my sister M子がレンタルしてきたDVDに、吃驚。「ピアニスト」と「バッド・エデュケーション」!ひ~!強烈&濃ゆい組み合わせだなあ。普段は、ホラーかサイコものばかり観てる彼女(でも最近は、なぜかアフリカや南米が舞台の、紛争系発展途上国ものにハマってるらしい)が、いったいなぜ?
M子『「ピアニスト」は、ダウンタウンの松っちゃんが絶賛しとったけん。「バッド・エデュケーション」は、「バベル」観て、ほら、あんたの大好きなガエ何とかが、ん?すっげ可愛いくね?と、うちも思ったけん。恋愛睡眠ってのも、面白そうじゃし観たいのお』
おおっまさかM子が、ガエルっちに目をつけるとは、想定外の嬉しさ。どっちも面白いけど、ぶっとびトンデモ映画なので、胃もたれ&胸焼けに注意してねM子!早く感想が聞きたいものです。
「Water」
最近、吉田修一の小説にハマってます。
芥川賞受賞の「パーク・ライフ」とか、「最後の息子」「日曜日たち」「熱帯魚」「パレード」、月9ドラマになった「東京湾景」(韓流ドラマ風に原作をメチャクチャ改悪!オリジナルには、在日とか韓国人とか、いっさい出てこないのに!)etc.今を生きる現代人の閉塞感が、滑稽かつ繊細に優しく描かれている、奇をてらわないけど独特な世界が好き。ていうか、ほとんどの作品、かなりゲイ色が濃ゆいから、YAOIにはたまらないんですよねえ。男同士が、ガンガンぐちゃぐちょヤリまくる!系じゃないので、読みやすいし。
短編集「最後の息子」(表題作に出てくる、おかまバーのママ・エンマちゃんのキャラ、最高に笑えて哀しい)の中に収められている「Water」は、とっても爽やかで明るくて、そしてYAOIな傑作!読後の、爽快でセンチメンタルな気分、ちょっと引きずってしまいました。そんな、新・YAOI聖書ともいえる、小さな水晶玉のような短編小説が、何と映像化!しかも、原作者の吉田修一自身がメガホンをとって!こ、これを観ずにおられやうか~!
舞台は長崎(吉田修一の出身地でもある)。高校の水泳部で、記録更新に励む凌雲と圭一郎。東京の大学に行こうとしている圭一郎を、凌雲は引き止めようとする。圭一郎は、付き合っている彼女よりも凌雲を...
約30分弱のショートフィルムですが、とても瑞々しくて清々しい作品でした。
原作ではサラリとしていた同性愛色が、映画ではかなり強くなっていたのが、YAOIには嬉しい。といっても、卑猥なシーンなど皆無。セックスどころか、キスシーンさえない。けど、すごく性的。少女漫画的なプラトニックLOVEではない。清潔で健全な若い男の肉体が触れ合ったり、切ない気持ちが交錯するのは、やはりフツーの男女のそれとは違う、甘酸っぱいヤバさが漂っています。
仲が良過ぎる男同士の友情って、ちょっと危ない?って、私だけでなく、誰でも感じたことがあるのでは。そんな男たちの間に入れず、腹を立てたり嫉妬したりするのが、フツーの女。萌えるのがYAOI女。こいつとはヤレないけど、精神的には女より好き、愛してるかも、という親友がいる男も、結構いるのでは。それが、肉体的な衝動に走ってしまう男も。特に思春期の男の子は、肉体的にも精神的にも、そんな危うさを抱えやすいのでは。
そういった男の子たちの、心と体のモヤモヤ&ザワザワ感が、透明感あふれる映像で描かれています。きらきら、ゆらゆらしてる夏のプールの水面が、彼らの心象風景のようです。
キワどい性的シーンはないけど、ゲイゲイしいシーンはテンコモリ。
水泳部なので、主人公二人は当然、ほとんど裸。冒頭、全裸でシャワーを浴びる凌雲を映し出すカメラのアングルが、ドキ!必要以上に、ケツが...東京行くなよ!と、ジャレてるフリして真剣に、凌雲が圭一郎の肩を抱くシーンも、二人とも裸なので、そのままラブシーンになっても不思議じゃないほど。
俺たち、どうしたい?どうすればいい?が、決して口に出されることなく、フツーの高校生同士の生活や会話の中で、もどかしく絡まり合うのが、切ない。コクトーって知ってるか?と凌雲に訊く圭一郎。これって遠まわしなカミングアウトなのに、絵に描いたような体育会系少年の凌雲が、知っているわけもない。もし俺が記録を更新したら、ひとつだけ何でも俺の言うことをきけよ、と圭一郎に賭けを提案する凌雲。そのシーン、怯えているような、でも期待してるような、そんな二人の表情が、とても印象的でした。いったい、凌雲は賭けに勝って、圭一郎に何をさせたかったのでしょうか。ラスト、圭一郎の彼女の前で、凌雲の出た行動の真意は?はっきりとこうだ!と見せたり説明したりしない、深い青いプールの水底に落ちて溶ける、カルキに重なる想い...ああ~あの後、二人はどーなるの~!?続きが観たい~!
凌雲役の滝口幸広も、圭一郎役の川田覚も、いかにも少女漫画な美少年風でも、汚らしい貧相なジャニーズ風でもなく、健康的で素朴な、フツー(より、ちょっとだけイケメン程度)っぽい男の子たちなのが、リアルかつナチュラルで良かった。少年だけど、こんがり日焼したカラダは大人っぽく、何か艶かしい感じ。
ちょっとフランス映画っぽいなあ、と思ったら、撮影監督も音楽担当も、フランソワ・オゾンやパトリス・シェローの作品を手がけたフランス人を起用してるとか。小説を読んでも感じられるけど、吉田修一ってスゴい映画マニアなんだろうなあ。さらにオゾンやシェローってところに、かぎりなく同種の匂いが...それはさておき。映像作家としても、才能あるのでは。今後も、他人に自作を改悪映像化されるより、自ら監督すればいいと思うのだけど。次は長編映画で、「最後の息子」か「パレード」を期待!主演は、どっちもmy イメージは完全に瑛太でも、決してファンゆえの贔屓じゃなく、おやぢオカマのヒモになってるプー太郎(「最後の息子」)、ワケアリ男女とルームシェアしてる大学生(「パレード」)。お気楽に見えて、すごく内面は複雑で繊細なモラトリアム青年役。瑛太にピッタリなんだもん!
M子『「ピアニスト」は、ダウンタウンの松っちゃんが絶賛しとったけん。「バッド・エデュケーション」は、「バベル」観て、ほら、あんたの大好きなガエ何とかが、ん?すっげ可愛いくね?と、うちも思ったけん。恋愛睡眠ってのも、面白そうじゃし観たいのお』
おおっまさかM子が、ガエルっちに目をつけるとは、想定外の嬉しさ。どっちも面白いけど、ぶっとびトンデモ映画なので、胃もたれ&胸焼けに注意してねM子!早く感想が聞きたいものです。
「Water」
最近、吉田修一の小説にハマってます。
芥川賞受賞の「パーク・ライフ」とか、「最後の息子」「日曜日たち」「熱帯魚」「パレード」、月9ドラマになった「東京湾景」(韓流ドラマ風に原作をメチャクチャ改悪!オリジナルには、在日とか韓国人とか、いっさい出てこないのに!)etc.今を生きる現代人の閉塞感が、滑稽かつ繊細に優しく描かれている、奇をてらわないけど独特な世界が好き。ていうか、ほとんどの作品、かなりゲイ色が濃ゆいから、YAOIにはたまらないんですよねえ。男同士が、ガンガンぐちゃぐちょヤリまくる!系じゃないので、読みやすいし。
短編集「最後の息子」(表題作に出てくる、おかまバーのママ・エンマちゃんのキャラ、最高に笑えて哀しい)の中に収められている「Water」は、とっても爽やかで明るくて、そしてYAOIな傑作!読後の、爽快でセンチメンタルな気分、ちょっと引きずってしまいました。そんな、新・YAOI聖書ともいえる、小さな水晶玉のような短編小説が、何と映像化!しかも、原作者の吉田修一自身がメガホンをとって!こ、これを観ずにおられやうか~!
舞台は長崎(吉田修一の出身地でもある)。高校の水泳部で、記録更新に励む凌雲と圭一郎。東京の大学に行こうとしている圭一郎を、凌雲は引き止めようとする。圭一郎は、付き合っている彼女よりも凌雲を...
約30分弱のショートフィルムですが、とても瑞々しくて清々しい作品でした。
原作ではサラリとしていた同性愛色が、映画ではかなり強くなっていたのが、YAOIには嬉しい。といっても、卑猥なシーンなど皆無。セックスどころか、キスシーンさえない。けど、すごく性的。少女漫画的なプラトニックLOVEではない。清潔で健全な若い男の肉体が触れ合ったり、切ない気持ちが交錯するのは、やはりフツーの男女のそれとは違う、甘酸っぱいヤバさが漂っています。
仲が良過ぎる男同士の友情って、ちょっと危ない?って、私だけでなく、誰でも感じたことがあるのでは。そんな男たちの間に入れず、腹を立てたり嫉妬したりするのが、フツーの女。萌えるのがYAOI女。こいつとはヤレないけど、精神的には女より好き、愛してるかも、という親友がいる男も、結構いるのでは。それが、肉体的な衝動に走ってしまう男も。特に思春期の男の子は、肉体的にも精神的にも、そんな危うさを抱えやすいのでは。
そういった男の子たちの、心と体のモヤモヤ&ザワザワ感が、透明感あふれる映像で描かれています。きらきら、ゆらゆらしてる夏のプールの水面が、彼らの心象風景のようです。
キワどい性的シーンはないけど、ゲイゲイしいシーンはテンコモリ。
水泳部なので、主人公二人は当然、ほとんど裸。冒頭、全裸でシャワーを浴びる凌雲を映し出すカメラのアングルが、ドキ!必要以上に、ケツが...東京行くなよ!と、ジャレてるフリして真剣に、凌雲が圭一郎の肩を抱くシーンも、二人とも裸なので、そのままラブシーンになっても不思議じゃないほど。
俺たち、どうしたい?どうすればいい?が、決して口に出されることなく、フツーの高校生同士の生活や会話の中で、もどかしく絡まり合うのが、切ない。コクトーって知ってるか?と凌雲に訊く圭一郎。これって遠まわしなカミングアウトなのに、絵に描いたような体育会系少年の凌雲が、知っているわけもない。もし俺が記録を更新したら、ひとつだけ何でも俺の言うことをきけよ、と圭一郎に賭けを提案する凌雲。そのシーン、怯えているような、でも期待してるような、そんな二人の表情が、とても印象的でした。いったい、凌雲は賭けに勝って、圭一郎に何をさせたかったのでしょうか。ラスト、圭一郎の彼女の前で、凌雲の出た行動の真意は?はっきりとこうだ!と見せたり説明したりしない、深い青いプールの水底に落ちて溶ける、カルキに重なる想い...ああ~あの後、二人はどーなるの~!?続きが観たい~!
凌雲役の滝口幸広も、圭一郎役の川田覚も、いかにも少女漫画な美少年風でも、汚らしい貧相なジャニーズ風でもなく、健康的で素朴な、フツー(より、ちょっとだけイケメン程度)っぽい男の子たちなのが、リアルかつナチュラルで良かった。少年だけど、こんがり日焼したカラダは大人っぽく、何か艶かしい感じ。
ちょっとフランス映画っぽいなあ、と思ったら、撮影監督も音楽担当も、フランソワ・オゾンやパトリス・シェローの作品を手がけたフランス人を起用してるとか。小説を読んでも感じられるけど、吉田修一ってスゴい映画マニアなんだろうなあ。さらにオゾンやシェローってところに、かぎりなく同種の匂いが...それはさておき。映像作家としても、才能あるのでは。今後も、他人に自作を改悪映像化されるより、自ら監督すればいいと思うのだけど。次は長編映画で、「最後の息子」か「パレード」を期待!主演は、どっちもmy イメージは完全に瑛太でも、決してファンゆえの贔屓じゃなく、おやぢオカマのヒモになってるプー太郎(「最後の息子」)、ワケアリ男女とルームシェアしてる大学生(「パレード」)。お気楽に見えて、すごく内面は複雑で繊細なモラトリアム青年役。瑛太にピッタリなんだもん!