不謹慎な話かもしれないけれど。
失礼があったらごめんなさい。
友人から聞いたご主人のほんとうにあった話。
失態その1
葬儀場までのタクシーの中にお香典やなにやら入れたバッグを置き忘れたそうな。
気が付いて慌てて表に出てみると、タクシーの運転手さんが追いかけてきて、
「お客さんお客さん忘れ物」と持って来てくれて。
一難去った。やれやれと。
失態その2。
式場で座席に座っての最中。
ちょっと身体を動かしたとたん、黒服の背中が真ん中からびりびりびりと裂けて真っ二つ。
なんでも古い服だから糸が劣化していたのね。
物の見事に真ん中から真っ二つ。いやあびっくりしたでしょうね。
式場の係りの女性が気が付いて応急処置をしてくれたそうな。さすが。
我らはそこで掛け合い。
お焼香の最中じゃなくてよかったわね。
合掌して一礼をしたとたん、背中が真っ二つに裂けたなんて。
前の方の人はっきり見えるよね。笑いたくなるよね。
下向いて堪えていると肩が上下に揺れたりして。
泣いていると思われるかもしれないよ。
なんて話して笑い崩れた。
失態その3.
帰りに駅のベンチに座って。
えっ?もう想像がついたですって。その通り。
ベンチに返礼品を忘れて、次の駅で気が付いて取りに戻ったそうな。
返礼品はちゃんとそのベンチに鎮座していたそうな。
父の葬儀での夫のこと。
通夜の席、お坊さんがお経をあげている最中に、夫がやおら立ち上がって会場を出て行った。
あちゃあ。前代未聞、喪主が会場を後にするなんて。
なんの、その後に控えている喪主挨拶の緊張に耐えきれず、用を済ませに行ったんですって。
いやはや。
葬儀は非日常だから時にありえないことが起きる。
後で笑い話、になることもある。