まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

イケメン銀行

2023-10-11 | 日本映画
 「アキラとあきら」
 大手銀行の新人行員として出会った山崎瑛と海堂彬。育った環境も性格も違う二人は、銀行の在り方について互いに相容れぬ考えを抱いていたが、やがて人生を賭けた試練に協力して立ち向かうことに…
 今を時めく(?)竹内涼真と横浜流星の競演。売れ始めた頃は、どっちも???な存在でしたが、最近は見た目も演技も魅力的になってきて、二人とも今では好きな俳優さんに。なので共演は嬉しかったのですが、映画の内容にはあまり惹かれなかった。みんな大好きな池井戸潤先生の作品、という点でもう躊躇するものが。池井戸先生の作品って、私の好みとはまさに対局にあるといっていいかも。私、善い話より悪い話のほうが好きなので私の大好物である毒、魔、色、とは無縁な池井戸先生の、日曜日の夜に家族で楽しく観られる系の映画やドラマは、つい敬遠してしまう私です。この映画に先んじて映像化されたドラマ版も、向井理と斎藤工の共演だったので観たのですが、うう~ん。あまりの毒・魔・色のなさにトホホ、途中リタイアしてしまいました。なのでこの映画も…?

 W主演の竹内涼真と横浜流星は、どっちもイケメン、いい演技で、20代前半の頃に比べると確実に役者として成長してるし、いい男にもなってると思いました。瑛役の涼真くんは、長身な上にかなりゴツくなってきてて、素敵な体格に。逞しいけど顔ちっちゃくて手足長くて、スタイルもいい!爽やかな男らしさが魅力的。声もいいですね~。長い専門用語台詞も頑張ってた。東大卒のエリート役にはちょっと違和感な、頭悪そうなヘボい顔も可愛いです。静かなる情熱と高い理想を抱く瑛を、優しく熱く演じてた涼真くんでしたが、瑛がどうもいい子すぎ、欠点なさすぎで、人情ドラマなのに人間味が薄く感じられました。それは彬役の流星くんも同じ。

 最近は脱イケメンな仕事ぶりで、個性派俳優へと成長している流星くんですが、今回の彬役はイケメンに回帰、ていうか逆戻りしてた感じ。冷たい美貌、クールなキャラ、見た目のイメージ通りな役と演技は、最近の流星くんを高く評価してた者としては、ちょっと残念でもありました。エリートの御曹司だけど、すごくいい子なところもつまんなかった。ゲスとクズばかりな韓国の財閥御曹司みたいな役を、いっそ演じてほしいわ。長身な涼真くんと一緒のシーンだと、すごく小柄に見えました。

 涼真も流星も、若くてイケメンで演技も悪くない、だからこそ否めなかった物足りなさ。この映画の二人に満足できるのは、彼らの熱烈ファンか、彼らには無関心派でしょう。前者は彼らの姿を見るだけでOKでしょうし、後者はイケメンにしては学芸会じゃないなと感心するでしょう。そのどっちでもない私は、無難な役と演技を二人にさせるのがもったいないと思った。将来を嘱望されてる二人だからこそ、つい厳しい目でこの映画を観てしまいました。役者魂炸裂な、若いうち、きれいなうちにしかできないような役で、衝撃と感激を!と期待しています。

 映画というよりテレビドラマみたいでした。銀行も財閥一家の問題も、結局は人情に訴えて解決!な展開も、いい話だね~…と冷血人間の私は鼻白んでしまった。よかった点は、Wアキラに女が絡んでこなかったこと。余計な恋愛ドラマがなく、女っけがほとんどなかったのが、返って清々しかったです。子どもの時に出会い、大人になって銀行で再会するWアキラ、その運命には腐心を刺激するものが。やはり女には醜い憎悪やキツい敵愾心、男には厚い信頼と深い敬意がドラマになりますね。男同士の強い絆は、ほとんどBL。Wアキラも、キスしそうなほどの近距離で向かい合ったり、せつない表情や優しい笑顔で見つめ合ったり。お互い、俺たちは運命だとかモノローグしてたし。ラストなんて、あんな所にわざわざ互いに会いに行ったの?カップル成立じゃん♡なんて、勝手に妄想応援したくなる二人でしたカップルになったら、やっぱ瑛(涼真)が攻めで彬(流星)が受け?


 特にライバル関係にもならず、早い段階で友好的になる二人なので、緊張感ある火花バチバチな演技やシーンはなし。そこも映画を平凡な出来にした要因です。濡れ場はなくとも、せめて着替えシーンとかシャワーシーンとかで無駄脱ぎぐらいはファンサービスしてほしかったかも。肉体美も二人の武器なんだしね。セックスどころか排便排尿さえしてなさそうな、キレイキレイキャラなWアキラ。若い男があそこまで清潔だと、返って気持ち悪い。もうちょっと人間臭い部分もあればと思いました。

 ↑ この二人でぜひBL映画を!「ブエノスアイレス」や「ブロークバック・マウンテン」みたいなシリアス系でもいいし、こないだ観た「僕と幽霊が家族になった件」みたいなコメディでもいい(^^♪
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イケメン&イケオジ 拳闘プライベートレッスン

2023-10-09 | 日本映画
 「春に散る」
 不公平な判定負けをして以来くすぶっていたボクサーの翔吾は、元ボクサーの老人仁と出会い彼に教えを乞う。重い心臓病を患う仁はそれを拒むが、いつしか翔吾の情熱と才能は仁の闘志を甦らせて…
ヴィレッジ」に続いて今年2作目の横浜流星主演作。再来年のNKH大河ドラマ主演など、まさに現在キャリアは昇竜な流星くんですが、あれれ?この新作、あっという間に劇場上映が終わった。危うくチケット無駄にするところでした。ヴィレッジといい、終わるの早すぎるわ。聞くところによると、両作とも興行成績が芳しくなかったとか。コケ連続で、横浜流星ではヒット無理、なんて言われてるみたいですが。私はヒット狙いの幼稚な漫画映画よりも、流星くんの選んでる出演作のほうに惹かれるし、地味だけどクオリティも高いと思ってます。わらわらいる若手イケメン俳優とは一線を画す、その独自路線は今後も貫いてほしいものです。

 他の若いイケメン俳優が演じないような役を、あえて選んでるような流星くん。その美しい顔にそぐわぬ、いや、美男の彼が演じるからこそユニークでインパクトがある役と演技も、エキセントリックで奇抜なことやれば演技派だと勘違いしてるような自称演技派俳優と違う地味さがあって、そういうところが好ましく感じられます。今回はボクサー役、凡百なイケメン俳優や某事務所タレントだったら、いかに自分をカッコよく見せるかに腐心するだけ、あるいは普段はヘタレだけど実はスゴい奴みたいな漫画演技になるところですが、流星くんはそのどっちでもない。非現実なことや奇をてらったことはせず、すごく人間的で真摯な感じがよく伝わってくる演技。


 もちろん、すごいイケメンなところも彼の魅力。翔吾みたいな一般人、そのへんには絶対いませんし、翔吾みたいなボクサーいたら、アイドル的人気になるでしょう。劇中でそんな扱いされないのが不思議なくらい美男子なのですが、顔だけだと全然タイプじゃない、むしろ苦手系な美形見た目じゃなく役と演技で魅せている若手俳優、という点が私にとって稀有な存在。今回はちょっと田舎のヤンキー風ファッションと髪型、役作りで増量したからか顔がいつもより丸くなってたおかげで、今まででいちばん可愛く見えた。冷たい暗い酷薄なイメージを覆す、単細胞で熱血ド根性な流星くんも新鮮でチャーミングでした。

 この映画の最大の見どころは、もちろん流星くんの美しい体。もともと少年の頃から空手に打ち込んでいたという彼の、イケメン俳優や某事務所アイドルのちょっと鍛えました的なものとは違う、俳優とは思えぬ鍛え抜かれた格闘ボディはお見事の一言。すごいストイックな生活してるんだろうな~。驚嘆の肉体美ですが、私はボクシングよりも柔道、バキバキ筋肉よりもガチムチ系がタイプなので、セクシーさはあまり感じず。「流浪の月」の流星くんのほうがエロいです。特訓シーンやボクシングの試合シーンも、リアルで迫力あり。

 男たちの熱い闘いと絆の物語、確かに女子受けする内容ではないので、ヒットしなかったのも納得。おなごに媚びないと商売になりませんからね。でもイケメンとイケオジのブロマンスは、腐女子なら楽しめるはず。ツーショットだけで腐的妄想を抱いてしまう二人ですが、残念ながら同性愛的匂いは微塵もありません。二人の周囲にあんなに人がおらず、二人だけの濃密な孤独の中での共闘だったら、きっともっと美味しいブロマンス映画になってたでしょう。この人、要る?なキャラが多かったような。特に女性二人。いなくてもいい、むしろ余計と思った。仁と翔吾、まさに咲き誇って散る桜のような命と夢でしたが、刹那でも悔いなく魂を燃やすことができた二人。私には幸せな結末に思えました。

 仁役の佐藤浩市も、相変わらずカッコいいです。老人呼ばわり、爺さん扱いされるのが不自然なほど、まだまだイケる現役熟年。必死に若作りしてるイタいおじさん俳優が見習うべき年齢の重ね方。すごいキレイなロマンスグレイ。それはそうと仁さん、翔吾と出会う前までは、昔の仲間を集めていったい何をするつもりだったんだろ?高齢者シェアハウス?仁が手入れした借家、庭も内装もおしゃれで爺の家っぽくなかった。昔の仲間役は、片岡鶴太郎と哀川翔。二人とも真面目に演じてるんだけど、何だか存在じたいがコントみたいで笑えた。仁の姪役の橋本環奈ちゃん、メイク感がないすっぴんっぽい肌がめちゃキレイ!仁の旧友役の山口智子、久々に見たけど昔と芸風が変わってないですね。顔はさすがに老けたけど、BBA臭ゼロな抜群のスタイルと颯爽とした風情は、まさにハンサムウーマン(死語)。

 ↑ 漫画映画は他のイケメンに任せて、これからもブレない独自路線を歩んでください!でも、若くてきれいなうちに、濃密濃厚な大人の恋愛映画(できればBL)にも挑戦してほしい!

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最強の童貞DK

2023-09-03 | 日本映画
 「Gメン」
 女子に人気の男子校武華高校に転校してきた門松勝太は、他の生徒たちから隔離された不良や問題児ばかりの1年G組に配されるが、すぐに仲間もできて楽しく過ごすようになる。そんな中、伝説のグループであるGメンによって壊滅されたはずの極悪組織、天王会が再び動き始めて…
 大好きな岸優太くんが初主演した映画、観に行ってきました~(^^♪岸くん、いいですよね~猿みたいな可愛い顔、小柄だけど筋肉質な体、男らしい雰囲気、すべてがMYどストライクなんよね~。バラエティや歌番組でしか見たことがなかったので、俳優としての岸くんがとても楽しみでした。彼の天然アホの子キャラは、演技力もかなり高いのでは?と思わせるものがありましたし。

 加えて、原作漫画も好きなんです。大昔に男の部屋にあった小沢としお先生の初期の作品「フジケン」にハマったことが。フジケンに比べると、Gメンは格段に絵が上手になってる!フジケンもGメンも、笑いのセンスと主人公や男の子のキャラが魅力的。好きな漫画の実写化は不安と不満が付き物ですが、この作品は悪くなかったと思います。よくない点も多々ありましたが。岸くんをカッコカワイく撮る!という至上命題は、どうにか果たせてはいました。

 現在26歳の岸くんですが、高校生役にあまり違和感はなかったです。もっと老けた現役高校生、実際にいるもんね。漫画の勝太に比べると、さすがに大人っぽい落ち着きがあって、目つきがシャープでしたが。童貞にも見えなかったし(笑)。周囲に比べると、岸くんas勝太はあまりバカやったりはせず、戸惑ったり引いたりしてる様子が可愛かったです。岸くんといえば肉体美、でも残念ながらサービス脱ぎはいっさいなし。可愛い演技、おバカ演技よりも、仲間のために満身創痍で戦う男気演技のほうの比重が高かったかも。ケンカシーンは鋭く、かつダンスのように美しかったです。ただ、ちょっと甲高い声が私の苦手なN居の声と似ていて

 普段はアホ&ピュアな子だけど、実はワケアリ男子で、怒ったらケンカ無双になる勝太の二面性が、何だか岸くんご自身とカブります。テレビで一生懸命可愛くアホな子を演じてるけど、そんな仮面の下に実力と懊悩も秘めてる岸くん。某事務所を辞めて新たな道を進もうとしてる彼もまた、勝太のように仲間に愛されながら、いろんなことと闘いながら、さらなる飛躍を遂げてくれることでしょう。でも、平野くんもだけど、岸くんがこの先いったい何を目指しているのか、よくわからないのが心配。いい俳優になってほしいけど…
 勝太の仲間たちも、アラサーやアラフォーの俳優やタレントが演じてます。ほとんどおじさんのDKコスプレですが、学芸会な10代20代の子たちにやらせるよりも、ある程度キャリアも演技力もある彼らで返ってよかったと思います。でも、はしゃぎすぎな悪ノリ演技はかなりサムいし鬱陶しいです。田中圭も出てるし、ノリがなんか「おっさんずラブ」っぽいなと思ったら、同じ監督だった。納得。
 原作でいちばん好きなキャラである伊達先輩役が、高良健吾だったのがちょっと…高良くんはイケメンだしいい役者ですが、伊達先輩じゃないよな~。

 クールで硬派な男前、そしてゲイである伊達先輩。彼の勝太への切ない愛、少年漫画を読んでこれほど胸キュンしたことない。映画でも、私が大好きな二人のデートと告白シーンがあったので嬉しかったです。勝太にフラれても、いつも彼を見守ってピンチの時は必ず助けてくれて、勝太が他の男と仲良くしてたらモヤモヤもする伊達先輩と、先輩をフっても可愛く甘えてますます惚れさせる天然魔性の男子な勝太。この二人だけの物語だけでよかったかも
 勝太と仲良くなる超絶イケメン拓美役、竜星涼もカッコカワイかったです。



 顔、小さっ!背、高っ!手足、長っ!スタイルよすぎでしょ!美男子というより、ぽわわんとしたユルい可愛い童顔。イケメンで誰にでも優しくケンカも強いのは原作と同じだけど、拓美ってあんな大ボケかましまくるキャラだったっけ?岸くんと竜星くんとの身長差カップルも、なかなか萌え~。イチャイチャ仲良くしてるシーンや、お互いの秘密を打ち明け合うシーンで見つめ合う二人とか、かなりBLテイストを狙った演出だと思いました。勝太の伊達先輩や拓美とのBL(?)がいい感じだったので、勝太と拓美の女との恋愛パートがすごい邪魔!要らん!と思えてほんと腐りきってますね私
 岸くんと竜星くんがなかなかハマってたので、続編が製作されるといいな。でも岸くんがあまり俳優業に意欲的ではなさそうだから、やっぱ無理そう?

↑ この肉体を活かした役を演じてほしいものです
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彼は情夫

2023-08-09 | 日本映画
 「セフレの品格 初恋」「セフレの品格 決意」
 バツ2のシングルマザーである抄子は、高校の同窓会で初恋の相手だった一樹と再会し、ホテルで関係を持つ。結婚も恋愛も相手に求めないセフレになることを、一樹から提案された抄子は…
 大好きな青柳翔目当てで観に行きました。青柳さん、最近はいい感じに熟れ始め、素敵なイケオジに進化中。加齢臭がするおっさんでもなく、青臭い若造でもない男盛り。若い時からの色気が発酵して、すごくジューシーになってきてます。日本にはイケメンや男前な俳優はいっぱいいるけど、男の色気があってそれを活かす役や演技ができる俳優は少ない。映画やドラマでバイプレイヤーとして活躍してる青柳さんですが、クセがあるだけの役じゃ何か物足りない、もったないないと思ってたので、大胆な濡れ場に挑んでいるというこの作品、とても楽しみにしていました。

 とはいえ、どうせ大したことはないんだろうな、とタカはくくってました。過剰な期待はせずに観に行ったのですが、どうしてどうして。青柳さん、なかなか頑張ってました!雄♂の色気がダダ漏れでした!どろんとした目と甘く低い声がエロい!舌をグショグチョ出し入れするディープキスも、リアルでねちっこくてエロい!若い頃のスマートで筋肉質な肉体美は、さすがにかなり崩れちゃってましたが、その脂ののったムッチリしたカラダは、返って生々しい色気が。いかにもジムで鍛えてます!なバキバキ筋肉とか全然エロくないもんね。ガッチリムッチリした感じは、私好みの熟れた肉体。周りの人がみんなちっこく見えるほど、長身で大柄なところも男らしくて好き。私もあのデカくて分厚いカラダに包まれたり圧し潰されてみたい

 青柳さんの濡れ場は、熟年らしく激しさよりもねっとりした感じでした。青柳さんの甘く意地悪な言葉攻め、女を抱いていても熱くならないクールさが、まさに大人のセックス。実際の青柳さんも、一樹みたいにどこか飄々としてて掴みどころのない、けど冷めてる男性なのではないかと推察。一樹の重苦しくないけどチャラくない、大人の男の落ち着きもご本人とカブってるのでは。とにかく、そこそこ知名度も人気もある、大手事務所に所属してる俳優にしては、果敢な仕事だったと思います。そんな俳優生命を賭けた!的な力みがないところも、青柳さんの魅力です。ただ、いっぱい脱いで濡れてるんだけど、ガチムチな裸体は何となくガッツリは見せない演出だったのが残念。やっぱり男優がお尻出さないと、エロさは激減します。その点、韓流の人気俳優たちはスゴいな~と、あらためて思いました。一樹は産婦人科医なのですが、女性の秘部を診察している時の青柳さんの冷めた表情と声も、何かエロかったです。

 相手の女優さんは、がっつり脱いで見せてました。でも、女優さんも抄子も魅力があまり感じられなくて。男とヤってる時のすごい甘えた声がちょっと気持ち悪かった。セフレと割り切れず、一樹に恋人みたいな振る舞いをするのも、何だかイタくて鬱陶しかったです。それにしても。男がいないとダメな抄子みたいな女性って、ほんとしんどそう。一樹の後はすぐに次の男(23歳のボクサー!)とセフレになるとか、私からしたらファンタジーに近い展開ですわ。しかもその男の子に、セフレはイヤだ恋人になりたいとマジ惚れされるとか、ありえなさすぎて笑えた。とにかく抄子みたいに、男に振り回されたり男を振り回したりな男まみれな人生、ぜんぜん羨ましくないです。潤いすぎるのもいかがなものか。私はカラカラに乾いてるけど平穏で清潔なゴビ砂漠でいいです

 ↑ ワイルドカッコカワイかった青柳くんも、成熟中のイケてるアラフォー青柳氏に。クセのある脇役でいい味だすのも悪くないけど、その色気を活かせる役をもっと演じてほしいものです
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めめ婚!異能の初夜

2023-05-21 | 日本映画
 「わたしの幸せな結婚」
 鬼や妖など人に害なすものと対峙するため、古来より異能をもつ者たちに守られている国。異能の家系のひとつである斉森家の長女美世は、幼い時に母を亡くし、継母と異母妹から虐待を受けながら使用人同然の日々を送っていた。そんな中、美世は異能の名家久堂家の当主清霞の婚約者として、久堂家で暮らすことになる。はじめは冷淡だった清霞と、しだいに心を通い合わせるようになる美世だったが…
 ドラマ「Silent サイレント」で好きになったアイドル、目黒蓮の初主演映画。年をとったせいか、若い頃なら絶対に観に行くことはなかったであろう映画も、嬉々として観に行ってる今日この頃の私です言うまでもなくイケメン目当てなのですが、そういう映画のほとんどは〇〇くんカッコいい~♡可愛い~♡でもそれだけ、なんですよね~。内容だけだと、やっぱわしのようなおっさんには無謀な選択じゃったわ~と失笑&苦笑する映画ばかりです。この目黒くん主演作も、そのご多分に漏れることはありませんでしたぶっちゃけ、他愛もないアイドル映画。でも、それは想定内。感動とか衝撃なんか期待するほうが間違ってます。お目当てのイケメン、目黒くんがカッコよかった、それがすべて。それ以上でも以下でもない、それ以外の意味などない映画なのですから。

 目黒くん、やっぱいいですね~。優しそうで清潔感があるところ、長身でスタイルがいいところが、他の某事務所タレントとは違います。イケメンなんだけど、冷たい美貌の青年って感じではないので、冷厳な人柄の眉目秀麗な軍人役には正直、無理があったような気も。はじめっから全然冷たそうに見えないし冷たくもない、とっても善い人なので、何か思ってたような話じゃない?と戸惑いました。コスプレにしか見えない軍服と和服も、カッコいいというより滑稽なのが何だか気の毒で。ちゃんとした日本の青年将校の軍服と和装だったら、と思わずにいられませんでした。

 長い銀髪?もコスプレ感ありすぎ。目黒くんにはやっぱ黒髪が似合います。何であんな髪色なの?長すぎて闘いにくそう!切れよ!と思ってしまった激闘してもあまり髪は乱れず、きれいなままなのも笑えた。いちばんツッコミを入れたくなったのは、お風呂のシーン。お!アイドル、イケメン俳優といえばのサービス無駄脱ぎキター!と思いきや、異能を使ってお湯をわかすだけで入浴せず!おい!あと目黒くん、顔だけじゃなく声もキムタクに似てる?ボソボソ声、怒鳴り声がキム氏とカブったのは私だけ?アイドルのステージのようなコスプレも演技も悪くないのですが、俳優として資質もあり、もう20代後半でもある目黒くんなので、次はもっと高いステージの挑戦を期待したいです。


 美世役の今田美桜ちゃん、可愛いんだけど中学生ぐらいにしか見えなくて、こんな小娘と結婚、そして子作りとかマズいやろと思わずにはいられなかった。美世のウジウジしつつも、私けなげでしょアピールや、さりげなく男の“俺が守ってやらねば”本能をくすぐるカワイコブリッコ言動が、あざとすぎてイラっとしました。継母と義妹のいじめが大時代的なベタさで笑えた。ほとんどコント。

 目黒くん以外の男子が、ワタシ的にはかなりビミョーだったのが残念。清霞の恋敵的役の男子は、武田真治似?目黒くんのバーターで、某事務所の若い下っ端タレントも何人か出てたはずですが、目を惹く子は特にいませんでした。清霞率いる青年軍人部隊が、チャラチャラ軟弱そうな大学のサークルみたいで、こんな連中に国が守れるの?と失笑。美世を拉致監禁拷問した連中に清霞が激高し、異能で屋敷を燃やしちゃったりするのですが、あんな風に異能を恣意的に使っていいの?そのへんの法整備とかできてるのか気になった。パラレルファンタジーワールド+乙女ちっく少女漫画なストーリーと設定は、わしにようなおっさんには甘すぎるチョコレートみたいなキツさでした。明治・大正時代がモデル?ゾンビな展開も笑えた。ゾンビ、みんな好きですよね~。CGも戦いもショボくて、そんなので解決すんのかよ?!なラストにも失笑。
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ながれぼしが堕ちた村

2023-05-04 | 日本映画
 「Village ヴィレッジ」
 霞門村のゴミ処理場で働く優は、過去に父親が起こした事件のせいで村八分にされ、母親の借金も抱えて絶望的な日々を送っていた。そんな中、東京から幼馴染の美咲が村に戻ってくる。優は美咲と愛し合うようになり、彼女と幸せな未来を築こうとするが…
 再来年のNHK大河ドラマの主演に抜擢されるなど、このところ勢いが破竹な横浜流星。彼も出世しましたね~。つい数年前は、無名の俳優やタレントに交じって芸能界筋肉番付みたいなバラエティで、裸になって腹筋とか跳び箱とかさせられてたのに。その頃からすごい美男子だなと思ってましたが、私が苦手なタイプの美形でもあったので、そんなに気になる存在ではなかったのですが、DVストーカー男を怪演した「流浪の月」を観て、いい役者じゃん!と感心して以来、すっかりお気に入りの俳優になってしまってます。この新作も、内容といい流星くんのヴィジュアルといい、面白そう!と公開を楽しみにしていました。で、どうだったかというと…

 流星くん、すごくよかったです!やっぱ彼、いい役者!今や若手イケメン俳優って、誰が誰だかわかんなくなるほどウジャウジャわらわらいて、まさに群雄割拠な激しい競争状態にありますが、流星くんはそこから頭ひとつ抜けた感じがします。美しさと演技力の両方を具えてる若手イケメン俳優って少ない、ていうか、才能や気概はあってもそれを活かす機会が日本の映画やドラマにはない、というほうが正しいのかな。そんな中、流星くんは安易で無難な作品ではなく、なかなかユニークな仕事を選んでると思います。役も演技も、他の同世代の人気イケメン俳優はやらないような挑戦的志向。この映画でも彼のそんな方向性を見てとれました。

 絶望に若さも人生も蝕まれ、心が朽ちた感じを目つき、ボソボソ声や雰囲気でよく表してました。まさに陰陰滅滅。暗い狭いゴミ部屋で、汚い布団の中で煙草吸いながらスマホでゲームしてる姿とか、フツーの男だったら見るに耐えぬ醜さですが、不思議と流星くんってそういう姿が似合ってて、かつ色っぽく見えるんですよね~。甘い退廃の匂いがするんです。こぎれいなイケメン役、いい子な役より、ちょっと崩れた饐えたような役のほうが断然イケてます。中盤、人生をやり直す希望とチャンスを与えられ、見た目もキャラも別人のような爽やか美青年に変貌する流星くんなのですが、ボサボサ髪と無精ひげのどよよ~んな流星くんのほうが、私には魅力的に見えました。あと、スネ毛が濃ゆいのも何かエロい流星くんです。

 それにしても。流星くんってやっぱ、類まれな美男子。どんなシーンでも、死角なしの美しさです。さすがに若いので、肌に艶があって時々あどけなく見えることも。ブサイクに見えるシーンは一瞬もないけど、私が苦手な美しさだなとはやはり思った。いい演技だなと思ったのは、違法埋め立て発覚後、レポーターに絡まれて始めは感情を抑えてたけど、親のことを持ち出された途端にブチギレるところ。顔も声も怖かった。あと、車を運転しながら美咲の弟に偽証を必死に下出になって懇願、断られるとブチギレるところも。「流浪の月」もそうでしたが、流星くんの不穏で激烈なブチギレ演技がホラーで好きです。

 この映画の優もですが、優しすぎる美男美女って不幸になりやすいんですね。もし優が性悪で非情で狡猾な青年だったら、あんなどん底生活は送ってなかったでしょうし。優ぐらいの美貌に恵まれてたら、ゴミ廃棄所で奴隷労働なんかしなくても、都会でいい暮らしできるはずだもんね。
 タイトルにもなってる村が、思ってたほど怖くなかったのが肩透かし。閉鎖的でおどろおどろしい人間関係や因習とか特になくて、あれぐらいの田舎ならK市の郊外と大して変わらないと思いました。せっかくの能も、うまく物語に活かせてなかったような。

 美咲役の黒木華、風貌も森少女なファッションも苦手。流星くんのほうが美人で肌がきれいだった。古田新太、杉本哲平、中村獅童、木野花など個性的なベテランよりも好助演だったのは、村長の息子役の一ノ瀬ワタル。イカつくてゴツい悪役レスラーみたいな風貌での卑劣下劣な言動、悪虐っぷりは笑えるほどの非道さでした。映画の冒頭、家に火をつける優の父役が、淵上泰史だったのが驚きでした。久々に見たフッチー、やっぱ可愛いイケメン!チョイ役で残念。

 ↑ ボクサー役の新作映画「春に散る」も楽しみな流星くん。安易なヒット狙いの映画やドラマは他のイケメンに任せて、美しき独自路線を突き進んでほしいものです
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BL援助交際!僕専属の彼

2023-03-31 | 日本映画
 春のBL映画祭①
 「エゴイスト」
 雑誌編集者の浩輔は、専属トレーナーとして雇ったインストラクターの龍太と恋に落ちる。病弱な母との生活に困窮する龍太から、金のために売り専ボーイをしていることを打ち明けられた浩輔は…
 日本の映画やドラマでも人気のBLですが、そのほとんどは男と男という葛藤や苦悩がほとんどない、ライト&スウィートなキラキラもの。ファンタジーBLも悪くないけど、ゲイの人たちがどのように出会って愛し合って、社会と向き合っているのかを描くリアルなBLを、腐女子はもっと観るべきだと思います。この映画は、BL映画というよりゲイ映画。リアルだけど生々しくはなく、人気俳優を起用した甘美で哀切なラブストーリーになってるので、腐にもゲイにも口当たりがいい作品に仕上がってます。

 生活のために男娼をしているピュアな貧乏青年を、パトロンのように支援し庇護する裕福な大人の男…という設定は、ちょっと「藍宇」を。死んだ恋人の母親を献身的に支えようとする主人公…という後半は、ちょっと「追憶と、踊りながら」を。大好きなBL名作を思い出させる映画でしたが、うう~ん、何だろう。藍宇と追憶のように、この映画も甘い痛みや優しい悲しみで男同士の愛を描こうとしていたとは思うのだけど、私は感動よりも動揺してしまいました。浩輔がどう見ても、龍太にたかられているようにしか見えなくて…

 龍太ってすごくさりげなく言葉巧みに、自分の困窮を浩輔に訴えるんですよ。母に食べさせたいからと浩輔に高級弁当を買わせるシーンから、ん?と思ったんだけど、恋人関係になってからも遠慮しつつ、でもちゃっかりいろんなものを浩輔に買ってもらってる龍太に、私は警戒心を抱かずにはいられませんでした。浩輔、だまされてるのでは?と。男女間ではよくある話ですからね~。若いイケメンと恋愛できるんだから、まあ浩輔にとっては必要経費なんだろうけど、本当に愛し合ってる関係にしては引っかかる格差でした。驚いたのは、売り専を辞めさせるため浩輔が、月々お手当を与えて龍太を自分専属の恋人にするところ。そんな愛人契約を龍太は了承して、ますますラブラブになる二人なのですが、きっちり手当を受け取る龍太に、これは恋愛ではなく援助交際だよな~と、決して美しくない幸せに私の胸はザワつかずにはいられませんでした。

 龍太がおっさんゲイをたらしこむ汚い男だったら、浩輔もあそこまでのめりこむことはなかったんでしょうね。龍太の無邪気で優しくて弱いところが悪賢さや狡猾さよりも怖い、おっさんを虜にする魔性でもありました。いろんな男を相手に体を売る龍太ですが、嫌悪とか絶望とかいった悲壮さは微塵もなく、本当に相手のことが好きみたいにセックスしてるんですよ。まさにプロの男娼。スポーツインストラクターよりも、男娼のほうが龍太の天職なのではないかと思うほどに。それにしても。体を壊すほどに働いてた龍太、何でそこまで?母ちゃん元気そうだったし、借金でもあったの?

 龍太の死後は、龍太の母を支援しようとする浩輔。よほど愛に飢えてたのでしょうか。押しつけがましく物狂おしくもあって、何か怖かったです。浩輔の龍太、そして龍太の母を想う気持ちは、確かに強くて真摯だったんだろうけど、それ以上に幸せになりたい、孤独はいや、という自分本位さを浩輔からは感じられました。まさに悲しくてイタいエゴイストでした。龍太の母も息子そっくりで、戸惑いつつもちゃっかり浩輔の援助を受けるとか、あの息子にしてこの母ありでした。
 浩輔役の鈴木亮平、龍太役の宮沢氷魚が、期待以上のBL演技!二人の好演を心から讃えたいです。

 鈴木亮平の、いかにもなわざとらしさとか、作りものっぽさとかのない、さりげない表情や言動でのオネエっぷりが見事でした。すごくホンモノを観察、研究したんでしょうね。最近のBL映画やドラマって、オネエっぽい主人公なんてほぼほぼいないじゃないですか。鈴木さんのキャマっぽさが何か懐かしくも新鮮でした。ゴツくて男らしい風貌とギャップがある、女性的な優しさやプライドや執着などが軽やかかつ悲痛で、やはり卓越した演技力とチャレンジ精神を備えた俳優だとあらためて思いました。ハイセンスすぎるファッションも、ゲイゲイしく着こなしてます。龍太との初エッチの後、高揚感と多幸感から独りで踊るシーンで着てたガウンが強烈だった。

 龍太役は「レジェンド&バタフライ」で明智光秀を演じてた、最近売れっ子みたいな宮沢氷魚。ザ・ブームの宮沢和史の息子さんなんですね。言われてみると、何となく似てますね。たまに筒井道隆にも似て見えた。美男とかイケメンではないけど、笑顔が優しく無邪気で可愛かった。大柄な鈴木亮平より背が高い?!でもデカ男感は全然なくて、ひょろっとスマートな長身がカッコよかったです。鈴木亮平とのラブシーンだけでなく、売り専の客相手のセックスシーンもあり。浩輔と、そして客相手とのセックスではタチな龍太。どう見てもネコっぽい氷魚くんが年上の男たちを抱くシーンが、なかなかのギャップ萌えでしたわ。エッチしてる時も氷魚くんの笑顔や声が、演技とは思えぬほどスウィート&メロウ。

 亮平も氷魚も、よく脱いで絡んでラブシーン頑張ってました。最近の邦画、人気俳優の出演作では稀有な男同士の性愛シーンでした。でも、衝撃的とか大胆とかエロいとかいった感じはまったくなくて、あくまでソフトタッチ。お尻ぐらいは見せてほしかったかも。前は見えなくていいけど、ケツ出しは重要!浩輔の豪華マンションで愛を交わすのですが、あんな明るい場所でヤるとか、全部丸見え過ぎてわしは無理(笑)。
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キムタク天下布武!

2023-02-01 | 日本映画
 「レジェンド&バタフライ」 
 うつけ者と悪評高い尾張の織田信長は、美濃の斎藤道三の娘濃姫との政略結婚を強いられる。はじめは反発し合っていた信長と濃姫だったが…
 うう~ん…期待はしないようにしつつ、ひょっとしょたら?という淡い期待も抱いていたのですが、やっぱり思ってた通りな映画だった。本格的で重厚な戦国絵巻時代劇を期待するほうが悪い、と嗤ってくださいまあ、主演が日本一の大スター、木村拓哉さんですから。ある意味期待を裏切らない映画とも言えます。裏切ってほしかったけど。これまでの主演作同様、キムタクのカッコよさや個性を活かすことが絶対的至上命題。この新作時代劇もその例外ではありませんでした。例外になってほしかったし、それをちょぴり期待したのだけど…
 キムタク、ナンダカンダ言いつつ私、すごく好きなんですよ。あっと驚くような役や大胆な演技に挑む大人の役者キムタクが見たいと、ずっと願い続けていました。まるで叶わぬ恋心のように。キムタクにはそうさせる実力と魅力があると信じてるから。その気になれば絶対に、緒形拳や渡瀬恒彦みたいなスゴい役者になれるはず。でも、ご本人にはそんな気はサラサラなさそうで、50歳になっても精神年齢が低い作品や役ばかり。でも、惜しいという気持ちはだんだん、その徹底した不変のスタンスが高倉健や渥美清といった大物映画スターとカブってきて、いつも同じ俺様を貫くのもまた立派な役者道、そんなキムタクが好きな人のためだけのキムタクであり続けるキムタクへの畏怖になってきてもいます。

 20代の若い頃、テレビドラマで演じた織田信長を、50歳になって映画で再演したキムタク。見た目は老けても、芸風は全然ブレれないところがスゴい!若い信長なキムタクにはさすがに違和感あったけど、やっぱいい男です。小柄で痩せてるので貧相に見えることもあるけど、戦国時代の男性が長身でスタイル抜群とかのほうがおかしいですよね。実際に馬に乗って疾走するキムタクもカッコよかった。後半、魔王となった信長のキムタクは、髭も似合う熟年の色気が。ダークサイドに堕ちてしまった狂気も凄味と迫力があって、チャラいカッコつけおじさんという、いつものキムタクではありませんでした。信長の暗黒で血なまぐさい運命と悲劇に焦点が当てられ、シェイクスピアのマクベスみたいなキムタクが見られたら最高だったのに。ああ、何ということでしょう。この映画、前半はラブコメ、後半はお涙ちょうだい夫婦愛、という韓流ドラマもどきになってしまっていて、心の底からトホホでした。

 信長と濃姫のツンデレやりとり、二人の身近な人物たちの言動、ほとんど時代劇コントだった。巨額の製作費、壮大なスケールで時代劇コントとかくだらないお笑いは要らない、もうちょっと真面目にやってと、前半の軽すぎるノリは正直キツかった。途中で観るのやめて帰ろうかとさえ思ったほどに。後半、信長が魔王になってやっと面白くなってきたのに、不治の病に倒れた濃姫を信長が献身的に支えるというベタな純愛ものになって、この映画の監督や脚本家って韓流ドラマの観すぎなのでは失笑。いくら何でもあんな織田信長、ありえんわ~。

 終盤のハイライト、本能寺の変ではまさかのトンデモ展開が。南蛮船で洋装姿のキムタクもカッコよかったけど、最後の最後までコントかよ~私はこんな長い時間(3時間近くある)、いったい何を見せられたんだろうと虚しくなってしまいました。日本史に精通してない人でも変すぎてツッコミたくなる設定やキャラだらけなのも、この映画をコントにしています。豊臣秀吉と徳川家康が出てくるのですが、二人ともおっさん。確か信長のほうが年上だったはず。家康役は某イケメン俳優が特殊メイクをして演じてるのですが、そんな必然性どこにあったの。誰得?おふざけが多いところも、コント色を強めてました。謀反を起こす明智光秀は、逆に信長よりかなり年下の青年だったのも時代考証無視。

 歴史にあまりうるさくなく、キムタクがいつもの調子で韓流ラブコメ&純愛悲恋する姿を見たい人なら、すごく楽しめる映画と存じます。あまりCGを多用せず、お金をかけたロケ撮影とセットは見ごたえありました。いい俳優もお金も技術もあるのだから、往年のファンをも唸らせるような本格的時代劇は作れるはず!ライトなスイーツ時代劇ではなくて!
 
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ガヤガヤ言われたら逃げます

2023-01-26 | 日本映画
 「そして僕は途方に暮れる」
 フリーターの裕一は、同棲中の恋人から浮気を責められると、逃げるように部屋から飛び出す。親友、バイトの先輩、姉のもとを転々とし、やがて行き場を失った祐一は…
 待ちに待った藤ヶ谷太輔主演作、やっと観ることができました(^^♪ガヤくんを大きなスクリーンで見るのは初めて。数年前に出演した舞台の役を、映画で再演したガヤくん。以前からガヤこそが、某事務所タレントの中では最も俳優として資質と魅力があると思ってましたが、今回それを確信するに至りました。ガヤくん、いい役者!キスマイがデビューした頃は全然いいと思えなかったのに、30を過ぎたらどんどん大人っぽくなり、見た目にも演技にも色気が出始めた。このまま某事務所の域を出ない仕事させ続けて、アラフォーアラフィフになってもアイドルが抜けないキムタクや岡田准一みたいになってほしくない。その思いはこの映画を観て強まりました。

 藤ヶ谷くん、大人っぽくなったとはいえ、30過ぎには見えません。20代のフリーター役も違和感なし。でも、若い男子のピチピチキラキラな輝きやフレッシュさは全然なく、肌も表情も雰囲気もどこか爛れた荒廃した感じがして、甘い退廃の匂いが。身を持ち崩した役が似合います。劇中どんどん伸びて濃くなっていく無精ひげも、全然だらしなくも小汚くもなく、むしろ男の色香がいや増してた。声も何かエロくて好き。

 それにしても。クズ男、ダメ男というより、私にはちょっと精神障害?精神病?なのかなと思わせる裕一の言動でした。人の都合や気持ちを慮らない(慮れない)ところや、怒られたり批難されたりすると一瞬キョトンとなる表情など、ちょっとアスペルガーの人?とも。でも、人を見て態度を変えられるズルさはあるので、単に無神経で図々しいだけなのかなとも。相手に強く出られたらキョドって泳ぐ目や、心が痙攣してるような狼狽などのガヤの演技には、静かなる狂気が。大げさな熱演ではなく、細やかな仕草とか表情で性格破綻や心の闇を表せるガヤくんに、役者としてのレベルアップを見ました。印象的なシーンはたくさんあるのですが、特に私が好きなのは親友の部屋で寝転がってTV見てる姿と、真夜中の雨の中をさまよう姿、そして鼻水たらして大泣きする姿、でしょうか。可愛くてみじめでイタいガヤ、そこにはアイドルではなく役者がいました。

 この映画の撮影も、当然のようにアイドル仕事と掛け持ち。身も心も役に入り込んでたガヤを多くのキスマイファンは、やる気がない!とかヒゲやめろ!とかグループに迷惑かけるな!とブーイング、バッシング。そのことの影響からか、今後はアイドル業に支障をきたす俳優活動はしない、とガヤは発言。それ本気?残念すぎること言わないでほしい。それって、役者として成長しませんと宣言してるようなもんでしょ。事務所に言わされただけで本心ではないと思いたい。30半ばでアイドルでいようとすることと、いい俳優になろうとすることと、将来の芸能活動を見据えればどっちが正しいか、本当に彼のファンなら考えるまでもないことなので、ガヤには早くキスマイ脱退、某事務所退所を希望!って、うわ、言ってもうた💦また怒られそう
 
 若く見えるので、まだ青臭い役も違和感ないガヤくんですが、退廃とか虚無とかが似合うので、色気も活かした屈折した大人の男の役も今後は演じてほしいものです。三浦大輔監督といえば、池松壮亮が「愛の渦」で、松坂桃李が「娼年」で。若い人気俳優がセンセーショナルで過激な濡れ場に挑むのが定番(?)なのに、ガヤはそうじゃなかったのは残念。まあ、某事務所にいるかぎり、それは無理なんだろうな~。もったいない。
 他の出演者も、いい味だしてました。特によかったのは、父役の豊川悦司と姉役の香里奈かな。トヨエツ、ヌオオ~っとした魁夷な風貌と強面が怖い、でも独特すぎる哲学で生きてるパパをトボけた感じで珍演してます。デカいトヨエツと一緒だと、小柄なガヤくんはまるで子どもみたいでした。香里奈は、グサグサと刺さる現実と本音を弟にぶつけてくるキツい姉ちゃんをクールに好演。香里奈と藤ヶ谷太輔、なかなか美しい姉弟で絵になります。

 まるで犯罪者のように夜の東京(大都会の夜景も印象的でした)、そして遥か北海道にまで逃げ迷う裕一ですが。ほんと大したことない、どうでもいいような理由で逃げ回ってるので、破滅とか絶望とかいった深刻さはゼロ。そこがこの映画を喜劇にもしています。それにしても。裕一の周囲の人たち、みんな善人すぎる。私が同じようなことされたら…藤ヶ谷くんみたいな弟や彼氏や友だちなら、やっぱちょっと我慢するかも、とも怒ったらスゴスゴ出ていくのも、返っていい子だなと思った。平然と居座られるほうが困るし許せない。裕一がブサイクだったら、もっと簡単に残酷に他者や社会と断絶できたんだろうな。裕一より私のほうがよっぽど、他人との関りを断ってますよ。他人に迷惑をかけなければ、それも悪くないですよね?裕一のように、逃げても逃げても独りで生きれないのも何か辛そう。

 ↑ ドラマ「ハマる男に蹴りたい女」では、珍しくラブコメに挑戦してるガヤくん。可愛い!んだけど、何か物足りなくもあります。男女を優しく残酷に傷つけるような役を演じてほしい!
 
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墨色ながれぼし

2022-11-06 | 日本映画
 「線は、僕を描く」
 大学生の青山霜介は、バイト先で出会った高名な水墨画家、篠田湖山から弟子になるよう誘われる。ためらいながらも霜介は湖山に師事することになるが…
 次から次へと出現し、もう誰が誰だかわかんないほどひしめいてる若いイケメン俳優。今まさにイケメン群雄割拠。ポッと出やすいけど、生き残りはシビア。ただ若くてイケメンなだけなら、代わりはいくらでもいる。強い個性と確かな演技力がないと、加齢とともにあの人は今になってしまう宿命を負ってる彼らなので、私が好きなあのイケメンたちもこの先どうなることやらと、余計なお世話な心配をしてしまいます。そんな中、特に好きでもなく、どちらかと言えば苦手だった横浜流星の台頭に瞠目しています。流星くん、間違いなく美男なのですが、きれいすぎるというか。ちょっとイモっぽかったりサルっぽかったり系という私のタイプとは真逆で、酷薄そうな爬虫類っぽい顔が苦手だったですが、そんな顔だけで抱いてた偏見や独断は、いい役者じゃん!と驚嘆させた「流浪の月」の彼を見て払拭されました。

 「流浪の月」ではDV彼氏を怪演熱演した流星くんですが、この主演作では優しく穏やな好青年役で、すごく可愛かったです。フツーっぽく化けてたのも見事でした。あの顔でフツーっぽく見せるのは、なかなか至難の業だと思う。そういうところも、流星くんの演技力の高さの証になってました。フツーの青年役、フツーっぽい見た目と雰囲気、とはいえ、やっぱフツーじゃないところも彼の特異な魅力です。あんな顔の若い男、一般ピープル界にはまずいませんし。美しいと思った時の彼は、やはりどこか薄気味悪い酷薄さが。いい人の役よりも、悪役や異常者の役で活きそうな美しさ。それって他の同世代イケメン俳優と十把一絡げにはできない個性と魅力で強みになるはず。それらを大切にして、今後は某事務所のタレントでもできるような役ではなく、よりハイレベルな仕事に挑んでほしいと期待できる数少ない若手イケメン俳優と、いま私は流星くんのことを見なしてます。

 優しいけど内に暗い苦しみと痛みを秘めている霜介は、流浪の月の亮くんとカブるところもあり、そういうガラス細工の繊細さも秀逸な流星くんですが、どことなく退廃的なところにも惹かれる。きれいな薄い顔だけど、それとギャップのある髭剃りあとの濃さが男の色気を感じさせます。流浪の月では顔とそぐわぬスネ毛の濃さがちょっとエロかったし。若いけど何となく頽れた感じがするところが好きです。ゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型がちょっと気になった。髪、切れよ!それじゃ描きにくかろう!と笑えたが。

 お話は、いい人しか出てこないNHKのドラマみたいでした。非現実的なほど汚さがないメルヘン、ファンタジー風味の設定やシーンなど、少女漫画みたいでもあった。山崎賢人の「羊と鋼の森」もそんな感じでしたね。画家とか芸術家って、あんな清らかで美しい生活や人間関係、創作活動してないと思う。湖山先生、霜介の才能を見出したというより、可愛いから親しくなりたかった、みたいな感じだったような。もし霜介が横浜流星みたいな美男子ではなくバナナマンの日村みたいなキモブサだったら、先生ぜったいスカウトなんかしなかったと思うソフトに強引なスカウトといい、優しい指導や特別待遇といい、先生もしかして霜介のこと狙ってる?!とも勘繰られる怪しさでした。先生の孫娘の千瑛とよりも、霜介には先生と素敵な恋愛関係になってほしかった!湖山先生役の三浦友和、孫がいる年齢の役でもまだラブシーンとか全然イケそうな可愛いおじさま!

 湖山先生の下男?かと思ったら、実は一番弟子のスゴい人だった江口洋介は、キャラも演技もまんま懐かしの「ひとつ屋根の下」のあんちゃん。顔は柳沢慎吾みたいになってたけど、非メタボなスタイルのいい長身はカッコいい。一緒だと横浜流星が小柄に見えた。千瑛役の清原果耶は、宮崎あおい+多部未華子、みたいな風貌?少女のような透明感とか森ガールなファッションとか、私が苦手なタイプすごい棒読み、あれはわざと?千瑛はいっそ男にしたほうが、ガラスの仮面の北島マヤと姫川亜弓みたいで面白くなってただろうな。ブロマンスな内容にもなって、腐やイケメン俳優好きな女性をドキドキキュンキュンさせたでしょうし。霜介が大した努力や情熱もなく、常に優しい人たちにチヤホヤされて画家になる順風満帆さもリアリティに欠けてました。水墨画の描き方や美しさは興味深く、何か一枚いい絵を部屋に飾りたいと思いました。

 ↑ 舞台「巌流島」では宮本武蔵役、「ヴィレッジ」「春に散る」など映画も面白そうだし、来年ますます躍進しそうな横浜流星くんです
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