まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第24回四国八十八所めぐり~遍路は続くよどこまでも

2019年02月24日 | 四国八十八ヶ所
2月10日、大窪寺のお参りを終えて長尾からことでんに乗って高松築港に戻る。時刻は17時を回ったところで、大阪には19時発の高速バスで戻る。この間の時間を利用して、結願後の一杯ということにする。

前日ライオン通りで入った「ふるさと」のような店が本来ならいいのだろうが、帰りの時間があるので前回も入った高松駅横の「庄や」に入る。歩いた後、また88番まで訪ねることができたことでジョッキのビールがより美味く感じられる。ちなみにこの大ジョッキが1杯「880円」(税抜)なのも、偶然とはいえ八十八所めぐりの後にふさわしいかと。

連休の中日のためか、19時発の高速バス(阪急バス)は空席が目立つ。隣の席も空いたままで発車する。道路も特に渋滞なく、このまま大阪に順調に着きそうだ。

道中、過去の四国めぐりのことを振り返る。回ごとに訪れた札所や、往復の交通手段について書き出してみる。改めて、結構区切ったものだと自分でも思うところだ。

【京都三弘法まいり】2016年7月 東寺、神光院、仁和寺

【第1回】2016年7月 往路:難波からJRバスで徳島 (1)霊山寺、(2)極楽寺、(3)金泉寺、(4)大日寺、(5)地蔵寺、(6)安楽寺、(7)十楽寺 復路:徳島からJRバス 宿泊:徳島 その他:一番前札所・十輪寺談義所

【第2回】2016年8月 往路:梅田から阪急バスで土成 (8)熊谷寺、(9)法輪寺、(10)切幡寺 復路:徳島からJRバス 宿泊:なし

【第3回】2016年9月 往路:土讃線阿波池田から徳島線鴨島 (11)藤井寺 復路:鳴門からJRバス 宿泊:鴨島 その他:徳島インディゴソックス戦観戦(鳴門)

【第4回】2016年10月 往路:和歌山から南海フェリーで徳島 (16)観音寺、(17)井戸寺、(12)焼山寺、(18)恩山寺、(19)立江寺 復路:徳島から南海フェリー 宿泊:徳島(2泊)

【第5回】2016年11月 往路:高速舞子から神姫バスで徳島 (20)鶴林寺、(21)太龍寺 復路:徳島から阪急バス 宿泊:なし

【第6回】2016年12月~2017年1月 往路:難波から徳島バスで宍喰 (22)平等寺、(24)最御崎寺、(25)津照寺、(26)金剛頂寺、(23)薬王寺、(13)大日寺、(14)常楽寺、(15)国分寺 復路:徳島からJRバス 宿泊:日和佐(2泊) その他:鯖大師、日和佐で年越し

【第7回】2017年1月 往路:難波から徳島バスで室戸 (27)神峯寺、(28)大日寺 復路:高知からJRバス 宿泊:奈半利

【第8回】2017年3月 往路:坂出から土讃線特急で後免 (29)国分寺、(30)善楽寺 復路:高知からJRバス(夜行) 宿泊:なし

【第9回】2017年5月 往路:坂出から土讃線特急で高知 (31)竹林寺、(32)禅師峰寺、(33)雪蹊寺、(34)種間寺、(35)清瀧寺、(36)青龍寺 復路:高知から土讃線特急 宿泊:高知(2泊) その他:安楽寺、高知ファイティングドッグス戦観戦(高知)

【第10回】2017年7月 往路:難波からJRバス~土讃線鈍行で窪川 (37)岩本寺、(38)金剛福寺 復路:中村から近鉄バス(夜行) 宿泊:中村

【第11回】2017年8月 往路:難波からJRバス(夜行)~土讃線鈍行で中村 (39)延光寺、(40)観自在寺、(42)仏木寺、(41)龍光寺、(43)明石寺 復路:松山からJRバス 宿泊:愛南町、宇和島(2泊) その他:十夜ヶ橋、愛媛マンダリンパイレーツ戦観戦(宇和島)

【第12回】2017年10月(※9月は台風接近で延期) 往路:岡山から予讃線特急で松山 (44)大寶寺、(45)岩屋寺、(46)浄瑠璃寺、(47)八坂寺、(48)西林寺 復路:松山からJRバス 宿泊:松山

【第13回】2017年11月 往路:難波からJRバスで松山 (52)太山寺、(53)円明寺、(49)浄土寺、(50)繁多寺、(51)石手寺 復路:松山から中国バスで福山 宿泊:松山

【第14回】2017年12月 往路:柳井から防予フェリーで三津浜 (54)延命寺、(55)南光坊 復路:今治から予讃線特急 宿泊:三津浜

【第15回】2018年2月 往路:大阪南港からオレンジフェリーで東予 (56)泰山寺、(57)栄福寺、(58)仙遊寺、(59)国分寺、(61)香園寺、(62)宝寿寺 復路:今治からせとうちバス 宿泊:今治 その他:62番礼拝所

【第16回】2018年4月 往路:岡山から予讃線特急で伊予西条 (63)吉祥寺、(64)前神寺、(65)三角寺 復路:川之江から予讃線特急~快速 宿泊:川之江 その他:愛媛マンダリンパイレーツ戦観戦(川之江)

【第17回】2018年5月 往路:梅田からせとうちバスで伊予西条 (60)横峰寺 復路:伊予西条から予讃線特急 宿泊:伊予西条(3泊) その他:石鎚山登山

【第18回】2018年7月 往路:梅田からJRバスで観音寺 (66)雲辺寺、(67)大興寺、(70)本山寺、(68)神恵院、(69)観音寺 復路:観音寺からJRバス 宿泊:観音寺

【第19回】2018年8月 往路:岡山から瀬戸大橋線~予讃線で丸亀 (71)弥谷寺、(72)曼荼羅寺、(73)出釈迦寺、(74)甲山寺、(75)善通寺、(76)金倉寺、(77)道隆寺 復路:丸亀から四国高速バス 宿泊:丸亀(3泊) その他:香川オリーブガイナーズ戦観戦(丸亀)、少林寺

【第20回】2018年9月 往路:岡山から瀬戸大橋線~予讃線で海岸寺 (78)郷照寺 復路:宇多津から瀬戸大橋線 宿泊:なし その他:海岸寺

【第21回】2018年10月 往路:岡山から瀬戸大橋線~予讃線で八十場 (79)天皇寺、(80)国分寺、(81)白峰寺、(82)根香寺 復路:高松からたかなんフットバス 宿泊:高松 その他:独立リーググランドチャンピオンシップ香川対群馬(高松)

【第22回】2018年11月 往路:三宮からジャンボフェリーで高松 (83)一宮寺 復路:高松からたかなんフットバス 宿泊:なし

【第23回】2018年12月 往路:三宮からJRバスで高松 (84)屋島寺、(85)八栗寺 復路:高松から阪急バス 宿泊:なし

【第24回】2019年2月 往路:難波からJRバスで高松 (86)志度寺、(87)長尾寺、(88)大窪寺 復路:高松から阪急バス 宿泊:高松

高速バスがもっとも多く各県との行き帰りに利用したが、他にも鉄道の特急あり鈍行あり、フェリーもある。四国との行き来にわざわざ広島や山口を経由した回もあった。多種多様な乗り物に乗れたのは思い出に残る。

また、八十八所めぐりの中で私が勝手に「ミッション」と定めた「各県でのアイランドリーグ観戦」も、3シーズンかけて合計6試合となった。張泰山やマニー・ラミレスといった異国のスターが日本のNPBを目指す若い選手たちとプレーする様子も観られたし、最後に独立リーグチャンピオンシップも観戦できたのは札所めぐりに色を添えてくれた。個人的には、アイランドリーグと八十八所が何かでコラボレーションできないものかと思うのだが・・。

さて、八十八の札所を回った後は高野山の奥の院に向かうのが通例とされている。納経帳、納経軸にも高野山の欄があるものが多い。弘法大師にゆかりがあるとされる霊場を回ったのだからということのようだ。このため、四国は24回に分けて回ったが、その続編があるということである。現在進行中の近畿三十六不動めぐりも最後に訪ねる35番、36番が高野山にあることから、これとまとめて高野山に上がり、最後に奥の院に向かうことにしよう。「平成」の終わりまでには行っておきたいと思う。

ただその前に、「四国を回るのは大窪寺で終わりにする」のと、「第1番の霊山寺まで行って『一周』しないと『満願』にならない」という考え方がある。昔は大窪寺からそのまま海の方向に抜けて、香川東部の三本松から出ていた航路で大阪に向かい、そのまま高野山に向かうという行き方もあったようだが、現在はいくつかのルートで阿讃の山を越えて霊山寺まで行くのがメインとなっているようだ。そうすることで四国を一巡したことになり、二巡目につながるというものである。大窪寺まではあくまで八十八所の最後の札所、結びという意味での「結願」であり、「満願」というのは霊山寺まで行って初めてそう言えるとのことだ(これは1番から始めて88番で終わった場合で、途中の札所から始めた場合はその札所まで戻ってきて「満願」となる)。

とすれば、私も高野山に行く前に、その間を埋めて霊山寺に戻るためにもう一度四国に渡ることにしようと思う。この区間を走る高松道は高速バスで何度か行き来しているし、霊山寺のすぐ横も通っているのだが、やはり降りてたどってみたい。

ちなみに、歩き遍路全長1200キロのうち、私が実際に歩きで回ったのがどのくらいなのか、帰宅後に試算してみた。私の場合公共交通機関をベースにしているので、途中の駅やバス停からの徒歩移動などを含むのだが、およそ300キロという数字が出た。まあ、「歩き遍路」を名乗るには到底少ない数字ではあるが、それでもそのくらいあったのかと思う。ただ、途中の立ち寄りのおすすめスポットの見落とし、見過ごし、割愛もあるし、歩きならではで見つかるものもあるだろう。その点での物足りなさがないわけでもない。また逆に、クルマで回ったらまた違う景色が見えるのかもしれない。

こう書くと、1巡したら何か迷いが消えるとかいうきれいごとではなく、1巡したためにかえって「ああしたい」とか「こうすればよかった」と煩悩の塊が大きくなった部分があるのではないかとも感じる。何とも皮肉なものだ。四国を何度も巡るというのは、案外そういうところから来ているのかもしれない。私が実際にもう1巡するかどうかは別としても。

まさに、「遍路は続くよどこまでも」・・・。
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