まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

神の子たちの仁義なき戦い

2007-05-28 | 南米映画
 ショック!突然のニュースに、ウソやろ~!?と、しばらく呆然唖然。
 松岡大臣の自殺も驚いたけど、それ以上に衝撃を受けたのが、ZARDの坂井泉水の事故?死。子宮ガンで闘病中だった、という事実にも驚愕。
 私が遊び盛りの頃、カラオケの定番は、小室系とビーング系。私は専ら後者。ZARDもガンガン歌ってました。こないだのGWも、「負けないで」とか「マイフレンド」とか熱唱したばかりだったのに...
          
 マスコミ露出がないことが売りの一つだった坂井泉水が、まだTV出演していた頃、Mステで初めて彼女を観て、うわっすげー美人!誰!?と目を奪われたことは、今でも鮮烈に覚えてます。
 死因も謎めいてるし、最期までミステリアスなイメージを保ったまま、消えてしまったなあ。今はただ、ご冥福を祈るだけ...
 
 「シティ・オブ・ゴッド」
 発展途上国の無法・紛争ものにハマっているmy sister M子が、超おすすめ!と貸してくれた作品。何年か前のアカデミー賞で候補にあがるなど、高く評価されてたので興味はあったけど、なかなか観る機会がなく、やっと鑑賞。
 ブラジル・リオデジャネイロにある、“神の町”と呼ばれる貧民街。そこは、子供や若者たちによる強盗・殺人・麻薬売買が横行する死と暴力の無法地帯だった!
 ひえ~!び、びっくり!こ、こんなん実話だなんて、信じられない!ていうか、信じたくない!怖い~!ひどい~!
 年端もいかぬガキンチョどもまで、ピストルもって武装。ガンガン殺しまくる!もう、気にくわねえ!ってだけで、バン!あまりにも平然と、蚊でも殺す感覚で簡単に人を殺すところに、ゾゾゾ!やられる前にやる!やられたらやり返す!それが掟!な街、絶対住みたくない~!香港やニューヨークどころじゃない。まさに、屍累々なヴァイオレンス&アナーキーな地獄!北斗の拳も真っ青!
 あまりといえばあまりなヒドさなんだけど、不思議なことに、そんなに悲惨な感じじゃない。そこが、この映画の独特さ・面白さです。暴力地獄を支配する若いギャングたちが、悲壮でありながら、それを楽しんでいるかのような様子が、怖いけど生き生きとしていて、微笑ましくさえなってしまうほど。渦巻く非道な暴力が、すごく軽快なポップ感で描かれてるのです。ノリノリでKill you♪みたいな。福山雅治の歌じゃないけど、Gang★みたいな。音楽や構成、編集もユニークで、ワイルドだけど才気にあふれてます。
 若者たちの抗争劇は、より過激になった「仁義なき戦い」です。日本のヤクザ映画のように、ギャングメンバーのキャラが、それぞれ個性的かつ魅力的です。
 街を牛耳る最凶ボス、リトル・ゼが強烈。ガキんちょの頃から、トンでもない外道っぷり。ヤバすぎる狂犬。でも、何か憎めない不思議なキャラ。誰もが恐れる悪の王様なのに、ブサイクなので女には相手にされず、マスコミは敵方の男前を優先的にフォーカス、そのことに劣等感を抱いてイライラしてるところとか、いじらしい。親友で右腕的存在のベネへの屈折した友情も、哀れ。恋人ができ、引退しようとするベネに、こんな売女となんか行かせねえ!とダダをこねるところとか、微かにmy YAOIレーダーがビビビ!
 人望ある穏健派、メガネのベネくんが、かっこかわいいです。せっかく足を洗おうとしてたのに、ああ~彼を喪ったせいで、ますますコワレていくリトル・ゼの狂いっぷりが、怖い...
 主人公で語り部のブスカペも、なかなか味のある少年。ギャングと否応なく関わってしまいつつ、上手に距離を置いて観察してるところとか、したたかで賢い。憧れの女の子とエッチして童貞を捨てるはずだったのに、彼女ったらベネくんとラブラブになっちゃって、ガックリ。俺も悪くなってやる~!と強盗しようとしても、襲おうとした人はみんな良い人ばかりで、結局仲良くなってばかりで何もできない。あと、自分の撮ったリトル・ゼの写真を新聞に勝手に載せられ、殺される~とビビってたら、当のリトル・ゼはアホみたいに大喜びしてた、とか。
 そんな笑えるエピソードとか、ギャングだけどやっぱ少年なんだよなあ、と思わせる無邪気な言動とかが、残酷無残さと混ざり合っていて、単なる暴力映画とは一線を画しています。
 とはいえ、やっぱ悲惨すぎる内容。どんな理由があれ、暴力には暴力の報いが返ってくる因果応報に、ラストまで戦慄させられます。
 
 
 
 
 
 
 
 
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残酷な太陽

2006-08-06 | 南米映画
 今日は、原爆記念日。
 広島に原爆が投下されて、今年で61年目になります。
 およそ不信心な私ですが、8月6日の朝8時15分には、必ず起きて黙祷します。広島に生まれ育った者として、どこにいても、どこに住んでいても、原爆記念日の朝には、鎮魂の祈りを捧げずにはいられません。私の祈りなんて、ちっぽけで不浄かもしれないけど...
 いま、原爆ドーム近くに、高層マンションが建築中であることが、物議を醸しています。
 ううむ。何も原爆ドームの目の前に、マンションおっ建てなくても...無神経というか、批難されることを分かってて建ててるんだから、ある意味豪快というか。
 窓から東京タワーならオシャレだけど、原爆ドームが見える部屋には、住みたくないなあ。
 
 「ビハインド・ザ・サン」
 「モーターサイクル・ダイアリーズ」や「セントラル・ステーション」など、心に残る佳作を作り続けている、ブラジルの名匠ウォルター・サレス監督の作品。
 土地をめぐって、血の報復合戦をしている二つの家族。
 20世紀の話とは思えないほど、横溝先生や金田一耕助も真っ青な、古い野蛮な因習に呪縛されている人々の姿が、恐ろしくも哀れ。 
 殺し合いが当たり前なんて、まさに無法地帯!こんな村、絶対住みたくない!
 そして、あまりにも惨い青少年虐待! ひ、ひどい!こんなこと、あっていいのか!? 
 主人公の青年と、その幼い弟は、まるで家畜のようにコキ使われ、学ぶことも遊ぶことも許されず、重労働と極貧生活を強いられている。それどころか、親父は掟!とか名誉!とかいって、青年に人殺しさせるし。復讐で殺されるまで、しっかり働け!だなんて、まさに鬼畜な父親。おまえが死ね!母親は黙って従うだけだし。
 こんな親や村を捨てて、弟を連れてさっさと家出すりゃあいいのに。名誉とかって、そんな劣悪な貧乏生活で、名誉もクソもない。それに名誉じゃなくて、どう考えても私怨だし。戦慄と同時に、バカバカしいにもほどがある!もっと命を大事にしてー!!
 主人公の青年役は、ロドリゴ・サントロ。めっちゃ男前です。ピュア&ワイルド。ガエル・ガルシア・ベルナルと並ぶ、ラテンの貴公子です。
 ガエルやロドリゴに代表される最近の若手ラテン男前は、バンデラスやハビエル・バルデムのような、こってり特濃系ではなく、濃さが適度なので、胸焼けすることなく味わえるんですよね。
          
 ロドリゴのラブシーンが、大したことなくて残念。「チャーリーズ・エンジェル2」で見せた、あのナイスバディhttp://kekelaniston.weblogger.terra.com.br/img/santoro_poster1.jpgが...もったいない。
 ロドリゴの弟が、めちゃ泣かせるキャラです...涙。畠山すずかに見せてやりたい。
コメント (2)
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