まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

新球場での観戦~瀬戸内野球観戦紀行・3

2009年06月10日 | 旅行記F・中国

初めての観戦となった広島マツダスタジアム。独特の形状をした球場の姿が目に入ってきた。

Dscn1661スポーツニュースなどで映像が流れるエントランスのスロープは既にチケットを持っている客用ということで、この日、球場での当日引き換えを選んでいた私は正面の入口に向かう。旧広島市民球場では、一応禁止されていたものの、缶・ペットボトルの持ち込みは事実上フリーだったのだが、こちらでは手荷物検査もちゃんと実施する。それも、大阪の大正にあるドームのように「形だけ」(それやったら最初からするな)という検査だけではなく、係員がバッグに手を突っ込んでの念入りなもの。するとペットボトルが「摘発」の対象となり、移し変えコーナーに移動される客が多い。ビン、缶はともかくペットボトルはNPBの球場によって持ち込み可否の扱いが異なっており、客としても戸惑うところである。

Dscn1695この日指定されたのは「スカイシート三塁寄り」というところ。二階席というか、中二階のようなところへ案内される。上段スタンドの中でグラウンドにせり出したところ。ここで3000円である。もっとも、旧市民球場の上段席の真ん中寄りも3000円だったと思うので、そんなものかな。いずれにしても、グラウンド全体を見渡すにはなかなかよいところである。席の前は、スコアやアウトカウントを表示する電光掲示板になっていた(試合途中でスクリーンに映し出されたので気づいた次第)。

新球場はとにかくありとあらゆるシートを備えており、おそらく、現在の日本の球場で考えられる種類の席を持っているのではないかと思う。

Dscn1765今や定番となったグラウンドレベルのシート。これがネット裏とベンチの間にも設けられるとともに、レフト後方にも掘り下げ式のシートが見られる。

Dscn1720あるいは、このようにグループで料理などを囲みながら楽しめるシートもある。家族連れなどにはいいだろう。

Dscn1672ニュースでもよく取り上げられるのは、右中間にある寝そべりシート。うーん、20年くらい前のパ・リーグなら、外野席で寝そべるのは当たり前だったけどね。最近では「寝そべるのはマナー違反」という面もあるが、外野席といえば寝転がるものでしょう。いつからかな、外野席が騒然とした応援の場と化してしまったのは・・・・。このようにシートで保護してやらないといけないのが、時代の流れを感じさせる。

Dscn1771その応援の場は「パフォーマンスシート」というのが用意されている。もっとも、ライトスタンドと三塁内野後方という非対称な位置に設けられている。日曜日のこととて、大阪からの応援団や、関西からのファンも多く詰め掛けていた。ここマツダスタジアムでも、あの岡本太郎の猛牛マークが翻った。応援する人はここで思う存分に声を出せる。ただ内野席後方のため、「ここまで飛ばせ、○○!」というコールはできなさそう。

Dscn1719コンコースも開放的で、どこからでもグラウンドを見ることができるのも気持ちよい。最近のドーム球場などとは全く違う光景である。野球の風を思い切り楽しむことができる。

Dscn1667心残りがあるとすれば、今回はクルマでの移動のためにビールが飲めないこと。また、球場に来る前に昼食を済ませたために、さまざまなグルメを楽しむにはちょっと腹がくちいという状態というところ。まあそれはこの次の楽しみということで。

・・・一応、試合のレポートも。

私の座ったエリアはカープファンが多い中でところどころバファローズファンも見られるという、両チームのファンが混在したエリア。試合中交互に歓声があがる。

Dscn1689この試合の始球式は、宮崎県の東国原知事。カープのキャンプ地が宮崎は日南ということで、地元のPRも兼ねてのこと。そりゃそうと、宮崎県といえばカープの他に西武、巨人、ソフトバンクもキャンプを張っている。いつしか、西武ドームでも始球式を務めた試合を観戦したことがあり、県の顔としていろんな球団を幅広くPRする知事の姿勢にうなずける。

Dscn1692先発は広島が斉藤、オリックスが平野佳。序盤は両チームともランナーを出すものの拙攻で得点に至らず、ファンからもイライラする声があがる。

Dscn1722その雰囲気を打破したのが、今年日本球界に復帰したマクレーン。4回、打球一閃、狭く造られているレフトスタンドの「場外」へと飛んでいった。かつて、西武でカブレラ(現オリックス)とともに「ツイン・バズーカ」を襲名したこともある大砲。この前の登板で完封した平野から得点を挙げる。私の後ろに座っていた子どもが「オレ、生でホームラン初めて観たよ!」と、友達同士で喜んでいたのが印象的だった。私が初めて生で観たホームランは、一体誰のものだったかな・・・。

Dscn1736オリックスも直後の5回表にフェルナンデスのタイムリーで同点とするものの、その裏、投手の斉藤のヒットを足がかりにチャンスを作ったカープが、3番に定着した赤松、5番喜田剛、そしてマクレーンのタイムリーで一挙5点を奪う。この試合の前まで打線が湿り勝ちだったカープファンとしては大喜びである。

Dscn17666対1となったところで、交流戦好調のホームチームと、この試合の前まで4連敗のチームでは勝敗が決まったようなものである。後は球場の雰囲気を楽しむことに。カープの側は代打で緒方孝市、石井啄朗の両ベテランが登場したし、林、横山、シュルツ、最後はセーブがつかない展開ながら永川も登場というサービス。途中で照明も点灯されたし、とにかくいろんなものを見せてもらう展開だった。

Dscn1799一方のバファローズ打線はもう何もすることがなく、フェルナンデスの打席のときに「新幹線にブチ当てろ!」とコールするのが精一杯。その打球も、新幹線やその手前を走る在来線・広島貨物ターミナルに飛ぶどころか、ボテボテの内野ゴロ・・・。

Dscn1803最後は永川が3人で押さえ、試合終了。まあこの日は球場の雰囲気を楽しみに来たと割り切って、サバサバしたもので球場を後にする。広島駅までの道は人で埋め尽くされている。「広島って、こがいにぎょうさん人間がおったんじゃろうか?」と話す人も。

Dscn1812せっかくなので夕食をと、向かったのは駅ビル「アッセ」にあるお好み焼「麗ちゃん」。広島を訪ねた際によく入るお好み焼屋。

Dscn1811ここでもビールは我慢し、肉玉にいか天のトッピングをほおばる。お好み焼屋と居酒屋が並ぶこの一角、野球観戦の出で立ちの人たちも多く立ち寄り、帰宅前のしばしの憩いを楽しむようだ。

さてこれから尼崎まで(ノンストップで)4時間の道のり。日付が変わるまでに帰宅できるかな・・・・(結局サービスエリアの休憩もあり、日付を少し回ってしまった)。

建設前はすったもんだあった新球場。初年度の日曜日のデーゲームということもあるのだろうが、客の入りも上々だったし、ファンからも支持されているようだった(少なくとも、広島駅から徒歩10分の道のりを「不便」とあからさまに感じていたような客はいなかったと思う)。これから、広島の新たな観光名所として多くの客を集めることだろう。

Dscn1776そのフィーバーに後押しされ、今季がんばっているのがカープ。貧打と言われながら守りの野球ができており、前評判の高かった阪神、中日が今ひとつなだけに、今年はクライマックスシリーズへの躍進も期待できる。「今年こそカープ対オリックスの日本シリーズを!」と願うのだが、オリックスがなすすべなくこのていたらくでは・・・・。

Dscn1791ベンチから身を乗り出して采配をふるっている大石監督の姿もどこか寂しげであった。

それはさておき、また訪れてみたい球場だし、多くの人に訪れて楽しんでほしい球場である。今度は、ぜひ球場内のグルメも楽しんでみたいものだ。もちろん、「カープ対バファローズの日本シリーズをこの球場で観る」という憧れは、まだ捨てていない・・・・。

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新・広島市民球場へ~瀬戸内野球観戦紀行・2

2009年06月09日 | ブログ

完成が楽しみで、ぜひ一度観戦に訪れたかった球場である。

Dscn1663新・広島市民球場、愛称「マツダスタジアム」。市民球場と呼ぶのがよいのか、「マツダ」と呼ぶのがよいのか。

このところ、広島での広島東洋カープ対オリックス・バファローズの交流戦を観戦するのが楽しみで、昨年は「最後の広島市民球場」ということで6月の交流戦も訪れた。ローズの2本塁打、カブレラ、濱中にも一発が出てオリックスが快勝し、最後はバファローズファンからの「ありがとう、市民球場」というコールも出た。

もっとも、後になって「これで市民球場が最後というのは、ちょっと早かったかな」という思いもあった。「クライマックスシリーズを勝ち抜いての、カープ対バファローズによる日本シリーズ」の可能性が、カープのBクラスが確定する10月初めまでつながったので・・・・。

今年も交流戦の組み合わせが発表になり、マツダスタジアムでのオリックス戦が日曜日に組まれたことで広島行きを決定し、指定券を早めに押さえた。後は天気が持つかどうかというところだった。この試合前までカープは交流戦2位と健闘、オリックスは4連敗でリーグ最下位を独走というていたらくであり、こうなればある程度「勝敗は度外視」ということで。

ここまでこの球場を楽しみにしていたのは、社会人としての初任地が広島ということもあり(その後8年生活)、また、球場の場所が職場にごくごく近いところで、私として非常になじみ深いところだったことがある。

P6071268広島在住時代に「広島貨物ヤード跡地の再開発」というのが、地元経済界であれこれ論議されていた。かつては行き止まり式であった貨物駅を東側に移転し、そこに広大な跡地が残った。広島駅から徒歩10分ほどという立地条件もあり、広島の駅前を含めてどのように再開発するかという話題がのぼっていた。一方で広島市民球場(当時)の老朽化も問題となってきており、いつしか議論は「貨物ヤード跡地に球場を移転しよう」という方向になった(写真は昨年工事途中の時期)。

P6071337その中で、「広島の繁華街に位置する市民球場を壊すのはもったいない」「広島経済の新たな活性化のために必要」「街の中心から離れており、集客が難しい」「建設費用をどうするのか。広島市の財政も厳しいはずだ」という賛否両論があり、地元テレビの番組でもしばしば「新球場問題」が取り上げられていた。

P7072690新球場をどうするか、ヤード跡地をどうするかの議論の中で私は広島から大阪へと異動になり、その年に近鉄とオリックス・ブルーウェーブの合併問題が発生。すったもんだの挙句、仙台に楽天球団が誕生し、仙台宮城球場も「フルキャストスタジアム」(当時)に生まれ変わった。こちらは従来の球場の大改装によるものである。

とすると、何かにつけライバル(と私は思っている)の仙台に先を越された形の広島。ある意味で、仙台の新球場の好評さが、「新しい球場をゼロから造ろう」という流れとなり、新球場をヤード跡地に持ってくる・・・ということになったのではないかと思うのである。

前置きが長くなった。

Dscn1655今回はクルマで異動していたのだが、広島駅から少し離れたところにコインパーキングを見つけ、駅を通過する形で球場に向かう。駅のコンコースは「赤い姿」でごった返しており、この駅にこれだけの人間が集まる光景を久しぶりに見た。通路には弁当やグッズ販売のワゴンが並び、呼び込みの声も高い。市民球場が紙屋町にあったときはさまざまな交通手段で訪れていたのが、今はほとんどが広島駅を通過していく。JRのほうも球場目当ての観客相手に商売繁盛。

Dscn1657駅から球場までの道路は、私にとってはかつての通勤ルートである。駅前の「愛友市場」も一時再開発の波が押し寄せていたのだが、企業の撤退により辛うじて生き残ったところ。それでも日曜の午後などは「シャッター商店街」だったのが、客を当て込んで食べ物を売るために開ける店も目立ち、少しは元気になったようだ。こういう、駅から球場への道のりで食べ物を売る光景というのも、このところあまり見かけなくなったなあ。

Dscn1659道路の舗装も新たになり、店舗も改装されたり、線路際のフェンスには往年の名選手に現在のスター選手のパネルが並ぶなど、球場前の通りとしてきれいに整備されている(朝や夜などは、線路に向かって立ち小便するおっさんの姿もよく見たものだが)。

Dscn1660駅から球場までの道のりで、当時のさまざまなことを思い出していた。文章が長くなったのでいったんはここまで。ようやくにして球場にたどり着き、いよいよ、中に足を踏み入れる・・・。

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長い2日間です。

2009年06月07日 | 旅行記F・中国

昨日の松山坊っちゃんスタジアムでの独立リーグ観戦に続き、本日は広島・マツダスタジアムでの広島東洋カープ対オリックス・バファローズ戦を観戦。

クルマでの移動というのは駐車場の確保も含め、時間がかかる一面もあります。広島市内を出るのも結構遅かったので、現在この書き込みは途中の吉備サービスエリアに備え付けのパソコンから。

日付が変わるまでに帰宅・・・・は難しいかな。いずれにせよ、マツダでの観戦日記とそのほかの道中記は8日以降に書くことになります。

道中ご安全に!

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愛媛対長崎@松山坊っちゃんスタジアム~瀬戸内野球観戦紀行・1

2009年06月06日 | プロ野球(独立リーグほか)

ETC利用者の高速道路土日割引は、四国に行く場合に「おトク感」が増すのではないだろうか。本州から四国へ渡る3ルートの橋の料金は別にかかるにせよ、「上限1000円」の効果は大きいものがある。

Dscn1474ということで、尼崎を早朝に出発し、高速道路を乗り継いでやってきたのは松山は坊っちゃんスタジアム。ここで行われるプロ野球独立リーグ・四国九州アイランドリーグの愛媛マンダリンパイレーツ対長崎セインツの一戦を観戦しようというのである。

Dscn1505四国でもっとも立派な球場といってもいい坊っちゃんスタジアム。その開放感から、私の好きな球場の一つである。

Dscn1509今年になって地元の関西独立リーグを観たり、昨年までは北陸・上信越のBCリーグを観たり、結構あちこちの球場に現れているのだが、アイランドリーグの公式戦の観戦は4年前の初年度以来になる。坊っちゃんスタジアムもその年以来だし、九州の2チームはまだ見たことがない。地元関西が苦しむ中、日本の独立リーグのさきがけである四国・九州の試合で何かヒントになるものはないかと思い、久しぶりに足を運んでみることにした。

Dscn1513この日は松山~東京便の増便をPRするための「JALシリーズ」ということで、試合前にはJALの松山支店から機内食用の即席めんの進呈式が行われたり、入場時に配布されたチラシの番号で航空券やホテル宿泊券、ディズニーのぬいぐるみの抽選があったりというイベントが行われた。やはりこういうスポンサーがつくことも必要で、試合の場が格好のPRになるような工夫というのが必要である。松山~東京の航空券が当たったらどうしようかとも思ったが、それは無駄な心配に終わった。

あとは、グッズ販売の強化だろうか。同じ品目でもデザインや色を変えるなどしてバリエーションを増やしており、選ぶ側の楽しみにもなっている。関西の各球団も少しずつ選手ごとのグッズを出すように力を入れてきているが、少なくともこの球場での充実度に比べればまだまだ。

Dscn1518さて、試合である。愛媛は今年入団の能登原、現在リーグ首位の長崎は酒井という両右腕が先発。長崎の先発メンバーには、昨年はBCリーグの新潟でプレーしていた4番・末次、7番・根鈴(ねれい)がいる。いずれも昨年の新潟の前期地区優勝に貢献した、打力が売りの選手なのだが、昨年限りでチームを去っている。どうしたのかと思っていたが、ここにいたのか。

Dscn1488特に根鈴はアメリカのマイナーリーグをはじめ、世界各地の独立リーグを渡り歩いた選手。こういう経歴の持ち主というのもなかなかいないのではないだろうか。ごつい体格と、私と同じ1973年生まれということもあり、個人的にがんばれと応援したくなる選手である。

Dscn1522序盤は両チームともランナーを出すものの、多彩な球種を持つ能登原、酒井がそれぞれピンチをしのぐ。酒井が3者連続で見逃し三振を奪えば、能登原も根鈴から空振り三振を奪うなど、なかなかのマウンドさばきである。

Dscn1545先制したのは長崎。主砲の末次がレフト越えの二塁打でチャンスをつくり、6番・松井のボテボテのゴロが一・二塁間を抜け生還。

Dscn1559愛媛の反撃は6回。1番・檜垣が内野安打で出塁し、2番・寺嶋が送りバントを試みる。しかしフェアグラウンドに決めることができず、ここで強攻に切り替え。これが当たって無死一・二塁。ここで3番・長崎がレフト線へのヒット。檜垣帰って1対1の同点。ところが長崎のレフト・慧陽(けいよう=下の名前での登録)がクッションボールの処理を誤り、打球がレフトを転々とする。この間に一塁ランナーの寺嶋に続き、打った長崎までが一気にホームイン。スタンドからは「ホームランや!」という歓声があがる(寺嶋、長崎の2人のホームインはエラーによるものという記録になったようだ)。うーん、こんな展開ってどうなんだろう。

ともあれこれで愛媛が3対1と逆転に成功。7回表に長崎も9番・吉川のタイムリーで1点差に迫るが、ここで愛媛は能登原から、安定感ある中継ぎの入野(いりの)に交代。3対2で9回表に入る。

Dscn1591愛媛の9回のマウンドは抑えの浦川。愛媛ファンとしてはこれで勝利を信じて疑わないだろうし、私も「なかなか面白い投手戦を見たな」という感想だった。でも「勝負は下駄を履くまでわからない」。5月に観戦した関西独立リーグの試合では2日連続で「9回表裏の大攻防」というのを見ているだけに・・・。

Dscn1598この回先頭の松井がレフト線へのヒット。レフトの打球の処理が遅いとみるや、一気に二塁まで進む。この後死球もあって一死一・三塁。ここで先ほどタイムリーの吉川が、今度は左中間に大きな当たり。2人のランナーが返り、これで4対3と逆転に成功。大喜びの長崎ベンチに対し、愛媛の選手と一塁側のファンからは大きなため息。目前の勝利がするりと逃げていった。守護神でもこういうことがあるのだ。

ただ、野球の神様はなかなか下駄を履かせてくれない。9回裏、長崎のマウンドにはこれまで投げ続けた酒井に変えて、こちらも抑えの上村。いかにも「アメリカ仕込みですねん」という感じの投球フォームで、この投手も根鈴と同じように、あちらこちらの国のリーグや独立リーグを渡り歩いたという。

Dscn1605一死後、6番・大津も一塁への緩いゴロ。一塁・林がつかんでベースカバーの上村にトスするが、上村の足が離れてセーフの判定。これで首の皮一枚生き残り、続く7番・高田が右中間への三塁打。これで4対4の同点となり、なおも一死三塁とサヨナラのチャンス。一旦はため息の一塁側も大騒ぎとなる。

その後、2四球(敬遠含む)で二死満塁となり、打席には2番・寺嶋。近くのファンから「寺嶋はダメだよー!」という声があがる。確かにピリッとしないプレーがあったからな・・・・。それでも、そういうことは本人が一番気にしているだろうし、愛媛の沖監督もそこにかけたのだろう。

Dscn1612寺嶋の打球はセカンドとライトの間へ。ポテンヒットでサヨナラか!とファンが総立ちになった瞬間、そこには巨体をスライディングさせたライト・末次の姿があった。ボールは確かにキャッチされており、これで3アウト。延長戦は行われないルールなので、これで引き分けということになった。

Dscn1614試合終了後、両チームの選手が挨拶を行ったが、いずれのチームの選手からも無念そうな表情が伝わってきた。愛媛の応援団は「負けたわけではありません!頑張ったじゃないですか」と言っていたが、9回裏に押し切れなかったのかという落胆が大きいようだ。「やっぱ首位のチームはそう簡単には負けんわ」という会話も。

Dscn1622入場口での「お見送り」でも、引き分けに終わった選手を励ますファンたちの姿が多く見られた。私も何人かの選手にサインしてもらったが、残念そうな表情が並んでいたように思えた。

さて、今日は逆転につぐ逆転で最後まで競ったことも含めて、球団、ボランティアスタッフ、そしてファンが一体となって応援する光景が観られたのが印象的だった。後は、リピーターだけではなく新規の観客をいかにして開拓するか、スポンサー集めにどうつなげていくかということだろう。それは、企業の多寡というよりは「地元のおらがチーム」の意識が高い地域かどうかによるところが大きいだろう。それが関西とその他のリーグの差になってしまっている。

関西独立リーグの関係者も、これから自立を目指すのであれば他リーグの試合に足を運んでみる(当然やっているとは思うが)ことでヒントを得られるところがあるのではないだろうか。熱い時間を過ごした後で、思ってみたことである・・・・。

(おまけ)

Dscn1541この試合中、愛媛のスポンサーを紹介するのに、大相撲の懸賞の垂れ幕が土俵を回るように、スポンサー名が書かれた紙を子どもたちが持ってグラウンドを回っていた。その中に「石毛野球塾」があった。「石毛」って、あの石毛宏典氏のことだろうか。四国ではギクシャクし、関西では名前に泥を塗られと災難続きのようだが、こうして名前が出るところを見ると、まだまだ意気盛んのようだ。

Dscn1255もっとも、もし塾の先生がこちらの石毛さんなら、ちょっとイヤなんだけど・・・・。

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採用活動が始まります

2009年06月05日 | ブログ

プロ野球オリックス・バファローズの人たちというのは、プロとしてのプライドがあるのでしょうか。

せっかくの阪神との交流戦、NHKの総合テレビまでが関西地区限定ながら生中継するというカードであるが、まさに「関西ダービーで阪神の引き立て役になれ」とでも言われているかのような選手起用、ヤル気のないプレーの連続。憎き阪神を倒してこそ名が挙がるというのに、明日の新聞の見出しは「ブラ砲」で決まり。しょーもない試合しやがって、オリックスは「無気力相撲」でもやってんじゃないの??と言いたくなるぞ。いや、無気力相撲のカド番大関のほうがまだ気力があるぞ・・・・。

200906051242000_2さて、今日の昼間は大阪・中之島公会堂へ。労働基準監督署の主催による、来年春に高校・中学を卒業する生徒たちの採用活動に向けてのセミナー出席である。この春の入社した高校卒業のルーキーたちも着実に技術を覚えようという姿勢が見られるし、現場に出る姿も少しずつなじんできたのが楽しみであり、来年もいい「戦力補充」が出来ればよいなと期待する。今年については私も採用活動に加わるので、楽しみとともに責任も増えるということで緊張するな。

中之島の公会堂の中に入るのは初めて。大正時代からの内装に目をうばわれるものである。今でもこういうセミナー等で現役で使われているのは喜ばしいことだ。

大阪の企業人権推進団体の方からの講演もあったが、採用選考にあたっての「就職差別」を行わないようにというのがその内容。今でこそあからさまな就職差別は影をひそめるものの、面接時の質問についても気をつけるようにという話があった。

例えば「お父さんの職業は難ですか」とか「ご自宅は、国道○○号線からどちらの方角ですか、近くに何がありますか」というのは、家族や家庭環境など、本人の能力に直接関係のないことについての質問ということで、それが採用担当者の悪意がないにせよ、「父親の職業」や「居住地」による就職差別につながるという事例も紹介される。

また、思想・信条につながる質問として「あなたが尊敬する人物は誰ですか」「家ではどこの新聞を取っていますか」というのもNG。

そのココロは、質問する採用担当者の側に、その答えに対する「ステレオタイプへのはめ込み」が生じ、それが「偏見」につながっていくのではないかというもの。「大阪人はせっかち。だから○○」、「女性はメカに弱い。だから○○」という決め付けである。「家が○○だから、こいつはアカンのや」ということがその人を正しく評価しない、差別だということなのだろう。

ふと思うのが、少し前の記事で書いた、「あなたには彼女はいるのか?」という質問。うーん・・・これは家のことや家庭環境とは関係なく、「己の才覚」と言われればそれまでやし・・・。

一方でこういうやり取りははどうだろうか。私が面接官で、「プロ野球はどこのファンですか」と受験者に尋ね、相手が「熱心な阪神ファンです」と答えた場合。私のことだから、「パの他の球団ならいい、しかし阪神ファンは○○○、だから・・・・」と口をすべらせてしまい、この後、大阪の街を闊歩する黄色いのを着た人たちと関西のマスコミに路上で囲まれるのも敵わないので何も書きません(ということを言っている時点でステレオタイプにはめてますな)。

いや、人権尊重、就職差別撤廃の精神はわかるし、その人自身を評価せよといっても、今の高校生、中学生がどの程度の自己表現ができるのかということがある。やはりその人を取り巻く環境についてもある程度知らないと、という本音があり、難しいものである。そこは相手を尊重する気持ちと、「何のためにそれを尋ねるのか、それを尋ねてその答えを聞いてどうするのか」ということを自問自答することで、クリアするしかないかな。後は、アプローチの仕方も学ぶ必要がある。

この夏は、プロ野球のスカウトほどではないが、高校への指名挨拶回りも待っている・・・・。

PS。明日あさっては「瀬戸内少年野球団の旅」です・・・・。早く寝なければ。

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選挙公報

2009年06月04日 | ブログ

今夜は、昨夜こしらえたカレーの夕食。思ったとおりにドロドロに仕上がっており、私の好みかな。ただ一点難をあげるとすれば、すじ肉といってもボイルしたほうは硬くなってしまい、しょっと失敗かなと。

さて夕食を摂りながら、新聞受けに入っていた「尼崎市議会議員選挙」の選挙公報を眺める。12ページまであるもので、定数が何名かはわからないためこのうち何名が通るのかは別として、それぞれの思いをまとめている。

目立つのは公明党、共産党。特に公明党議員が多いのが気になる。それだけこの市内には支持母体の方たちが多いのだろう。まあ、黙っていても全員当選なんだろうな。

Dscn1432ふと思うのだが、こういう選挙公報の画像を、特定の候補者を支持・PRするためではなく、「こういうものがある」ということでブログに公表するのは、公職選挙法に引っかかることなんだろうか・・・?(明確にそうだというのであれば、取り下げます)

各候補者の主張で目立つのは「子どもと高齢者の福祉の充実」「財政再建」「環境施策」といったところ。まあ、そのあたりが争点というところなのだろう。ただそれだけに、それぞれの違いがもう一つ見えにくいというのも事実。本人に会って、本当にどの程度の力量なのか測っているわけではないので・・・。

この土日は不在とするので、明日(時間が取れれば)期日前投票を試みる予定。

今一度、自分の住む町のこれからを見つめなおしてみようと思う・・・・。

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カレーでファイト!

2009年06月03日 | ブログ

・・・昨年の今頃に、北京五輪で惨敗を喫した星野、田淵というところがCMでうなってましたな。

それはさておき、久しぶりに自宅でカレーをこしらえてみる。いや、できるだけ自炊でいろいろなものを作ろうとはしているし、カレーは好物なのだが、「後片付け」がちょっと苦手なのであるので(カレーの鍋を洗うのは、結構脂ぎっていて苦労する)久しぶりのことである。ちょうど気分転換になるかな。

まあ、カレーといっても本格的にスパイスを組み合わせるというのではなく市販のものを使用するのだが・・・。サラサラしたスープカレーのようなのよりは、ドロっとしたほうが個人的には好み。

今夜のカレーは牛のすじ肉を使用する。赤いほうと、おでんの具でよく乗ってくるボイルのものの両方。

まずは玉ねぎを30分ほど炒め、そこに水を加え、すじ肉を入れる。その後に入れるのがトマト。私がつくる時は水の一部を置き換える形でホールトマトを使うのだが、あいにくと買い置きがなかったので、普通のトマトを刻んで入れる。

ルーの箱には「約20分煮込む」とあるが、大体1時間は煮る。すじ肉ともなれば少しドロドロになるくらいまで煮たほうがよいだろう。その間にいろんなことができますしな。

頃よしと見るや火を止めて、固形ルーを割って入れ、なじませる。あとはしばらく煮込ませて完成!

・・・・といいたいところだが、実は今夜の作業、明日の夕食を今から作っているのである。このブログを書いているのは、二段上の「その間にいろんなことができますしな」の「いろんなこと」の一つ。一日寝かせて味わいを深めようという、これもイメージ作戦。

さて、明日食べる時にはどのような味になっているかな・・・・?

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6月といえば・・・・

2009年06月02日 | ブログ

ジューン・ブライドですね(6月のブラゼルとはちゃいまっせ)。

今年もまた、この月に結婚するカップルが多いのだろう。幸か不幸か、私の知っている人で今年の6月に式を挙げる人はおらず、式に招待される予定はないのだが・・・。

話は変わるのだが、あの「池田小学校での児童殺害事件」が起こったのは8年前の6月。ネットでニュースを検索すると「池田小学校で"安全科"の授業が始まった」というのがあったので、そういえばということで思い出したのだ。この授業というのは、交通安全、防災、そして不審者から身を守る「安全」というのをテーマとしたもので、「命の教育」というのを掲げているとか。

まあ、池田小学校ならではの科目かもしれないが、小学生の時に命の大切さを教えるのは無駄なことではないし、「いざ」という時にどうすればよいかを考えるためのバックボーンを養うことも期待できる。こういう実際的な教育が実を結ぶかどうか、見守っていきたいものである。

ところで、なぜ最初に「結婚式」のことを持ってきたかといえば、池田小学校の児童殺害事件の犯人で、すでに死刑執行された宅間守というのが、「獄中結婚」していたという事実に、私の中で妙なしこりがあるから。

獄中結婚した女性がどのような人物で、どういう目的でそうしたかはわからないが、結婚というのが両性の合意で行われるという建前からしても、女性の同意で結婚したことには違いない。

8人の児童を殺害し、「自分は死刑になりたいんだ」と言って死刑になった男ではあるが、こんなヤツでも結婚できるのである。

それに引き換えわが身を振り返ると・・・・。

宅間以下やね。

ああいう、ちょっと異常なくらいのヤツのほうが、魅力的に映るんでしょうな。そのことだけでも、正直胸がムカつく。私も異常になったほうがモテるかな????

これを書いていて思い出したのがもう一つ。学生時代、就職活動であれこれの会社を回っている中で言われたこと。

「あなたは、彼女いるの?」面接官に尋ねられた。

「いや、いません」そう答えると、「じゃ、ウチの会社はダメだね」といわれる。

そのココロはというと「大学生、ハタチを過ぎたというのに彼女の一人もいないようでは、それは異性からみてあなたは魅力がないということ。つまり、人間としての魅力に欠けるということだよね」とのこと。

それも一理あることでしょう。もちろん、現在勤めている会社ではありませんが・・・・。

世の中「婚活」がブームというけどね・・・・。縁のない者には関係のない話でしょうか。

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選挙に関心が持てません

2009年06月01日 | ブログ

政府与党は国会の会期を7月28日まで延期する方針を固めたという。このことで、焦点となっている衆議院の解散総選挙というのは、8月30日に実施という線が強くなったとか。

はあ、そこまで延びましたか。ほとんど任期満了に近い時期ですな。

一時は今年の早い時期に解散するのではないかと言われており、それなら1月に住民票を移した私は現住所での選挙権がなく、そのためだけに東京に行くのも変な話やなと思っていた。衆議院の勢力図が決まった前回2005年9月実施の「郵政選挙」。その年の6月に大阪から東京転勤ということに相成ったのだが、5月末に業務引継ぎで東京に出向いた際に住民登録を済ませていたために、9月の選挙に間に合ったという経験があったので・・・(6月の引越し後に住民登録をしていれば間に合わなかった)。

さてそうなれば各党もマニフェスト作りやネガティブキャンペーンに忙しくなるだろうが、相変わらずの政争を続ける政党には正直物足りなさを感じている。本当に国家百年の計を考えているのだろうか。

かくいう私の現住所のある尼崎市。ここは兵庫8区にあたるのだが、小選挙区で選出されているのは公明党の冬柴鐵三・元国交相。全般的に公明党の支持基盤が固いところなのだそうだ。新聞による次期選挙立候補予定者は社民党と共産党の人という。「自民対民主」ではなく、「公明対社民」という、マイナーな対決。まあ、支持母体の大造反でも起こらない限り公明党が勝つのは目に見えており、選挙への興味がやや薄れている気がする。

こうなれば、自分の行使できる比例代表という「もう1票(国会議員選挙では、一人につき2票持っているという考え)」をどう使うかの見極めが必要。これからよく考えてみたいものだ。

そんな中、昨日の日曜日に出かけた折、駅前などにやたら人が多いなと思っていると、次の6月7日には尼崎市の市議会議員選挙が行われるというのである。掲示板にはポスターが並び、街宣車の呼びかけや街頭演説が行われるという、昔ながらの選挙前の光景が見られる。ただ、こちらに移って半年足らずの私にとって、誰が自分の最寄の地区から選出されており、どういう人間なのか全くわからない。当日の投票整理券も送られてきたが、正直誰に入れたらええんや?(昼間は勤めで外に出ているので、候補者と接する機会もなく)

掲示板にダーツでも投げて、それに当たった人に入れるとしますか・・・・。あ、ポスターを傷つけたということで、お縄を頂戴することになるか。

こういう時、気軽にインターネットで情報が入手できればよいのだが、公職選挙法に引っかかるということか、選挙に関するトピックスは何もなし。市議会議員選挙には選挙公報があったかな、どうだったか・・・。

一部の候補者がホームページやブログなどで選挙運動を行うのが不公平ということでインターネットの活用を禁ずるのはわからないでもないが、ただ、「どういう人が出ている」「こういう政策を掲げている」ということを知らしめないと、選挙への関心は高まらないだろう。肝心の選挙期間中になると情報がシャットアウトされるというのでは、判断材料に困る。

現在はインターネットで情報を仕入れるのが当たり前になっているのだから、公的な立場、中立な立場でそのようなことを公表することは悪いことではないと思うのだが。選挙公報のWEB版みたいなのをこしらえればよいのではないか。PDFを貼り付けるだけでも全然違うと思う。

選挙改革を唱えるのであれば、議員の世襲禁止やら定年制やらということよりも、「もっと開かれた選挙」「投票率の上がる選挙」を前面に出した改革というものをアピールしてほしいものである・・・・。

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