まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第22回中国四十九薬師めぐり~萩から長門市、美祢線へ

2022年12月29日 | 中国四十九薬師

東萩駅にて「○○のはなし」の発車を見送り、14時24分発の長門市行きを待つ。ここで雨が本降りになってきた。もう少し駅に戻るタイミングが遅かったら、しっかり雨に濡れていたところだ。

益田からやって来たのはキハ40の単行。1両でも乗客も少ないのは少ないのだが、海側のボックス席はそれぞれしっかり独占されている。やはりその筋の人たち、あるいは一般の旅行者で、益田から長門市まで直通する列車が限られる中、時刻表を読んでこの貴重な列車狙いのようだ。この前の列車は3時間以上前だし、後の列車は2時間後である。

ロングシートは空いているのだが車内で昼食をということでちょっと座りにくい。幸い、山側のボックス席に一つ空きがあったのでそちらに陣取る。まずは萩の市街地の外周をぐるりと回る。玉江で阿武川の河口に近づき、再びどんよりした日本海の景色を見る。山側のボックス席から隣のボックス席越しに何とか海の景色に触れる。

三見から飯井にかけてはより海に近づく区間。萩市から長門市に入る。

長門三隅からは仙崎湾に出る。ここで空が明るくなった。先ほどからの雨雲も萩市付近にだけかかっていたようである。この区間はこのところ「○○のはなし」で通ることが多く、一般の列車に揺られるのは久しぶりだが、ローカル線の雰囲気を楽しむなら昔ながらのボックス席のほうがしっくり来るな・・というのが今の感想である。

15時02分、長門市着。15時16分発の山陰線小串行き、そして同時刻発の美祢線厚狭行きに接続する。小串行きで山陰線をずっとたどるのもいいが、今回は久しぶりの美祢線に乗る。

こちらはキハ120の単行。オールロングシートなので恨みっこなしだ。シートがほどよく埋まるくらいの乗車率である。ここで早めに山陽側に出ることで帰宅時間も少しは早くできる。

前々回の中国四十九薬師めぐりで、長門市、油谷半島を回った帰りに美祢線と並走する国道316号線を経由した。それほど時間が経過していないので車窓にも見覚えがある。安倍元首相とプーチン大統領が会談した湯本温泉を通過する。

ロングシートで時折首を後ろに曲げながら景色を見ていたが、そのうちウトウトするようになった。沿線の中心駅である美祢を通過したのは覚えていない。美祢線自体は元々石炭を輸送するために敷かれた路線で、沿線にもさまざまな見どころがあるのだが、列車に揺られる限りではそれほどの絶景に出会うわけでもない。日本海沿いを走った後だけに、余計地味に感じたのかもしれない。

長門市から1時間あまりの乗車で、16時26分、厚狭着。山陽線の次の列車は宇部から宇部線に入る宇部新川行きのため、その後の16時53分発の岩国行きまでしばらく待つ。いったん駅の外にも出てみる。三年寝太郎の像が出迎える。

ここまで来れば後は戻るだけだ。途中の新山口、徳山で各10分停車してちょっと外に出るが、徳山からはすっかり暗くなり、その中を列車のモーター音を響かせるだけだ。外から見たら海沿いを走る夜の列車というのも面白いかもしれないが・・・。

さて、今回の萩行きで中国四十九薬師めぐりの山口県全てが終了し、島根県も石見地方まで進んでいる。次の札所は第36番の神宮寺だが、出雲大社の先の日御碕にある。その名の通り、かつては日御碕神社と神仏習合の関係にあったところである。ただこれから季節は冬。どのタイミングで訪ねようか、その先の札所と合わせて思案するところである・・・。

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