NPBプロ野球も開幕、何とパ・リーグの単独首位を走るのはオリックス・バファローズである。開幕戦を延長サヨナラ負けした時は「やはりこういう試合を勝てないというのは、今年もあかんのかな・・・」と思ったものだが、その後は投打がかみあい、6日までで6連勝を記録するなど好調である。戦国パ・リーグにあっては春の珍事というか、それともこれが今季の実力ということか・・・。まあファンとしてはしばらくはペナントレースを楽しむことができそうである。
その6連勝を記録した6日の西武戦、公式戦の今季初観戦ということで大正ドームに現れる。今季は「B’s SPIRITS」というのを前面に出しており、あちこちでこのカラーをふんだんに使用している。これまではBsのユニフォームの人、旧ブルーウェーブや阪急に近鉄(それも大阪近鉄と藤井寺近鉄がある)の姿など、ファンの応援スタイルもバラバラだが、ここにきて、他のチームに比べて欠けている感のあるチームカラーを統一して、応援する側にも結束感を出そうというところである。(それでも、5月には大阪クラシックで近鉄対南海戦をやったり、たまには復刻ユニフォームもいいものかなと)
自由席の列に早めに並び、一度ドーム内をぐるり。ファンクラブのポイント付与が行われる「B’s SQUARE」に向かう。
するとそこは、往年の阪急、近鉄、ブルーウェーブの歴史を紹介するコーナーになっていた。優勝した当時のペナントやら往年の選手が着用していたユニフォームなどが展示されており、数としては少ないものの懐かしさを演出している。
賛否両論いろいろあると思うが、歴史としては両球団の後継球団として今のオリックス・バファローズがあるわけで、この伝統というのは大切に守ってほしいものである。チームの成績が悪い時など、私は「新潟か四国に移転してしまえ!」と毒づいたこともあるが、本当にそうしてしまったら関西からパ・リーグの歴史が消えてしまう。やはりそれはあってはならないことである。
この開幕シリーズから、ファンクラブの継続会員の氏名が掲載されている。私もささやかながらファンとしての意志を表すためにここに入れてもらっているので、御用とお急ぎでない方は大正ドームにお越しの折にでも探していただければと思う(って、そうする人はいないか)。
さてグラウンド、いつもの内野上段に陣取る。今季からはスタジアムDJも平野さんという方に代わっており、経歴を見ると若いようであるが声も落ち着いた感じである。
あとは、今季からはただのチアリーダーではなく「ダンス&ボーカルユニット」ということになったB’s Girls。彼女らのオリジナルナンバーも出るようで、試合前はそれでダンスを披露。メインボーカルの人がマイクを持って(生声ではないだろうが)唄っているところもミソである。お好きな方にはたまらないことだろう。
この日の始球式には、長年に亘りバット職人として、多くの野球選手にピタリと合うバットを制作し続けてきたミズノの久保田五十一さんが登場。後継者の目途が立ったこと、そして高齢ということで「引退式」を兼ねてのことである。他の球場でもできたイベントだっただろうが、実際にやることになったオリックス球団の粋な計らいである。もっとも、打席に立った西武・栗山のバットが久保田さんの手がけたものだったかどうかはわからないが・・・(栗山が使っているバットとは違っても、例えば久保田さんが手がけた「最後の一本」を特別に手にして始球式・・という趣向があっても面白かったと思う)。
試合はオリックスがドラフト1位の吉田一が公式戦初登板・初先発、西武が新外国人投手のレイノルズ。ともに初物相手の対戦である。吉田一は巨人とのオープン戦で重量打線に捕まったのを見たが、公式戦ではどういう投球を見せるか。
序盤からランナーを出す展開だったが、粘りの投球を見せる。力でバッタバッタ三振を奪うというタイプではなく、打たせて取るタイプか。
オリックス打線も長身のレイノルズを攻めあぐねていた感じであるが、4回、糸井のフルスイングは、B’s SPIRITSのブルーに染まった右中間に飛び込む先制のアーチとなる。続くペーニャが四球の後、6番・坂口がもう少しでスタンドに入ろうかという大きな当たり。これが三塁打となって追加点。さらに悩めるベタンコートにも来日初打点となるタイムリーが出て、一気に3点を先制する。ソロアーチだけでなく、連打で追加点が取れたことは大きい。
さあこれで後は吉田のプロ初勝利・・・というところだったが、栗山に二塁打を浴び、秋山のタイムリーで1点を返される。それでも4回2死、あとアウト一つで勝利投手の権利を得る場面。ところがここで交代となる。吉田の状態を見て、このままでは崩れると判断したか。非情な采配にも映ったが、吉田にしても初勝利をつかむならもっと納得の行く投球で行きたかっただろうし、チームの勝ちを優先した場合は致し方ないところだろう。大きな拍手の出迎えを受け、比嘉にスイッチする。その比嘉、きちんと後続を打ち取る。
この後は6回まで比嘉、7回には馬原、8回には佐藤達という勝ちパターンの継投。8回には浅村のタイムリーで1点を返されたものの、最後は平野佳が締める。3対2でオリックスがこの3連戦3連勝ということに。勝利投手は5~6回を抑えた比嘉についたが、長いシーズン、チームの躍進を考えれば勝利投手が誰についたというのは大きな問題ではない。
吉田もプロ初先発ということを考えればまずまずで、まあそう遠くない機会に勝つこともできるだろう。先発ローテ枠争いも混沌としているし、中継ぎ、抑えも充実しているので今季も投手陣については楽しみである。あとは打線・・・でもこの日は無安打だったがペーニャが4番にはまり、前後を糸井、坂口らが固め、不動の1番にはヘルマンがいる。試合中にも後ろの席にいた人が話していたが、「Tは一軍に戻っても出るところあらへんな」という状態。ただ、打線は水物だというし、いずれ、彼の力が必要とされる場面は来るだろう。あとは本人がどう期待に応えるかであるが・・・・。
次のナマ観戦はおそらく5月に入ってからとなるが、今季はこのまま、少しでも長く期待を持たせてくれるような戦いぶりが楽しみである・・・・。