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鈴木則文監督『トラック野郎 一番星北へ帰る』その2

2018-12-25 14:35:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 玉三郎「金を返しに来た。10日前に就職した。ここに20万ある。これで勘弁してください。もうこれ以上鼻血も出ない」「銀行があるだろ」。
 借金取り「娘がいるじゃないか。娘を売れば金になる」。「娘を売るなんて」。トラック仲間から殴る蹴るの暴行を受ける玉三郎。
 真室川、林で首を吊ろうとしているところを発見される。(中略)
真室川「もう生き地獄だ。人轢いちまって借金が1年で200万から500万に。300万はトラックを売ったが、利子がついて215万が残ってる。気が済むようにしてけろ」「父ちゃんを許して。明日までにきっとお金を作る」「体を売ればいいんじゃ」ジョナサン、取り立て屋をビンタ。「真室川、20万、俺の全財産だ」「みんなも協力してくれ」。ジョナサンも全財産を渡す。「65万、あと150万だ」新沼「明日の馬のレースで勝てば、俺の馬が200万で売れる」。
“盛岡”の字幕。“東北北海道輓馬大会”の垂れ幕。荷馬車のレース。遅れをとった桃次郎は馬のケツの穴に棒を突っ込んで一等になる。「やったー!」。
真室川、うれし泣き。(中略)
 マコトと仲間「来たぞ」。桃次郎「静代さん」。マコト、ひもを引っ張り桃次郎を転ばし、落とし穴に落とす。
 桃次郎の傷の手当をする静代。「僕の少年時代とそっくりです」「あっ時計が」「オメガの安物です」(中略)「あの模型飛行機は主人が作ってくれたもので、誕生日プレゼントとして贈った翌日に死んだんです。主人とのたった一つの絆だったんです。マコトの気持ちは分かります」「僕の方こそ申し訳ありませんでした」。
 山を見つめるマコト。
 手作りで模型飛行機を作る桃次郎。「不器用な桃次郎には無理だべ」。
 「マコト君、おじちゃんが悪かった。手作りの飛行機だよ。受け取ってくれ。そら、飛ばすぞ」。まったく飛ばない飛行機。「試験飛行ではよく飛んだのに」。走り去るマコト。「また怒らせてしまった」「私、その気持ちだけでもありがたいです」。(中略)
 “浄土ヶ浜”の字幕。桃次郎とジョナサンにジョージと玉三郎。桃次郎「静代さんの息子に手を焼いている」「俺の親父はトラック野郎だった。だからアメリカのトラックを選んだ。静代さんは俺がいただく。だが今はお互いにビジネス中だ。ケンカはまたな」。
 「お父ちゃん」と泣くマコト。「会津のおばあちゃんから干し柿よ。マコト、ここに座んなさい。いつまでも人の過ちを責めるんでないの。今度あんな態度を取ったら許しませんからね」「お母ちゃん、あいつのこと好きなんだろ? 皆そう言ってる」「マコト、待ちなさい」。パチンコで静代の胸を狙うマコト。桃次郎、現れる。「お母さんに向って何を」と言ってビンタする。「バカ野郎、おじちゃんなんか嫌いだ」と泣くマコト。「殴ったのは悪かった。(中略)もう二度と来ない。お母さんを悲しませるなよ」。
 食堂で酒を飲む桃次郎。赤塚「貴様、飲酒運転だぞ」「鬼代官さん、税金泥棒の来るところじゃない」「不良運転手め」「もう2度と岩手には戻ってこない。これから年末だ。くれぐれも気を付けて」。
 「桃次郎はリンゴは止める。代わりに松下金蔵がやる」。模型飛行機が飛ぶ。「わーい、わーい」とマコト笑う。桃次郎に「ここ直したんだ」(中略)静代笑顔。静代、マコトを抱き上げる。頭をなでる桃次郎。
 “小名浜港”の字幕。玉三郎「俺たちの荷だ」ジョージ「ドント、タッチ。頭を切り替えないと一人前のトラック乗りになれないぞ」桃次郎に「静代さんから手を引け」桃次郎「俺が勝ったら仲間の前に顔を出すな」。2人のケンカ。ジョージ「静代さんは譲る」と共倒れ。
 「会津磐梯山は♪」。桃次郎のトラックに同乗する静代とマコト。“会津若松”の字幕。
 マコトを肩車する桃次郎。「お父ちゃんみたい」。
 “北見誠之助”の表札。「誠一郎が一人息子だった。大学の先輩の誠一郎に静代さんが嫁に来てくれた。早う再婚してくれ。この店はわしの代で終わりだ」。
 桃次郎「もう一度お父ちゃんと言ってくれ」マコト「お父ちゃん」「今度はお母ちゃんの前で言ってくれよ」。
 展望台。静代「昔ハイキングで来たことがある。いいところね」桃次郎「僕はここで生まれた。このダムの底に沈んでいる。神輿を担いだ。学校は小さな分校。郵便局はあの辺り。ドジョウやフナがたくさん採れた。お寺には同級生の幸子がいた」「楽しいなんて言ってしまってごめんなさい」「村がなくなって、下北の親父の知り合いを頼って行ったが、1年も経たないうちに海で遭難。母が僕と妹を育ててくれた。夜中にコップ酒を飲んでいたが、今考えるとたった一つの慰めだったんだろう。(中略)」(また明日へ続きます……)