まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

おっさんにラブ

2022-10-28 | 日本映画
 「手」
 若い男よりも年上の中年男に惹かれるさわ子は、会社の同僚で同世代の森と親しくなり、やがて彼と恋人関係になるが…
 ドラマ「おっさんずラブ」のマロ役でマイハートを掴んだ金子大地くんが、何と!ロマンポルノに出演!さっそく観に行きました(^^♪金子くん、すごい頑張ってました!すでに連ドラ主演もし、NHKの大河ドラマにも重要な役で出演するなど、知名度も人気もそこそこある若手のイケメン俳優が、あそこまで脱いでヤるとは驚きです。韓流ならたまにあることですが、今の邦画では珍しいと言えます。最近だと池松壮亮が「愛の渦」で、松坂桃李が「娼年」で果敢な全裸ズコバコ演技に挑んでましたが、彼らほどガッツリ激しくはないけど、金子くんもなかなかのチャレンジで役者魂を発揮していて感服しました。

 優しい手〇ンから始まり、ねっとり舌を絡ませるベロチュー、ベッドの上だけでなくシャワー中、白昼のベランダでも丸出しのお尻を元気よく動かし女を後ろから前から突きまくる金子くん。でも、全然エロくないんですよね~。健康的な若者の明るく元気なセックス、みたいな感じ。楽しそうにエッチしてる金子くんが可愛かったです。昭和のロマンポルノのような淫靡さ、隠微さはないです。長身でスタイルがよく、スーツもジャージも似合う金子くんですが、裸は非セクシー。積極的で甘え上手、憎めないバカっぽさと無邪気に無神経なところがある森は、おっさんずラブのマロとカブるところがあって微笑ましかった。森のほうはまさかの正体があって、おいおい~と呆れ果ててしまったが。ああいう男、でも実際いますよね~。セフレなら最高ですが、恋人や夫なら最低最悪。

 それにしても金子くん、美男子ですね~。さわ子役の女優より美人。マロや森のキャラとギャップがある冷たい美貌は、ノーテンキな笑顔や元気な発情が似合わない。ヒューマンなぬくもりのない役向けの美しい顔です。無臭感、無色透明感があるのは彼の魅力ですが、男臭さがほとんどないところは惜しい。せっかくの性演がエロくなかったのは、むせるようなオスの臭いが皆無だったからかも。肉のぶつかり合い絡み合いという感じがせず、何だかすごく植物的な生々しさのなさ。でもまあ最近の若い男の子って、恋愛もセックスもそんなもんなんでしょうね。

 性的シーンがなければNHKのドラマっぽい、枯れ専こじらせ女子の話でした。おっさんとも若い男とも忙しく交わって、ずいぶんとお盛んなヒロインでしたが、そういうのには無縁な私からしたら、ただもうめんどくさそうで気持ち悪かったです。ニンフォマニアックなメンヘラ女としか思えなかった。父親との関係のせい?いったい父娘の間に何がったの?と、若い女性が性的におかしくなる原因といえばの理由や秘密があるのか、という期待も裏切られるアットホームなラストにガクっ。さわ子と森の会話の仕方や内容が、何だか「逃げるは恥だが役に立つ」の新垣結衣と星野源みたいだった。「君が君で君だ」「自分の事ばかりで情けなくなるよ」など、池松壮亮主演の映画をよく撮ってる松居大悟監督、どの作品もちっとも面白くないんだけど、松居監督ご本人は結構イケメンなので好きです
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地獄のわんわん

2022-10-02 | 日本映画
 早いもので、もう10月!日中はまだ少し残暑ですが、朝夕はすっかり秋になりましたね。夏は暑さで庭いじりどころではなかったのですが、涼しくなったので荒れた花壇を耕したり、苗を植えたり種を蒔いたりしました。

 春に種から育てたゼラニウム、暑さで枯れたのかと思いきや、知らん間に蘇ってた!引っ越しの時に実家から連れてきたトリカブトも生きてた!根は猛毒ですが、涼しげだけどどこかミステリアスな風情の青い花はきれいで大好きなんですよ。

 去年と同じく、ロマネスコを植えました。夏のトマト🍅は大失敗だったので、秋冬は頑張って春に無事収穫したいです🥦

 「ヘルドッグス」
 凄惨な復讐を遂げた元警察官の兼高は逮捕され、罪を問われる代わりに関東の裏社会を牛耳る暴力団、東鞘会への潜入捜査を強いられる。構成員や幹部の信頼を得た兼高は、やがて会長の十朱の片腕にまでのし上がるが…
 うう~ん…何だろう、いろんな意味ですごく惜しい、残念、な映画だったような…イケメン、やくざ、ヴァイオレンス、BLと、私の大好物をぶっこんだ丼ぶりみたいな映画だったのですが、肉が生焼けだったりマツタケじゃなくてシメジだったり、塩じゃなくて砂糖がかかってたりみたいな、うまく言えないけどそんな味わいでした。女優には鬼厳しい私ですが、男優には超甘い私なので、主演の岡田准一と坂口健太郎はもう見た目だけ、動いてるだけで合格!なんだけどだからこそ惜しさもひとしお。好きな俳優には、やっぱ要求・意見がましくなってしまうんですよね~。こうしてほしかったとか、それじゃないよね、とか。いい男で、演技力も気概もある若い俳優なのに、結局はここどまりなんだよな~という縛りや限界がもどかしく悲しい。

 スゴいことやってるだろ!という圧のような意気込みは、映画からも演技からもひしひしと感じられるのですが。エグい暴力描写に狎れてるヴァイオレンス映画ファンの目にはフツー、どこかで見たことがあるようなありきたりさではなかろうか。衝撃を受けたり感嘆したりするのは、普段そういう映画を観ない某事務所タレントやイケメン俳優のファンだけ。スゴいことをやっているようで、アイドルやイケメン俳優のイメージを損なわない守りの姿勢、彼らが所属する大手芸能事務所への忖度なども透けて見えてしまい、映画にそこはかとない生ぬるさを与えてしまったように思われます。

 まず、岡田准一。顔だけアップだと、その端麗で濃厚な男らしい美男子ぶりに瞠目することしばしばなのですが、全身が映るとチビすぎ!後ろ姿だとほとんど子ども!長身な坂口健太郎と一緒だど、その凸凹さが可愛くて緊張感がなくなる。ご自慢の格闘技でカッコよく大暴れしてるのですが、チビすぎて強そうに見えないんですよね~。過去シーンのお巡りさん姿、ナイナイの岡村に見えて仕方なかったわ。タンクトップ姿が多いのですが、脱ぎはいっさいなし。なぜ?韓流俳優なら、ここぞとばかりに自慢の肉体美を誇示、それもファンのお楽しみと知ってのサービスなんだけど、岡田氏は脱ぎ惜しんでました。自室にいる時は全裸という設定の「ザ・ファブル」でも、ばっちりがっつりとは脱いでなかったし。脱ぎにしろ女との絡みにしろ、大胆さも色気もないところがアイドルだった。いい年だし、いい男なんだし、そろそろ大人っぽい役、演技に挑戦しよう!小柄で肉体美でアクションができる、というところが何となく真田広之とカブる岡田氏なので、若い頃の真田氏みたいな色っぽい演技や雰囲気も出せる俳優になってほしいです。

 坂口健太郎は、ほんと可愛いですね~。スラ~っとした長身もモデルみたい。見た目がスウィート&スマートすぎて、何やっても言っても全然怖くもヤバくもなかった。イケメンがイキって頑張ってる、でも無茶してるだけ、という痛ましさを感じた。明るく人懐っこいけど狂気と凶暴性も秘めている、という異常人格者の不気味さや悲しさは、ボンボンの大学生みたいな坂口くんからは微塵も感じられませんでした。脱ぎ拒否の岡田氏の代わりのようにちょっとだけ脱いでましたが、色白すぎ細すぎ。戦う男の肉体じゃない。坂口くんの口から金玉だの射精だのウンコだのといった言葉が聞けたのは、なかなか驚喜で新鮮でした。

 交番勤務のお巡りさんだった兼高が、どうやってあんなイーサン・ハントやジェイソン・ボーンも真っ青な超人戦士なれたの?凄惨な復讐するほどの理由、情念の描写がまったく省かれてたり、あっさり潜入捜査を引き受けたり、???な部分が多いけど、まあそんなことはどうでもいいんでしょういちばん惜しかったのは、精神的なBLの薄さと雑さです。兼高と室岡、兼高と十朱の関係ややりとりは、描きようによっては濃密で切ないものになったはず。ラストに室岡が兼高に叫ぶ『俺とこの女のどっちが大事なんだよ!!』は、腐的にはかなりズキュンとくる台詞なのですが、そこに至るまでに同性愛的な危うさやときめきが二人の間にはなかったので、すごい唐突な感じだった。裏切られたことよりも嫉妬で殺意、みたいな切なさも欲しかった。人気俳優にちょこっとBLっぽいことさせておけばいいみたいな、とってつけたような安易さに失笑。
 それはそうと。兼高が復讐鬼になるきっかけとなったスーパーマーケットでの強盗殺人、あれって日本犯罪史上最恐の未解決事件のひとつ、八王子ナンペイ事件が元ネタですよね((((;゚Д゚))))
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熟女姉妹 奪い愛、冬

2022-06-30 | 日本映画
 「離婚しない女」
 北海道の根室。私設気象予報士の啓一は、地元の有力者である山川に気に入られる。やがて啓一は山川の妻美代子と、汽車の中で出会った人妻由子の二人を同時に愛し始めるが…
 倍賞千恵子、美津子姉妹のレアな共演作。明るく優しい庶民的な姉、奔放で妖艶な都会派の妹、というイメージをガラリと変えた配役と演技が、当時話題になったらしいです。特に美代子役の千恵子さんのイメチェンは、かなり衝撃的かつ新鮮でした。千恵子さんといえば、寅さんの妹さくらさん。あの下町の質素な良妻賢母さくらさんが、ブルジョアの有閑マダムなファッションと髪型、権高で冷ややかな口調、あられもない姿で年下の男の心と体を狂おしく貪る痴態、イカレた錯乱惑乱。いったいどうしちゃったの?と目がテンになってしまう変貌ぶりでした。ラブシーンもかなり大胆で、舌が激しく絡むディープキスや、濡れ場では何と!がっつりポロンはしてないけど、乳首が見える露出!聞くところによると、松竹や山田洋二監督の猛反対を押し切って、この映画に出演したのだとか。

 寅さんファンにはショッキングでしょう。でも、私は彼女の女優魂をあっぱれだと思いました。さくらさんみたいな役ばかりじゃ物足りないというフラストレーションや、もっとチャレンジしがいのある役をやってみたいという意欲を抱くのは、本物の女優なら当然のこと。さくらさんとは180度違う、アンニュイで退廃的な、破滅的な情熱に身を滅ぼすヒロインなんて、女優なら一度は演じてみたいものではないでしょうか。リスクを恐れず大胆に生々しく演じた千恵子さんに拍手。彼女がこういう役を演じたのは、これが最初で最後みたいなのが残念。おんな盛りの美しさや円熟の演技を、もっと違う映画でも活かしてほしかった。

 由子役の美津子さんは、華やかな美女!数々の作品で濃厚濃密な色香を振りまいた彼女が、この作品では優しく悲しく耐える女。姉ほどではないけど、恋に戸惑い一途に踏み込めず悩むという、こちらも彼女らしからぬ役と演技でした。でもやはり女ざかりの色香はあふれんばかりで、艶やかな美しさも際立ってました。まさに全身おんな!だけど、どこか豪快でカラっとしてる姐御な風情がカッコいい。笑顔が可愛い。彼女といえばのハスキーな声も好き。きれいさも可愛さもどこか薄ぼんやりした個性のない、ナヨナヨクニャクニャした今の女優にはないドスの効いた美貌と個性が素敵です。姉と比べるとラブシーンは抑え気味、露出も少なかったけど、多くの名優たちとエロい濡れ場を演じてきた百戦錬磨な美津子さんなので、愛撫され恍惚の表情や喘ぎ声などはさすがの色っぽさでした。

 倍賞姉妹が一緒のシーンはあまりなく、終盤の雪の中での対決がハイライト。激しく罵り合うとか髪の毛掴んだりビンタしたりなキャットファイト、みたいな面白い物騒さは全然ありません。ヒロイン二人のキャラ、やりとり、めんどくさい三角関係は、どこかフランス映画っぽかったです。
 熟女二人に愛され、二人の間を忙しく行ったり来たりする啓一役、今は亡き萩原健一もチャーミングでした。いったいどっちが好きやねん?はっきりせえや!な煮え切らない啓一にイライラ、でもショーケン可愛い!犬みたいな愛嬌があって憎めない。可愛いし、いい男、いい役者!演技が上手いとか下手とかじゃない、キムタクと同じでショーケンだって何やってもショーケンなんだけど、男の色気やラブシーンのエロさ、どこか破綻した危うさ悲しさなど、まったくリスクなど犯さないキムタクのつまんなさと違い、役も演技も人生もリスクそのものだったショーケンの魅力は、今も色褪せていません。当時36歳!嵐の連中より年下!キムタクより一回り以上下!いかに最近のドラマや映画が幼稚化してるか、またまた痛感してしまいました。倍賞姉妹もだけど、昭和の女優男優ってほんと大人です。

 ショーケン、ちょっと笑えるシーンも多くて。自室での独り天気予報とか、飛行機で隣席の幼女にわけのわからんことを話しかけたり、雪の中で裸になったり、え?は?何言ってんの何やってんの?なヤバい人、でもユーモラスでもあって可愛かったです。連城三紀彦の小説の映画化なのですが、意味不明で狂ってて不可解すぎる男女の恋愛に戸惑うばかりでした。私もいい年なのに、いまだにオトナの愛って解からない山川役の夏八木勲の存在感と怪演もインパクトあり。終盤に山川のヨットの上で繰り広げられる修羅場がイカレてて笑えます。あと、舞台となった北海道の豪雪。北海道、素敵なところだけど絶対住めないと思った。あんな雪の中で運転とかできん!
 
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光の国から僕らのために来たぞ

2022-06-17 | 日本映画
 「シン・ウルトラマン」
 巨大不明生物(禍威獣)が常態化している現代の日本。そんな中、人間の形をした巨人が突如現れ禍威獣を倒す。禍威獣特設対策室(科特対)によってウルトラマンと名付けられた巨人は、禍威獣から子どもを救出しようとし命を落とした禍特対の一員、神永と同化するが…
 ウルトラマン大好き!特にウルトラマンレオが好きで、主題歌はカラオケに行くと必ず熱唱します。怪獣の本とかおもちゃも、子どもの頃に集めてました。なので、この令和版の映画を楽しみ(+ちょっと不安)にしていました。甥のジミーを連れて、先日ようやく観に行きました。すごく面白かったです!円谷プロ特撮の懐かしさに、エヴァンゲリオン(この映画の総監修はエヴァの庵野秀明監督)のテイストをブレンドさせた、みたいなユニークさと斬新さでした。オールドファンに、こんなのウルトラマンじゃない!と思わせないようにしつつ、新たなる変容で驚かせる映像と演出が秀逸でした。怪獣は禍威獣、宇宙人は外星人と表記、呼称されていたのも新時代でした。

 シンウ,ルトラマンことウルトラマンリピア、旧ウルトラ戦士たちに比べるとすごいスマート、細い!動きも静かで速い感じ。カラータイマーがない!時間が来たら体の線の色が変わるのが画期的でした。スペシウム光線や八つ裂き光輪などおなじみの必殺技には、おー!っと歓喜。驚いたのは、リピアが空中で棒みたいにクルクル回って禍威獣にキックする攻撃。すごいシュールでした。禍威獣や外星人も、昭和な特撮感を出しつつ最新のCGを駆使してる様相や動き。巨大化したザラブやメフィラスは、何だかエヴァンゲリオンの使徒みたいだった。リピアとザラブの戦闘での、夜の横浜の街を飛行するシーンが美しくて好きです。

 細かいことにいちいちツッコミを入れるのは野暮というものですが、私が幼い頃に唯一気になってたこと、なぜウルトラマンや怪獣、宇宙人は日本だけに?という疑問。この映画でちょこっとそのことについて説明がありましたが、いまいち???でした。外星人や科特対の人たちがいろいろ説明してくれるのですが、ほとんど理解できなかったあれ、理解できる人いるの?私にとってはまさに宇宙語みたいでしたが、その中二病的な意味不明さも笑えて楽しかったです。リピアに憑依?された神永の台詞とか喋り方とか、ちょっと日常で使いたいかも

 大真面目にやってるようで、結構笑えるシーンや台詞が多かったです。その最たるが、巨大化した長澤まさみ。タイトスカート姿の彼女の、パンツが見えそで見えないポーズとアングルが笑えた。巨大化した美女がネット上で人気拡散するのも現代的。やたらとヒップがアップになったり、体臭を男にクンクン嗅がれたり、青少年のリビドーを軽く刺激するようなことをさせられてたまちゃみさん、一部のお堅い人たちから女性蔑視的だと非難されそうな扱いでしたが、まちゃみ氏のキャラと見た目が明るく強靭そうなおかげで、卑猥さは全然ないです。

 神永役の斎藤工、久々に見たけどやっぱいい男ですね。濃ゆいので東南アジアのイケメンみたい。もっと色っぽい大人の映画や役をしてほしい俳優ですが。科特隊のリーダー役は西島秀俊。売れてもあまり仕事を選ばないスタンスに好感。美声で棒読みは、もはや西島さんの魅力。いちばん美味しいとこもってったのは、外星人メフィラス役の山本耕史。胡散臭いけど紳士な風貌、言動が素敵でした。メフィラスと神永の、ブランコや居酒屋での対談が微笑ましかった。政府の役人役で、竹野内豊がちょこっとゲスト出演してます。
 それにしても。人類最大の敵は禍威獣や侵略外星人ではなく、あのゾフィー(この映画ではゾーフィ)だったのが衝撃的でした。地球を取るに足らぬ無用な星と見なし殲滅しようとするゾーフィ、旧ウルトラマンシリーズでは頼れる兄貴的な存在だったのに、この映画では恐怖の破壊神!ゾーフィがスタンバイさせる天体制圧用最終兵器が、何とゼットン!怪獣じゃないゼットン、で、でかっ!リピアの地球人への愛、献身がなかなか感動的なラストでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猟奇的なパン屋さん

2022-05-31 | 日本映画
 「死刑にいたる病」 
 鬱屈を抱える大学生の雅也に、24人を殺害し死刑判決を受けた榛村から手紙が届く。中学生の頃、パン屋を経営する榛村と親しかった雅也は、拘置所で面会した榛村から一件だけ自分が犯してない殺人の真相を探るよう頼まれるが…
 「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督作。幼稚で無害な最近の邦画界では、その過激で非ポリコレな血なまぐさい作風が異色かつ希少な存在である白石監督、今回もゲロゲロ(死語)な暴力描写が冴えてました。誘拐した少年少女たちを小屋で拷問、虐殺するシーンでの生きたまま爪剥ぎ、眼球えぐり出し。山中で女性が手首足首を裂かれムキ出しになってる骨、などなど。もはや楽しんでやってるとしか思えない、悪趣味な遊び心さえ感じられる白石監督のエグいヴァイオレンスには、何だかもう珍奇で滑稽で笑えるんですよね~。それこそ白石監督独自の持ち味でしょうか。

 それにしても。最近は映画もドラマもサイコサスペンスだらけで、そのほとんどがイージーでチープな凡作。よほどの独特な設定や切り口がないと、目の肥えた映画&ドラマファンを満足させることはできません。この作品も、どこかで見たことがあるような既視感が否めなかった。猟奇大量殺人とか、アメリカならいざ知らず日本だとちょっと無理がある。孤狼シリーズも、韓流ヴァイオレンスの影響がかなり濃厚でしたが、韓流のおどろおどろしさ野蛮さに比べると、どこか軽い薄い。それは日韓の俳優の風貌・個性の違いによるところも大きい。やくざ役やサイコ役の韓国俳優って、ほんと怖いですし。日本俳優はやっぱ、どこか優しげで貧弱なので怖くないんだよな~。榛村役の阿部サダヲも、気持ち悪かったけど怖くはなかったです。

 サダヲさん、苦手な俳優なのですが、俺って演技うまいだろ?的なところが今回は希薄で、いかにも狂気を秘めてますっぽさも抑え気味に、終始明るく穏やかな好人物っぽく演じてたのが良かったです。若い時代のシーンの風貌がキモくて笑えた。あんな髪型のお笑い芸人、いましたよね~。檻の中から人を操る殺人鬼って、ほとんどレクター博士のパロディでした。
 私のお目当ては、もちろんサダヲではなくW主演の岡田健史

 雅也役の岡田くん。大画面では初めてお目にかかったけど、いや~やっぱイケメンじゃの~顔だけだと、わし的には今の日本芸能界最高かもしれんのお。この人イケメンなの?な、イケメン扱いや人気が理解できない俳優やアイドルが多い中、岡田くんはまごうことなき真のイケメンです。美男子だけどオシャレ系とか女みたいにキレイ系ではなく、非イマドキな古風な端正さ、男らしさが魅力。暗くて薄幸そうな、明るい役より悲しい役のほうが似合うところも好き。どよよ~んとした役、演技も可愛かった。長い台詞もあったり、女と激しいディープキスシーンもあったり、彼のデビュー作であるクソドラマ「中学聖日記」に比べて俳優としての成長も、ちょっとだけ垣間見ることができました。

 根暗くんな役ですが、大学でスカッシュをしてるシーンとか、爽やかなスポーツマンでカッコよかった。長身も素敵なのですが、細すぎて色気がないのが惜しい。ちょっとだけ脱いでますが、肉体美とはいいがたかった。まあ、あの役で肉体美なのもおかしいけど、エロさも加われば無敵の男前になれると思う!それと。演技に成長があったとはいえ、基本的にはまだ大根ですでもでも、演技派気どりの非イケメンより、大根イケメンの岡田くんのほうが断然いい!彼の成長を、今後も期待し見守っていきたいです。仕事を選び過ぎるのもよくないけど、くだらない作品に出まくるのもやめてほしいかも。キム・スヒョンが「ある日」で演じた役とか岡田くんにぴったりだと思うので、彼主演で日本でもドラマ化してほしい!

 雅也の母役の中山美穂が…わしにとって80年代最高のアイドルのひとりだったミポリンが、すっかり年をとって落ちぶれて😢主役に固執せず、脇役でも息の長い活躍ができる女優の道を選んだミポリンを応援したいけど、かつての彼女を知ってる者からするとあまりにも凋落しすぎに見えて、痛ましく悲しいんです。ミポリン、すっかりおばさんになったのはまあ仕方ないとしても、いつも同じ表情、顔が何だか固まってる感じが気になった。榛村と過去に深い関わりがありながらも、平然としてる鈍さ神経の図太さが返って怖いママでしたが、あれって単にミポリンの演技が下手なのが功を奏してそう見えただけ?謎の長髪男役の岩田剛典は、何だかコント番組に出演したイケメン俳優、みたいな感じだった。不審さとか怪しさが全然ない!山林で雅也を追っかけてるシーンで、長髪カツラがすぽっと取れちゃうのではと期待してしまいました(笑)。
 死刑囚が収監されている東京拘置所が興味深かったです。すごい立派できれいな建物!あんな風に面会するんですね~。死刑囚にもあんなに簡単に会えるんですね。世間を騒がせた死刑囚と面識があるとか、なかなかないことですよね。もし会いに来てと手紙が来たら、私だったら…

 ↑ 韓流俳優とかBTSとか人気みたいですが、顔だけだとはるかに勝ってる日本人俳優は多い。岡田くんはその代表格。事務所トラブルとかあったみたいで心配。芸能界の汚い大人の事情に潰されることなく、いい役者になってほしいのだけど…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロリコンだと思ってた…

2022-05-27 | 日本映画
 「流浪の月」
 親戚の家での暮らしを厭う小学生の少女更紗は、公園で出会った青年文の部屋に招き入れられる。そこで文と共に幸せな日々を送る更紗だったが、やがて未成年誘拐の罪で逮捕された文とは引き離されてしまう。大人になった更紗は恋人の亮と同棲していたが、カフェを営む文と再会し…
 人気BL作家、凪良ゆうの非BL小説の映画化。原作を読んだ時以上に、映画の中の文と更紗を見ていてつくづく思いました。誰かと深い関係や感情を抱きあうことって、本当にしんどいことなんだな~と。その辛苦の中にも確かに歓びや希望はあるのだけど、苦痛や絶望のほうがはるかに強大。そんな愛の経験もなく、この先も無縁に違いない私は寂しい虚しい人間なんだろうな~と自己憐憫すると同時に、文や更紗みたいに身も心もボロボロになることもなく、平穏に無傷に生きていける我が人生に安堵もしてしまいます。

 まさに運命の人、この人に出会うために生まれたかのような文と更紗でしたが、ちっとも羨ましくない運命ですね~。とにかく二人とも不幸すぎます。あんな形、あんな関係の運命だなんて、神さまって残酷。でも、運命の愛は不幸や逆境のほうが、ドラマティックで美しい。映画のラブストーリーは断然、問題だらけ傷だらけのアンハッピーなほうが面白い。文と更紗の愛は、不幸を通り越してほとんどホラーでしたが。そして、ほとんどおとぎ話でもあった。セックスできない男とセックスしたくない女が出会って、セックスを必要としない愛で結ばれる、なんてファンタジーに近い。
 お化けとかサイコ殺人鬼とか、非現実的なホラーよりも怖い、現代社会や人間の狭隘さイヤらしさに戦慄。この映画、悪人はひとりも登場しません。でも悪人よりも怖い、悪意のない鈍感で無神経な人々、他人の不幸を面白がる卑しい人々、自分本位すぎる人々ばかり出てきて、心底ゾっとしました。更紗の職場のパートおばさんたちとか、亮くんの姪とか、善意ぶって嬉々として余計なことを言ったりしたりする人たち。正義の名のもとに文の生活をネットにさらす人々とか、表面的には善行なのが悪質で卑劣。咎められない形で、自分より弱い立場の人たちを貶めることで安心したり、ストレスを解消してる人々のほうが、悪いことだと責めることができる亮くんのDVより怖かったです。

 それにしても更紗の不幸っぷり、一歩間違えればギャグの域なほど壮絶。あんな災厄まみれな人生、私だったらきっと耐えられなくて自殺か発狂してます。いつも薄ら笑いを浮かべてスルーしてる更紗、そのメンタルの強さに驚嘆。単にモテるのとは違う、薄幸が甘い蜜になっておかしな男たちを引き寄せる美人って、ほんと大変ですね。更紗の曖昧すぎるスキがありすぎるユルい部分も、男の執着や狂気を誘引する不幸の要因。同僚の幼い娘を預かり、文と二人っきりにするとか、ありえんでしょ。更紗も文のことロリコンだと思い込んでたのに。世間から異常者扱いされる文と更紗ですが、二人の事情や関係を知らない他人からすると当然の反応かも。文の不幸も悲痛すぎ、重すぎ。でも、美男子に成長できたのは不幸中の幸い。美男なおかげで有利なことも多々あったし。同じ障害をもつ人たち、文みたいなイケメンばかりじゃないと思うので。
 メインキャストは、想定外の好演でした。広瀬すずは、あまたいる苦手女優のひとりだったのですが、大いに見直しました!まずやっぱ、可愛いですね。大人っぽくなってきれいになった。ふっくらむっちりした顔や体型が肉感的で、細すぎて色気のない女優よりも魅力的。亮くんにボコボコにされて血とアザだらけになったり、亮くんとのセックスシーンでは舌もからめるディープキスや乳もまれ、ク〇ニなど、脱ぎはしなかったけど他の人気若手女優がやらない頑張りに、評価爆上げです。甘えたような声はやっぱ苦手。台詞が少な目だったおかげで、それもあまり気にならなかったです。

 文役の松坂桃李、やっぱ他の人気若手俳優とは一線を画す存在ですね。イケメンなだけ俳優じゃない!とう気概が、今回も感じられました。痛々しくも不気味なトーリ、大きな瞳がギョロギョロ怖く、そして美しい!ラストの全裸が衝撃的。素晴らしい演技、存在感でしたが、原作の文とは風貌がかなり違うような気がして。岡田将生とか山崎賢人みたいな中性的な俳優のほうが、見た目的には文に適してたと思うけど。文は男でも女でもない、性のない無色透明なイメージだったのですが、トーリは十分に男。濃ゆい髭剃りあととか太い喉ぼとけとか、文じゃないな~と違和感を覚えてしまいました。19歳の文の時も、かなり無理があった。肌が10代じゃないし。でも、少女にも大人の女性にも性的な欲望のない雰囲気は、すごくよく出してました。既婚者のトーリですが、いまだに私、疑ってます

 すずちゃんとトーリよりもインパクトがあったのは、亮くん役の横浜流星です。原作の亮くんは表面的には朴訥な感じ、私のイメージだと仲野太賀とか岸優太とかだったので、映画を観る前は横浜流星!?ないわ~と思ってしまったのですが、どうしてどうして。流星くん、いい役者じゃん!脱イケメンな怪演!気のいいフツーの青年風で登場しますが、冷酷そうな顔と目つきははじめっから何かヤバさを匂わせてる。その不穏さが秀逸でした。ぷっつん寸前の表情も胸ザワ。ブッコワレてDVストーカー男と化した姿、言動もホラーでしたが、私が感嘆したのは性愛演技の巧さ。キスや愛撫、服の脱ぎ方もリアルに猥雑で素敵でした。機会を与えたら、すごいエロ演技できそう。すね毛の濃さもエロかったです。

 文と交際する大人の女性役の多部未華子はゲスト出演的。ラストにチョコっと出てくる文の母役は、樹木希林の娘(もっくん嫁)でママそっくり。でも女優さんだったの?更紗の働くレストランの店長役の俳優、ぽっちゃりした男前。誰?かと思ったら、三浦貴大だった。少女時代の更紗役の女の子が、可愛くて演技上手。どっかで見たことあるなと思ったら、ドラマ「テセウスの船」に出てた子!彼女の更紗は声も喋り方もドライな感じだったのに、すずちゃんの更紗は甘えたような舌ったらずだったので、ほとんど別人格みたいでした。
 「悪人」「怒り」も非ポリコレな秀作だった李相日監督、撮影監督は「哭声 コクソン」や「パラサイト 半地下の家族」と同じ、だからかもしれませんが、最近の邦画らしからぬシビアさイタさは、どことなく韓流映画を彷彿とさせます。韓流映画っぽい邦画を喜ぶなんて、よく考えたら情けない事態ですね。悲しいメルヘン的で透明感ある映像も美しかったです。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バックシートに、いい男

2022-01-14 | 日本映画
 「ドライブ・マイ・カー」
 俳優兼演出家の家福は、脚本家である妻の音と深く愛し合っていたが、音が夫以外の男に抱かれていることを知っていた。音はくも膜下出血で急死し、その数年後家福は演劇祭の舞台を演出するため、開催地の広島に滞在することに。製作者側から渡利という若い女の専属ドライバーをつけられ不満に思う家福だったが、しだいに彼女の運転技術と寡黙さに安らぎを覚える。舞台のオーディションを受けるため人気俳優の高槻が現れ、家福は動揺する。高槻は音の情交相手だった…
 昨年のカンヌ映画祭で絶賛され、現在アメリカの賞レースも席巻中。アカデミー賞ノミネート、いや外国語映画賞の受賞は確実と目されるなど、久々に海外で邦画が高く評価されて、日本人としては誇らしいかぎりです。近年の邦画の凋落、質の低下は目を覆うばかり。韓国映画には完全に追い抜かれ、オスカー受賞の「パラサイト」や「ミナリ」でその差は広がるばかりな嘆かわしい現状。なので、邦画はまだ死に絶えてない、邦画も捨てたもんじゃない、という希望の光のような作品にやっと出会えたような気持ちです。村上春樹の短編小説を映画化したものなのですが、恥ずかしながら私、春樹センセイの小説って読んだことがない💦私のような下等人間には、ちょっと敷居が高いイメージなんですよね~。春樹センセイの愛読者って、すごく意識高い系って感じ。映画化された作品の「ノルウェイの森」も「バーニング」も、面白く思えなかった自分のほうが悪いのかしらん?と軽い自己嫌悪に陥ってしまい、以来ますます敬遠するようになった春樹センセイなので、この作品もまた…と不安を抱きながら観たのですが、それは杞憂に終わりました。評判にたがわぬ秀作でした!

 何年か前にアカデミー賞の外国映画賞を受賞したモックン主演の邦画は、これがオスカー受賞?!と観ながらキツネにつままれるような思いに襲われましたが、こちらは高評価に納得。面白かったとか、感動したとかとか、ユニークなとか、映画を褒める時に使う常套句はちょっとそぐわない不思議な映画。決してワケワカメな難解映画ではないのですが、男と女の心の機微や襞、性の深淵の不可解さを観る者に突きつけ、そして考察させる大人の映画でした。地味に静かに物語は紡がれているのですが、時々え?!な驚きと衝撃を投下してきたり、その時は意味不明だったことが後でそういうことだったかと腑に落ちたり、設定にもキャラにも映像にも奇をてらわずに惹き込む脚本が、まずもって秀逸と言えるでしょう。3時間近くの上映時間が、ぜんぜん苦じゃなかったのがその証でしょうか。

 登場人物たちの、まるで文学を朗読しているかのような台詞も印象的です。家福夫妻が交わす、JKが好きな男の子の部屋に空き巣するという創作話とか、続きが気になる使われ方をしていて、その衝撃的な結末にも脚本うまいな~と感嘆させられました。夫を深く愛しながらも他の男との情交を止めない妻、それを苦悩しながら黙認している夫。心の空漠とセックス、そして創作の関係性も興味深く描かれていました。演劇関係者の高尚な心理や葛藤が、私のような凡人にはほとんどファンタジー、ゆえに魅力的でした。舞台が製作される過程、オーディションとか稽古とか舞台裏の描写とか、ガラスの仮面みたいで面白かったです。

 出演者もみんな、大熱演とか肉体改造とか派手なものではなく、地味で静か、だけど抱えている痛みや闇が観る者の胸を衝く演技で素晴らしいです。主人公の家福役の西島秀俊、顔のシワも弛みもいい感じに年齢を重ねた大人の男、いい役者になりましたね~。懐かしの「あすなろ白書」世代には隔世の念ではなかろうか。もともと好きな俳優さんですが、なかなか観たいと思える作品に出てくれないんですよね~。俺って演技が巧いだろ?的な俳優と違って、どこか不器用な感じが返って魅力的。何より、いい男!シブくて色気ある熟年になったけど、どこかまだ何となく可愛い。舞台の上でワーニャ伯父さんを演じてる時の彼、あどけない少年みたいに見える表情があったり。

 冒頭、初登場シーンは妻との営み後と思しきベッドで裸!だったのも驚喜でした。ほどよく脂ののった裸体は、妻とのセックスシーンでも披露。お尻まで出して絡んでた。これって最近の邦画、日本の人気俳優には稀有。西島さんの濡れ場だけでも一見の価値あり。すごいエロい!大胆!ではありませんが。家福が名声も才能もあるのにエキセントリックにギョーカイ人ぶっておらず、すごく優しくて紳士的だったのも西島さんに合っていて好感。たまには極悪人とかクズ男ゲス男な西島さんも見たいけど。

 高槻役の岡田将生も、これまで見た中でベストかもしれない好演でした。岡マ、ほんまキレイな顔。イケメンじゃない、美男、ていうか、美人?一緒のシーンのある女優さんが可哀想になるほど。透明感があって優しそうだけど、たまに怖い、不気味なほど酷薄で冷酷な顔に見える、そういうところも彼の個性と魅力。普段着、稽古の時の衣装も、すごく都会的でおしゃれ!美貌だけでなく、まとう雰囲気も一般人にはない清らかな華があります。美貌と才能に恵まれて、人柄もいいのに、ヤリチンで喧嘩っ早いせいでトラブルが絶えない高槻を無邪気に爽やかに、かつ何か底の知れない闇を感じさせる目つきや表情で薄気味悪く演じた岡マ。終盤、車の中で家福に音のことを話すシーンでは圧巻の長台詞!俳優としてステップアップしたな~と感嘆しました。もうキレイなだけの俳優ではないことは確かです。それにしても。高槻を見ていて思ったけど、役者さんってほんと業の深い生き物なんですね~。

 西島さんと岡マに勝るとも劣らない好演だったのが、ドライバーの渡利役の三浦透子。この映画で初めて彼女を知ったのですが、ちょっと田畑智子似?最近の日本の映画、ドラマはいつも同じようなメンツの、キレイカワイイだけ女優ばかりなので、透子ちゃんがすごく新鮮に思えました。見た目や演技にもヘンなアピールがなく控えめな、感情を表に出さない無表情さ、余計なことは言わない寡黙さなどニヒルでクール、卓越したドライビングテクニックなど、渡利のキャラは若い女の子ではなくほとんど男でカッコよかった。家福とは男と女ではなく、ゆっくりと信頼関係を培い、ラストには父と娘のような思いやりを寄せ合う関係になるのが静かに感動的でした。
 この映画、やはり何と言っても広島ロケ!私、まったく予備知識なして観に行ったので驚きました。「仁義なき戦い」や「孤狼の血」シリーズとはまた違う、文化的で美しい広島の風景、雰囲気が嬉しかったです。広島県民には馴染みある平和公園周辺や流川、新天地公園、高速4号線etc.特に印象的だったのは、ゴミ処理場の中工場。なかなかシュールな映えスポット!今度わしも行ってみようかのお。瀬戸内海も美しく撮影されているのですが、家福が広島滞在中に宿泊する家があったのは、安芸灘大橋を渡ってたから大崎下島?広島から車で1時間ぐらいで行けるの?!
 家福が演出する舞台のワーニャおじさんが、日本人だけでなく韓国人や台湾人など多国籍多言語、手話も使われてたのが独特でした。特に韓国色が色濃かった。ラスト、ある人物が韓国にいたのはどういうこと?これにもあれこれ想像、考察させられます。

 ↑ 劇中劇のワーニャおじさん、ぜひこの二人で実際にも舞台化してほしいものです。舞台にも積極的な岡マ、「ガラスの動物園」もうすぐ観に行くけんね~!

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サイコやくざの目ん玉えぐり出し!

2021-08-30 | 日本映画
 「孤狼の血 LEVEL2」
 昭和から平成に変わったばかりの広島県呉原市。伝説の刑事大上の遺志を引き継ぎ暴力団を治めていた日岡だったが、殺された五十子組の組長の腹心だった上林が出所し報復の暴走を始めたため、裏社会の秩序は崩れ始めて…
 「孤狼の血」待望の続編、ようやく観に行けました前作同様、我がホームタウンである広島県K市でロケが敢行されました。でも残念ながら今回もわし、ロケには遭遇できず実家と職場の近くで松坂桃李が撮影してた!との情報を耳にするたびに、何でわしはトーリに会えんのんよ~!はぐいい~(広島弁)!!と歯ぎしり。生トーリを目にすることはできませんでしたが、今回も馴染み深い場所がスクリーンに映し出され、郷土愛をくすぐられました。前回も登場した中通商店街、黄ビル、堺川沿いの屋台通りなどは、実家のすぐ近くなんですよ。でも、その他のほとんどのシーンは広島のどこか判らなかった。なので、前作よりもK市色が薄まってたような気がしました。むかし屋上にあったショボい遊園地とか、1991年のカープ優勝の実況にノスタルジー。雑誌やポスター、看板、放送など、ところどころに出てくるカープが広島感を出してました。生活のすべてにカープが浸透してるのが広島じゃけん。

 登場人物たちのヘンな広島弁も、前回同様楽しかったです。やはりネイティヴが聞くと、イントネーションが全然違うんですよ。使ったことない聞いたことない広島弁もあったり。でも人気俳優さんたちが広島弁を喋ってくれると、すごく嬉しいものですね。イケメン&男前な人気俳優たちが、他の映画やTVドラマ、CMでは絶対しない過激で荒々しい演技を見せてくれるのも、このシリーズの魅力です。主人公の日岡役の松坂桃李は、前作の見た目もキャラも優等生から一転、やさぐれた不良刑事に。でも孤高の一匹狼なカッコつけクール系ではなく、ひょうひょうと明るく気さくなキャラで、猛々しく粗暴な言動はしても、誰かから責められたり裏切られたりすると動揺したり落ち込んだり、善良さや純真さは失っていない、ワルにはなりきれない蒼さもよく出していて、すごく可愛かったです。

 それにしてもトーリ、やっぱスゴいイケメンですね~。アップになると見とれてしまう顔面偏差値の高さです。デコッパチなのが可愛い!黒を基調にした衣装も、ほっそりした長身に似合っていて、まるでモデルみたいだった。あんな刑事、少なくともK市にはいませんよあまりにも都会的で優しそうなイケメンなので、どんなにスゴんでも迫力がなくて可愛い♡とキュンとなるだけでしたどんどん、ますますいい男になってきてるトーリ、今後も大人の俳優な役や演技に挑んでほしいものです。細すぎるので、もうちょっと肉がついて恰幅がよくなれば、もっと色気が出てさらにいい男になるはず!

 トーリを凌ぐ存在感、主役感だったのが、狂悪極道上林役の鈴木亮平。彼もいい俳優ですよね~。善い役も悪い役も自在。どんな役でもまず見た目をリアルに作り上げてるところが、彼のスゴいところでしょうか。CMもたくさん抱えてる売れっ子なのに、上林みたいな役をやる果敢さ、気概に拍手です。やくざというよりサイコパスな役で、ほとんどホラーな鈴木さんでした。彼もトーリ同様、地方やくざにしては垢抜けてるというか、どんなシーンでもモデルのようなスマートさ。主役の二人があまりにも令和なイケメン&男前だったのが、昭和の泥臭さや淀み、暗さに欠ける原因になってたかも。往年の仁義なき戦いファンは、今どきの人気イケメンが無理してキバってるだけの映画と感じるかもしれません。

 他の出演者たちも好演しているのですが、前作と比べると役者が格落ちしてたような。製作費、ここで削ったのかな。役所広司、江口洋介、竹野内豊と同格な大物は出てません。吉田鋼太郎は大好きな名優ですが、メインキャラ扱いには疑問符な役でした。コメディリリーフ的な役で笑えたけど、映画が軽くなってしまった。寺島進、かたせ梨乃など、やくざ映画でおなじみの面々も、ほとんどギャグな存在だったし。斎藤工もイケメンですが、やくざというより怪しい業界人にしか見えんかった。滝藤賢一の“俺って演技うまいだろ”演技が今回もとにかく鼻について、甚だしく浮きまくりでウザかった。彼のシーンだけ早送りしたくなりました。

 日岡のスパイ、チン太役の村上虹郎は、いい演技だったんだけど、すみません顔がタイプじゃなくてチン太は、大根でもいいので私好みのイケメンにやってほしかったかも。チン太の姉役、あれ誰?AKB関係の元アイドル?月曜ドラマランドな顔と演技に脱力。どう見てもせいぜいキャバ嬢で、やくざに怯まない豪胆なクラブのママ役には無理がありすぎ。そもそもあの役、話に必要?トーリの情婦みたいな設定でしたが、そんな男女感は微塵もなかった。前回の真木よう子もアレでしたが、今回はもっとアレレでした。中途半端で不必要な女キャラは排除すべき。

 大好きな青柳翔がどんな役で出てるのかも、この映画の楽しみのひとつでした。やくざ役かマル暴刑事役かと思ったら、刑務所で反抗的な上林を拷問する刑務官役だった。初登場シーンでは彼とは判らなかった。おっさんになったな~。でも全然イケてます。短い登場でしたが、若い頃にはなかった味と深みが演技に。くたびれた男の色気があります。作品によっては今でもカッコよくもなれるし、彼ってひょっとしたらバイプレイヤーとしてブレイクするのではと予感、期待してます。
 イケメンや男前の大暴れ演技は楽しいのですが、やくざ映画からちょっと脱線しちゃってる内容だったのが気になりました。上林がサイコすぎて、ほとんど殺人鬼を追う刑事の話になってたような。やくざ映画といえばの抗争や暗闘、駆け引きなど、あるようでない内容でした。目玉をえぐり出すとかメッタ刺しとか血みどろ血まみれのエグい残虐シーンは、韓流ヴァイオレンスの影響を色濃く感じました。
 カープがチラチラ出てくるたびに、俳優よりもやくざ役にぴったりな野球選手、いっぱいいるよな~と思って苦笑。カープで孤狼キャスティングするなら日岡は大瀬良くん、上林は誠也だな!上林の舎弟は西川と野間。チン太は中村奨成。構成員は森下、栗林、大道、小園など。幹部役は佐々岡監督、緒方元監督、黒田氏、新井さん。特別ゲストで中田翔もシャレになんない参入、と楽しい想像(^^♪
 
 ↑ 日本映画界をしょって立つ役者になってほしい二人。これで演技派気取り?な勘違い俳優にはならないでほしい!


 

 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の終わりの家族狩り

2021-06-13 | 日本映画
 日曜日、高台の家で誰にも会わず誰とも喋らず、のんびりまったり過ごしました。独り暮らしを始めてから、いつの間にかカフェインよりもアルコールを摂取することが多くなってしまってます。大好きなフルーツ系リキュールをチビチビ飲みながら、掃除、洗濯、庭いじり、料理、Netflix鑑賞。ほろほろと幸せな時間はあっという間に過ぎ去りました。明日からまた仕事…重い気分を払拭するために、またチビチビ。私、大丈夫でしょうか。アル中になるのではないかと心配です。


 「キャラクター」
 漫画家になる夢を挫折しかけていた圭吾は、一家惨殺事件の現場に遭遇し犯人を目撃してしまう。その衝撃にインスパイアされて描いた漫画が大ヒットし、一躍人気漫画家となった圭吾の前に一家殺しの犯人が現れる。両角と名乗る男は、圭吾の描く漫画の殺人を実行し始めて…
 思ってたよりグロくてエグいシーンがあって、オンナコドモでも大丈夫そうなユルいヌルいホラーじゃなかったのが良かったです。包丁でメッタ刺しの野蛮さ残虐さや、血まみれ血しぶきのおどろおどろしさなど、韓流サイコ映画を彷彿とさせました。視覚的にはなかなか優秀なのですが、肝心のお話と登場人物がちょっと…小説や漫画の殺人を実行する設定とか、結構ありふれてるので目新しさはない。途中ひょっとしたら圭吾と両角は?と深読みしたのですが、そんなトリッキーさもなかったし。

 絵は巧いけど作中のキャラクターが弱くて平凡だから面白い漫画が描けないと言われる圭吾でしたが、それはそっくりそのままこの映画のことです。圭吾のキャラと言動に魅力が欠けてるんですよ。あんなことが起きてるのに淡々としすぎというか、いい子すぎというか。ひょっとしたらそれは擬態で実は?という驚愕の正体が…なんて期待も裏切られたし。両角と何度も遭遇してるのに、呆然とするだけで何もしないとかありえんわ。もうちょっと圭吾にも意外性やもヤバさを加えてほしかったです。もっともツッコミどころが多かったのは、警察の無能さです。一家皆殺し事件が頻発してるのに、大がかりな捜査をしてるわりには全然犯人や真相にたどりつかないし、誤認逮捕や容疑者取り逃がし、終盤の夏美をまったく警護してなかった失態とか。韓流ではおなじみの無能警察だけど、そこまで同じじゃなくてもいいのに。

 キャラは薄いのですが、演じてた俳優たちはなかなかの濃さでした。圭吾役の菅田将暉は、ちょっともういろいろ出過ぎ。CMだけでオナカイッパイ。彼の映画やドラマ、歌もほとんど観たり聞いたりしないのに、何でしょうこの顔を見ただけで襲われるウンザリ感は。もういい加減飽き飽きしてるのですが、たまに出演作を観ると個性的な俳優だしやっぱイケメンなのかな、と思うことも。ファニーフェイスは可愛いけど、ガリガリで貧相すぎ。ヤバい本性とか狂気とか、過剰でもいいからもうちょっと目を惹く演技をさせてあげたらよかったのに。某事務所の下っ端タレントでもできる役でしたし。

 両角役でSEKAI NO OWARIのボーカル、Fukaseが記念すべき俳優デビュー。お世辞にも演技は巧いとは言えないけど、かなり気持ち悪くてインパクトはありました。サイコ殺人鬼役を映画デビュー作で選ぶとか、自身のメンヘライメージを大事にしてるんだな~と、痛々しくも商魂たくましいFukaseさんです。フニャ~っとしたニコニコ笑顔とかかなり気色悪いです。あんな人そのへん歩いてたら、すぐ職質されますよ。それにしても。Fukaseってあんなパンパンにむくんだ顔してたっけ?ブレイクした頃はすごく可愛かったのにな~。白石加代子みたいな顔になってたけど、役作り?映画もドラマもいつも同じような人ばかりなので、彼の存在と演技は新鮮ではありました。次はリアルなメンヘラ役を地で演じてほしいものです。
 事件を追う刑事役の小栗旬がカッコよかった!

 オグリンもすっかり落ち着いた大人の男になって、若々しさもありつつ熟年の魅力も備え始め、いい役者に成長。昔よりも肉付きがよくなった長身にスーツがよく似合って、モデルみたいなたたずまいも。ありきたりな敏腕暴走刑事ではなく、すご~く優しいところが素敵でした。声がきれいで優しいオグリン。圭吾に対しては、刑事というより優しいお兄ちゃんみたいで、ちょっと腐心を刺激されました。オグリンの相棒刑事役の俳優が、すごい苦手な人だったのが残念。菅田将暉もだけど、あの苦手俳優が相手なのでBl妄想をかきたれられなかった。熟年になったオグリンにはぜひ、本格的な大人の恋愛もの、もしくはBLものに挑戦してほしいものです。来年のオグリン主演の大河ドラマに菅田将暉も出演するので、この映画の脇役出演はそのお礼的な友情出演だったのかな?

 夏美役の高畑充希、うう~ん、いま私が苦手な女優TOP5には必ず入ってる人。まあ日本の女優の90%は苦手な私ですけど声と喋り方がちょっと…あまりシャシャってこず、いてもいなくてもいい役だったので安堵。オグリン刑事の上司役、小木芳光が素敵おじさま♡菅田将暉よりも小木おじさまに抱かれたいです(^^♪
 事件よりも驚いたのは、人気漫画家になった圭吾が夏美と暮らすマンションの豪華さ!漫画家って売れたら巨万の富を得るんですね~。鳥山明センセイとかワンピース、鬼滅の作者とか、どんな豪勢な暮らしをしてることでしょうか。漫画の描き方(手描き、デジタル)も興味深かったです。
 日本では凄惨な一家惨殺事件ってたくさん起きてますが、中でもトラウマ級の戦慄、おぞましさなのが、上野消火器商一家殺人事件と練馬区一家殺人事件でしょうか。事件のあらまし、犯人の動機、そのおどろおどろしさはホラー映画の比ではありません。
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミッション・ホリプロ

2021-04-04 | 日本映画
 「太陽は動かない」
 産業スパイ組織AN通信のエージェントである鷹野と田岡は、ブルガリアで死亡した仲間が追っていた香港の裏組織の動向を探る任務に就く。彼らの前に、フリーエジェントのデヴィッド・キムや、謎の女AYAKOが現れ、ある機密をめぐって諜報戦が激化するが…
 人気作家、吉田修一の小説の映画化。うう~ん…海外ロケでのダイナミックで奇想天外なアクションシーンなど、なかなか頑張ってるとは思ったのですが、何だろう?すごく残念な映画でもありました。やっぱスパイアクション映画って、日本には似合わないというか、すごい不自然で無理してる感じが否めなかった。真面目にやればやるほど滑稽で失笑、これはコメディ映画なのかな?と首を傾げてしまうことも。とにかく失笑苦笑シーンてんこもりで、ツッコミどろこも満載。あえて狙ってたのかな?と思うほどに。

 私、007やM:I、ワイスピとかが大好きなんです。なので、この映画がどうしてもそれらのショボい劣化版としか思えなくて。どっかで見たことがあるような、オリジナルのパロディみたいなシーンなど、ほとんどコントみたいだった。ノリはド派手で壮大なんだけど、国家の存亡に関わるとか国民の命が危機にさらされてるとかスケールの大きい話ではなく、単なる企業の利益争いの手先になってるスパイってのが、何か小さいな~と苦笑。スパイ描写もステレオタイプすぎ。日本ならではの独自で斬新な描き方が望ましかった。

 スパイ映画ってどうしても007やM:Iのような、冷徹で非情な世界というイメージがありますが、この和製スパイ映画にはそんなハードボイルドさは微塵もなく、センチメンタルでスウィートなんですよ。それが大きな敗因のひとつです。スパイ映画にお涙ちょうだいな感動エピソードとか要らん!悲しい過去のエピソードとか、淡い青春の初恋とか、熱い友情タッグとか、脱力感ハンパないです。何だか昔懐かしの大映ドラマなノリ。それもそのはず、主演の藤原竜也と竹内涼真の所属事務所はホリプロ。元ホリプロのアイドル、堀ちえみの「スチュワーデス物語」を彷彿とさせるスパイ映画になってました

 最大の敗因は、藤原竜也も竹内涼真も凄腕のスパイに見えないことかもしれません。藤原竜也はね~…個性的な俳優だとは思うのだけど、老けた子どもみたいな弛んだ童顔で、しかもガリガリヒョロヒョロで、まったく強そうに見えない。その髪、切れよ!と思ってしまったり。演技が熱すぎオーバーすぎ。まるでコントでした。香港の高層ビルの屋上から鳥のように飛んで逃げるシーンと、郵送されてきた箱の中からジャジャーンと飛び出してくるシーン、かなり笑えました。そういうのが、映画をユルく軽くしてしまったと思う。

 竹内涼真はね~…最近ワイルド系にイメチェンし、肉体改造してマッチョ化。ファンサービスのシャワーシーンでは、お尻も披露。デカくてムチムチした肉厚なケツは、私好みでなかなか眼福でした。イケメンだけどヘボいアホ顔なので、どんなにハードなアクションをしてもタイトでシャープな感じがせず、何だか締まりがないというか。竜也同様、頭脳明晰で屈強なスパイに見えません。それと。24時間以内に組織にコンタクトしないと、胸に埋め込まれた爆弾が起爆するという設定なのですが、まるでウルトラマンのカラータイマーみたいにピコンピコンと音出して点滅するのが笑えた。

 藤原竜也の少年時代を演じてた日向亘(彼もホリプロ)が、凛々しくフレッシュでした。デヴィッド・キム役はピョン・ヨハン、謎の女AYAKO役はハン・ヒョジュ(最近よく遭遇するわ~)、韓流スターも登場。二人ともイケメン、美人なんだけど、スパイにしては可愛すぎ優しすぎというか、やっぱユルいんですよね~。二人とも頑張って日本語の台詞もこなしてましたが、わざわざ日本語を使ってくれてデヴィッドもAYAKOも随分親切な人たちだな~と苦笑。ハン・ヒョジュのファッション七変化は目に楽しいのですが、着物姿とか意味不明で笑えた。AYAKO役は、10年前ぐらいのハ・ジウォンがピッタリなんだけどな~。

 明らかにCGなシーンが多かったのも、チープ感を強くしてました。敵役、悪役がショボい小物すぎ。拷問が手ぬるい。韓国映画のヤクザのほうがよっぽど残虐です。頑丈なはずの縛めが案外簡単にはずれたり、走行中の列車や航海中の船にいつの間にか乗り込んでたりとか(どーやって?!そのプロセス、省略しすぎ!)。鷹野の上司(佐藤浩市)が、鷹野のことを行方不明になった自分の息子ではないかと思ってる企業の取締役(鶴見辰吾)に、鷹野の悲惨な過去についてペラペラ喋ったり、スパイにあるまじきオープンさ親切さで嗤えた。

 とまあ、細部が雑なのがトホホかつ笑えます。内容も演出も出演者も、大人が楽しむハードでクールなスパイ映画ではなく、スパイ映画の形を借りた女性受け狙いのスウィーツ映画になってしまってたのが残念です。原作を読んだ時、鷹野や田岡を日本人俳優でイメージできなかった。当時の脳内キャストは、鷹野=イ・ジョンジェ、田岡=チョン・ジョンミョンでした。10年前ならドンピシャな組み合わせだと思う!今なら鷹野=パク・ソジュン、田岡=ナム・ジュヒョクがチョアチョア~(^^♪韓国でも映画化して!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする