山田詠美さんの4作目「蝶々の纏足」を読みました。
「十六にして、私、人生知り尽くした。」の一文で始まるこの小説は、麦生という青年との愛の体験によって、こうした言葉が出ているのか、著者得意の男女の性愛の話なのか、というとそうでもなく、この話の中心を占めているのは、私と、隣に引っ越してきたえり子という同級生の少女との関わり合いの話です。
えり子は、生きる意欲に満ち、独占欲が強く、人の気持ちを手玉に取り、私を親友として私の人生に介入してきます。そして最後には彼女に決別の言葉を述べ、二人は別々の人生を歩いて行くことになります。
ここで著者本人を思わせるのは、えり子の姉であり、著者の言葉が語られるのは、この姉を通してだけであって、そうすると、この作品は一人称で語られているようであって、実は三人称で語られている、というのが正解かもしれません。内容も、前作での少年と私の関係から、少女と私の関係へ、という関連性が見て取れます。
相手が女性だけあって、前作のようなはらはらする暴力性は感じられませんが、えり子のキャラクターを楽しく読めるのでは、と思う作品でした。
「十六にして、私、人生知り尽くした。」の一文で始まるこの小説は、麦生という青年との愛の体験によって、こうした言葉が出ているのか、著者得意の男女の性愛の話なのか、というとそうでもなく、この話の中心を占めているのは、私と、隣に引っ越してきたえり子という同級生の少女との関わり合いの話です。
えり子は、生きる意欲に満ち、独占欲が強く、人の気持ちを手玉に取り、私を親友として私の人生に介入してきます。そして最後には彼女に決別の言葉を述べ、二人は別々の人生を歩いて行くことになります。
ここで著者本人を思わせるのは、えり子の姉であり、著者の言葉が語られるのは、この姉を通してだけであって、そうすると、この作品は一人称で語られているようであって、実は三人称で語られている、というのが正解かもしれません。内容も、前作での少年と私の関係から、少女と私の関係へ、という関連性が見て取れます。
相手が女性だけあって、前作のようなはらはらする暴力性は感じられませんが、えり子のキャラクターを楽しく読めるのでは、と思う作品でした。