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山田詠美『熱帯安楽椅子』

2006-07-30 16:31:18 | ノンジャンル
 昨日WOWOWでロバート・ゼメキス監督の'02作品「ポーラー・エクスプレス」を見ました。実写をCGで作る、ということに挑戦した作品で、時々実写と見間違えるほど、動きや表情が本物そっくりの部分もあったのですが、人間の肌の表現がCGだとろう人形になってしまい、そこがこれからの課題だと思いました。映画自体は、スリル満点で面白かったです。

 今日の山田詠美作品は「熱帯安楽椅子」です。
 小説家である私は、彼に別れを告げ、バリ島をめざします。熱帯のその島ではすべてがおおらかで、着くとすぐタクシーの運転手と親しくなり、雨の中の車で愛しあい、次にまた雨が降ったらあいましょう、と彼は言います。私はホテルのウェイターと毎日愛しあうようになるのですが、それをじっと見ている少年のことが気になります。少年は口がきけないので、私を美しい夕日の見える所へ連れて行き、私を好きであることを伝えようとします。しかし、その翌日少年はサーフィンの際大波に飲まれて死んでしまいます。私は帰りの飛行機の中で、少年のことを改めて考えます。
 肉体の愛を素直に受け入れる南の島の風土と口のきけない少年の心。そうしたものがストレートに伝わってくる、読んでいて気持ちの良い作品でした。あらすじの詳細は「Favorite Novels」の「山田詠美」にアップしてありますので、ご覧ください。