マキノ雅弘監督の'66年作品『日本侠客伝・決斗神田祭り』をスカパーの東映チャンネルで再見ました。舞台は大正10年。出演は高倉健(火消しの新まとい)、藤純子(芸者上がりで、呉服屋の老舗・澤清の“若奥さん”)、河津清三郎(火消しの頭)、鶴田浩二(大阪から来た代貸)、藤山寛美(火消し志望の関西人)、大木実(火消し)、里見浩太郎(火消し)、山本麟一(火消し)、長門裕之(野際陽子を連れ帰るために来た、鶴田浩二の弟分)、山城新伍(澤清の使用人)、野際陽子(鶴田浩二と駆落ちしてきた、結核病みの娘)、中原早苗(藤山寛美と恋仲の女郎)、天津敏(澤清の土地の乗っ取りを画策する新興のやくざ)、内田朝雄(町の頭取)、遠藤辰雄(天津敏とつるむ高利貸し)らでした。河津清三郎が刺される場面と殴り込みをかけた鶴田浩二が銃弾を受ける場面には汽笛の音が挿入され、鶴田浩二と長門裕之がしんみりと話し合う場面は水辺に設定されていました。
また、ジャック・カーディフ監督・撮影の'68年作品『あの胸にもういちど』もスカパーのイマジカBSで再見しました。生徒にからかわれている小学校教師を夫に持つ十代の娘(マリアンヌ・フェイスフル)が、ドイツで大学教授をする男(アラン・ドロン)に会うために、裸の上に皮のスーツを着てバイクに乗り、最後は事故死してしまう話で、サイケデリックで幻想的な場面や、色がにじみ出るような耽美的な画面、スクリーンプロセスを使った場面などが多く見られ、冒頭、猛スピードで前進移動しながらカメラが斜めに振られ、黄色いタイトルの文字が次々に迫って来て、目の前で飛んでいく場面で既に魅了されました。ジャック・カーディフはマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガーの作品で有名になった撮影監督です。
また、杉江敏男監督、岡田茉莉子さん初主演の'54年作品『芸者小夏』もスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。出演は、岡田茉莉子(16歳の温泉芸者・小夏)、池部良(小夏と相思相愛の小学校の恩師)、森繁久彌(小夏を見受けする社長の秘書)、中北千枝子(先輩の芸者)、杉村春子(置屋の女将)、浪花千栄子(店の女将)、志村喬(社長の葬儀委員長)などです。話は古びていましたが、縦の構図、無人の画面、仰角・俯瞰の画面、ロング・ショット、そして演出など、画面としての“映画”は今でも見ごたえ充分なものでした。
また、ウディ・アレン監督・脚本の'10年作品『恋のロンドン狂騒曲』もWOWOWシネマで見ました。老夫婦のアルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ、その娘サリー(ナオミ・ワッツ)と夫のロイをめぐる物語で、アルフィはある日突然健康熱に取り憑かれてヘレナと離婚し、自称女優で売春をバイトでやっているという若い女性と結婚しますが若い男と浮気されたあげく妊娠を告げられ、ヘレナは占い師に自分の人生を託して、やはり霊界に興味のある男と付き合い始め、サリーは職場のギャラリーのオーナーに好意を寄せられていると思っていたら、自分が紹介した同級生の画家からオーナーと付き合っていると告白され、その後独立して自分のギャラリーを持とうとすると、資金源の母から占いによって今は金を貸せないと言われ、ロイは医学部を卒業した後小説家を目指し、最初の小説は成功したものの、その後鳴かず飛ばずでいたところ、向かいの部屋に住む若い女性と親密になる一方、小説家仲間が事故で昏睡状態に陥ったのを死んだと思い込み、その仲間の最新作を出版社に売り込んで、大評判になった後に、その仲間が意識を回復しつつあることを知るのでした。ナレーションが多用されている映画で、ヴィルモス・ジグモントの赤茶を基調とした画面が美しく、凝った画面構成をあまり意識させることのない、自然な演出が楽しめる映画でした。
また、内田吐夢監督の'59年作品『大菩薩峠・完結篇』もスカパーの東映チャンネルで見ました。盲目になった非情の剣士・机龍之助を片岡千恵蔵、彼を仇と狙っている若い侍を中村錦之助、侍に思いを寄せる娘を丘さとみが演じていて、霧のシーン、“八幡村”の道標のショット、スモークが焚かれた幽霊のシーン、橋が壊れるシーンは見ごたえがありましたが、総じて退屈な作品でした。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
また、ジャック・カーディフ監督・撮影の'68年作品『あの胸にもういちど』もスカパーのイマジカBSで再見しました。生徒にからかわれている小学校教師を夫に持つ十代の娘(マリアンヌ・フェイスフル)が、ドイツで大学教授をする男(アラン・ドロン)に会うために、裸の上に皮のスーツを着てバイクに乗り、最後は事故死してしまう話で、サイケデリックで幻想的な場面や、色がにじみ出るような耽美的な画面、スクリーンプロセスを使った場面などが多く見られ、冒頭、猛スピードで前進移動しながらカメラが斜めに振られ、黄色いタイトルの文字が次々に迫って来て、目の前で飛んでいく場面で既に魅了されました。ジャック・カーディフはマイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガーの作品で有名になった撮影監督です。
また、杉江敏男監督、岡田茉莉子さん初主演の'54年作品『芸者小夏』もスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。出演は、岡田茉莉子(16歳の温泉芸者・小夏)、池部良(小夏と相思相愛の小学校の恩師)、森繁久彌(小夏を見受けする社長の秘書)、中北千枝子(先輩の芸者)、杉村春子(置屋の女将)、浪花千栄子(店の女将)、志村喬(社長の葬儀委員長)などです。話は古びていましたが、縦の構図、無人の画面、仰角・俯瞰の画面、ロング・ショット、そして演出など、画面としての“映画”は今でも見ごたえ充分なものでした。
また、ウディ・アレン監督・脚本の'10年作品『恋のロンドン狂騒曲』もWOWOWシネマで見ました。老夫婦のアルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ、その娘サリー(ナオミ・ワッツ)と夫のロイをめぐる物語で、アルフィはある日突然健康熱に取り憑かれてヘレナと離婚し、自称女優で売春をバイトでやっているという若い女性と結婚しますが若い男と浮気されたあげく妊娠を告げられ、ヘレナは占い師に自分の人生を託して、やはり霊界に興味のある男と付き合い始め、サリーは職場のギャラリーのオーナーに好意を寄せられていると思っていたら、自分が紹介した同級生の画家からオーナーと付き合っていると告白され、その後独立して自分のギャラリーを持とうとすると、資金源の母から占いによって今は金を貸せないと言われ、ロイは医学部を卒業した後小説家を目指し、最初の小説は成功したものの、その後鳴かず飛ばずでいたところ、向かいの部屋に住む若い女性と親密になる一方、小説家仲間が事故で昏睡状態に陥ったのを死んだと思い込み、その仲間の最新作を出版社に売り込んで、大評判になった後に、その仲間が意識を回復しつつあることを知るのでした。ナレーションが多用されている映画で、ヴィルモス・ジグモントの赤茶を基調とした画面が美しく、凝った画面構成をあまり意識させることのない、自然な演出が楽しめる映画でした。
また、内田吐夢監督の'59年作品『大菩薩峠・完結篇』もスカパーの東映チャンネルで見ました。盲目になった非情の剣士・机龍之助を片岡千恵蔵、彼を仇と狙っている若い侍を中村錦之助、侍に思いを寄せる娘を丘さとみが演じていて、霧のシーン、“八幡村”の道標のショット、スモークが焚かれた幽霊のシーン、橋が壊れるシーンは見ごたえがありましたが、総じて退屈な作品でした。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)