夏のホラー映画祭③
「顔のない眼」
高名な外科医ジェネシェ博士は、交通事故で顔に重傷を負った娘クリスティアーヌのために、助手のルイーズと共に誘拐した娘たちの顔の皮膚を剥ぎ、クリスティアーヌに植皮手術を施していた…
1960年のフランス映画。美女の顔の皮を剥ぎ取って移植するという、ゲロゲロ(死語)な設定のホラーなのですが、美しいモノクロ撮影や、神秘的な森の奥深くにある洋館、不気味なマスクを被った可憐なヒロインなど、クラシカルでゴシックな雰囲気の怪奇映画になってました。わたなべまさこ先生とか高階良子先生が描きそうな少女漫画みたいでした。
顔皮剥ぎの手術シーンは、思ってた以上にエグくてウゲゲ。あんな植皮手術が成功するわけがなく、惨劇のラストへと向かってしまうのですが。博士も愛娘のためというより、自分の医学的野心にとり憑かれて悪魔に魂を売ってしまった感じ。モルモットにされるクリスティアーヌと、動物実験のために集められた犬たちが哀れでした。そのモルモットたちによって無惨な最期を遂げる博士、まさに皮肉すぎる因果応報な末路でした。
残虐な悪魔の植皮手術より怖かったのは、博士とルイーズが美女たちを誘拐する手口。ルイーズがターゲットの娘たちに近づき、言葉巧みに誘って博士の待つ館へと連れて行くのですが。誘ってくるのが男ではなく、裕福そうな年上の女性なので、つい気を許して油断しますよね~。同性だからって、迂闊に誘いに乗ってはダメだと痛感。車に乗った熟女が若い女性たちを物色し、誘拐して殺す…ルイーズが、富山・長野連続女性誘拐殺人事件の宮崎知子とカブって戦慄。
博士とルイーズが、サイコホラー映画でよくある狂った快楽殺人鬼などではなく、大真面目に狂気の凶行に及んでいるのが返って怖いです。ルイーズ役のアリダ・ヴァリが恐い!その冷酷な鬼顔は、怪奇映画にぴったり。博士のために何の躊躇も恐れもなく美女を狩り、顔皮剥ぎを手伝い死体を遺棄するルイーズ。その冷ややかな無表情、凍り付いたような目が鬼畜の行為の最中、歓びで微かに震えるように見えることがあって、女って愛に狂うと何でもできちゃうんだなとゾっとしました。
「顔のない眼」
高名な外科医ジェネシェ博士は、交通事故で顔に重傷を負った娘クリスティアーヌのために、助手のルイーズと共に誘拐した娘たちの顔の皮膚を剥ぎ、クリスティアーヌに植皮手術を施していた…
1960年のフランス映画。美女の顔の皮を剥ぎ取って移植するという、ゲロゲロ(死語)な設定のホラーなのですが、美しいモノクロ撮影や、神秘的な森の奥深くにある洋館、不気味なマスクを被った可憐なヒロインなど、クラシカルでゴシックな雰囲気の怪奇映画になってました。わたなべまさこ先生とか高階良子先生が描きそうな少女漫画みたいでした。
顔皮剥ぎの手術シーンは、思ってた以上にエグくてウゲゲ。あんな植皮手術が成功するわけがなく、惨劇のラストへと向かってしまうのですが。博士も愛娘のためというより、自分の医学的野心にとり憑かれて悪魔に魂を売ってしまった感じ。モルモットにされるクリスティアーヌと、動物実験のために集められた犬たちが哀れでした。そのモルモットたちによって無惨な最期を遂げる博士、まさに皮肉すぎる因果応報な末路でした。
残虐な悪魔の植皮手術より怖かったのは、博士とルイーズが美女たちを誘拐する手口。ルイーズがターゲットの娘たちに近づき、言葉巧みに誘って博士の待つ館へと連れて行くのですが。誘ってくるのが男ではなく、裕福そうな年上の女性なので、つい気を許して油断しますよね~。同性だからって、迂闊に誘いに乗ってはダメだと痛感。車に乗った熟女が若い女性たちを物色し、誘拐して殺す…ルイーズが、富山・長野連続女性誘拐殺人事件の宮崎知子とカブって戦慄。
博士とルイーズが、サイコホラー映画でよくある狂った快楽殺人鬼などではなく、大真面目に狂気の凶行に及んでいるのが返って怖いです。ルイーズ役のアリダ・ヴァリが恐い!その冷酷な鬼顔は、怪奇映画にぴったり。博士のために何の躊躇も恐れもなく美女を狩り、顔皮剥ぎを手伝い死体を遺棄するルイーズ。その冷ややかな無表情、凍り付いたような目が鬼畜の行為の最中、歓びで微かに震えるように見えることがあって、女って愛に狂うと何でもできちゃうんだなとゾっとしました。