「甘く危険な女」
実業家のジャンと、その妻ダニエルとの夫婦関係は冷めきっていた。そんな中、夫妻の住むフラットの上階に、ニコールという美女が越してくる。愛人から暴力を受けているニコールと、ジャンは深い関係になるが…
1969年のイタリア映画です。不倫、痴情のもつれ、ストーカー、殺人、レズビアン、SMなどなど、ゲスい三面記事的ネタてんこ盛りで、お高くとまった優等生映画や毒にも薬にもならないポリコレ映画にウンザリしてる私には、返って新鮮で美味しい作品でした。こういう映画やドラマ、昔はいっぱいあったのに、すっかり廃れてしまって寂しいです。妖しいブルジョア美女たちが、華やかにエロティックに野望と欲望に突き動かされ犯罪に手を染めるという設定や、レトロだけどモダンでキッチュなファッション、面妖な雰囲気と展開、サイケなファンタジーみたいなシーンなど、土ワイの明智小五郎の美女シリーズを思い出させました。
やってること起きてることは隠微で背徳ですが、全体的に明るく開放的なのは、やはりイタリア映画だからでしょうか。舞台はフランスのパリなのですが、ブロンドやブルネットの美女たちがエッチ(死語)な服を着たりポーズをしたり、60・70年代に流行ったイタリアのセクシー映画のテイストが濃厚で、そのエッチさはノスタルジーを覚えるほど古典的です。美女たちがチラっとおっぱいやお尻を見せる程度、ラブシーンもがっつり絡むものではなくライトで、エロが大したことないところがご愛敬。
情痴の果てに殺人が起きるのですが、なかなか読めない展開、予想外の真相など、荒っぽく雑に感じられつつもミステリー、スリラーとしては上出来な脚本だと思いました。どうせあの人は死んでなくて、この人とグルになってるんだろ、チープな設定だなと思ってたら、え?結局そういうことなの?と、一周回った結末に一本とられた感じ。でもかなり強引ではあります。殺人後に判明するダニエルとニコールの百合関係とか、何のにおわせもなく唐突すぎる。真犯人の目的はいったい何だったのか、何がしたかったのかも謎。金?異常な殺人ゲーム?
ジャン役は、当時39歳のジャン・ルイ・トランティニャン。わ、若い!
妻がいながら女たちとアバンチュールを楽しむ下半身ユル男役でも、見た目がすごいクールで知的でストイックなので、チャラくもゲスにも見えないジャン・ルイ。とにかくシブいです。冷酷そうで苦み走った男前だけど、ラブシーンが絵になってて上手なところはさすがフランス男優。私生活でも超絶モテ男だったらしいジャン・ルイですが、女優たちとの絡みを見ればそうだろうな~と納得。すごい小柄だけど、ガッチリと引き締まった体つきもセクシー。60年代のスーツやカジュアルなファッションも、パリジャンらしい小粋さと洗練。日本の30代後半から40代の俳優にも、いい歳してカッコいいだけな役や好感度が高い役、共感されたい役ばかりではなく、情痴に身を滅ぼすような色っぽい役やってほしいものです。
危険なファムファタール、ニコール役のキャロル・ベイカーは、美人というより素朴な顔立ちで可愛い感じ。アメリカ人らしく明るく健康的なエッチさ。ダニエル役のエリカ・ブランともども、熟女の色香を惜しげもなく振りまいていました。二人のブルジョアファッションが目に楽しいです。二人の関係や、追いつめられるダニエルの姿などは、スリラー映画の名作「悪魔のような女」とカブります。
実業家のジャンと、その妻ダニエルとの夫婦関係は冷めきっていた。そんな中、夫妻の住むフラットの上階に、ニコールという美女が越してくる。愛人から暴力を受けているニコールと、ジャンは深い関係になるが…
1969年のイタリア映画です。不倫、痴情のもつれ、ストーカー、殺人、レズビアン、SMなどなど、ゲスい三面記事的ネタてんこ盛りで、お高くとまった優等生映画や毒にも薬にもならないポリコレ映画にウンザリしてる私には、返って新鮮で美味しい作品でした。こういう映画やドラマ、昔はいっぱいあったのに、すっかり廃れてしまって寂しいです。妖しいブルジョア美女たちが、華やかにエロティックに野望と欲望に突き動かされ犯罪に手を染めるという設定や、レトロだけどモダンでキッチュなファッション、面妖な雰囲気と展開、サイケなファンタジーみたいなシーンなど、土ワイの明智小五郎の美女シリーズを思い出させました。
やってること起きてることは隠微で背徳ですが、全体的に明るく開放的なのは、やはりイタリア映画だからでしょうか。舞台はフランスのパリなのですが、ブロンドやブルネットの美女たちがエッチ(死語)な服を着たりポーズをしたり、60・70年代に流行ったイタリアのセクシー映画のテイストが濃厚で、そのエッチさはノスタルジーを覚えるほど古典的です。美女たちがチラっとおっぱいやお尻を見せる程度、ラブシーンもがっつり絡むものではなくライトで、エロが大したことないところがご愛敬。
情痴の果てに殺人が起きるのですが、なかなか読めない展開、予想外の真相など、荒っぽく雑に感じられつつもミステリー、スリラーとしては上出来な脚本だと思いました。どうせあの人は死んでなくて、この人とグルになってるんだろ、チープな設定だなと思ってたら、え?結局そういうことなの?と、一周回った結末に一本とられた感じ。でもかなり強引ではあります。殺人後に判明するダニエルとニコールの百合関係とか、何のにおわせもなく唐突すぎる。真犯人の目的はいったい何だったのか、何がしたかったのかも謎。金?異常な殺人ゲーム?
ジャン役は、当時39歳のジャン・ルイ・トランティニャン。わ、若い!
妻がいながら女たちとアバンチュールを楽しむ下半身ユル男役でも、見た目がすごいクールで知的でストイックなので、チャラくもゲスにも見えないジャン・ルイ。とにかくシブいです。冷酷そうで苦み走った男前だけど、ラブシーンが絵になってて上手なところはさすがフランス男優。私生活でも超絶モテ男だったらしいジャン・ルイですが、女優たちとの絡みを見ればそうだろうな~と納得。すごい小柄だけど、ガッチリと引き締まった体つきもセクシー。60年代のスーツやカジュアルなファッションも、パリジャンらしい小粋さと洗練。日本の30代後半から40代の俳優にも、いい歳してカッコいいだけな役や好感度が高い役、共感されたい役ばかりではなく、情痴に身を滅ぼすような色っぽい役やってほしいものです。
危険なファムファタール、ニコール役のキャロル・ベイカーは、美人というより素朴な顔立ちで可愛い感じ。アメリカ人らしく明るく健康的なエッチさ。ダニエル役のエリカ・ブランともども、熟女の色香を惜しげもなく振りまいていました。二人のブルジョアファッションが目に楽しいです。二人の関係や、追いつめられるダニエルの姿などは、スリラー映画の名作「悪魔のような女」とカブります。