ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「我々はもう同じ失敗は繰り返さないと思っている」←この期に及んでこんな無責任な事を言う経産省役人

2013年10月29日 | 日本とわたし
『暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える~』ブログから、福島第一原発4号機の、燃料プール使用済み核燃料の取り出し作業についての記事を転載させてもらいます。

11/8より4号機燃料プールの使用済核燃料取り出し作業開始 
~万一の際の想定はゼロ~

2013年10月30日

世界中が注目している、福島第1原発4号機の燃料プール内に残置されている、使用済核燃料1533体の取り出し作業が、
11/8より、いよいよ開始される模様である。

「当初計画では、11月中旬の開始予定だったものを、少しでも前倒しして」と言うと聞こえはいいが、
残念ながら、以下の、福島テレビ記事でも指摘されているように、
万一、燃料が落ちた際、「落下した燃料をどうするのか?」「住民への周知方法はどうするのか?」等について、
何ら具体の方策が準備されていないという、お粗末極まりない状況
であるのが、その実情である。

以下、2つ目の福島テレビ記事にて、
4号機燃料プールからの使用済核燃料の取り出し中に、5階から地上に、核燃料が落下するという事故を想定した訓練の様子が、映し出されているが、
同動画より、この訓練のデタラメさ加減が、よくわかるであろう。

即ち、『再臨界』という重大な事態を想定していながら、
5km~30km圏内のモニタリングポストの空間線量を読み取り、5km圏内の住民に避難指示を出すだけ
という、実にお粗末な内容である。

その後の事故対応について、少なくとも同ニュースからは、一体誰が、どのように、その収束を図るのか等、
リアルな中身が一切欠落している、と言わざるを得ないであろう。

早い話、訓練を行なうこと自体が、その目的となっているということであり、
こんな緩い訓練では、実際に不測の事態となった際、マトモな対処がなされないことは明らかであろう。

そんな状況ゆえ、当然に、「テロが起きた際どうするのか?」についてや、
「取り出し作業中に、大地震・津波に襲われたらどうするのか?」といった、複合的事象が同時に起きる状況など、
まったく想定されていないことは、想像に難くないところである。

では、一体どうするつもりなのか?

それは、経済産業省・木野正登による、
我々は、もう同じ失敗は繰り返さないと思っているので、訓練を通じて、また対応・対策を強化していきたい」、
という言葉に凝縮されている、と言ってよいであろう。

即ち、経産省も、何ら具体的な対応策を持ち合わせておらず、
単なる”神頼み”状態にて、失敗すれば全世界に影響が及ぶであろう、重大な作業に臨もうとしている
のである。

とてもじゃないが、真剣な姿勢が感じられない ”おざなり” 訓練でお茶を濁し、
準備作業もたったの1週間という状態で、日本全土、否、北半球全体にまで影響が及ぶであろう「最重要課題」に臨もうという
のであるから、
これはもう、正気の沙汰ではない話である。

(11/1~、燃料を取り出すクレーン稼働の、使用前検査予定)

まさに「狂乱国家ニッポンここに極まれり」と言ってよいであろう。


(まうみ注・↓以下は、福島テレビの映像が載っているはずでしたが、すでに削除されてしまっていたので記述だけ)

◆福島第1原発4号機の燃料取り出しについて、斎藤記者の解説です。
10/29 21:01 福島テレビ

福島第1原発4号機では、11月8日にも、使用済み燃料プールからの燃料取り出しが行われます。

原発担当の、斎藤 真太郎記者の解説です。

Q:燃料が落下するという、最悪の事態も想定しなければならないのか?

これから燃料の取り出しという、世界でも例を見ない試みが行われますので、最悪の事態も想定しなければいけません。
そのためにも東京電力は、使用済み燃料プールから燃料を取り出す4号機で、
11月1日から、燃料を取り出すクレーンの稼働を確かめるための、使用前検査を行う予定です。
その作業と同時に、現場で事故を想定した訓練も、必要になってきます。

Q:まだまだ、不測の事態を想定しなければならないということか?

4号機の使用済み燃料プールには、1533体の燃料がありますし、
それを1つひとつ、1年という長い時間をかけて、取り出していくことになります。

しかし、万が一、燃料が落ちた際に、落下した燃料をどうするのか、また、テロが起きたときにどうするのか、
その対応や検討も進んでいませんし、住民への周知の方法もこれから
です。

汚染水問題1つとっても、対策が後手後手になっています。


◆福島第1原発4号機の燃料取り出しへ、事故を想定し初訓練
10/29 21:02 福島テレビ

福島第1原発4号機では、11月8日にも、使用済み燃料プールからの燃料取り出しが行われる。

燃料の取り出し中に事故が起きたら、どう対応するのか、
29日は、最悪の事態を想定した、初めての訓練が行われた。

政府の担当者は、「福島第1原子力発電所4号機の燃料取り扱い事故が発生」と話した。

訓練は、4号機の使用済み燃料プールからの燃料の取り出し中に、5階から地上に核燃料が落下した、という想定で行われた。

訓練では、燃料が落下したことで、再臨界したときに発生する「キセノン」という気体によって、5km圏内の住民に、避難指示が出される

担当者は、
屋内退避を実施している地域にある、モニタリングポストの値が上昇しており、
5kmから30km圏内の複数箇所で、40マイクロシーベルト(μSv)パーアワーを超えています
」と話した。

目前に迫った、使用済み燃料プールからの、燃料の取り出し作業。

福島第1原発では、トラブルが相次いでいるだけに、避難が続く住民からも、不安の声が聞かれる。

住民は、
「不安はあるよね。今までの状況から見たって、満足な汚染水処理だってできてない状態なのに、初めてのことだからね」
「(放射能が)漏れないようにしてほしい。安全にね」などと話した。

訓練で担当者は、
「事業者通報第4報を配布します。14時30分、海水消防車ポンプが故障し、海水炉心冷却の機能が喪失しました」と話した。

一方、29日の訓練では、外部電源の喪失とともに、原子炉に注水ができなくなり、制御不能になったことも想定された。

福島第1原発から5kmの場所にあるオフサイトセンターは、使用ができなくなっていて、
事故後に放置された福島市で、国の訓練が行われるのは、今回が初めて。

経済産業省・木野正登さんは、
われわれとしては、もう同じ失敗は繰り返さないと思っていますので、そこは訓練を通じて、また対応・対策を強化していきたいと思います」と話した。

4号機では、早ければ11月8日にも、燃料の取り出しが始まる見通しとなっている。

(転載終了)


↓続いて以下は、カレイドスコープのハリマオさんが翻訳してくださった、グローバルリサーチからの記事

人類にとって、もっとも危険な時がやってくる
4号機の燃料取り出し作業、それは人類の存亡に関わることなのだ

Humankind’s Most Dangerous Moment: Fukushima Fuel Pool at Unit 4. “This is an Issue of Human Survival.”
(グローバルリサーチ: ハーヴェイ・ワッサーマン 2013年9月20日)

私たちは、この2ヵ月以内に、米ソ核戦争勃発の恐怖に慄いたキューバ危機以来、人類にとって、もっとも危険な時を迎えつつある。

われわれ人類の、もてる力のすべてが、福島第一原発4号機使用済み燃料プールに投入されるに違いない。
東電は、60日以内に、地上約30mのところに設置されている、
使用済み燃料プールの中にある、1300本以上の核燃料棒の取り出し作業を、開始すると発表した。

4号機の使用済み燃料プールは、壊滅的な損傷を受け、傾いている建屋の上に載っている。
次の地震で、容易に崩れ落ちてしまうかもしれない。

プールの中に収納されている使用済み燃料は、400トンにもおよび、
これは、広島に投下された原爆が放出した放射能の、15000倍もの放射能を放出する
のだ。

しかし、東電は、これに取り組むだけの科学力や技術力、財源の、どれも持っていないのだ。
これは、日本政府も同じだ。
この状況は、トップクラスの科学者、トップクラスの技術者を、結集しければならないことを示している。

なぜこれが、そんなに重大なことなのかだって?

すでに、福島第一原発構内からは、何千トンもの高濃度放射能汚染水が漏れだして、太平洋に流れ込んでいる。
それは、半減期の長い、まさに毒の水である。

…高濃度放射能汚染水のほとんどは、構内に拙速に組み立てられた、強度の弱い、1000ほどの巨大なタンクに収められている。
すでに、その多くから、汚染水が漏れだしている。

そのすべてのタンクは、次の地震で崩れ、膨大な量の毒の水が、太平洋に流れ込むのだ。

また、構内の地下を流れる汚染水は、使用済燃料プールを支えている4号機建屋の、残っている構造物を、徐々にむしばんでいる

…全体として、5号機、6号機、共用プールで冷却されている分も併せると、
11,000を超える燃料集合体
が、福島第一原発構内に散在しているのだ。

取り出し作業で万一失敗すれば、燃料棒は空気にさらされ、放射能火災を起こしながら、環境中に恐怖の放射能をまき散らすだろう。

プールは、地面に落下して砕け散り、飛び出した核燃料棒は、核分裂を起こして爆発するかも知れない

そうなれば終わりだ

チェルノブイリ原発事故の時は、原子炉の爆発後10日で、放射能雲がカリフォルニアに到達したが、
福島の核災害では、1週間もしないうちに、カリフォルニアに到達した。

4号機で核燃料火災が起これば、致死的な放射能が、何世紀にもわたって降り注ぐだろう。

元駐スイス大使の村田光平氏(セシウムはチェルノブイリの85倍)は、
「福島第一原発のある放射能が、全面的に環境中に放出されれば、地球全体の環境が破壊され、ひいては私たちの文明そのものが破壊されるだろう。
これは絵空事ではない。
人類が生存できるかどうかの問題だ」と言っている。

東電も日本政府も、いつまでも、単独で事故収束に取り掛かっていていいはずがない
世界トップクラスの科学者と技術者による統合チームを構成し、この非常事態に当たることに、何ら疑問の余地がない
あと、残すところ2ヵ月だ。

今、私たちは、世界的な科学者、技術者を福島での使用済み燃料の取り出し作業に動員させるよう、国連とオバマ大統領に請願しているところだ。

請願の署名は、ここでできる。
http://www.nukefree.org/crisis-fukushima-4-petition-un-us-global-response

何か良い考えがあるのであれば、ためらうことなく、すぐにやるべきだろう。
時計の針は、無常に進んでいく。
災害の魔の手は、真夜中(知の盲目状態)に近づいてくるのだ。

※この記事の執筆者、ハーヴェイ・ワッサーマン(Harvey Wasserman)は、
コロンブス自由報道」と「フリー・プレス」の編集主任を務めている。
彼は、「Nuke Free」の編集者である。



↓さらにもうひとつ、『マスコミに載らない海外記事』ブログ(8月16日)に掲載されていたロイターの記事。
(まうみ注・文章を所々、校正させてもらいました)

日本の、破損した福島原発の運営企業は、これほどの規模で、さらにこれまで試みられたことが無い、
放射能の非常に高い使用済み核燃料400トンを、破損した原子炉建屋から取り出すという、極めて危険な作業の準備をしている。

万が一、次の大地震が同地域を襲えば、崩壊する可能性が高いといわれている建屋から、
68年前に広島の原爆攻撃で放出された放射能の、14,000倍に等しい量を含む、1,500本以上の使用済み燃料棒アセンブリーを、
ぎっしりと詰め込まれたプールから、取り出す必要がある。

事故原発施設のあちこちから溢れ出る、放射能を含んだ水を食い止める戦いに、既に負けつつある東京電力が、
全てのアセンブリーの取り出しを、無事やりおおせるかどうか、専門家達は疑問に思っている。

膨大な数の燃料棒を取り出すには、困難があるでしょう」

アメリカの、かつて、核燃料アセンブリーを製造していた元原子力技術者で、フェアウインズ・エナジー・エジュケーションの技師長、アーニー・ガンダーセンは語っている。

今年11月、福島第一の第4号炉で始まる作業では、
もし核燃料アセンブリーがぶつかったり、近傍の束に近づき過ぎたりして破損すれば、
放射能の膨大な放出の可能性を含む危機をはらんでいる
と、ガンダーセンや、他の原子力専門家は語っている。

1986年のチェルノブイリ以来、世界で最も深刻な2011年3月の福島原発事故の核危機より、さらに酷い災害を引き起こす可能性がある。

それがどれ程酷いことになるか、分かる人間は皆無だが、
独立コンサルタントのマイクル・シュナイダーと、アントニー・フロガットは、最近、世界原子力産業現状報告2013の中で、こう書いている。

第4号機使用済み核燃料プールから、封じ込めも制御も全く無しに全てが放出されれば、これまでで最も深刻な、放射性物質関連災害を引き起こしかねない

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東電は、「作業が困難なことは認識しているが、安全に行えると考えている」と述べている。

そんなことを言われても、東京電力に対する信頼性の念は、全く持つことはできない
自然災害から福島原発を守り損ねたことを、厳しく批判されたが、それ以降の危機の対処も、酷評されている。

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作業は11月に始まる予定で、東京電力広報担当の永井義一氏はロイターの取材に、『アセンブリーの取り出しには約一年かかる、と予想している』とe-mailで答えた。
原発廃炉作業一件だけで約40年を要し、1兆1千億円かかる、と予想されている。

燃料棒アセンブリーは、重さ約300キロで、長さ4.5メートルだ。
1,331本の使用済み核燃料アセンブリーと、更に202本の未使用アセンブリーが、プールに保管されている』と、永井氏は言う。

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使用済み核燃料棒は、原子炉炉心での反応の最終段階に形成される、宇宙で最も有毒な物質の一つ、プルトニウムも含んでいる

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もし、燃料棒の束が歪み、お互いに余り近づきすぎると、不慮の臨界が起きる危険があります。
燃料プール冷却システムは、抑制されないままの核分裂連鎖反応を、吸収するよう設計されていないため、膨大な量の放射能と熱を生じてしまう可能性があります。
燃料プール臨界の問題は、止めることができないことです。
制御する為の制御棒はありません。
使用済み核燃料プール冷却装置は、進行中の核反応による熱ではなく、崩壊熱のみを除去するように設計されています。
燃料棒は、空気に曝されれば燃えやすいのです
」と、ガンダーセンは言う。

[*プールは既に、燃料が空気に曝されて、沸騰したことがある]

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東京電力は、連邦議会でも問題になった、世界的な懸念の源である、爆発後に傾き膨張した建屋を補強した。

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燃料アセンブリーを、保管されているラックからまず引き出し、重厚な鋼鉄容器中に挿入する。
この操作は、燃料棒から放出される放射能を遮蔽する鋼鉄容器を、プールから取り出して地上に降ろす前のもので、水の中で行われる。

その後、鋼鉄容器は、無傷の建屋の中にある原発の共用貯蔵プールに移送され、そこでアセンブリーは保管されることになる。

東京電力は、今月早々、中を調査した際、第4号炉燃料プールに瓦礫があるのを確認した。

福島第一で11年間働いていた、元東京電力の技術者木村俊雄氏によれば、
プールから燃料棒を取り出すのは、通常コンピューターの支援を得る、細心の注意を要する任務だ。

かつて、それは一ミリまでの精度で、燃料棒の正確な位置を記憶したコンピューター制御作業でしたが、もはや、それはありません。
手動で行わねばならず、燃料棒を落として破壊する危険性は高いのです
」と、木村氏は言う。

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塩水による腐食も、建屋や機器を脆くしているだろう」と、彼はいう。

また、燃料が完全に取り出される前に、もし次の大地震が襲い、建屋を倒壊させたり、プールを破壊して水漏れさせたりすれば
使用済み核燃料の火事は、最初の事故の時よりも、さらに大量の放射能を放出する可能性があり約200キロしか離れていない東京を脅かす

↑以上、転載おわり




成功率100%でないと、北半球が深刻な汚染に晒されるって、誰もが言うてる、あってはならん事故時の避難指示が、たったの5km圏内の住民?!
その、極めて困難な、前代未聞の、しかもコンピューター制御もできんと、人間が手動でせなあかん作業の準備が、たったの1週間?!
ほんで、避難訓練って……事故が起こったら避難どころか、脱兎のごとく、とんでもない数の人間が逃げなあかんというのに、
たったの数百人でも、あっという間に渋滞が起こって、動くに動けんと車の中で数時間過ごさなあかんというのに、

それも、数日数週の間ではなくて、1年やで1年!
極めて難しい、緊張を強いられる、しかも1度たりとも失敗が許されへん作業って……、
そんなことに耐えられるんやろか、人間て……。

その間中、数キロ~数十キロ圏内に住んではる人たちは、いったいどないしたらええんですか?!
事故が起こってからでは遅いんちゃいますか?
事故が起こってしもたら、作業してはる人たちはもちろん、現場から即立ち退かなあかんのとちゃいますか?
そしたら、どんどん連鎖的に事態は悪くなって、結局は、多くの技術者や学者が予想してるように、北半球に人が住めんような破局を招くのとちゃいますか?
そういう想定してるんですか?
最悪のシナリオ無しに、こんな危険な作業を、「大丈夫やと思います」でやろうとするような無責任な人間に、絶対に絶対に任せられへん!
いや、任せたらあかん!

これは、世界トップクラスの科学者と技術者による統合チームを構成し、当たるべきこと!
今まで我が物顔で、危機管理も意識も持たずに、都合の悪いことは一切合切隠してきたような、東電と日本政府には無理!

「我々はもう同じ失敗は繰り返さないと思っている。これから訓練して対応・対策を強化していく」

思てるだけで大丈夫なら、誰も苦労せんわ!!
あんたらそんな戯けたことばっかり言うて、なんもせんかったから、この事故が起きたんや!!
性懲り無しのスカタンめ!!
コメント (6)
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