12月14日、この日は東京への日帰り出張である。私の場合、関東方面に行くこともなかなかない。今回は職場の中での「代打」という形である。
用事は午後の半日であり、午前中は要は移動時間である。いつもよりゆっくり家を出て、それに間に合うように新幹線に乗ればよいことだが、そこは旅好きというか貧乏性というか、早い時間に移動して、東京で時間を使えないかと考える。あれこれ候補が出て、一時は手前の新横浜で降りて横浜、あるいは三浦半島に踏み入れるのもありかと思ったが、さすがにそれは何かのトラブルで東京に行けなくなったら大変なことになる。とりあえず都の23区内には行くことにして、その中で東京勤務時代にもあまり訪ねることがなかったエリアに向かうことにした。
ということで、まだ夜が明けない新大阪駅に現れる。6時20分発ののぞみ号に乗る。この時間はまだそれほど乗客もおらず、新大阪駅始発の本数も結構あるので、のぞみの自由席でも確実に窓側に座れるくらいである。この日も寒さが厳しく、京都を過ぎると少しずつ外の様子も見えてきたが、山科や大津の町中も屋根が白くなっている。先日訪ねた比叡山の方向も白い。ここから米原に向かうにつれて路面の雪も深くなり、轍のところだけ線が見えるところもある。
伊吹山も雪化粧だ。こうした時季の東海道新幹線にはこれまでなかなか乗る機会もなく、珍しいものを見るように車窓の外を見つめる。京都から岐阜羽島までの遅れの原因の一つがこの雪である。
関ヶ原を過ぎると教科書通りの西高東低冬型の気圧配置で、雲一つないカラッとした晴天となる。短時間での車窓の変化は面白い。その中で、名古屋にはもう一つの理由で遅れて到着する。
11日に発生した博多発東京行きののぞみ号の台車亀裂事故。「重大インシデント」に指定されたトラブルで、その列車が名古屋駅に留置されている。番線を一つ塞いでいるため、上り列車が1本ずつしか入ることができず、順番待ちのために遅れになっている。私の乗ったのは早朝の列車ということもあって、雪と番線塞ぎの影響は5~6分程度だったが、後の時間帯に移動してきた人に訊くと20分くらい遅れたとのことだった。この台車亀裂については技術面のほかに列車の運行面で問題になりそうなことで、今後の調査と対策が待たれるところだが、このところさまざまなメーカーで安全に対する信頼を損ねるような不祥事が相次いでおり、日本の企業から何かが失われているのではないかと気になることである(もちろん、私の勤務先企業とて当てはまることだろう)。
・・・名古屋から機嫌を取り戻したかのように再び順調に走る。天竜川の辺りから早くも富士山の頂上が見える。そしてもっとも眺めのよい富士川の鉄橋にさしかかる。頂上の雪が思ったほどの量ではないが、稜線がくっきりした富士山を見るのも久しぶりのことでラッキーだ。
品川に到着。ここで下車して山手線の渋谷、新宿方面行きに乗り換える。降りたのは原宿。私は原宿という柄ではないと思うが、竹下通りとは反対側、明治神宮にお参りに行ったといえば多少は納得していただけるか。日本でもっとも多くの初詣客が訪れるこの神宮に手を合わせておこう。
平日の午前中ということで参道を行き交う人も少ないが、修学旅行か何かか、揃いの制服を来たグループや、外国人観光客の姿も多い。その外国人も東洋から西洋までさまざまだ。
拝殿にて参拝。来年2018年は「明治150年」である。明治というのはそれまでと違い、日本の近代化がなされた時代と位置付けられていて、政府もさまざまな記念事業を行うようである。その象徴である明治天皇を祀る明治神宮としても力が入っているようだ。あまり明治、明治というと右翼化だと叫ぶ人たちも多いのだろうが、いろんな意味で転換期になった時代だし、光と影を含めていろいろと焦点を当てること自体は私は賛成である。個人的には、学校の日本史の授業でもっと時間を割いてほしいと思う。古代の、何がホンマかようわからん考古学の細かなところはどうでもいいとすら思っている。
さてここからはしばらく歩いてみる。左手に中央線を見るうちに現れたのが国立競技場。ご案内のとおり、2020年の東京五輪に向けての建て替え工事中である。周囲にクレーンが並び、出入口にはトラックが行き来する。最近東京五輪の施設に関するニュースを聞かなくなったが、こうして作業が進んでいるところを見るともう後は完成させるだけなのかなと思う。確か、今の都知事の就任当初は五輪会場と市場移転に関する話題ばかりだったと思うが、今は何かうやむやになった感じがする。それはそれでええんかいな?
国立競技場の工事現場をぐるりと回る形で歩いて着いたのが、聖徳記念絵画館。国会議事堂に似た建物は国の重要文化財である。こちらは明治天皇の生涯を描いた絵画が展示されている。ただ明治天皇のみならず、その時代の主な出来事を描いた絵画も「奉納」されていて、順に回ると幕末から明治の時代絵巻を見ているかのようだ。来年2018年が明治150年なら、今年2017年は大政奉還150年として、教科書などで有名な大政奉還の場面の絵を前面に出している。あの絵も聖徳記念絵画館の所蔵だという。それだけでなく、元々は明治天皇の出来事を描いたものが後に教科書にも取り上げられた・・というのがいくつもある。一つ一つの作品は熱のこもった、歴史をよく物語る絵画作品としても優れているものが多く、若い人たちにも一度訪ねてほしいスポットだと思う。
聖徳記念絵画館が知られるのは、その前から伸びるいちょう並木も大きい。この景色も楽しみに訪ねたのだが、さすがに時季が遅かったか。ほとんどの木がもう葉を落としてしまい、枝だけになっている。これはちょっと残念だ。外国人観光客のグループもいちょう並木でポーズをとって記念撮影や自撮りをしていたが、自然のことで仕方がないとはいえ残念だったかな。
さてこの後は時間が気になるところだが、あるスポットに向かう。ここまで長くなったので、それについては文章を分けてみよう・・・。
用事は午後の半日であり、午前中は要は移動時間である。いつもよりゆっくり家を出て、それに間に合うように新幹線に乗ればよいことだが、そこは旅好きというか貧乏性というか、早い時間に移動して、東京で時間を使えないかと考える。あれこれ候補が出て、一時は手前の新横浜で降りて横浜、あるいは三浦半島に踏み入れるのもありかと思ったが、さすがにそれは何かのトラブルで東京に行けなくなったら大変なことになる。とりあえず都の23区内には行くことにして、その中で東京勤務時代にもあまり訪ねることがなかったエリアに向かうことにした。
ということで、まだ夜が明けない新大阪駅に現れる。6時20分発ののぞみ号に乗る。この時間はまだそれほど乗客もおらず、新大阪駅始発の本数も結構あるので、のぞみの自由席でも確実に窓側に座れるくらいである。この日も寒さが厳しく、京都を過ぎると少しずつ外の様子も見えてきたが、山科や大津の町中も屋根が白くなっている。先日訪ねた比叡山の方向も白い。ここから米原に向かうにつれて路面の雪も深くなり、轍のところだけ線が見えるところもある。
伊吹山も雪化粧だ。こうした時季の東海道新幹線にはこれまでなかなか乗る機会もなく、珍しいものを見るように車窓の外を見つめる。京都から岐阜羽島までの遅れの原因の一つがこの雪である。
関ヶ原を過ぎると教科書通りの西高東低冬型の気圧配置で、雲一つないカラッとした晴天となる。短時間での車窓の変化は面白い。その中で、名古屋にはもう一つの理由で遅れて到着する。
11日に発生した博多発東京行きののぞみ号の台車亀裂事故。「重大インシデント」に指定されたトラブルで、その列車が名古屋駅に留置されている。番線を一つ塞いでいるため、上り列車が1本ずつしか入ることができず、順番待ちのために遅れになっている。私の乗ったのは早朝の列車ということもあって、雪と番線塞ぎの影響は5~6分程度だったが、後の時間帯に移動してきた人に訊くと20分くらい遅れたとのことだった。この台車亀裂については技術面のほかに列車の運行面で問題になりそうなことで、今後の調査と対策が待たれるところだが、このところさまざまなメーカーで安全に対する信頼を損ねるような不祥事が相次いでおり、日本の企業から何かが失われているのではないかと気になることである(もちろん、私の勤務先企業とて当てはまることだろう)。
・・・名古屋から機嫌を取り戻したかのように再び順調に走る。天竜川の辺りから早くも富士山の頂上が見える。そしてもっとも眺めのよい富士川の鉄橋にさしかかる。頂上の雪が思ったほどの量ではないが、稜線がくっきりした富士山を見るのも久しぶりのことでラッキーだ。
品川に到着。ここで下車して山手線の渋谷、新宿方面行きに乗り換える。降りたのは原宿。私は原宿という柄ではないと思うが、竹下通りとは反対側、明治神宮にお参りに行ったといえば多少は納得していただけるか。日本でもっとも多くの初詣客が訪れるこの神宮に手を合わせておこう。
平日の午前中ということで参道を行き交う人も少ないが、修学旅行か何かか、揃いの制服を来たグループや、外国人観光客の姿も多い。その外国人も東洋から西洋までさまざまだ。
拝殿にて参拝。来年2018年は「明治150年」である。明治というのはそれまでと違い、日本の近代化がなされた時代と位置付けられていて、政府もさまざまな記念事業を行うようである。その象徴である明治天皇を祀る明治神宮としても力が入っているようだ。あまり明治、明治というと右翼化だと叫ぶ人たちも多いのだろうが、いろんな意味で転換期になった時代だし、光と影を含めていろいろと焦点を当てること自体は私は賛成である。個人的には、学校の日本史の授業でもっと時間を割いてほしいと思う。古代の、何がホンマかようわからん考古学の細かなところはどうでもいいとすら思っている。
さてここからはしばらく歩いてみる。左手に中央線を見るうちに現れたのが国立競技場。ご案内のとおり、2020年の東京五輪に向けての建て替え工事中である。周囲にクレーンが並び、出入口にはトラックが行き来する。最近東京五輪の施設に関するニュースを聞かなくなったが、こうして作業が進んでいるところを見るともう後は完成させるだけなのかなと思う。確か、今の都知事の就任当初は五輪会場と市場移転に関する話題ばかりだったと思うが、今は何かうやむやになった感じがする。それはそれでええんかいな?
国立競技場の工事現場をぐるりと回る形で歩いて着いたのが、聖徳記念絵画館。国会議事堂に似た建物は国の重要文化財である。こちらは明治天皇の生涯を描いた絵画が展示されている。ただ明治天皇のみならず、その時代の主な出来事を描いた絵画も「奉納」されていて、順に回ると幕末から明治の時代絵巻を見ているかのようだ。来年2018年が明治150年なら、今年2017年は大政奉還150年として、教科書などで有名な大政奉還の場面の絵を前面に出している。あの絵も聖徳記念絵画館の所蔵だという。それだけでなく、元々は明治天皇の出来事を描いたものが後に教科書にも取り上げられた・・というのがいくつもある。一つ一つの作品は熱のこもった、歴史をよく物語る絵画作品としても優れているものが多く、若い人たちにも一度訪ねてほしいスポットだと思う。
聖徳記念絵画館が知られるのは、その前から伸びるいちょう並木も大きい。この景色も楽しみに訪ねたのだが、さすがに時季が遅かったか。ほとんどの木がもう葉を落としてしまい、枝だけになっている。これはちょっと残念だ。外国人観光客のグループもいちょう並木でポーズをとって記念撮影や自撮りをしていたが、自然のことで仕方がないとはいえ残念だったかな。
さてこの後は時間が気になるところだが、あるスポットに向かう。ここまで長くなったので、それについては文章を分けてみよう・・・。