まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

殺人だよ、おっかさん

2010-05-09 | 韓国映画
 ただいま大阪から戻ってまいりました~。つ、疲れた~。
 大阪にはいつも、ちっとも嬉しくも楽しくもない用事で行くので、最近では大阪弁を喋る芸人を見ただけでどっと疲労感を覚えてしまいます。しかも、大阪ではなぜかよくモノを失くすんですよねえ。去年は韓国で買った高い念珠、今回はi-pod(涙)。大阪、魔境!何だか大阪に行くのが怖くなってきてます。次に失くすのは、ひょっとして...
 折りしも大阪でも開催された、イタリア映画祭の上映作を一本だけ観られたのが、嬉しい収穫でした。その映画のmy 愚見は、後日♪
 
 「母なる証明」
 「殺人の追憶」や「グエムル 漢江の怪物」などのポン・ジュノ監督の最新作。
 韓国の静かな田舎町。心が子供のままな青年トジュンは、彼を溺愛する母親と二人暮らし。女子高生が殺害される事件が起き、トジュンは容疑者として逮捕されてしまう。息子の潔白を証明するため、母親は真犯人探しに狂奔するが...
 愛にもいろいろあるけど、母親の無償の愛ほど崇高で、そして怖いものはない。子供のためなら、自分自身はおろか他人さえも犠牲にして厭わない。か弱くて善良な女でも、子供のこととなると超人的な強さを発揮し、悪魔のように残酷にもなれる。たとえ火の中水の中でも、ためらいなく飛び込める盲目的な蛮勇。美しく神聖であると同時に、醜悪になりがちな煩悩の象徴でもある。それが母親の愛。特に息子への愛は、おんなの部分も出て危険な要素を孕みやすい。
 この映画のヒロインであるシングルマザー。彼女の息子への愛も、まさに典型的な“子ゆえの闇”。息子を救うため、なりふりかまわず暴走する姿は、鬼気迫りすぎてほとんど笑いの域に。トジュンに、もし殺してても殺してないって言え!とか。被害者の葬式で遺族に、息子を恨んだら許さない!と怒鳴ったりとか。トジュンの親友を疑って彼の部屋に侵入・物色(ついでに彼とコギャルとのエッチをのぞき)、見つけたものを殺人の証拠品と思い込んで警察に持ってったりとか。どんどん暴走ぶりがエスカレートし、あげくの果てには...おっと、これ以上は♪とにかく、深刻で悲痛というより理性を失った盲愛バカっ母ぶりが、かなり滑稽で笑えます。ラスト、そんなことまで共有かよ、なトンデモない母と息子の一心同体ぶり、一蓮托生ぶりは、もう笑いを狙ってるとしか思えません。

 コメディじゃないんだけど、なんか笑える。愚かな人間がジタバタするのを見るのは、箱や檻の中で小動物が珍妙な動きをするのを見るに似ている。グエムルとかもそうでしたが、悲惨で過酷な状況なのに、そこはかとなくトボけてて人を食った笑いが散りばめられて、クスップッとなるシーンが多々ありました。いちばん笑えたのは、やっぱ真犯人が被害者を殺すシーン。意外な真相に驚く、というより、おいおい~と呆れ笑い。あと、トジュンが釈放された後に逮捕された男とか。トジュンの言動とかもだけど、笑っていいのかなあ、まずいよなあ、でも何か変で笑える、みたいなスレスレ系。邦画だともう表現不可能なきわどさ。
 怖くてヤバかったのは、トジュンと母親の日常生活風景。殺人事件より恐ろしい。パンツ一丁で母親の布団にもぐりこむトジュンとか、立ち小便しているトジュンのあそこをじ~と見てる母親とか。かなり不気味です。
 この映画、はじめは60・70年代の話かと思ってた。なので、携帯もネットも出てきて吃驚。韓国の田舎町って、何か怖い...あと、相変わらず乱暴で杜撰で適当な韓国の警察も、怖い...現実にも韓国って、日本とは比べものにならないほど、非道い冤罪いっぱいありそう。
 トジュン役は、5年ぶりの映画出演が話題となったウォンビン。
 
 韓流の先駆け的存在だったウォンビン、かつての輝きはもうありませんが、やっぱ可愛いですね。相変わらずキムタコさんに似てる?こんな息子がいたらさぞや大変だろうな~な、ひと昔前だと薄らバ○、ち○おく○と蔑称される青年を、ピュアな天使っぽさではなく、どろ~んとした目つきと動きで怪演してて、脱アイドルの努力は見て取れます。でも、腐ってもウォンビンというか、本来なら薄気味悪くて不可解で怖いはずのトジュンが、ただもう可愛い男の子にしか見えなかった。もっと得体の知れないキャラなら、さぞかし怖い映画になってただろうに。見た目の良さが返って仇になってたウォンビン、次回作では可愛さをかなぐり捨てた大人の演技を期待。
 悲壮で凄絶だけど何か変、悪い方向にテンパリすぎなオンマを熱演したのは、TVドラマ「宮」などでも知られるベテラン女優キム・ヘジャ。顔は怖いけど、声は可愛かった。彼女が冒頭とラストに見せるオンマの舞は、滑稽なイタさが。あのオンマ役は日本だと、さしずめ50代の頃の渡辺美佐子とか佐々木すみ江とかが適役?
 ろくでなしの怪しい悪党だけど、いざというときは頼りになるトジュンの悪友役、チン・グの存在感が印象に残りました。
 
 不敵な面構えとか、コギャルとのエッチシーンとか、何かエロい上半身裸とかに目を惹かれた。チン・グって、「オールイン」でビョンホンの少年時代やってた子ですよね?同じくビョンホンの「甘い人生」や、インソンの「卑劣な街」でも好演してたし、胡散臭い役が似合う男前ですね。将来有望な男優だ。

 ↑この頃のウォンビンが好き
 母なる証明の宣伝で日本に来たウォンビンをTVで見てmy motherは、『おかま?生気がない男じゃね。気持ち悪い!』なんてファンに殺されそうな暴言を吐いてました否定できなかった私も同罪?「フレンズ」の頃のウォンビンなら、my motherも絶対萌えてたはず。兵役でミソをつけ、今後のキャリアも険しそうなウォンビンですが...いい俳優に成長してほしいですよね
 
コメント (8)
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