マルコ・ベロッキオ監督・原案・共同脚本、音楽エンリオ・モリコーネの'67年作品『中国は近い』をWOWOWシネマで見ました。
二つの木のベンチを向かい合わせに置いた上での情事を済ませたカルロ(パオロ・グラヅィオージ)とジョヴァンナ(ダニエラ・スリーナ)。結婚を迫るジョヴァンナに、「愛で十分。将来は議員になって金持ちになる」と答えるカルロ。
カミッロ(ピエルイージ・アプラ)に呼ばれた2人の友人は、毛沢東主義のカミッロの話を聞きます。「正しいセックスは膣内射精で、両者の積極的な参加が不可欠である。ブルジョワの娘を強姦することも、階級そのものを蹂躙することには繋がるが、育ちのよい彼女たちに下着を脱がせるには訓練が必要。友人の女友だちで無口で従順な工員の娘・ジュリアーナは尽きることのない絶頂に達し、相手が途中で入れ替わっても気付かないほどなので、最高の練習台になりうる」と語るカミッロと、話に退屈し、犬にボールを転がしてやっては、カミッロに注意される友人の1人。レーニンの肖像のポスターを貼ったドアから出ていくカミッロ。
35才の大学教授ヴィットリオ(グロッコ・モーリ)は朝、客があると老メイドから聞き、姉のエレナ(エルダ・タットーリ)に客を迎えてくれと言います。男をベッドにまた引きずり込んでいたエレナは、男にすぐ帰るように命じます。ガウン姿のまま、2人の客を迎えるヴィットリオ。出勤してきた秘書のジョヴァンナに「地方選で社会党から立候補して、教育委員になるって話が来たんだが、いいと思わないか?」とヴィットリオは言いますが、ジョヴァンナは固い表情のままです。明日寄宿舎に戻るとヴィットリオに語るカミッロ。姉の相手の男を追い出したヴィットリオはエレナに「弟はまだ17才。いくらマルクスかぶれでも、姉が誰とも知らぬ男と寝てたらショックを受ける。男とはホテルで会え」と言い、2人は口ゲンカを始めます。
ジョヴァンナは社会党員で会計士のカルロに電話をかけ、「何か聞いてない?」とヴィットリオから聞いた話をしようとしますが、ヴィットリオが現れたので、あわてて電話を切ります。カルロはヴィットリオが今朝会った2人の訪問を受けます。そこへヴィットリオから電話があり、「御党から出馬を要請されましたが、私は実際の政治経験がないので、スタッフか秘書をつけてもらいたい」と言って、30分後にカルロの訪問を受けることになります。一方、カミッロは3人の友人を呼び出し、自分の命令に必ずしたがってくれと言います。ワインセラーで、ジュリアーナと次々と交わるカミッロら‥‥。
この後、カルロはヴィットリオの選挙参謀となり、選挙戦を戦うことになりますが、そのうちエレナとカルロはできてしまい、それを見たジョヴァンナはヴィットリオに身を任せます。エレナはカルロの子を妊娠してしまい、中絶しようとしますが、カルロは彼女と結婚するために、彼女が中絶しないよう、ジョヴァンナに頼エレナを見張っていてくれと頼みます。ジョヴァンナはその代わりに、カルロに自分を妊娠させてもらい、ヴィットリオの子ができたように見せかけ、彼と結婚できるように仕組んでくれと言います。そんな中、カミッロは社会党本部に爆弾を仕かけて爆発させ、ヴィットリオの演説会でも舞台の下からヴィットリオに猫を投げ付け、それに向けてシェパードを放つなどして、反乱を企てるのでした‥‥。
フランスの5月革命の前年に撮られたこの映画は、イタリア版『中国女』といった風のカミッロのエピソードで始まりますが、何と言ってもまず、28才でこの映画を撮ってしまったベロッキオの才能に圧倒されました。顔のアップに人物のバストショット、遠景など、素晴らしい構図のショットがはぎれよく編集されていて、多くの台詞が語気が荒い声でなされ、物がよく画面の中で飛ぶことなどからも、「ごつごつ」した男っぽい感じを受けました。犬の使い方も見事で、子供の様子をとらえたシーンはドキュメンタリー映画を見ているようでした。名前からしてカッコいい「ベロッキオ」監督に今後も注目です。なお、詳しいあらすじは、私のサイト( Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/))の「Favorite Movies」の「その他の傑作」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto
二つの木のベンチを向かい合わせに置いた上での情事を済ませたカルロ(パオロ・グラヅィオージ)とジョヴァンナ(ダニエラ・スリーナ)。結婚を迫るジョヴァンナに、「愛で十分。将来は議員になって金持ちになる」と答えるカルロ。
カミッロ(ピエルイージ・アプラ)に呼ばれた2人の友人は、毛沢東主義のカミッロの話を聞きます。「正しいセックスは膣内射精で、両者の積極的な参加が不可欠である。ブルジョワの娘を強姦することも、階級そのものを蹂躙することには繋がるが、育ちのよい彼女たちに下着を脱がせるには訓練が必要。友人の女友だちで無口で従順な工員の娘・ジュリアーナは尽きることのない絶頂に達し、相手が途中で入れ替わっても気付かないほどなので、最高の練習台になりうる」と語るカミッロと、話に退屈し、犬にボールを転がしてやっては、カミッロに注意される友人の1人。レーニンの肖像のポスターを貼ったドアから出ていくカミッロ。
35才の大学教授ヴィットリオ(グロッコ・モーリ)は朝、客があると老メイドから聞き、姉のエレナ(エルダ・タットーリ)に客を迎えてくれと言います。男をベッドにまた引きずり込んでいたエレナは、男にすぐ帰るように命じます。ガウン姿のまま、2人の客を迎えるヴィットリオ。出勤してきた秘書のジョヴァンナに「地方選で社会党から立候補して、教育委員になるって話が来たんだが、いいと思わないか?」とヴィットリオは言いますが、ジョヴァンナは固い表情のままです。明日寄宿舎に戻るとヴィットリオに語るカミッロ。姉の相手の男を追い出したヴィットリオはエレナに「弟はまだ17才。いくらマルクスかぶれでも、姉が誰とも知らぬ男と寝てたらショックを受ける。男とはホテルで会え」と言い、2人は口ゲンカを始めます。
ジョヴァンナは社会党員で会計士のカルロに電話をかけ、「何か聞いてない?」とヴィットリオから聞いた話をしようとしますが、ヴィットリオが現れたので、あわてて電話を切ります。カルロはヴィットリオが今朝会った2人の訪問を受けます。そこへヴィットリオから電話があり、「御党から出馬を要請されましたが、私は実際の政治経験がないので、スタッフか秘書をつけてもらいたい」と言って、30分後にカルロの訪問を受けることになります。一方、カミッロは3人の友人を呼び出し、自分の命令に必ずしたがってくれと言います。ワインセラーで、ジュリアーナと次々と交わるカミッロら‥‥。
この後、カルロはヴィットリオの選挙参謀となり、選挙戦を戦うことになりますが、そのうちエレナとカルロはできてしまい、それを見たジョヴァンナはヴィットリオに身を任せます。エレナはカルロの子を妊娠してしまい、中絶しようとしますが、カルロは彼女と結婚するために、彼女が中絶しないよう、ジョヴァンナに頼エレナを見張っていてくれと頼みます。ジョヴァンナはその代わりに、カルロに自分を妊娠させてもらい、ヴィットリオの子ができたように見せかけ、彼と結婚できるように仕組んでくれと言います。そんな中、カミッロは社会党本部に爆弾を仕かけて爆発させ、ヴィットリオの演説会でも舞台の下からヴィットリオに猫を投げ付け、それに向けてシェパードを放つなどして、反乱を企てるのでした‥‥。
フランスの5月革命の前年に撮られたこの映画は、イタリア版『中国女』といった風のカミッロのエピソードで始まりますが、何と言ってもまず、28才でこの映画を撮ってしまったベロッキオの才能に圧倒されました。顔のアップに人物のバストショット、遠景など、素晴らしい構図のショットがはぎれよく編集されていて、多くの台詞が語気が荒い声でなされ、物がよく画面の中で飛ぶことなどからも、「ごつごつ」した男っぽい感じを受けました。犬の使い方も見事で、子供の様子をとらえたシーンはドキュメンタリー映画を見ているようでした。名前からしてカッコいい「ベロッキオ」監督に今後も注目です。なお、詳しいあらすじは、私のサイト( Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/))の「Favorite Movies」の「その他の傑作」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto