まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

クズでもゲスでも

2018-12-07 | 日本映画
 師走の邦画イケメン祭②
 「彼女がその名を知らない鳥たち」
 冴えない中年男の陣治と同棲中の十和子は、不潔で下品な陣治を嫌い蔑みながらも、彼に依存した自堕落な日々を送っていた。数年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、黒崎に似た水島という男との情事に溺れる。そんな中、黒崎が失踪していることを知った十和子は、自分に執着する陣治がそれに関わっているのではないかと疑い始めるが…

 同じ白石和彌監督の「孤狼の血」にも出演していた松坂桃李と竹野内豊が、最低のゲス男役を演じているということで、劇場公開当時すごく気になっていた作品なのですが、主演の蒼井優と阿部サザヲが苦手なので、結局スルーしてしまいました。wowowowで放送されたので、観てみました。トーリも竹野内も、いろんな意味で「孤狼の血」以上に好演してました。二人とも期待してた以上にゲスで笑えたわ。悪人よりもタチが悪い、下劣で卑怯でセコいゲス&クズ野郎ども、なんだけど、いい男!バカ女が騙されて溺れるのも理解できます。私も彼らみたいなゲスクズに引っかかってみたいけど、十和子ほどバカにもドMにもなれないので、良いカモにはなれそうにありません

 水島役のトーリは、表面的には優しくナイーブで真面目な青年、実は中身カラッポな嘘つきヤリチンを、ねっとりしつつ軽やかに演じてました。トーリは声がエロいですよね~。低く甘い声での愛の囁き、あれはジュンときますわ。「娼年」ほどではないけど、濡れ場も頑張ってました。舌使いがヤらしいディープキスが特に印象的でした。でも声や雰囲気と違い、ガリガリな裸には色気がない。トーリはもうちょっと年とって、脂ののった肉がつけば日本屈指の濡れ場王になれる可能性ありかも。

 黒崎役の竹野内豊も、これまでのイメージを破壊する非道いクズ野郎っぷりです。彼も優しい言葉やムード、セックスで女を蕩けさせて、残酷な方法で彼女を利用したり虐げたり、まさに女の敵。逆ギレして十和子をボコボコにするシーンとか、あの竹野内豊がよくこんな役を…と往年のファンが見たらショックかもしれません。「孤狼の血」での凶暴ヤクザとか、最近の竹野内さんは役の幅を広げようと努めてるようですね。でも濡れ場が大したことなくてガッカリ。エロの部分では、トーリのほうが圧倒的に勝ってます。

 最低なゲスクズ役なのに、二人とも全然不愉快じゃなかった。優しそうなイケメン、という見た目もその要因でしょうけど、二人よりも主役の十和子と陣治のほうが不快で気持ち悪かったのが最大の理由かも。十和子なんか、ゲスクズ男よりもはるかに不快なゲスクズ女でしたし。いい年して男にパラサイトしたニート女なんて、世界一醜い生き物だわ。ゲスクズ男に何度も引っかかる、心もお尻も軽いユルい十和子みたいなバカ女には、フェニミストじゃなくても腹が立ちます。十和子みたいな女がいるから、女性の地位は向上しないんですよ。

 十和子の、どうでもいい人間には冷たく高圧的なのに、タイプのイケメンには可愛くけなげな女の子になるところも、嫌悪感と反感しか覚えませんでした。憂さ晴らし、暇つぶしで店に執拗なイチャモンをつけるクレーマーぶりも、人間として最低な行為。酷い目に遭っても自業自得。十和子に一途な愛を押し付けてくる陣治も気持ち悪くて、悪い意味でお似合いのカップルでした。十和子役の蒼井優は、何かベチョベチョしてるところや、いい年して少女もどきなところが苦手。濡れ場も、不自然な乳首隠しに覚悟のなさ、中途半端感を否めず。喘ぎ声だけはAV女優みたいだったけど。十和子が狂気に蝕まれていたのではなく、単なる性悪女にしか見えなかったのは、甘々なTVドラマみたいな脚本同様、蒼井の大熱演のつもりで実は肝心なところで吹っ切れてない演技のせいだと思う。陣治役の阿部サダヲの、顔だけでなく暑苦しい自己満足的演技も苦手。二人の関西弁は、ネイティヴの方々的にはどうなの?孤狼の血の広島弁は、ネイティヴにはちょっと???でしたが。
コメント (8)
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