まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第9回四国八十八所めぐり~結局高知で飲みたいだけやん

2017年05月11日 | 四国八十八ヶ所
4日は安楽寺(30番奥の院)、竹林寺、禅師峰寺、そして雪蹊寺と回り、長浜のバス停から高知駅まで戻る。駅の物産センターで土産物の購入と発送を行い、早い時間にホテルに戻る。大浴場はまだ開いていないために部屋のシャワーを使い、少し横になる。

そして17時前に帯屋町のアーケードに向かう。この日もひろめ市場ではなく、一軒家の居酒屋を目指す。前夜の「一本釣り」もよかったが、今度はより大衆的な雰囲気の酒場を目指す。休日だからサラリーマンの姿は見えないにしても、平日なら地元のサラリーマンで賑わいそうなところ。

その名も「赤のれん」。1階の「元祖」、2階の「本店」があり、1階はカウンターのみ、2階はテーブルと座席という造りである。創業68年とあるから高知でも古くからやっているほうだろう。

私が口開けの客のようで、土佐弁の店主が明るく迎えてくれる。「県外?この時期ならご旅行ですな」から始まり、大阪のどの辺からと訊かれて藤井寺と答えると、「近鉄『バッファローズ』やね」と。野球好きなようで、6月には甲子園に阪神と日本ハムの交流戦に行き、ついでに大阪の食文化を偵察?するとか。「うちら、こういう時でもなけりゃ大谷君を見れんきに」と言うが、その大谷、現在治療中だが交流戦には出られるだろうか。

連休は市場が休みのため魚の種類は少ないそうだが、カツオのたたきはできるとのことで塩たたきで注文する。粗塩をかけたりつけたりというより、自然な感じで塩味を馴染ませている感じで、また一味違う。

この店が大衆的なのは、売れ筋が3本300円の焼き鳥とか、串カツの5本盛りとか、その他の普通の居酒屋にある単価の安い一品料理が多いこと。その中に「ベトコン」というのがあり、これは何かいなと注文する。豚のタンを焼いたもので、店主曰く、東南アジア風の香辛料で味つけしたからこの名がついたとか。それにしても「ベトコン」って、時代をうかがわせるような名前である。

マニー・ラミレスの話もする。「まあ、お客も増えたし、給料分は働いたんとちゃうの?」と、ちょっと突き放した感じ。高知でもこういう人は結構いるのかな。「高知のホテルのスイートルームいうたらあそこかなと思うけんど、そこまでびっくりするもんとちゃうよ」(マニー・ラミレスは高知市内のホテルのスイートルームを宿舎としており、合宿住まいの他の選手たちとの格差も言われている)

そんな中、次の客が入ってきた。店主がどこから来たのかを訊くと「岐阜」と答える(後の会話で出たのは大垣)。バイクの旅行者で四国は初めてという。前夜は四国カルストのキャンプ場で一夜を明かし、今日は桂浜のキャンプ場に泊まるという。高知市内なら何か名物が食べられるかと、桂浜にバイクを停めてわざわざバスで市街地まで来たという。結構なワイルドさに店主も私もびっくり。

そこへもう一人入ってくる。「大阪、岐阜と来たから次は静岡あたりかな?」と店主が楽しげに「どちらから?」と訊くと、尾張の一宮という答え。おまけにバイクで来たというから、大垣のライダーと意気投合。

そこに地元の常連さんも入ってきて、地元ネタを含めて盛り上がる。変則的だが、高知の酒飲み県らしい風情を楽しむことができた。私も、四国が初めての大垣のライダーにちょっとエラソーなことを言ってしまったかと思う。「お兄さん四国詳しいッスネ」と言うのを真に受けて。

ただそれも一時のことで、「次呼ばれてんねん」という地元客、尾張一宮のライダーに続いて、私も席を立つ。最後に残った大垣のライダーに、桂浜への祭終バスに間に合うかなと声をかけたが、あの後ちゃんと帰ったのかな・・・?

・・・何だか単なる居酒屋レポートになったが、こうした店に出会うことができるのもマイペースの四国八十八所めぐりならではと思った。

この後の私はホテルに戻り、ただその夜はブログの更新もなくいつしか眠っていた。翌日の5日は今回の最終日。札所をどのように回るか、そして夜をどうするか。さまざまな動きのある一日を前にまずは眠ることに・・・・。
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