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志度寺から長尾寺を目指して、左手にオレンジタウンの住宅地を見ながら歩く。JR高徳線の線路も近くにあり、新型車両の特急「うずしお」が快音を響かせながら高松へと向かっていく。
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歩いている県道3号線沿いに小屋がある。「萩の木地蔵休憩所」とある。遍路道には地元の人たちの手で整備されている休憩所がいろいろあるのだが、ここはベンチだけでなくお堂の造りである。
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扉を開けて中に入る。元々は道沿いの地蔵堂だったのだろう。それを1間四方の小屋のような形で休憩所としている。お地蔵様の前で人一人が横になるくらいのスペースがあり、「お泊りの場合は賽銭箱をお地蔵様のほうに預けてください」という内容の貼り紙がある。
中には訪問ノートやさぬき市の観光パンフレットもあり、小さな納札箱もある。外国人の訪問も意識しているのか英語での案内表示もある。地元の人らしい手書きの案内によると、今から千数百年前に弘法大師が志度から長尾に向かっていたところ、この地に萩の木があり、これを採取してお地蔵様の像を彫り、その萩の木があったところに安置したという。また一方では、志度寺の本尊十一面観音を彫った木のあまりで造られたものだとか、さまざまな言い伝えがあるようだ。
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ここまで県道3号線沿いに歩いてきたが、この萩の木地蔵の休憩所からはかつての遍路道に入る。地元さぬき市の手による案内板に従って先に進む。県道3号線から分かれる遍路道にはこの先さぬき市による標識が出てくるが、八十八所の結願に向けての応援であったり、さぬき市の観光PRの一つという感じにも見える。
先ほど萩の木地蔵の小屋で休憩したが、皮肉なことに外に出るとポツポツ雨が落ちてきた。事前の予報で天気が不安定とは聞いていたが、まあ小雨かと思うとそのうち強くなってきた。慌てて折り畳み傘を取り出す。
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細道を歩くうちに、玉泉寺という寺がある。新四国曼荼羅霊場の札所にして「長尾寺奥の院」の立札がある。札所の長尾寺に着く前に奥の院に着くというのも妙な感じだが、雨も降っていることだし雨宿りではないが立ち寄ることにする。
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石段を上がると背の低い藤棚があるために境内は狭く感じる。この奥が本堂で「日切地蔵菩薩」の額が掲げられている。日切地蔵とは、日を限って念ずれば功徳があるという地蔵菩薩である。
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「大師堂はこの奥」という案内板がありそれに従うと、一般の札所にある独立した建物ではなく、小さな祠がある。ここには「満願大師堂」との手書きの額があり、中には小さな弘法大師像が安置されている。その両側には四国八十八所の公認先達たちの錦や金の納札が飾られている。まだ結願には至っていないし、四国八十八所で「満願」というのは、88番の大窪寺まで行き、さらに第1番の霊山寺に戻って「四国一周」したことを指すそうだから(これは1番から回った場合であって、他の番号の札所から始めた場合はその札所まで戻って「満願」となる)、少し気が早いように思う。
しばらく滞在して遍路道に戻る。先ほどの雨は通り雨だったようでしばらくすると止んだ。日切地蔵が何かしてくれたのかもしれない。
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この週末は北日本から東日本にかけて観測史上最強クラスの寒波がやって来ていたが、こちらでは沿道で梅の花がほころびかけるなど、春の訪れが少しずつ近づいているようである。県道から離れて長尾の田畑の集落の中を歩いていく。江戸時代に建てられた石の道標も所々に残されている。
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遍路道はいったん長尾寺の東門の前を過ぎる。ここは一度通り過ぎ、山門に回り込む。志度寺から途中の休憩や参詣を入れて1時間40分ほどで到着である・・・。