まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第5番「葛井寺」~西国三十三所めぐり3巡目・2(令和改元に合わせて3巡目本格開始)

2019年05月23日 | 西国三十三所

話は、平成から令和にかけての旅を終えて帰宅した5月2日まで戻る。

この日は休養日ということで特に外に出る用もなかったが、近所にある西国5番の葛井寺に向かった。

先にも触れたが、このたび、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録が内定したというニュースに驚いている。以前から世界遺産に向けた活動が進められ、堺市が中心となり羽曳野市、そして私の地元藤井寺市も参加してきたわけだが、ついにというか、ようやくの登録である。個人的には、世界遺産もそう濫発するべきものではないと思うし、日本国内でもそろそろネタが切れてきたのかなという思いはあるが、こうして地元がその一つになってみるとやはりうれしいものである。

正式決定は6月に行われるユネスコの委員会を経てということになるが、観光客が来る・・・としてもあの形というのはなかなか見ることができないし、天皇陵となると外の遥拝所から拝むくらいしかできない。まあ、元々は観光とは無縁のものである。また大阪はUSJやミナミ、道頓堀などはアジアを中心としたインバウンドで賑わっているし、万博も予定されているとなれば、そこまで「世界遺産で観光客を誘致」というのに血眼にならなくてもよいのではと思う。あ、これらはいずれも大阪「市内」の話か。

今回の世界遺産には、仁徳天皇陵や応神天皇陵のような立派な「御陵さん」があるかと思えば、その辺の丘にしか見えないものもある。そうしたところは柵もなく公園として整備されていたり、普通に子どもの遊び場にもなっている。私も昔遊んだ記憶がある。天皇陵は敷居が高いかもしれないが、そうした手軽なものを通して古墳を身近に感じるのもいいだろう。さて、藤井寺市にはどの程度の「世界遺産効果」が出てくるやら。

・・・とはいうものの、今のところ藤井寺市の中でもっとも有名な歴史スポットとなるとやはり葛井寺ということになるだろう(本当は、そこに藤井寺球場も加えたかったところだが)。

ようやく本題で、元号が令和に改まったのを機に、西国三十三所めぐりの3巡目を始めることにする。3巡目の最初として、近畿三十六不動めぐりの札所でもある中山寺を先に訪ねているが、本格的にはこれからスタートということにする。

仁王門から入る。連休中、また藤まつりの期間中ということで参詣者の姿も多い。

その仁王門脇に、遣唐使・井真成(いのまなり)の生誕地の新しい石碑が立っている。これを目にするのは初めてだ。日付を見ると平成31年4月とあるからつい最近のことである。奈良時代、吉備真備や阿倍仲麻呂らと同時期に唐に渡ったが、36歳の若さで現地で亡くなった留学生である。まさに「辞本涯」である。近年、中国で真成の墓誌が見つかり、「遺骨は異国に埋葬するが、魂は故郷に帰ることを切に願う」との内容が書かれていた。それから1200年の時を経て墓誌が藤井寺市に寄贈され、魂は故郷に帰ってきた。

この日はちょうど藤の花も見ごろを迎えており、青空が広がっているとあって多くの人がカメラやスマホを向けていた。

また参詣者が多いのは、改元記念として5月1日~6日限定で本尊の十一面千手千眼観音像の御開帳が行われていることもある。ポスターには、2018年に東京国立博物館で行われた真言宗御室派寺院の仏像の特別展示に千手観音が出展された際、新天皇が皇太子時代に視察された時の報道写真も載せられている。葛井寺の御開帳は毎月18日に行われているが、今回は特別開催である。

内陣に入る。まずは如意と呼ばれるひもを手にして本尊とご縁を結び、内陣の片隅にてお勤めとする。何でもかんでも「令和最初」というのもどうかと思いつつも、これが令和最初の札所めぐりということで、自分としても新たな時代において気持ちをリセットするような思いで観音経を読む。

そして納経帳への御朱印だが、本堂外の石段の下まで長い列ができている。本尊御開帳もあるし、改元の記念に何かほしいというのもあるだろう。令和初日の前日はもっと長い列ができていたそうだ。葛井寺でこの行列だが、ニュースによると5月1日の東京・明治神宮では御朱印を求めて最大で10時間待ちという事態にもなったそうだ。しかも、その御朱印が早くもネットで高額転売されるということもあった。何だかなと思う。

40分ほど待って私の番になる。納経帳は引き続き先達用の巻物型である。そこへの重ね印なので時間はそれほどかからない。西国1300年の記念印がまだ入っていなかったので追加でお願いすると、金色のスタンプで押してくれた。この金色というのが令和の改元記念になるのかな。さらに西国曼荼羅の八角形の用紙(これは寺で書置きしたものと、私の手持ちの白紙を取り替える対応)もいただく。

さて新たな時代の札所めぐり。西国三十三所めぐりは引き続き行うが、実は新たな札所めぐりに挑戦することも考えている。それもまたそのうち、ここで紹介することになるだろう・・・・。

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