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打海文三『されど修羅のごとく』

2009-01-12 15:18:01 | ノンジャンル
 先週の金曜日にテレビ東京で放映された「たけしの誰でもピカソ」で、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」がどうしてあれほどヒットしたかを検証していました。何でも、優等生タイプの男子にとって太田さんの声が理想的な女の子の声で、歌詞の女性がやはり理想的な女性だったからだそうです。う~ん、そう言えばいなずけるような気も‥‥。高校1年の時、音質のいい録音をしようと、FMでこの曲を流すような番組がないか、同級生に聞きまくった思い出がある、私にとってもそんな特別な曲だったりします。

 さて、打海文三さんの'96年作品「されど修羅のごとく」を読みました。
 渋谷の公園で、32才のグラフィック・デザイナー・南志保の刺殺体が発見され、同棲相手であり36才の元警官の探偵社勤務・阪本が疑われます。中2の登校拒否生徒・姫子は、昔住んでいた山梨の山中の小屋へ自殺しに行き、そこに住んでいた阪本に出会い、死体を発見して驚いて家に帰ります。失踪中の阪本を心配した元同僚のウネ子は、阪本を探し始め、姫子と出会い、姫子は阪本と再会し、阪本が元警官で、警官を刺殺して逃亡中の男の恋人を監視中、接近を禁じられていたその恋人の病気が急変したため、服務規程を違反してその女を助け、そのために男に逃げられたこと、その男がその12時間後に強盗を働いて、志保の妹を射殺したこと、志保は警察の不手際を糾弾しましたが、阪本と出会って恋に落ち、同棲した後、別れたこと、阪本の元上司の女性警視正・伊織がやはり阪本と恋人関係にあって、志保に嫉妬し、彼女を刺殺したこと、その後始末を阪本がやったことが判明します。結局、伊織は自首し、姫子は学校に戻る決意をするのでした。
 この作品も、饒舌で、ストーリーに直接関係ない枝葉の部分がやたら多く、姫子を始めとする登場人物の会話が理詰めで、リアリティに乏しいものでした。私は途中できちんと読む根気が失せ、会話だけ追って読みましたが、それでもあらすじは拾えました。打海さんの小説が苦手な人には、こんな読み方もオススメです。前作「時には懺悔を」に登場する探偵の佐竹、探偵事務所の相談員・ウネ子、探偵社アーバン・リサーチの寺西などがまた登場するので、「時には懺悔を」を好きな人は二度おいしいかもしれません。