青春18きっぷで行くサイコロ日帰りの旅。これまで2回のサイコロ選択を経て訪れたのは宇野線の終着駅・宇野である。
そこで3回目のサイコロということで・・・・出たのは「6」。出目が1・2なら岡山に戻る、3・4なら直島に渡る、そして5・6なら高松に渡るということで、宇野港から四国フェリーに乗る。
その前に港で目にしたのが、宇高国道フェリーの乗り場。看板や建物は残っているが、その前には虎ロープが張られている。旧国鉄の宇高連絡船と並び、まさに「国道」ということで本州と四国を結んでいた航路であるが、交通網の変化、現在は瀬戸大橋や明石海峡大橋も割引料金で渡れることもあり、休止ということになった。この手の「休止」が後になって復活したという事例はほぼ100%聞かれないことから、もう宇野と高松を結ぶのはこの四国フェリーのみということになる。
ちょうど12時過ぎの便の出航が近く、券売機で乗船券を買い求めて乗り込む。香川ナンバーのトラックと何台かの乗用車が搭載されるのを横目に客室に上がる。
1時間の航路であれば客室に籠るよりは甲板で過ごすほうが好みなのだが、最上階の甲板へは立ち入り禁止となっている。風もあるし、安全面を考えてのことだろう。ならば、客室横のデッキにテーブルと椅子があるので、そちらにどっしりと構えることにする。
潮風がきついといえばきついのだが、両側に広がる島々を眺めるのもいいものである。もう、雨が降る気遣いはほぼないと言ってよく、長い傘をぶら下げてきたほうが周りから浮いているほどのものだ。
遠くに瀬戸大橋を見る。それでも、時間さえ気にしなければゆったり感でフェリーのほうが快適である。
直島という選択肢も悪くなかったのだが、あそこまでアート、アートと飾られると、その鑑賞眼のない者からすればかえって敷居が高くなる。芸術について語ることのできるイケメンに比べて、己の教養とセンスのなさが情けない。まあ、あえてその目が出て、罰ゲームのようにそういう世界に浸るのも青春18的で悪くはなかったのだが、今はこうしてかつての王道ルートでの四国入りである。何とも複雑な気持ちである。
1時間少しの航海を終え、四国の玄関地である高松に上陸する。四国にも何度も訪れているが、こういうフェリーで上陸というのは、はるばる来たぜ高松へ・・・という演出効果が大きいと思う。
さてこれからどうするか。フェリーに乗っていた時に、次の選択肢に「高松から神戸へのジャンボフェリー乗船」とか、「大阪行きの高速バスで一気に本州生還」などというのを考えたりもしていた。でもまあ、それはさすがにということで、短い時間ではあるが高松にて過ごすことにする・・・・。