団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

やっぱり「生きる」ということに人間って一生懸命なんです。

2020-02-10 05:36:36 | 日記



 去年の10月購入した八千草 薫さんの著書「まあ まあ ふう ふう。」。
ブログを書いた後、机の上に置いたままでした。

 昨日 5ヶ月ぶりに手に取り、最後まで読みました。(苦笑)
亡くなる歳まで書かれていますが、文章から上品さが伝わってきます。

 本を読んでいて、上品な方だと分かるなんて私には珍しい体験でした。


 最後近くの章「上手く溶け合って。」というタイトルの中で、

 家の近所でよく見かけて「ブーちゃん」と名付けていた猫が重い病気になってしまって、
亡くなる直前、家で面倒を見ていたことがありました。

 治療の甲斐もなく、だんだん弱っていって。
最後はご飯も食べず目も開けず、ただ眠るように、じっとしているだけでした。

 「このまま死んでしまうかもしれない・・・・・・」
そう思って、私は名前を呼んでみました。

 すると「ブーちゃん」と呼ぶたびに、しっぽだけ「ピン!」と立てるのです。
けなげに答えてくれるのですが、あまり何度も呼んだら疲れてしまうから、と少しの間だけ離れたんです。

 その間に亡くなっていました。
目をつぶったまま、すごく優しい顔をして、静かに。

 そんなブーちゃんを見ていて、なぜか穏やかな気持ちになりました。

 「あんなふうに半分寝ていて、そのまま逝けるのもいいなぁ」

 1月に転移が見つかって、それまでよりも、もっと
「いつかは死ぬんだ」ということがはっきりしてきました。

 おかしなもので、「はっきりしてきた」なんてことを言っていても、
どこかでまだ、「病気だ」ということを私自身が信じていないところもあるのですね(笑)。
矛盾しているようですけれど。

 「死ぬことは必ずあるんだ」
それは、ある年齢になれば皆さん誰しもが自覚することでしょう。

 それでもどこかで、自分が死ぬことが信じられない、
どこか他人事のように思っている部分って、やはり誰しもが心の中に持っているものかもしれないなぁ、と思います。

 やっぱり「生きる」ということに人間って一生懸命なんです。

 それでいいんじゃないかな。

 これからどれくらい私が生きていくのかは、わからないですけれど、
最後は上手く溶け合ってというか、ね。

 それで終われば、いいなぁって。


 以上です。


 この本を読み終わった後、いつもの喫茶店へ行って、コーヒーを飲んでいました。
私のテーブルの隣に二人連れの女性が座りました。

 そのひとり、40代と思える女性が、「・・・・・・・・さ!」、「・・・・さ!」と盛んに言っていました。
いかにも、がらっぱちな女性でした。(苦笑)

 せっかく八千草さんの上品な本を読んで来たのに・・・・・・。(苦笑)



 



グッド・バイ・マイ・ラブ
コメント (6)
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