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山田詠美『風葬の教室』

2006-08-02 16:43:02 | ノンジャンル
 今日のテレビのCMで、瞳を変えてしまうコンタクト(?)の宣伝をしていました。カラーコンタクトなどとは違い瞳の形(大きさ?)を変えてしまうものなのだそうです。とすると、これは究極の整形ですよね。瞳はその人の心を表しているのですから。これからはジッと相手の目を見ても、そこには嘘しか見えなくなるのかもしれません。

 さて、今日の山田詠美作品は「風葬の教室」です。この単行本は中編の「風葬の教室」と短編の「こぎつねこん」からなっているのですが、圧倒的に面白いのは「風葬の教室」です。
 題名からアンデスが舞台なのかな、と思ったりしたのですが、そうではなく教室が舞台です。つまり学級内の話なのです。男女の愛ばかり描いてきた詠美さんにとっては、かなり異質の題材なのですが、これが臨場感にあふれていて、素晴らしい出来。クラスに二人いる精神的に大人の子供と精神的に子供の教師とその他の生徒。ひょんなことから始まるいじめの残虐さとそれに耐える主人公の強さ。今まで読んできた本の中でいじめをここまでリアルに描いた小説は私にはありませんでした。あんまり感心したので、「Favorite Novels」の「山田詠美」のところに詳しいあらすじなどを掲載しておきました。ぜひご覧ください。