西国三十三所めぐりの2巡目も、第27番の圓教寺で終わりとなる。2巡目も特に札所順にこだわることなく、またサイコロで行き先を決めることなく任意に回って来たが、圓教寺を最後にしたのは、西国めぐりのもっとも西に位置し、天台宗の名刹としてふさわしい佇まいを持つ寺ということがある。
訪ねたのは2月3日。この日は節分ということで各地の寺社では節分祭が行われる。同時に回っている近畿三十六不動めぐりで次に訪ねる聖護院や智積院でも行われるとあり、姫路に行くか京都に行くか迷ったが、ここはまず西国の2巡目を終わらせようと姫路に向かうことにする。

往路は阪神~山陽電車の直通特急で姫路に向かい、書写山ロープウェイ行きのバスに乗る。ロープウェイ下の停留所に到着したところで、次のロープウェイは11時15分発とある。


乗車するのは、昨年導入されたばかりの新型ゴンドラ。26年ぶりに入れ替えたそうでこれが4代目だという。発車時刻になるとびっしり満員となり出発する。この日は朝から雲が広がっていて午後からは雨の予報。ロープウェイから遠くまでの景色も霞んでいる。ちなみに左下に広がるのは菜の花畑。まだまだ冬は続くが、こうした春の景色もちらほら見えるのもよい。

4分間の乗車で山上駅に着き、本堂までの1キロ弱を歩く。なお書写山はロープウェイだけではなく手軽な登山の対象として、またかつての徒歩巡礼道を歩くとして歩いて上がる人も多く、ハイキングスタイルで参道を行く姿も見られる。
平成になってから設けられたものだが、参道には西国三十三所の各本尊の像が置かれている。今回は2巡目最後ということもあるので、改めてその一つ一つを紹介してみる。これまで回ったことを思い出しながら、である。
まずはここ、第27番「圓教寺」(如意輪観音)

第1番「青岸渡寺」(如意輪観音)、第2番「紀三井寺」(十一面観音)

第3番「粉河寺」(千手千眼観音)、第4番「施福寺」(十一面千手千眼観音)

第5番「葛井寺」(十一面千手千眼観音)、第6番「壷阪寺」(十一面千手千眼観音)

第7番「岡寺」(如意輪観音)、第8番「長谷寺」(十一面観音)

第9番「興福寺南円堂」(不空羂索観音)、第10番「三室戸寺」(千手観音)

第11番「醍醐寺(上醍醐)」(准胝観音)、第12番「岩間寺」(千手観音)

第13番「石山寺」(如意輪観音)、第14番「三井寺」(如意輪観音)

第15番「今熊野観音寺」(十一面観音)、第16番「清水寺」(十一面千手千眼観音)

第17番「六波羅蜜寺」(十一面観音)、第18番「頂法寺六角堂」(如意輪観音)
真ん中にあたるところに展望スポットがあるが、この日は眺望を楽しむには少し厳しい空模様だった。

第19番「行願寺革堂」(千手観音)、第20番「善峯寺」(千手観音)

第21番「穴太寺」(聖観音)、第22番「総持寺」(千手観音)

第23番「勝尾寺」(十一面千手観音)、第24番「中山寺」(十一面観音)

第25番「清水寺」(十一面千手観音)、第26番「一乗寺」(聖観音)

第28番「成相寺」(聖観音)、第29番「松尾寺」(馬頭観音)

第30番「宝厳寺」(千手千眼観音)、第31番「長命寺」(千手十一面聖観音三尊一体)

第32番「観音正寺」(千手千眼観音)、第33番「華厳寺」(十一面観音)
それぞれの札所に風情が感じられるのだが、私の場合は本尊の観音像の違いというよりは、札所への行き帰りの道のりとか立ち寄りスポットに印象が多いように思う。まあそれも観音様とのご縁、お導きなのかなと勝手に解釈している。



ここで山門を下りさらに山道を進んで、本堂である摩尼殿を見上げる石段に出る。この舞台造りの建物も様になる。


畳敷きの外陣に上がる。その中でブランケットや敷物がいくつか敷かれている。これは節分会のためだという。現在の時刻は11時45分。この後13時から法要が行われ、14時から豆まきが行われる。その豆まきは摩尼殿の中で行われるそうだ。テレビのニュースで流される寺社での豆まきは本堂や拝殿から外の境内にいる人に向けてまかれるのが多い。圓教寺のこの舞台下ははるか遠いのにどうやってまくのかなと思っていたが、そういうことか。ただそれなら参詣者も限られるのかなと思う。実際どうなるのかは後の楽しみとして、私も場所取りをする。ちょうど上に柱にくくられた赤い紐が通っているが、何か意味があるのだろうか。
まずは私個人のお勤めをその場で行い、納経帳に朱印をいただく。これで2巡目の上がりとなった。先達用の納経軸もまずはメインの欄が全て埋まった。
さて、法要が13時からでまだ時間はあるが、その頃には外陣も人でいっぱいになるだろう。まだ場所取りの人も少ないうちに、大講堂や食堂のある西谷エリアに向かうことにする。



山道を5分ほど歩くと、大講堂、食堂、常行堂の三棟がコの字形に並ぶ一角に出る。節分の豆まきだけならこちらのコの字に囲まれた境内のほうが広そうに感じるが、これらの建物はどちらかと言えばそうした「俗なもの」を拒むような雰囲気がある。食堂では写経体験もできるが、それも含めて自ら修行する場というのかな(逆に映画や時代劇のロケ地として、この西谷エリアはちょくちょく登場するのだが)。

さらに進んだ奥の院には参詣する人じたいが減る。圓教寺を開いた性空上人を祀る開山堂がある。性空上人という人は、『徒然草』の中でも六根清浄の境地に至った人物として紹介され、旅先で宿に入った時に、豆の殻を焚いてまめを煮るグツグツした音を聴いて、聞こえないはずの豆同士の話を聴くことができた・・とある(この豆同士の会話の内容は中国の詩文にもある逸話だそうだが)。
摩尼殿に戻る。先ほどから人が増えていて、法要開始の13時が近づくと外陣はほぼいっぱい、外の廊下にも立つ人が出始めた。300人は優に超えているだろう・・・。
訪ねたのは2月3日。この日は節分ということで各地の寺社では節分祭が行われる。同時に回っている近畿三十六不動めぐりで次に訪ねる聖護院や智積院でも行われるとあり、姫路に行くか京都に行くか迷ったが、ここはまず西国の2巡目を終わらせようと姫路に向かうことにする。



















































さて、法要が13時からでまだ時間はあるが、その頃には外陣も人でいっぱいになるだろう。まだ場所取りの人も少ないうちに、大講堂や食堂のある西谷エリアに向かうことにする。






