まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

汚れたくない僕たち

2021-11-07 | 中国・台湾・香港映画
 「恋の病 潔癖なふたりのビフォーアフター」
 重度の潔癖症と強迫性障害のため、決まった日に買い物に出かける以外は引きこもり生活を送っている青年ボーチンは、地下鉄で自分と同じく防菌服を着たジンと出会う。交際をスタートさせた二人だったが…
 気になってた台湾映画。日本で公開されると聞いた時は驚喜!広島でも思ってた以上に早く観ることができました。潔癖症や強迫性障害をネタにしたおバカなコメディかと思ってたのですが、なかなか奥の深い深刻なテーマを扱った映画でもありました。前半は、オリジナルタイトル(怪胎=変人)通り、二人の潔癖症と強迫性障害による行動やこだわりをコミカルに描いています。私も不潔はイヤだし、雑然としてるよりは整然とした環境のほうが好きですが、あそこまで徹底的にはなれません。自分以外すべてが汚くて危険なバイ菌に見えてしまうとか、何て生きづらいんだろうと同情を禁じ得ません。奇異!理解できない!と異常者扱いされてしまうことも多いんだろうな。おもしろおかしく描いてたけど、実際に障害に苦しんでる人たちの困難を思うと、心の底からは笑えませんでした。

 ボーチンもジンも障害のせいで普通の社会生活ができなかったけど、経済的には余裕があったおかげで私には何だか羨ましい引きこもり生活だった。簡素だけど小じゃれた家に住んで、付き合い始めてからはあちこち楽しそうにデートしてたり。お金がなく外で働く必要がある障害者のことを思うと、複雑な気持ちになりました。潔癖症と強迫性障害への理解と支援は必要だけど、そんな余裕がまだまだない社会を憂います。

 潔癖症と強迫性障害の人たちにとって、この世は秩序もなく汚濁まみれ。ただでさえ汚なくて混沌としてるのに、コロナなんてものにまでまみれて、もう一歩も外へは出られないことでしょうか。世界一清潔な日本でさえ辛いなら、東南アジアなんて生き地獄でしょ。潔癖症でも強迫性障害でもない私でさえ、ミャンマーでは暮らせないと思ったし。台湾もかなりキツそう。屋台のシーンとか、かなりデフォルメしてるとはいえ、あんなの日本ではありえんし。完全武装な二人の防菌服が奇異、だけど可愛くてオシャレにも見えました。あんな恰好で街を出歩いても、誰も気にしないのが不思議だった。

 後半になると、愛の試練が二人に襲いかかり、怒涛の急展開に。突然ボーチンだけ奇跡のように障害がきれいさっぱり消えて、今までできなかった社会生活をエンジョイし始めてジンとの間に深い溝ができてしまうのですが。離れていく心、壊れていく愛がシビアで残酷。不幸も二人なら幸せなのに。障害がなくなった途端に幸せが崩れてしまうなんて、何て皮肉なのでしょう。ボーチンのことを裏切り者!と責めることもできません。私だって同じ道を選ぶでしょうし。愛があれば大丈夫とか、愛する人のために自分を犠牲にして…なんて甘い夢物語。ばい菌のように汚いのが人間の本当の姿。悲しいけどこれが現実です。最後の最後に、え?!なドンデン返しもあり、なかなか予測不可能な映画でした。
 主演の二人がすごく魅力的でした。ボーチン役のリン・ボーホンは、誰かに似てるんだよな~とずっと思ってたら、あ!わかった!キンプリの岸優太だ!

 岸くんの顔を端正なイケメンにしたら、ボーホンって感じ?某事務所随一の肉体美を誇る岸くんですが、ボーホンのカラダもすごい!何度かあるシャワーシーンで、見事な筋肉ボディを披露してます。でも、引きこもりであのカラダはないわ(笑)。韓流男優の肉体美もすごいけど、華流男優も負けてませんね~。日本には眼福の肉体美を持つ俳優がいないので残念。なので、岸くんには今後も頑張ってほしいものですヘンな髪型も可愛かったです。

 ジン役のニッキー・シエもチャーミングでした。ちょっと濃い目の派手な顔立ちの美人なのが、日本や韓国の女優と違います。はっきり年齢については言及してなかったけど、どう見ても女のほうが年上で、グイグイとテキパキと男をリードしたり、かいがいしく家事をこなしたり、不思議ちゃん風ながらも年上女房的いい女キャラにも好感。それにしても。二人とも結構いい歳した大人なのですが、無邪気なコドモみたいなのが可愛くも不気味でした。社会に毒されてないピュアな人って、美しいけど共感はしづらいです。防菌服だけでなく、二人のファッションや室内の色彩、インテリアなどもカラフルにポップ&キッチュで目に楽しいです。台湾の温暖な雰囲気も好きです。日本でリメイクするなら、ボーチン役はもちろん岸優太で、ジン役は上野樹里とかがいいと思います。
 邦題が、ちょっと???恋の病…潔癖症、強迫性障害は病気じゃなくて障害なので、何だか違和感を覚えます。病気は治るけど、障害は治らない…

 ↑ 林柏宏、いいですね~。キレイカワイイ男子よりも、こっち系のほうが断然好きです美男子やイケメンがわんさかいる華流映画、かつてのようにまた盛り上がってほしいものです
コメント (5)
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