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斎藤美奈子さんのコラム・その28&山口二郎さんのコラム・その13

2018-12-01 05:01:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている山口二郎さんのコラム。

 まず11月21日に掲載された「水道の危機」と題された斎藤さんのコラム。全文を転載させていただくと、
「何を隠そう、私は水道ファンである。地方都市に出かけた際、水道記念館のような施設があれば必ず行くし、役目を終えた排水塔も好き。古い水道施設は美しいデザインのものが多いのだ。
 デザインが美しいのはそれにかけた先人の思いが強かった証拠。明治二十年、横浜市に日本で最初の近代水道が創設されて以来、ほぼ一貫して市町村が担ってきた日本の水道。その歴史はそれぞれの土地の水事情や財政事情との格闘の歴史だった。水道は一日にしてならず、なんですよ。
 その水道が、なんといま、危機に瀕(ひん)している。人口減による料金収入の減少、施設の老朽化、水道局の職員不足…。それらを第一の危機とするなら、第二の危機は以上を理由に国が水道の民営化を図ろうとしていることだ。今国会で、政府は七月の国会で継続審議となった水道法改正案の成立を目指している。
 事業の運営権のみ民間に与える形(コンセッション方式)をとるというのだけれども、命の源である水を民間に委託するのはまずいでしょ。
 マイケル・ムーア監督の新作『華氏119』でもミシガン州フリント市で起きた水道をめぐる公害(財政難による経費削減が深刻な水道水の汚染を招いた)が大きく描かれていた。鉄道や郵政の民営化よりヤバい水道の民営化。野党もメディアもなぜ大騒ぎしないのだろう。」

 また、11月18日の日曜日に掲載された、『領土問題とは』と題された、山口二郎さんのコラム。こちらも全文転載させていただくと、
「安倍首相が北方領土問題について大きな方針転換を図っているようである。私は、四島一括返還という従来の方針には懐疑的だった。
 今の日本国は、北海道でさえ持て余している。JR北海道や北海道電力の惨状を見よ。中央政府はそっちにやる金はないと言い張り、北海道のインフラは劣化の一途だ。この上に四島が領土として編入されたら、その維持、経営にいくらが必要か、想像もつかない。
 『未解決の領土問題』は、実体的な国益にかかわるものではなく、国民の間にナショナリズムを高めるための便利な道具である。安倍首相が、この便利な道具を放棄し、現実的、合理的に国境線の画定を行うというのは、一つの見識である。
 ただし、なぜ方針を変更するのか、国民に対して十分に説明してほしいと思う。昔、高校の政治経済の教科書を書いた時、北方四島、竹島、尖閣諸島は日本の領土と書かなければ、検定は通らないとされた。今では、内閣官房が設置した領土・主権展示館で日本の主権を主張しているのは竹島と尖閣だけである。国の主張の中身というのはそれほどいい加減に変えられるものなのか。
 領土問題についてのメンツを捨てて、資源開発や漁業について関係国と合理的に利益を追求するという新しい発想を安倍政権が打ち出すのかどうか、注目したい。」

 また11月25日に掲載された、『支離滅裂』と題された山口さんのコラム。
「消費税率引き上げと同時に中小小売店でのクレジットカードやスマホを使った決済に対しては5%分のポイントを還元すると安倍晋三首相は明言した。安さを売り物にする家電量販店のブラックフライデーセールを思わせる気前の良さ。さすがアベちゃんと庶民が喜ぶと思っているのだろうか。この手を人気取りに騙(だま)されるほど、国民は馬鹿ではない。
 政府は、新年度予算の編成方針の中で、増税による消費減を防ぐために『あらゆる施策を総動員する』と明記する一方で、高齢化に伴い増加する社会保障費は『歳出改革の取り組みを継続する』とも宣言した。
 手間がかかり、効果が均等に行き渡らないポイント還元のために国の予算を使い、消費増税が本来目指しているはずの社会保障給付の確保は削減の対象になる。本末転倒、支離滅裂である。
 安倍首相は、韓国政府の徴用工や慰安婦への政策の転換について、約束が守られないのなら国家間の関係は成り立たないと厳しく非難した。その言葉は首相自身にお返ししたい。野田政権時代に、民主(当時)、自民、公明の三党間で税社会保障改革の合意を結んだはずである。
 増税への非難が怖くて、でたらめなバラマキをする一方、社会保障は切り刻む。これでは、政府と国民との間の信頼関係は成り立たない。」

 どの文章も、パソコンに打ち込んでいて、ネットによって世の中の方々に拡散させたくなるような内容を持つ名文だと思いました。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時の生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。)