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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ブブ

2013-09-16 | イタリア映画
 あっちょんぶりけ~!昨日に続いて、今日もカープが巨人に勝ちました!!
 9回になってまさかの逆転負け!?な雰囲気に陥りましたが、何とか逃げ切ってホッ!ヤキモキ&ハラハラさせてくれるのが、まあカープらしいですが。CSへの執念を感じさせるこの頃のカープ、でも油断大敵!勝って兜の緒を締めて、正念場を切り抜けてほしいですね。頑張れカープ!ああ~。マツダスタジアムに応援に行きたいのお!今年になって、まだ一回も行っとらんけん

  「愛すれど哀しく」
 19世紀末のイタリア・ミラノ。純真な少女ベルトは、パン職人のブブと恋に落ちる。だがブブは働かなくなり、ヒモとなってベルトに体を売って稼ぐよう強制。ブブの愛をつなぎとめるため、ベルトは娼婦となるが…
 「わが青春のフロレンス」や「沈黙の官能」など、叙情的な時代劇メロドラマの名手だったマウロ・ボロニーニ監督作品。
 うう~ん。くらたまも驚くだろう“だめんず女”の物語でした。愛する男のため、愛する男を失いたくないから、男を盲信したり言いなりになる、という“惚れた弱み”的なイタい心理や言動は、理解も共感もできますが…いくらなんでも、売春婦になるのはちょっと…カラダ売って俺を養え!なんて言ってくる男を、どうして愛することができるのでしょうか。でも実際、世の中いっぱいいますよねえ。どうしようもないクズ男のために、自分を犠牲にする哀れで愚かな女性って。翻弄され傷つけられることも、ほどほどなら刺激的な恋愛のスパイスになるけど、肉体も精神も人生もズタボロになるような破滅に身を委ねないと愛を実感できないなんて。殴られても冷たくされても病気になっても、棄てないで~!何でもするから~!とすがりつくベルトのドMっぷりは、何だか病的で怖かった。自分がなくなってしまう、相手しか見えないという状態。本当の愛は、ひょっとしたら病気のようなものなのか?健全すぎる私には、一生罹らない病気かもしれません。それはそれで、何だか寂しいような気もしますが。

 ブブの最低なヒモっぷりは、ある意味あっぱれ。あそこまで非情で身勝手な人でなしになれるなんて。最低なクズ野郎なんだけど、俺は働きたくない!それの何が悪い!俺を愛してるなら、俺を養うのは当然!という首尾一貫した揺るぎなき思考回路、卑屈にならず堂々としてるところなど、呆れつつも感心。ヒモって最低だけど、悪い意味で選ばれた者しかなれない人種ですよね。美しいだけ、頭がいいだけじゃ無理だし。女をメロメロにしたりマインドコントロールしたりするには、顔とかアソコとか肉体的にも恵まれてないといけないし、口八丁手八丁な才覚も必要だし。ブブの、ベルトへのアメ(甘~く情熱的な言葉と愛撫)とムチ(殴る蹴る)の使い分けが見事だった。私だって、もし悪賢いイケメンに生まれてたら、まともに働くよりヒモになる道を選んでるかも…って、私も最低ですねでも正直、ヒモにはなりたいが、ヒモられる女には絶対なりたくない…

 ベルト役は、ボロニーニ監督の「わが青春のフロレンス」でカンヌ女優賞を受賞したオッタヴィア・ピッコロ。当時22、3歳?米倉涼子を可憐にエロくした感じ?脱ぎっぷりも見事でした。悲惨な境遇にいても、陰惨で無残な暗さはあまり感じさせず、たくましく愛らしいヒロインだったのが好感。汚れても堕ちても、透明感や瑞々しさを失わないところは、彼女の天性の魅力なのでしょうか。オッタヴィアさん、いま現在も女優として活躍してるのかな?可愛いおばちゃんになってそうだが…

 可愛い男には毒がある、なブブ役のアントニオ・ファルジが、なかなかのイケメン。マイケル・ファスベンダーを可愛く濃く潤わせた感じ?それにしてもイタリアの美男って、どこの国の美男よりヒモが似合いますね。ベルトを愛する客の青年ピエール役、「わが青春のフロレンス」では主人公を演じてたマッシモ・ラニエリもイケメン。日本でリメイクされるとしたら、ブブは青柳翔、ピエールは池松壮亮がいいかも♪ベルトはもちろん、松たけ子で
 19世紀のミラノの街並みが趣深く、娼婦たちの衣装も目を楽しませてくれます。
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イケメンのぞき魔の殺人観測!

2013-06-05 | イタリア映画
 じぇじぇ!(最近、あまちゃんが面白い♪)いま帰宅してニュース観てビツクリ!
 イ・ビョンホン結婚!!
 私の韓流初恋男ビョン吉も、とうとう年貢を納めたか~。一緒に独り身を貫いてくれるのかと思ってたのに…ちょっと寂しい、けれどチュッカハムニダ~!お幸せに!
 相手はいったいどこの馬の骨、どろぼう猫さ!?イ・ミンジョン?誰だよ?!ってチェキってみたら、あ!こないだから観始めたコン・ユ主演の「ビッグ」のヒロインじゃん!うう~ん。確かに美人で可愛いわ。元カノのソン・ヘギョより、私の好きなタイプかも。
 ナニハトモアレ。子どもに観せたくないから!とか、家庭を大事にしたいから!とか言って、ヌルい仕事はしないでねビョン吉!優しい夫やパパの顔よりも、セクシーな男汁役者ビョン吉をこれからも見ていたいです。


 「ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?」
 「サスペリア」などで知られるイタリアンホラーの巨匠、ダリオ・アルジェント監督作品。
 映画マニアの大学生ジュリオは、向かいに住む美女サシャを密かに覗き見し、彼女がレンタルビデオ店で出会ったフェデリカと親密な関係になる様子を気にしていた。そんな中、サシャの母親が何者かに惨殺される。折り合いが悪く財産家の母親を、サシャがフェデリカと共謀して殺したのではないかという疑惑にかられ、捜査に乗り出すジュリオだったが…

 サシャとフェデリカの交換殺人疑惑は「見知らぬ乗客」、ジュリオのシャワーシーンは「サイコ」、骨折して足にギブスしたジュリオがガールフレンドと、双眼鏡で窓から向かいを覗き見するのは「裏窓」。ヒッチコックへのオマージュ?それともパロディ?な内容と場面が微笑ましい作品でした。ノリも雰囲気も、何だかすごいチープなB級感ですが。ストーリーやキャラ設定は、かなりいい加減で雑です。陰惨な殺人事件が起きてるのに、妙にノーテンキな登場人物の言動や、セクシー美女の無駄脱ぎなど、イタリアっぽくて笑えましたが。向かいの家でエロい露出狂な美女たちが、服を脱いだり全裸で本を読んでたり、男にとってはファンタジーかもしれませんが、私からすると実際にあんなシチュエーション、殺人と同じくらい怖いですよ。
 全体的にかなり安っぽいのですが、さすがホラーの巨匠アルジェント監督、と感嘆するシーンもあるにはあった。たとえば、フェデリカの部屋を覗き見してるのがバレて、追いかけてくる男からジュリオが原チャリで逃げようとするシーン。あ、捕まる!いや、大丈夫、おっと、やっぱダメだ!とか、ラストの真犯人が屋上から落ちそうになるシーン。落ちる!いや助かる!おっと、やっぱ落ちる?!みたいな、ハラハラと引っ張る演出が秀逸でした。
 ジュリオ役は、「我らの生活」でカンヌ映画祭男優賞を獲得したイケメン、エリオ・ジェルマーノ。

 映画オタクで覗き魔なジュリオ、見た目は10年後ののび太。車のCMの妻夫木聡より、この作品のエリオのほうが未来ののび太っぽいです。オタクでヘタレな上に、のぞき癖と妄想癖があるイタい男子なんだけど、全然キモくない。フツーに女にモテそうなルックスです。冴えないアホブサ顔したりもするんですが、やっぱ可愛らしい顔は隠せない。たまにシリアスな顔のアップになると、ほんとイケメン。ほっそりとした肢体と、体毛の薄さが何だかイタリア男っぽくないのも、エリオの特徴でしょうか。

 それはそうと。アルジェント監督の新作“Dracula 3D”は、いつ日本公開なんでしょうか。トーマス・クレッチマンがドラキュラ伯爵役なので、すごく楽しみなんだけど。DVDスルーでもいいから、早く観たい!

 ↑日本では知る人ぞ知るイタリアンイケメン、エリオ・ジェルマーノ。今年のイタリア映画祭では、彼の出演作が数本上映されましたが、一般公開は未定のようです。もっと彼の作品が、日本でも陽の目を見るといいのになあ…
 

 
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パパはテンパリスト

2013-05-01 | イタリア映画
 車を買って以来、歩いて行ける近くのコンビニでさえ車に乗って行ってしまってる私。ああ~あんなにバカにしたり注意してたダミアンや親父と同じじゃん!このままじゃいけん!一念発起して、流星号と名付けたママチャリで通勤を始めたのでした。新緑の季節、自転車をこぎながら全身に受ける爽やかな風が気持ちいい♪運動にもなるし、いいじゃん自転車♪と、ゴキゲンに健康的なはずだったのですが…3日目の夜、熱と咳と異常な喉の痛みに襲われ、病院にいくハメに。ドクターに、最近疲れてませんか?朝夕冷たい風にさらされてませんか?と訊かれ、ギクッ確かに、自転車はしんどいし寒い…というわけで、自転車通勤は3日でジ・エンド(涙)。ああ、わしってダメ人間…流星号は、裏庭で放置されサビつく運命をたどることでしょう…

 「我らの生活」
 3人目の子どもを出産直後、妻が急死するという悲劇に襲われたクラウディオは、子育てとビル建設の仕事で悪戦苦闘の日々を送るが…
 頑張るヤモメの奮闘記といえば、ちょっと前に日本でも「とんび」というドラマが話題になりました。ベタベタしい愛情人情物語、無理やり泣かせようとするお涙ちょうだいものは苦手な私ですが、このイタリア版やもめ物語は、お国柄なのか感傷や愁嘆よりも、力強く生きることを優先する明るいバイタリティにあふれていて、爽やかでさえありました。
 悲しみのあまり、できることがメソメソするだけになってしまう人を見ていると、気が滅入るし反感さえ覚えてしまいますが、悲しみに浸ってられる余裕もなく、生活のため、自分を頼ってくる者たちのために闘う人の姿には、勇気づけられるし応援したくもなります。痛みや喪失感を抱えながらも、幼い子どもたちのため、仕事のために必死なクラウディオのような現実主義的なたくましさ、私にもあればいいなあと思いました。

 デスパレートなクラウディオですが、俺はこんなに頑張ってるんだぞ!な、コレミヨガシな自己犠牲的な頑張りではなく、ちょっと厚かましいぐらい隣人や兄姉を利用したり、子持ちの人妻とアヴァンチュールをしたりと、かなり俗悪な人間くささがあるところにも共感を抱けました。真面目で潔癖なだけでは、生活や愛する者を守れないのかもと反省してしまいました。
 クラウディオの周囲の人々も、みんな個性的面々でした。隣人である元ヤク中の車椅子亭主&元売春婦の黒人妻や、クラウディオの兄姉みんな一癖あるけど超いい人ばかりで、クラウディオは人間関係に恵まれてるなあと羨ましくなりました。人間ってやっぱ、独りでは生きられないよなあ。独りで生きる自信あると豪語してる私ですが、ナンダカンダで周囲の人たちに助けられて生きてるのが現実だしね。

 それにしても。若い父親が幼い子どもを虐待死させる事件が絶えることがない今日この頃。イクメンなクラウディオには、本当に頭が下がる思いでした、ていうか、どんな苦境に陥っても、子どもを守り愛するのは当たり前、なんですよね。その当たり前な姿さえ尊く見えてしまうのは、やはり今の社会が病的だからでしょうか。
 あと、イタリアにおける不法移民問題も描かれていたのが興味深かったです。ルーマニア人の熟女人妻とその息子が、いい味出してました。特に息子。クラウディオとその幼子たちとの友情が、ちょっと切なくて微笑ましかったです。

 クラウディオ役を熱演し、カンヌ映画祭男優賞を受賞したエリオ・ジェルマーノが、チャーミングなイケメンでした。やんちゃっぽい感じが母性本能をくすぐる系?イタリア男のイメージ通りな、女への甘さや物事へのテキトーさが可愛かったです。程よく濃い童顔もキュートです。脱いだら胸毛なんかほとんどなく、ツルンとした裸だったのが意外でした。彼、「NINE」に出てたらしいのですが、何の役で?!ぜんぜん思い出せん彼の出演作、もっと観たいです。
 クラウディオのお人よしな兄ちゃん役は、こちらもイタリアン男前ラウル・ボヴァ。彼の役は、弟にお古の女を下げ渡されるような冴えない独身男って感じなんですが…あの~すげー色男にしか見えないですけど?あのルックスでモテないわけないだろ!男前兄弟の仲良しぶりも素敵でした。
 あと、何かといえば親兄弟が集まって大人数で食事、もイタリアって感じ。私みたいな面倒臭がりで、適度に距離がないと家族とも仲良くできないタイプ、イタリア人とは結婚できませんね(笑)。

 ↑エリオ・ジェルマーノ、1980年ローマ生まれの現在33歳。2010年のカンヌ映画祭で男優賞を獲得!彼ってもしかしてもしかして、「野良犬たちの掟」でヤク売人の少年、ネズミを演じてた男子?!
 
 
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聖☆おとこ旅

2012-09-06 | イタリア映画
 残暑に辟易しつつ、ふとした瞬間に涼しい秋の到来も感じることもある今日この頃、皆さまご機嫌いかがですか?
 ちょっと前に何かで見た占いで、秋のはじめに良いことが起こるとありました。昨夜仕事から帰宅したら、私宛に某大手出版社から小包が届いてました。ん?と思って開けてみると、OH!What a pleasant surprise!秋にピッタリなブランドものの靴が!そーいや随分前、職場で後輩の女の子が貸してくれた漫画雑誌に挟まってた懸賞ハガキを出したんだった!うれP~☆
 懸賞って、期待しないで出すと意外と当たるもんなんですよね。特に漫画雑誌のは。過去にもスニーカーやi Pod、商品券とか当たったことあるし。久々に当たって嬉しかったけど、これが秋のはじめに起こる幸運なのかなあ。恋愛とか宝くじとか、もうちょっとデカいの期待してたんだけど…って、いかんいかん。そんなこと言ってたら、今度はバチが当たりますね♪
 話は変わるのですが…
 広島女児カバン監禁事件。被害者の女の子、無事でよかったです。カバンの中に閉じ込められるなんて、怖かったし苦しかっただろうなあ。何なんでしょう、犯人の男。病院に閉じ込めてほしい。でも、生きてる人間も、カバンの中に入っちゃうもんなんですね。電車の中で、たまにカタカタ中から音がしてるカバンを持った人がいるけど…何が入ってるのか、想像するのも恐ろしいですね。

 「ナイト・オブ・ゴッド」
 目当てだったトーマス・クレッチマンのみならず、エドワード・ファーロング、ラウル・ボヴァ、マルコ・レオナルディ、スタニスラス・メラールと、派手なビッグネームはいないけど、個性的なイケメンぞろいで、思わぬ嬉しい拾い物をした気分に。
 十字軍の時代。邪教集団から、キリストの聖骸衣を奪還すべく、5人の若き勇者たちが冒険の旅に出る...
 世界史やキリスト教に関してチンプンカンプンだと、解り難い部分も多々ありますが、お話よりも、登場するイケメン5人の魅力と活躍が、映画の見所になっています。
 時に諍いながらも、力を合わせて危難や敵と闘い、目的地へと急ぐ男たち。どことなく「ロード・オブ・ザ・リング」とキャラがカブります。
 エドワードはフロド。屈強な男たちに守られてる、純粋な男の子。いちばん使命感が強いけど、実戦では役に立たない。
 トーマスはアラゴルン。勇猛果敢な戦士。でも、優しく情が深い男前。
 スタニスラスはレゴラス。金髪の美青年で、弓の名手。
 マルコはボロミア。ちょっと悪そうだけど、ワイルド&タフな熱い奴。
 ラウルは…実質の主役で、いちばん目立つ儲け役。とにかく、彼のエキゾチックで憂いのある男っぷりと美貌が、目を惹きます。

 地味だけど、ユニークなキャスティングが興味深い。あの「ターミネーター2」のジョン・コナー少年と、「イザベル・アジャーニの惑い」の美青年アドルフが、仲良くツーショットだなんて、意表を突き過ぎ。現在あの人は今状態なエドワードは、まだジョン・コナーのままで可愛いし、無気力でスカしたアドルフと違い、勇ましく行動的なスタニスラスも新鮮。
 トーマス・クレッチマン、軍人だろうが騎士だろうが、闘う漢(おとこ)の衣装は、何でも似合う!中世の薄着が、妙に色っぽいです。
 この映画の製作者は、女かゲイ?エドワードで美少年、トーマスでマッチョ、スタニスラスで耽美、マルコで野性、ラウルでジゴロ...と、いろんな好みのニーズに、心憎いまでに応えています。制作費では足元にも及ばないけど、ロード・オブ・ザ・リングの100倍は高いイケメン度です。
 残念なのは、やはりハリウッド映画のように、湯水のごとく巨費を投じて作れなかったためか、戦闘シーンなどがショボいこと。迫力がなさすぎて、日本のNHK大河ドラマより金がかかってないのでは?と思えるほどです。
 この映画、邦画で理想妄想リメイクしたら…

 ラウル・ボヴァ → 竹野内豊
 エドワード・ファーロング → 池松壮亮 
 トーマス・クレッチマン → 仲村トオル
 マルコ・レオナルディ → 小澤征悦
 スタニスラス・メラール → 福士誠治 

 こんなん出ましたけどぉ~?
 オリジナルと違って、壮亮くんは実戦でも腕が立つ若武者ぶりを発揮しそうですね。
 福士くんは美青年じゃないけど、爽清な凛々しい武士役が似合うので。
 
  
 
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魔性の嫁!

2012-08-27 | イタリア映画
 夏が逝きますね…道端に転がってた蝉の死骸に、寂寞と無常を感じました。
 皆様は、素敵な夏をお過ごしになられたことでしょか?
 短かった夏休み、私はガラにもなくアチコチ出かけました。三次にドライブ。安佐動物園。江田島で海と温泉。暑かった…疲れた…外に出て10分足らずで後悔、早く帰りたいと思ってしまったところが、私らしいというか。海や動物園は、ぶっちゃけどうでもヨシ子さんだったんです。ただもう、車を運転したかっただけなのです♪
 でも。気力労力よりも、ガソリン代がもったいないので、もう必要以上に車は使うまい、と心に誓ったケチな私なのでした♪

 「沈黙の官能」
 スティーヴン・セガールの沈黙シリーズではありません。イタリアの名匠マウロ・ボロニーニ監督の文芸ドラマです。
 19世紀のローマ。貧しい金物屋の娘イレーヌは、大富豪フェルラモンティ家の次男と結婚するが、彼女の野望はそれだけにとどまることはなかった…
 美しさは罪、微笑みさえ罪…ドミニク・サンダの、近寄りがたいほど神秘的で清冽な美しさは、まさに関わる人々の運命を狂わせる魔性の香りを常にただよわせています。今はもうほとんど絶滅したといっていい“美貌の女優”ドミニク・サンダは、この作品で男たちを虜にし、全てを手中に収めようとする女を妖しく演じ、カンヌ映画祭で女優賞を獲得しました。
 
 ドミニク・サンダ扮するヒロインが、玉の輿を狙って金持ちの息子に近づき結婚にこぎつけた上、その美貌と肉体でもって夫の兄や老いた舅までをも誘惑・骨抜きにし、財産を我が物にしようとする、といった昼ドラによくありそうな内容のエロティック悪女もの。その悪女をフツーのセクシー女優が演じていたら、ホントに陳腐この上ない映画になっていたでしょう。でも、演じたのは、まるで我々と同じ人間とは思えぬ神々しい美しさに輝くドミニク・サンダ。彼女の美貌が、ストーリーを完全に凌駕しているのです。
 親しみやすさなど微塵も感じさせない、氷のような玲瓏さ。そこからほのかに匂いたつ、妖気的色香。何を考えているのかわからない謎めく微笑。そして、まさに白磁のようなすべらかな全裸...官能的だけど下品さとは程遠い、男たちを操り翻弄し破滅へと導く彼女独特の“優雅な魔性”と“高貴な美貌”は、庶民的なルックスやスタイルがチャームポイントな現在の人気女優たちが、何百回整形しようとも、どんなに頑張って演技しても、決して得られるものではありません。
 
 「暗殺の森」「悲しみの青春」「1900年」etc.フランス女優でありながら、主にイタリアの名作の中でその魅力を発揮したドミニク・サンダ。神様が与え賜うた天性の美貌も永遠ではないということを、老いの翳りが否めぬ近作の彼女に見て取れて、その残酷さ哀しさがまたドラマな女優です。
 19世紀ローマのブルジョアの生活様式やファッションの趣深さ、美しく撮られたローマの街並みも楽しめます。
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こころがわり

2012-05-27 | イタリア映画
 ピーターが、またやらかしました。同輩の女の子を泣かせたのです。泣かせたといっても…
 なぜか椅子に正座で座ってたピーターを見て、可愛いから写メ撮らせてと女の子が頼んだら…
ピーター『もっと仲良くなったらね♪』
 笑顔で拒絶したピーター。苦笑い&軽く引く周囲。ピーターと仲良しだと思ってた女の子は、さらっと残酷なピーターの言葉にショックを受け、しくしく泣き出してしまったとか…
 顛末をIくんから聞いて、アホらしい!小学生かよ!と呆れた私ですが。以前にもピーター、彼のことが大好きなイケメンTくん(あだ名なティンカーベル。妖精のようにピーターにまとわりついてるから)を号泣させた前科もあるのです。
ピーター『…めんどくさ』
 ピーターのつぶやきを聞き、自分のことを言われたと勘違いしたTくんは、机に突っ伏してメソメソ泣き出したとか。ピーターがめんどくさかったのは仕事のことだったらしいのですが、そのことを聞くと『確かにめんどくさい子ですよ~♪』と笑ってました。
 悪気はまったくないところが、ピーターの怖さなんですよねえ。そして、結構ひどい奴なのに嫌われずチヤホヤされてるところが天性というか魔性というか。愛され上手、愛されるにも才能が要るのかなと、ピーターを見てると思わずにはいられません。
 明日はピーターと、カープVSロッテ戦、観に行ってきま~す♪
 
 「ある貴婦人の恋」
 ゲーテの小説「親和力」を、イタリアの名匠兄弟パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督が映画化。
 19世紀初頭のイタリア。伯爵令嬢のカルロッタは、若かりし頃の恋人エドアルドと再会し結婚、田舎にある山荘で暮らし始める。エドアルドの親友オットーネと、カルロッタの養女オッティリアも同居することになり、いつしか愛の四角関係に...
 ゲーテ、タヴィアーニ監督、主演はイザベル・ユペール、いったいどんな小難しいゲージュツ映画なのかと身構えてましたが、フタを開けてみれば昼メロ調の文芸ロマンスでした。いい年こいた大人が、いけない恋心や心がわりに悶々、我慢したり妄想したりと、大真面目なぶん見ようによっては滑稽で笑えた。お金とヒマがなければ、恋愛なんかにマジで苦悩できないよなあ、いいご身分だよなあ、と呆れつつ羨ましくなりました。
 4人とも不倫な恋心に苦しむのですが、苦しみ方がそれぞれ違ってるのが面白かったです。自分に正直で情熱的なエドアルドが、いちばん理解できるキャラなんですが、あまりにも子供っぽすぎてイライラさせられます。妻の目の前で若い小娘にゾッコンLOVE状態、オッティリアだと思いながらカルロッタを抱いたり、妊娠したカルロッタを置いて家出したり、生まれた赤ちゃんをオットーネに似てるなんて言ったり。恋をするとここまで無神経になれるのか、と呆れた。
 後半になると、どんどん悲惨で悲劇的な展開になって、四角関係の救いのない結末に後味の悪さが。話じたいは昼メロの域を超えてないのですが、舞台となる山荘や湖畔や森が瑞々しく撮られていて、こんなところで暮らしてみたい~と嘆息。派手派手しさがなくシンプルで上品かつ高雅な衣装や、召使たちにかしずかれた4人の優雅な生活も見どころかも。
 カルロッタ役は、イザベル・ユペール。

 不実な夫を赦し、赤ん坊を誤って死なせてしまう養女をも赦し、オットーネとの愛を封印しようとする聖女なヒロイン役なのですが、ユペりんなので女ごころもどこか不可解な味わいが。冷徹な無表情も、感情を内に秘め抑えるための仮面みたいで怖い。嘆きや精神力の強さなども、大げさな演技ではなく淡々と、でも明確に表現してるところが、さすがユペりんです。いつもと違って、クールに狂った異様な言動をしてくれないので物足りないのですが、いつもより柔らかで清楚で可愛いユペりんではありました。最近は巨女が多いので、ユペりんみたいな小柄で華奢な女優は、おばさんだけど可愛いな~と思う。

 エドアルド役は、ジャン・ユーグ・アングラード。かつてはフランス美青年といえば彼、な時代もあったけど、最近はお見かけしなくなってますよね。汚いおっさんになった彼は見たくないけど。この映画の頃は、まだ若々しくてカッコいいです。濃いけど繊細な魅力。
 オッティリア役のマリー・ジランも、可憐だけど毅然としてて、ブリッコ的なところが全然ないのがいい。オットーネ役の俳優が、もっと男前だったら良かったのになあ。
 イタリア語に吹き替えられてて、ユペりんの特徴ある声が聞けなかったのが残念。

 ミヒャエル・ハネケ監督の新作や、韓国映画、フィリピン映画にも出演など、相変わらず世界各国の監督から引く手あまたなユペりん。around 60 にしてますます売れっ子なご様子
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愛人地獄

2012-05-21 | イタリア映画
 昨夜、仕事帰りにピーターと、彼と同じ部署の同輩Iくんと3人で晩飯を食いに行ったのですが。
 食事中、彼らが嬉々として話してたのは、もっぱら職場の女性について。ちょ、ちょっと待て!とか、聞かなかったことにします…な内容に、私は苦笑いでノーコメント&ドン引きするしかありませんでした。若い男の目や考え方って、ほんと勝手で残酷だなあと呆れるばかりでしたが、女の陰口悪口のような陰湿さや鋭さがないせいか、正直すごく面白かったです。それにしても。あんな話される私って?!ほとんどおっさん扱い?!
 笑い話にしてたピーターとIくんでしたが。ガチでしんどいのは、まったく興味がない女の子から妙なアピールをされることだそうです。これは肝に命じておかねばと思いました。ナンダカンダでストレスがたまっていたピーター&Iくんと、食後は賭けボウリング6ゲーム私は過去最高スコアの171!を出してウハウハ大興奮。でも、ピーターもIくんも軽く200越えで、ボンビーおっさんの私から金をむしりとったのでした鬼!私、いいカモにされてるだけ?!

 「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」
 イタリアの独裁者ムッソリーニの愛人イーダの、知られざる壮絶な愛憎物語。
 激情的で狂気的な日陰の女の話でした。あれだけ身も心も捧げられ、貢いでもらって支援してもらったのに、政治家として大成したとたんに冷たくイーダをポイ捨てするなんて、確かにムッソリーニは不誠実で冷酷な男なのですが…イーダ、激しすぎて重すぎ。あれじゃあ男は逃げるよ。イーダののめりこみぶり、愛の押し付けぶり、一心不乱ぶりを見ていると、ムッソリーニの心が離れるのも理解できました。私がムッソリーニでも、イーダの愛は疲れるし怖いよ。何でも過ぎたるは及ばざるがごとし、ほどほどが一番なんです。
 それにしても。何であそこまで男に尽くせて夢中になれるんだろう。本当に人を愛すると、理性もプライドも失うものなのかなあ。イザベル・アジャーニの「アデルの恋の物語」もだけど、男にまとわりついて要求して脅すストーカー女と化すなんて、呆れるやら恐ろしいやら。アデルもイーダも美人なので、怖さもいや増します。コワレるほど人を愛せない私は、幸せなのか不幸なのか…
 男に捨てられるわ、精神病院にブチ込まれるわ、子どもを奪われるわ、悲惨道まっしぐらなイーダですが。あんなところに閉じ込められても、イーダは意気消沈したりせず、現状を打破しようと必死に訴えたり反抗したりと、もうパワフルすぎて返って気の毒になった。諦められないって、悲劇なのね。女の情念にドン引きです。
 不幸は遺伝するのか、母親同様悲惨な運命をたどるイーダの息子が哀れ。

 イーダ役のジョヴァンナ・メッツォジョルノの大熱演が圧巻です。美しいけど力強く逞しい感じなので、アデルの恋の物語のイザベル・アジャーニのような痛ましさとか哀れさはなく、コワレっぷりも迫力満点で熱い。さすがはイタリア女。まだ年増とはいえない年齢なのに、ジュクジュクの熟女って感じ。大胆な脱ぎっぷりもアッパレ。
 当時のイタリアの実際のニュース映像を挿入する手法や、独特の字幕の使い方が印象的。ファシズムが台頭するイタリアの政治情勢も、なかなか興味深かったです。
 名匠マルコ・ベロッキオ監督作品。ベロッキオ監督の作品は、ちょっと前衛的で難しそうだけど、興味をそそる作品が多いです。アヌーク・エメ主演の“Salto nel vuoto”とか、若い頃のミュウミュウが出てる“Marcia trionfale”とか観てみたいです。今回のジュヴァンナ・メッツォジョルノもですが、ベロッキオ監督の女優セレクションって素晴らしいですね。
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Vorrei essere vicino a te と彼が云った

2010-05-12 | イタリア映画
 最近、悪気はないのに無神経な発言をしがちで、反省することしきりです。
 こないだも、バイトのDくん(18)と駅のホームでばったり。あんまし口をきいたことがないけど、ちょっとカッコいいかもとは思ってた子。でも18歳の男子なんて、私からすれば宇宙人に近い存在。二人っきりで何を喋っていいのか分からない。あまり深く考えず、適当に調子のいいことを言って沈黙を避けよう。
私『Dくんって、遠くから見たら背が高く見えるね~』
Dくん『ほんま?じゃあ、遠くに行こっと』
 ふざけて二、三歩私から遠のくDくん。ちょうど私が乗るのとは反対方向の電車が来て、そのままDくんは笑顔でペコっと頭をさげ、その電車に乗り込んでいったのでした。
 ほっとした直後、よく考えてみたら...遠くから見て背が高く見えるってことは、近くだとチビに見えるってこと、だよなあ。そんな意味で言ったんじゃないんだけど、フツーはそうとるよなあ。イヤミに聞こえたかも...と、しばらく気に病んでしまいました。
 でも、私の無神経な言葉にムカつくほど、Dくんの神経は細かくなかったようです。翌朝、職場で会った彼は、ヘラヘラ笑顔&ため口で話しかけてくれたのでした。
 無神経さ同様、自意識過剰さも何とかしたほうがいい私ですね(汗)。

 「元カノ/カレ」
 大阪でも開催されたイタリア映画祭、一本だけ観ることができました♪
 妻と険悪な判事、フランス人の恋人と遠距離恋愛になってしまう判事の娘、妻を亡くして娘たちと残された判事の友人、子供の親権を放棄しようとしている離婚調停中の夫婦、元カノの今カレを脅す警官、元カノの結婚式を執り行うことになった神父。それぞれ悩みや問題を抱えた男女が、紆余曲折を経ながら真実の愛にたどりつくことに...
 とっても愉快で心温まるラブコメディでした。複数の男女のドタバタが散漫にならず、つながりかたと絡まりかたが巧妙。陽気でエッチで現実的なオトナの笑いが満載だけど、ほろっともさせられて。いい年した男女が何やってんの~と呆れつつ、人間って死ぬまで煩悩の塊、ことに恋愛に関しては悟れないものだよなあ、だからこそ人生は面白いのかも、なんて男女の右往左往ぶりを見ながら思いました。
 艶笑映画といえば、やっぱイタリアですよね。あははと笑えるシーンや台詞が多かった。特に傑作だったのが、ストーカー警官と彼に脅される男のやりとり。さんざんな目に遭う男の意外な正体に、ニヤリとさせられます。ラストに成立する二人の関係にも爆笑。あと、判事の友人の娘の、彼氏とエッチしてるところを親父に乱入された時のリアクションも可笑しかった。エッチにあっけらかんとしてるところが、何かイタリアって感じ。離婚調停中の夫婦の幼い子供たちも、なかなか味があって笑えました。こっちこそあんたらみたいな親は要らない!と逆襲され、ギャフンとなる両親が滑稽だった。
 この映画を観られて超ラッキーと思えたのは、もちろん出演者の中に愛しのボーギャルソン、マリク・ジディがいたからさ♪

 判事の娘の恋人役のマリくん、すごく優しそうでロマンチックで知的で、ほんとカッコカワいいの!あんなフレンチloverがほしい~!マリくんと夜のエッフェル塔の前でチュ~したい!彼女が中つ国、じゃない、ニュージーランドに転勤になってしまい、遠距離恋愛にモヤモヤソワソワするマリくん、超キュート彼女がニュージーランド男と浮気?!と妄想するマリくんも微笑ましかった。
 
 ↑彼女のニュージーランド同僚も、なかなかイケメンだった
 マリくんの、フランス男なのに浮ついたところも女にだらしないところもなく、一途に純真に彼女を愛してる姿に胸キュン。もう辛抱たまらん!と仕事放棄して、パリから中つ国へと飛んじゃう情熱も素敵でした。まさに理想のカレって感じなマリくんでした。それにしてもマリくん、無精ひげがあって頭髪が薄いけど、童顔なので若く見えますよね~。30半ばとは信じがたい。大学生といっても通用しそうだもん。それと、別に高価なブランド服を着てるわけでもないのに、何かオシャレに見えるところなどは、さすがパリジャンって感じでした。
 ファウスト・ブリッツィ監督は、イタリアではヒットメーカーらしいので、他の作品も観てみたいものです。

 ↑映画とTVドラマ、どっちも新作いっぱいあるマリくん。中でも移民一家の成功と愛憎を描いたTVシリーズの“Douce France”が面白そう。スーツ姿のエリート役っぽいマリくんもカッコイイので、すごく観たいです

 
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お母さんは淫乱症

2010-02-02 | イタリア映画
 いつものように仕事帰り、おつとめ品を狙ってYOUMEタウンに寄りました♪
 試食品を客にすすめているお兄さんが、ちょっとエグザイルのアキラ似でイケてた。でもお兄さん、ろくに仕事もせず女子高生二人連れにナンパまがいにチャラチャラ話しかけてて、私みたいな年寄りには見向きもしません(涙)。ほらよ、とばかりに私やおばあさんたちに適当に無愛想にゴボウハンバーグを与えると、さっさとコギャルとのお喋りに戻ります。ずいぶんな接客ですが、でもゴボウハンバーグは美味かったです。もちろん買いませんでしたが(笑)。
 おつとめ品を買った後、ケーキ屋さんのディスプレイに並べられた美味しそうなケーキをボケ~っと見てたら、後ろから『買っちゃろうか?』という声が。ん?わし?と振り返ると、派遣村から支給金をもって脱走してきたみたいなおぢさんが、酔っ払った赤ら顔で私にヘラヘラ笑いかけてる。『買っちゃろうか?』怖くなって返事もせずに逃げ去った私ですが、買ってもらえばよかったかなと、ちょっぴり後悔したり(苦笑)。
 人を見て態度を決めたり変えるのは、生きてく上で仕方のない部分もあるけれど、不愉快に傲慢にならぬよう気をつけたいと思いました。
 
 「ピエラ 愛の遍歴」
 母と娘の不思議な愛情の物語。イタリアの故マルコ・フェレーリ監督の1983年の作品。
 50年代のイタリア。夫と二人の子供がいながら、男たちと放埓な毎日を送るエウジェニア。娘のピアラは、そんな母親を見守りながら成長するが...
 うう~ん。私の低い知性と感性では理解できない母娘関係、家族関係でした。エウジェニアとピアラの愛情が、不思議というより不気味だった。美しく奔放な母に憧れつつ劣等感や軽蔑を抱き反発する娘、とか、姉妹・親友のように仲が良い母娘、みたいなありきたりなものじゃないんですよねえ。舌まで使うキスとか全裸で抱き合ったりとか、ほとんどレズみたいだった。母娘レズ近親相姦だなんて、怖い~気持ち悪い~こんな関係、こんな話に、誰が共感するのかしらん。
 エウジェニアは、いわゆるニンフォマニアだったのかな。ところかまわず男とヤったり、いきなりヒステリー起こしたり、異様なファッションセンスとか、精神は完全に病んでたと思う。言動が不可解すぎる不思議おばさんぶりが激ヤバ。鬱々とはしておらず、基本的には陽気でアッケラカンとした元気なキャラなのが、せめてもの救いだったけど。
 娘のピエラも、ママに負けず劣らず異常な女。ママを見る目は娘のそれじゃないもん。母親への乾いた欲情がヤバすぎ。少女時代のピエラ、10歳ぐらいなのに言動は大人の女なのが末恐ろしくも笑えた。
 ピエラが勤めてた洋裁店の店長の坊やが、めっちゃ可愛かった!ヨーロッパの幼児には、ほんと天使みたいな子がいますよね。面白い遊びをしよ♪と可愛くピエラを誘う坊や、何すんのかなと思ったら、ゲゲゲ!キッチンのガスで自殺ごっこ?!子供まで病んでる~!一緒に仲良く?ガスを吸うピエラはもっとヤバかったけど。
 
 イザベル・ユペールとハンナ・シグラ、フランスとドイツの大女優が競演。加えて、今は亡きイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニが助演、と国際色豊かな豪華キャスト。
 エウジェニア役のハンナ・シグラは、この作品でカンヌ映画祭女優賞を受賞。おんな盛りの色香と大胆な演技に圧倒されます。肉感的で退廃的だけど硬質な美貌、というのが彼女の魅力と個性でしょうか。ガッチリとイカついところが、いかにもドイツ女性って感じ。彼女の豪快な大また開き座りに、目のやり場が。パンツ丸見えだよ~足、閉じなさいよ~
 ピエラ役のイザベル・ユペール、当時30歳ぐらい?地味だけど少女っぽくて可愛いです。ピエラは、あの「ピアニスト」のエリカ先生と少しカブるところがあってキモいキャラ。あーいう役をサラっと演じられるユペりんは、やっぱ稀有な女優です。
 2大女優の、おっぱいどころかヘア丸出しなヌード、ちっとも美しくなく、目を背けたくなるような生々しさと痛々しさで、ただもう不気味です。でもホント、新人ならいざしらず、二人とも国際的な大女優なのに、よくあんな風に脱げるなあ、と驚嘆してしまいます。
 エウジェニアの夫でピエラの父役、マルチェロ・マストロヤンニ、優しそうでダンディな素敵おぢさまでした。フェレーリ監督&マルチェロおぢさまの「最後の晩餐」という作品は、さらに??!!なトンデモ映画みたいなので、怖いもの観たさな興味が...
 
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ゴソデカ(護送刑事)!

2009-11-23 | イタリア映画
 大晦日の紅白歌合戦、出場歌手が発表されましたね
 今年も、誰?!なぜ?!とツッコミ入れたくなる歌手が。これってもう、紅白のお約束&お楽しみなのかもしれません。
 大方の予想とおり、嵐がついに出演。非ファンでも、今年は歌にドラマにバラエティにガンガンTVに出まくった彼らが選ばれるのは、まあ納得できるのではないでしょうか。トキオが出て嵐が出ないほうが不自然だもんね。
 何歌うの?なトキオの強引な残留も苦笑ものですが、某事務所さんやってくれましたねえ。掟破りにもう一組、ねじ込んできました。あんたら誰?!と思ってるの、私だけじゃないはずこれがいわゆるマーガリン、じゃない、バーター出演ってやつ?オトナの事情ね♪スマップは今年で終わりで、司会も来年は櫻井くんに?某事務所も政権交代の時節でしょうか。
 東方神起の出演にマンセーあの問題が引っかかって落選、と危惧してたのでホっとしました。非ファンにとっては、こいつらこそ何で出られるんだよ!みたいですがそりゃ嵐には及ばないけど、少なくともトキオよりは出る資格あるでしょ!という反論は、うなずいてもらえそう?東方神起2年連続出演を祝して、またトンちゃん特集しなきゃ♪
 福山雅治は龍馬の扮装で歌うのでしょうか?ラスト!休業!と散々引っ張ってきたアヤカは、来春あたり早々シレっと復帰しそう。
 でももう紅白か~今年もあっという間だった。また無為な一年で終わりそう。残り少ない2009年、何にか良いこと起きてほしいなあ。とりあえず年末ジャンボ買います...

 「ミラノ・コネクション」
 マフィアの会計士レオフォンテは組織を裏切り、5億ユーロを隠匿して刑務所に入る。数年後、仮出獄となりマフィアから狙われるレオフォンテを、刑事のニーノが護送することになる。ニーノの恋人は、レオフォンテの娘だったが...
 イタリアン・マフィアものというより、何だか香港アクション映画、いや、石原プロの西部警察スペシャル、な内容とノリでした。つまり、かなりハチャメチャ&ちょっとチープ。真面目にやってるんだけど、展開が荒っぽく筋が粗いので苦笑を禁じえない、みたいな。
 護送されるレオフォンテを狙うマフィア、それと戦う刑事たち。無差別乱射銃撃戦など、どんだけ殺すんだよ!なシーン満載、次から次へとドンパチど派手なことが発生するのですが、もうちょっとアクションやサスペンスに創意工夫が欲しかった。まだ香港映画のほうが、ユニークなアイデアが見受けられる。この作品、大味なB級ハリウッド映画に近いかな。イタリア映画ならではの味わいとかも希薄で残念。
 ニーノと仲間たちのキャラも、魅力的な刑事たち!とまではいかない描かれ方。TVの刑事ものの第3話か4話?途中から観た連ドラみたいだった。レオフォンテも、もうちょっとダークでミステリアスな爺さんだったら面白かったはず。ただの迷惑な疫病神爺にしか思えなかった。ニーノとの葛藤もほとんどかかったし。マフィアも、ただのチンピラ軍団にしか見えなかった。すぐ騙されたり見つかったりと、頭わるいし。
 ニーノ役は、「トスカーナの休日」や「エイリアンVSプレデター」などハリウッド映画にも出演してるイタリアン男前、ラウル・ボヴァ。
  
 久々に彼を見ましたが、やっぱ美男子ですね。レイフ・ファインズを濃くして艶っぽい♂フェロモンを加えた感じ?優しそうだけど男らしくて素敵。あんな刑事さんに逮捕されてみたいものです。アクションとか頑張ってましたが、せっかくの濃い色男ぶりはセクシー系で活かしてほしいと思った。
 レオフォンテ役は、007のマティス役でも知られるイタリアの名優、ジャンカルロ・ジャンニーニ。お爺さんですが、昔はさぞや美男だったんだろうなあ、という面影は十分残ってます。国際俳優のジャンニーニおぢさん、彼が母国語のイタリア語を喋るのってほとんど聞いたことがないような気がするので、そういう意味では貴重な作品でした。
 ニーノの仲間のひとりに、なかなかのイケメンが。
 
 ↑シモーヌ・コレント。「ザ・トーチャー 拷問人」という、あんまし観る気になれないタイトルの映画にも出てます。イタリアには、かなり濃いけど美男が多いですね。
   
 ↑ラウル・ボヴァ、かつては水泳選手だったとか。いいカラダしてるもんね。セクシー画像も多い。「向かいの窓」「ナイト・オブ・ゴッド」の彼もイケてました。日本未公開作の中には、聖フランチェスコを演じた映画もあるとか。彼もミッキー・ロークみたいに、雪の中にナニを突っ込んでイっちゃうという驚愕の自涜シーンやってんのかなあ
コメント (6)
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