言われるから、はいはい、って言うとくけど、こんなところで買い物するのんに車で行かんきゃ行かれんが」って。
ま、それはそうですが・・・
いやいやとてもとてもとても90歳とは思えない活力でして。
私はそのエネルギーにやたら昂揚するやら、我が身に照らし合わせてがっくりくるやら。なんだか疲れちゃって。