ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

伊賀上野天神祭鬼行列

2008年10月26日 | ひとりごと
友人のS子さん(友人って勝手に呼ばせてもらっていいかなあ)は伊賀上野在住の、自分の暮らす町がもっと元気になればいいなあと、日夜知恵を絞り、体を動かし、情熱的に活動している女性です。
彼女のブログをよく読ませてもらっているのですが、そこに天神祭の記事が載っていて、とても懐かしくなりました。
うちにもお祭りの写真があるかしらんと探してみると、ありましたありました、わたしの大好きな写真が。
↓これです。



休憩中の小鬼達に囲まれたTとK。完全にかたまってます。


では彼女のブログからちょいと拝借。



『悪鬼』
鬼の代表みたいなもの。悪魔を降伏させ、疫病退散を担う役どころ。





『小鬼達』





『役の行者(えんのぎょうじゃ)』
人間離れをした、天狗さまのような不思議な神通力をもっているそうです。





『四天鬼』
こうやって子どもをあやします。「元気にたくましく育ってな」と。あやされている方はそれどころじゃないだろうなあ、多分……。





『ひょろつき鬼』
この方を観たくて毎年通っている人は多いと思います。可笑しいやら恐いやら、ものすごい迫力のひょろつきを見せてくれます。
TとKは、この鬼が遠くから見えるやいなや、ぴゅーっとえらい勢いで逃げていきました。


彼女のブログの住所です。http://blog.goo.ne.jp/seib_2005/
町起こしの大変さ、難しさ、面白さ、歯痒さ、いろんな面から考えさせられる記事がいっぱい載っています。
でも、自分が暮らす町を愛おしいと思えることはとても素晴らしいことだと思います。
周りを山に囲まれた盆地の伊賀上野。高校時代の3年と最初の結婚時代の13年を過ごしました。
今でもよく思い出す懐かしい町です。いろいろ悪さしちゃったので、ちょっと会い辛い人もいたりなんかするんですが

お祭り大好きです!山車の大きな車輪が擦れる音、笛や太鼓の音色、人々の歓声。思い出すだけでワクワクします

コメント (6)
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雨上がりの落ち葉掃き

2008年10月26日 | ひとりごと


昨日一日中降った雨をたっぷり浴びた、つやつや葉っぱとしっとり苔と落ち葉です。
あんまり気持ちのいいお天気なので、裏の出入り口のレンガの階段の掃き掃除をしました。
昨日の掃除でいっぱい出てきたゴミをひとまずガレージに入れて、来月の第一月曜日の大型ゴミの日に出します。
これが最後の大型ゴミの日かな、なんて、7月から思い続けてもう5回目?!
時間が経つのが早いのか遅いのか、よく分からなくなった5ヶ月でした。

今日はこれからお客さんをお迎えします。
旦那のお得意のインディ風チキン料理と簡単な野菜料理一品、それからわたしが大量に作ったひじきの六目煮と豆ご飯。
相変わらずの組み合わせです。
うちも含めて3組の夫婦、みんな日本人女房とアメリカ人旦那のカップルです。
それぞれに、のんきに笑っていられない事を抱えて暮らしている仲間です。
だからこそ、一緒に食べてしゃべって笑うことが大切だと思います

調子に乗ってしゃべり過ぎて、ハスキーになった声がガラガラにならないように気をつけないと

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雨降りのひとりごと

2008年10月25日 | ひとりごと
今日は一日中雨が降りました
なので、引っ越しモードで散らかっていた所を、ちびちび片付け始めました。
すっきり片付けたら、また気分もさっぱりするだろうと思いました。

旦那は部屋の中がどれだけグチャグチャになってても全然気にならないし、なのでもちろん片付けたくもなりません。
で、わたしはどうかというと、子供の頃は鼻水をかんだティッシュはかんだ所にそのままポイ、脱いだ服も脱いだ所にそのままポイの、筋金入りの散らかし魔だったくせに、今は別人のように整理整頓課の課長やってます。
うちの男3人、揃いも揃って散らかし魔。なので割り切ってひとりで片付けては自己満足に浸る毎日。
でもまあ、正直言うと、満足の中にチョイと不満足のたまり場みたいなのもあるわけです。
またわたしだけやったやん……みたいな。特に今日みたいに非日常的な掃除をした時なんかは。人間できてないもんですから

お昼の3時ぐらいに、お互いの仕事が終わりました。
「あ~退屈退屈。なんか面白いことしたいなあ。ちょっと出かけてコーヒー飲むとか、なんでもええからさあ」
いきなり駄々っ子モードの旦那。毎週末のことなので珍しくもなんもないのですが……。
旦那の理想的な週末は、どこかに出かけるか誰かと逢うかの計画がちゃんとあって、家族以外の人とおしゃべりしながらビールやワインを飲んで楽しむ。
わたしのは、普段できなかった片付けや洗濯の残りをチャッチャと終えて、ピアノの練習をしたりパソコンで遊ぶ。
ほとんど正反対のお楽しみなので、普段は旦那の希望に合わせます。(もちろんわたしも友達と逢うのは楽しいですけどね)

でも、今日は片付けると決めていたので「そんなに家が退屈なら、スタバにでも行って人見物でもしてきたら」と勧めました。
「なんや、一緒に遊んでくれへんのか」……まだ言うかオッサン
で、引っ越しするからってんで、あれやこれやを積み重ねてあった所を手始めに片付けました。
近々使うもんな~なんて思って残しておいた大小の段ボール箱も分解して束ねました。
ついでにベッドのシーツなんかも丸ごと洗いました。
なんだかずうっと病気っぽいし、咳とかで気持ちが悪いし、久しぶりにシャワーに入る予定だし。

だいたい片付いて今日のところはこれで満足。ちょっと洗わなかった隙にこんもり4山溜まってた洗濯物も洗ってすっきり。
さてと、乾いたシーツをセットしておかなければなりません。
いろいろと細かいことにうるさい方の旦那。特に、眠くなった時に、スッとベッドに入れなかった時のうるさいことったら。
なので、さっさと敷いておこうと思ったのだけれど、ベッドの上には、旦那が別の部屋で寝るのに使ってる布団がドカン!
だめだこりゃ、とあっさり諦めて、そのまますっかり忘れちゃって、無料配信のDVDを2人で観ておりました。

DVDが終わり、旦那はすでに目がトロトロ。
ま「今夜はどこで寝る?」
ダ「今夜は一緒の部屋で寝よっかな。咳は?」
ま「ちょっと出るかも知れんけど……」
ダ「ちょっとぐらいいいよ」
ま「どっちで寝るか分からんかったから、まだベッド作ってないよ」
ダ「え~っ!僕がこういうの嫌いってよく知ってるはずやろ~」
ま「いいやん、どうせあんたのシーツも敷き直さなあかんねんから」
ダ「僕のシーツはものの1分で済むけど、ベッド全部作るんやったらそうはいかん、ブツブツブツブツ……

さて、わたしはどうしたでしょう?
「もう、しょうがないボクちゃん。ベッドだって2人でやったら1分で済むでしょ。さあ、そっちを引っ張って」
……なワケあらへんがな~
そりゃもう目一杯不機嫌そ~な顔して、せっかく洗ったシーツが破けてしまいそうな勢いで、ビシバシ30秒で作り上げ、ダンダンと足音も荒く部屋から出て行ったりました。

その後、わたしの部屋までやって来て、やたらと機嫌を取ろうとする旦那。おらおら、早よ寝んかい!
家猫をかすがいに利用しようとしたり、咳が楽になるマッサージをしようとしたり、まるでガキです。
あ、でも、こうやって悪口書きまくってニヤニヤしてるわたしもまるでガキですかね。かっこ悪いですね。

ほんとに、不満を溜め込むのは良くありません。あれって最初はモヤモヤしてて綿菓子みたいに柔らかいのだけれど、
溜まるにつれてだんだん硬くなり、しまいにゃ石みたいになっちゃいます。
そうなると、結石ができちゃった体みたいに、痛んだり苦しんだり、外に出したくても出せなかったり、大変なことになります。
モヤモヤしているぐらいの時に小出しにして溜め込まないこと。
これが、心の結石を作ってしまって、何回も痛い目に遭ったわたしからのお勧めです
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ホッケの一夜干し

2008年10月25日 | 家族とわたし
この二日間、寝る前に咳止めのツボにマグネットを貼って寝ています。
ベッドに入ってから体が温まってくると、少しの間だけ乾いた咳が出るけれど、眠ってからは咳で起こされることはありません。
おかげで、朝まで続けて眠れるようになりました。
まだ首の付け根の周りに、風邪菌がべったり居座っているようで、耳や鼻の奥がボォ~ッと熱くてだるいです。
なんだか、ぬるめのお湯にずうっと浸かっているような感じで、軽い湯あたりでもしてるような……。
これがほんとの温泉だったらええねんけどなあ……。
旦那も、こんな長い風邪はまうみとしては珍しいと感心?しています。
わたしもそろそろ飽きてきたので、今日の仕事が終わったら、本格的な鍼治療を旦那に頼もうと思っています。
一家に一台、いや一人、鍼灸師

昨日、熱々のホッケを2人でつついているところに、息子Tから旦那に電話がかかってきました。
旦那の携帯から時々漏れて聞こえるのは確かにTの、ちょいとハスキーなボソボソ声ですが、英語でしゃべっています。
この夏以降から彼が乗っている日産のスポーツカーは旦那の父親のお下がり。御年20才のポンコツ、いやもとい、アンティーク。
それが突如全く動かなくなり、調べてもらったところ、ギアを全面的に替えないといけないそうで、それの相談でした。
英語で話す2人の声を聞きながら、そしてもちろんホッケをつつきながら、わたしはちょっと感動していました

息子Tが旦那と一緒に暮らし始めたのは、彼が5才の時でした。
それから去年までの15年間、彼と英語(言葉としてだけではなく、英語から派生する事柄や人間関係も含めて)は葛藤をし続けてきました。
こちらに移って来たのは彼が13才の時。それからたった5年で大学に入り、難しい学科を学んでいる彼の英語力は、わたしなんかの比ではなく、相当進んでいるはずです。
でもTは、旦那と話す時、あるいは旦那の質問に答える時、絶対に英語を使いませんでした。たったの一言もです。
日本に居た時、わたしが軽く英語で彼に話しかけたりすると、「日本人のくせに英語なんか使うな!」と怒鳴って抗議しました。
どちらかというと物静かで、自分が人に嫌がられないように気を遣い過ぎてしまう傾向があるT。
この子なりに、口には出さないいろんな感情が胸の中に渦巻いていて、それが時々言葉になって飛び出してくるんだろうな。
そう思って、Tの心の渦巻きがいつか小さくなって、本人でさえもあまり気にならないようになるまで待つことにしました。

そして今年、もういつだったか忘れてしまいましたが、それも電話の声でした。旦那の携帯からTの英語が聞こえてきました。
「英語、しゃべってたやん、T」
「うん、英語やったな」
旦那もわたしもしばらく無言でした。

それから後、どんどんエスカレート?してきて、メールはもちろん全文英語、わたしのアドレスにも英語?なんでやねん?
とてもカジュアルで自然な英語だそうで、旦那はかなり嬉しがっています。
三年寝太郎どころか、十五年寝太郎と花子だったわたし達。
でも、それほどの時間がかかるぐらい、彼にとっては大変なことだったんだろうなあと思います。

電話を切ろうとするTに、「あ、ちょっとちょっと」と慌てて日本語で言う旦那。
何事かとわたしも耳をすましていると、
「あんな、今、おかあさんとホッケ食べてんねん。めっちゃうまいで~
うちから遠く離れ一人暮らしをしている息子に、しかもホッケが大好物の……どもならんな、このオッサン……



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さらにつけたし

2008年10月24日 | ひとりごと
CNNニュースのキャスターが、
「日本の麻生首相は、庶民の暮らしの実態を自分の目で確かめるためにスーパーに視察に行き、その帰りに帝国ホテルで食事をして帰った」
「夜はホテルのバーをはしごするのが日課で、自分は幸いにして金持ちなので、そういう費用は払えると公言した」などと、メチャ皮肉っぽく言うてました。
全く分かってないおっさん「その2」、みたいな紹介の仕方でした。
どちらのおっさんの国とも比較的関係のあるわたしは、トホホな気分で聞いておりました

人格、度量、頭脳、常識とかが揃った人って、政治家になりたいなんて思わないのかなあ……。
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つけたし

2008年10月23日 | ひとりごと
さてこちらはテレビのインタビューで。
6週間で1500万円もの衣装をバカ買いしていたペイレン氏を非難するインタビュアーに、
「あなたね、今、そんな買い物ごときのつまらない事をあれこれ心配している場合ですか?もっと他に心配しなければならない事がいっぱいあるでしょう」
と軽く受け流していた(受け流してしまった)マケイン氏。

おいおい、中流家庭の2年分の年収を6週間で、しかも選挙戦の見栄だけのために、党のお金を1500万円使といて、つまらない事と言い切れる、こらっ、そこのおっさん
あんたこそ、まったく分かってない男やって、くっきり分かった瞬間でした。おおきに

さらに、彼女や彼女の家族が着た服は、選挙の後に寄付されるんだって?
すごいジョークで笑わせてもくれちゃって、もっぺんおおきにぃ~
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米国中傷合戦事情

2008年10月23日 | 米国○○事情
今日、生徒の家からうちに戻る途中、車のラジオから面白いインタビューが流れてきました。
インタビューを受けているのは、今の選挙戦で相手側の陣営を非難するネガティブメッセージを読む声優のお二方。

どんなふうに意地悪っぽい響きにするのか、ここでちょっとやってみて、というインタビュアーの要望に、
普通の単語を使って、それはそれは見事に意地悪な感じにする彼ら。大笑いしました。

彼らは彼らなりに、仕事として割り切っているものの、自分でもウソだと分かっていることを言うのに抵抗はあるようです。そりゃそうでしょう。
で、もうこんなことは辞めたいと思ったことは、と聞かれた彼らのうちのひとりは、「そろそろ潮時だと思う」と答え、もう一方は、「まだまだやるよ。だって稼がないと。うちには大学生が2人もいるんだから」と言っていました。
おなじ大学生を2人持つ親として、ハンドル握りながら深く頷いたわたしです。

いろんな仕事があるんだなあ。
前々から、いったいどんな人達がこの仕事を引き受けているんだろうと興味がありました。
いくら仕事とはいえ、バカバカしいウソから笑えない卑怯なウソまで、ありとあらゆる誹謗中傷合戦の第一線に立つ彼ら。
顔が見えないからといっても、彼らの近所や家族は知るだろうし、友達だって分かるでしょう。
辛くないのかな、なんて、4年に1回必ず耳にする意地悪な声を聞きながら思っていました。
言論の自由で、どこの国もあれやこれやと問題が起こっています。
自由には責任が伴うって、小さな頃に教えてもらったのだけれど、自由にくっついてる責任って意外と無責任なのかも。

大統領選挙の投票日まで、あと2週間を切りました。彼らの意地悪もあと2週間の命です。
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風邪退治宣言却下!

2008年10月23日 | ひとりごと
昨日はとても寒かったです。ベッドの中にいても、背中からゾクゾク冷えてきて、眠れないまま4時になってしまいました。
そこまで待つなっていう話ですが、なぜだか横の旦那も寝返りしまくっていて、いきなりボコッと起きて部屋から出て行きました。
わたしはその間に溜まっていた咳をゴホゴホと出し、温かい服を重ね着してまたベッドに。
旦那もしばらくして戻ってきて、今度は10分ぐらいでスウスウと寝息をたて始めました。
8時半ぐらいに一旦目が覚めましたが、あまりのだるさに起きるのをやめ、結局10時前に起床。
昨日の風邪退治宣言、思いっきり却下です



わたし達の住む屋敷の1階は、写真の正面玄関の両側に対の部屋があり、わたしのピアノ部屋、旦那の治療部屋になっています。
廊下無しの部屋続きで、南側はピアノ部屋からキッチン、キッチンからバスルームを挟んで息子Tの部屋。
北側は旦那の治療室兼居間からわたし達の寝室、そして洗濯室が間に入って息子Kの部屋、でした。

息子Tが大学に進学してから、旦那が治療に二部屋使いたいと言い出し、Tの部屋にKが移動、わたし達がKの部屋に移りました。
TとKが暮らした部屋は180才ではなく、途中で建て増しされた部屋で、少し若めなんだそうです。
それでなのかどうか分からないのですが、西側ということもあって、とてもよく冷えます。
物音の伝わり具合もかなり違います。壁というより、薄っぺらいカーテンかなにかで仕切られているような感じです。

ところで、うちに遊びに来てくれた人が必ずといっていいほど驚くことがあります。それは物音です。
北側で居ると南側に居る人の物音や声が全く聞こえません。
同じく、東側で居ると、西側に居る人の物音や声が聞こえません。とても不思議です。
けれども、増築された息子達の部屋だった所同士は筒抜けです。建築材や建て方の違いなんでしょうか。

まったく、こんな寒い部屋で8回も冬を過ごしてきたTとK。おまけに2人とも、どんなに言っても窓際からベッドを動かしませんでした。
それにしては風邪ひかなかったなあ、あの子達……。

うちもとうとうセントラルヒーティングを全面的に使い始めました。今夜は予報ではマイナス2℃です。
昼間は設定温度18℃、夜間は14℃にするのが我が家の決まりです。
けれども、今夜はちょいと温かい蒸気が出る加湿器を入れようかと思っています。

今朝方、ベッドから抜け出して旦那がやってたこと→眠り易くなるツボにマグネット(ピップエレキバンみたいなの)を貼りまくってたそうです。
道理で、戻ってきたと思たらスウスウと簡単に眠ってたっけ……。
と、そこまで思い出したらムカムカしてきました。ずっこいぞぉ~ひとりだけ

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文字と音符

2008年10月23日 | 音楽とわたし
ピアノを習いたいのですが、という電話を受けた時、わたしが日本人だということを知ると必ず聞かれることがあります。
「スズキメソードで教えているのですか?」

実は、こちらでそう何回も尋ねられるまで、スズキメソードでピアノも学んでいる人がいることを知らないでいました。
あの教法はバイオリンやフルートなどの単一の音(バイオリンは重音演奏も可能ですが)の楽器に適していると思っていました。

スズキメソードでは、基本的に楽譜を読まないで、まず耳で演奏を聞き、それを真似ることで音楽を学びます。
聞く演奏は良いものであることが前提なのでCDを使うことが多く、レッスン中に聞く演奏も教師のものではなくCDを使うと聞いたことがあります。

良い演奏を聞き、あこがれ、それを自分の手で、口で、演奏してみたくなる。
そこには純粋な夢と、希望と、情熱があるので、だから頑張れる、そして演奏できるようになる。
それを聞いて、心から喜んでくれる家族が居る。誇りに思ってもらえる自分が居る。

わたしはその世界にも一理あると思います。そしてまた、全く楽譜を使わないのではなく、
読まなくても読めなくても、とりあえず自分が演奏している曲の楽譜を見ながら演奏するので、
絵のように、なんとなく眺めているうちに音符が読めるようになる人もいると聞いています。

でも、わたしはピアノ教師として、スズキメソードで学んできた子供や大人を教えるたびに、頭を抱えてしまいます。
きっと、自分が全く逆の方法で音楽を学び、苦しみ、楽しんできたからだと思います。

本を読みたくて仕方が無くても、文字が分からない子は読めません。
文字はまず、周りの家族の話し言葉が耳から入り、音で覚えます。
なんだかさっぱり分からないけれど、楽しそうだなあ、真似してみようかなあ。
真似してみたら、びっくりするほど褒められたり、撫でてもらえたり、楽しくて仕方ありません。
しかも、どの家族もみんな、同じようなことを繰り返し言ってくれるので、起きている間中真似っこのチャンスだらけ。
楽しいなあ、楽しいなあと思っている間にどんどん真似できる言葉が増えていって、
そうこうしているうちに、あなたが「あ」と言っているのはこれよ、と音の形を教えてもらいます。
そうして一つずつ覚えていった音の形で、今度は文章が読めるようになり、複数の文章がつながった本が読めるようになります。

スズキメソードの良いところは、その無意識の楽しみを大事にすることだと思います。
楽しんでいるうちに、自分が出したいと思う音が出てくる。こんな素晴らしいことはありません。
ただ、文章(音楽でいうとフレーズ)が多くなってくるにつれ、真似だけではどうしようもない事態に陥ります。
その時に、それはね、君が字を読めないからだよと言われても、その子はただ混乱するかがっかりするだけです。

スズキメソードで音楽を始め、もう少し先に進みたいからというのでうちにやって来る子供達に、わたしはその辛い言葉を言わなければならないことになります。

音符を覚えるのは、文字を覚えるようなものだと言う人がいますが、それはちょっと違います。
文字だと、周りにいる人達が同じ様にいつだって使っているので、起きている間中目にしたり耳にしたりする機会があります。
では音符はどうでしょう?
よほど変わり者の親か、あるいは演奏者とかが居る場合を除いて、音符を暮らしの中で目にすることはありません。
その子が、わざわざ楽器のそばに行き、自分の楽譜を開くまで、オタマジャクシと呼ばれる妙な形の白黒の連中を見ることはないのです。
話している間にドレミを使うこともなく、たった5本の線の中にゴチャゴチャと点々のように記された記号を、いったい誰が読みたいと思えるか……。

初心者が年に必ず数人入ってきます。
真ん中のドから始まって、そこから左右に読める音が3音、5音、そして10音と広がっていき、
気がついたら、両方の手で30音以上の音が書かれている楽譜を読んで弾けるようになっています。
しかも、パソコンを打つ時のように、手元を見ないで弾くことをしつっこく言われ続けるので、彼らの指は鍵盤の幅を覚え、探し当てることもできるのです。
賢い目と指を持つ生徒達を、すごいねえ、頑張ったねえと褒めながら、彼らの音に色をつける手伝いをしている時、
ふと、そうなれるまでに、この子達はいったい、どんなに辛抱したんだろうと愛おしくなったりします。
長年ピアノを教え学んできた者として、たくさんのことを教えたり一緒に学んだりできると思っていますが、
自分がどういうふうにして音符を覚えたのかさっぱり覚えていないので、それだけは教えてあげることはできません。
なので、音符をコツコツ一つずつ読めるようになる子達、あるいは大人達を、ほんとにすごいなあと思います。

今日も一人、スズキメソードの経験者がうちに来てくれました。
彼が、これまでのスズキ仲間の子供達のように、途中で投げ出してしまわないように、
彼の音楽への情熱を大事に、音楽の文字をうまく覚えさせてあげられる方法を考えたいと思っているのですが、
さてさて、今までの方法はすべて失敗の巻だったので、頭を切り替えて、新しいアイディアを考えなければ……


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そろそろと

2008年10月22日 | ひとりごと
治ってきましたよぉ~、うふふ、もうちょっとの辛抱です。
鼻の奥から濃い色の膿が出て、それとともに痛みが少しずつひいていき、ひりひりしていた頭皮や肌の痛みも無くなってきました。
教えている間につい歌ってしまっても、喉とか鼻の奥とかに、針が刺さったみたいな痛みを感じることもありませんでした。
今夜こそ、朝まで続けて眠れるかも……楽しみです。

3日の辛抱っていうのがわたしのパターンですが、何もしないでただ待っているわけでもありません。
生姜湯を飲んだり蜂蜜レモンを飲んだり、腰湯をしたり、摩擦するといい場所をゴシゴシ擦ったり、塩湯でうがいをしたり、湿ったマスクをつけたり、とりあえずできることはやりながら待ちます。

でも今回はなによりも、励ましてもらえたこと、心配してもらったことが薬になりました。
ありがとう!


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