今日の山田詠美作品は「セイフティボックス」です。
1988年の1年間の彼女の日記風エッセイなのですが、マンハッタンでの生活から始まり、日本に帰ってきたと思ったら、バリ、ニューヨーク、再びバリと旅行しまくり。その度に編集者を恐怖のどん底へ突き落としていた様子が語られます。
文体は当然小説とは違い、ラフなもの。今でいえばメールのノリです。
様々な文明批判もありますが、面白いのはいろんなエピソードで、私が面白かったのは、ニューヨークのワイドショーで、近親相姦とか深刻な問題の当事者が大勢出演し、「初めて父に犯されたのはいつ?」とか「いけないことと知っててなんで足を開いたの?」とかいうシビアな問いに出演者はきちんと答え、泣き出す人や「痛かった」と言ってから絶句する人や、司会者のオプラという黒人のおばさんも口がきけなくなってしまったり、思わず出演者を抱き締めたり、というすごい番組がある、ということでした。やっぱり日本とアメリカとはメンタルな部分がかなり違うんですね。
彼女の愛すべき担当編集者の話も満載。山田詠美さんの私生活および本音を聞きたいなら、この本はうってつけの本だと思いました。
1988年の1年間の彼女の日記風エッセイなのですが、マンハッタンでの生活から始まり、日本に帰ってきたと思ったら、バリ、ニューヨーク、再びバリと旅行しまくり。その度に編集者を恐怖のどん底へ突き落としていた様子が語られます。
文体は当然小説とは違い、ラフなもの。今でいえばメールのノリです。
様々な文明批判もありますが、面白いのはいろんなエピソードで、私が面白かったのは、ニューヨークのワイドショーで、近親相姦とか深刻な問題の当事者が大勢出演し、「初めて父に犯されたのはいつ?」とか「いけないことと知っててなんで足を開いたの?」とかいうシビアな問いに出演者はきちんと答え、泣き出す人や「痛かった」と言ってから絶句する人や、司会者のオプラという黒人のおばさんも口がきけなくなってしまったり、思わず出演者を抱き締めたり、というすごい番組がある、ということでした。やっぱり日本とアメリカとはメンタルな部分がかなり違うんですね。
彼女の愛すべき担当編集者の話も満載。山田詠美さんの私生活および本音を聞きたいなら、この本はうってつけの本だと思いました。