ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国郵便局事情

2009年01月22日 | 米国○○事情
息子Tへの『お楽しみボックス』を送りに、近くの郵便局に行ってきました。
その郵便局は、この町の中では一応一番おっきな局で、受付の窓が5つあります。
10年ほど前に、同じ町の違う郵便局で強盗殺人事件があり、局員とそこにたまたま居合わせた数人の客が命を奪われた後、
なぜかその事件のあった局ではなくて、わたしが今日行った局に、ものすごく厳重な防犯窓が設置されました。
小包などを頼もうものなら、分厚い防弾壁(もちろん透明)を、窓を押し上げるかのごとくおっこらしょと持ち上げ、包みを中に押し込まなければなりません。

その郵便局はいつも混んでいるので有名です。
なので、町の人間はたいてい覚悟して行くし、待ち時間を逆算して、次の用事に差し支えの無いように計画を立てます。
わたしもいつもの例に習い、早めに用心して出かけました。

あれ?なんか空いてる。嬉しい誤算です。
窓口が5つありますが、多くて3人、いつもは2人、暇そうだったら1人(たま~に滅茶苦茶混んでるのに1人とかの時もありますが)、
今日は空いているのに2窓も局の人が受け付けていて、ラッキー!と心の中で言いながら列の後ろに立ちました。

こちらに来てから何が変わったかって……なんといっても1番は、レジやなにかの登録などの順番待ちに費やす時間に腹を立てなくなったことです。
スーパーで、デパートで、電車の切符売り場で、免許証の切替えで、理不尽なほどにスローモーションで動く係の人達を見ても、びっくりしなくなりました。
10分、20分、たまには40分とか待たされている間に、列の前後左右の人達といろんな話をしたり、買おうとしている物を比べっこしたり、
それなりに楽しめるようにアレンジするのもまたアメリカン。

なんてなことを言いながら、前回日本に行った際に、JR線乗り放題というレールパスを買って新幹線を利用しまくったのですが、
切符売り場の係の人があまりに敏速に対応してくれるのを見て、不覚にも涙ぐんでしまったわたし。
なんでもそうですね、ありがたみというのは、外に出て、離れて、苦労し、驚き、愕然とし、そうして初めて感じるのですね

なのでこんなことにも、とても感謝できる自分になったと、ある意味感動しながら窓口に行くと、
「次の方ぁ~」と、早くもわたしの後ろに並んでいた男性が呼ばれました。
わたしもそれなりに驚いたので、後ろを振り向くと、その男性がものすごくびっくりした顔で、手のひらを壁に押し付けて、『僕はここから動かんぞ~ポーズ』で壁に貼り付いています。
「あ~びっくりした!ここでは長~い時間待つ癖ついてるから、そんな早く呼ばれたら心臓に悪いじゃないか~」と彼が言い、局内大爆笑!

遅くても早くても、楽しいアメリカの暮らしのひとこま。




コメント (6)
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