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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その8

2017-09-20 05:42:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 トイレで上着を脱ぎ、石鹸で手を洗うハワード。ケガをし、血のついたシャツも洗う。ドアのノブに触れず、人が入ってくるのを待つ。
 ハワード「ジャック、ワシントンの部下たちに連絡してジョーンズ商務長官との会談をセットしろ」「落ち着け。欧州よりメキシコを考えろ」「奴が大西洋路線を独占するのは許せない。フェアじゃない。奴はパンナムと米国議会と民間航空局を支配してきた。だが空は独占させない。クソ野郎に負けてたまるか。気取ったインテリどもとずっと闘ってきた。ローウィはクビだ。聞こえたな。トリップのスパイだ。ボタンのことがばれた。内部スパイだ。身内にスパイだぞ」。ハワード去る。
 夜。ハワード「ハロー、ローランド」「ハロー、さてどんな用件だ?」「写真が欲しい。ヘップバーンとトレイシーのネガを全部だ。公表はやめてくれ。トレイシーは既婚のカトリックで、2人とも映画スターだ」「特ダネだ」「行き先は伝えてきた」「あんたを殺そうなんて思っちゃいないさ。幾らだ?」「売らん」「幾らだ?」「売り物じゃない」「浮気しただろ? 黒人女と寝たな? 盗みや殺傷ザタは?」「お休み」。ローランド、去ろうとする。「共産党の集会に出たな」。ローランド歩みを止める。「TWAの株をもらう」「何株だ?」「5万株」「1万株だ」「よかろう」。
 トリップ「簡単には行かない。ヒューズは与野党に献金してきた。ジャックがロビー活動をしている」。“ラルフ・ブリュースター メーン州上院議員”の字幕。トリップ「英仏ともにヒューズ寄りだ。TWAは国際線に参入してくる気だ」「そうか」「ヒューズが有利だ」「CAB(コミュニティ・エアライン法案)を上院に提出する時期だな。CABは?」「まもなく仕上がる」「君には国防委員会に出てもらう」「委員として? 議長として? 私なら有能な議長になれる。公開討論の場は派手に報道される。トルーマンも議長だったおかげで、今や副大統領だ。そういうことだ。私を議長に。どうだ?」「面白い案だ。これがDC-4の設計図だ」。
 ハワード「トランスワールド航空って社名はどうだ?」ジャック「トランスコンチネンタルは?」「ダメだ。国際線らしい名前じゃないと」エヴァ「トランスワールドがいいわ」「同じ“TWA”だ。機体を塗り直さずに済む」「いつもケチるのね。毛皮を取って」。
 イチャイチャするハワード。エヴァ「やめて」「いいものがある。待ってろ」。ハワード、箱を渡す。「何なの?」「プレゼントだ。開けてみろ」「ゴミ箱ね。よしてよ」「中をよく見ろ。カシミール・サファイアだ。やっと探し出した世界一の宝石だ」「なぜ私に?」「よく見ろよ。君の瞳にピッタリの色だ」「私は売り物じゃないわ」「ただの贈り物だよ」「私は買えないの。バカはやめて。ダイヤやサファイアをくれるより、夕食を御馳走して」。
 車内。エヴァ「汚い運動靴はウンザリよ。オシャレしてポンコツ車で外出なんて」「エヴァ、結婚するか?」「しないわ」「なぜ?」「愛してないから。私は結婚してるし、あなたには女が山ほどいる。ベルエア・ホテルにはハーレムを持ってる」「あれは従業員たちだ」「結婚する気はないわ」。
 レストランの前で停車。横から女の乗った車が衝突を繰り返す。ハワード「何だ?」エヴァ「何よ?」「何てこった。フェイス! 何のつもりだ! バカはよせ!」「彼女何してるの?」「夕食だ。どいてくれ」「イカレ女を何とかしてよ! 愛してないの?」「愛してるよ」。記者たちのフラッシュ。
 ジャック「トリップとブリュースター議員はグルです」ハワード「CABが通ればTWAはおしまいだ。パンナムが空を制覇する。卑怯で非アメリカ的だ」「エール・フランスのような外国の航空会社は競争がないので安く参入できる。ムダな競争はやめてパンナムと友好的にことを運ぼう」「政府には媚びない。(中略)」。大声で「1コマもカットしない。映倫の承認なしで上映する」ジャック「どのメディアを使う?」「ハーストに聞け。上院選挙に備えて、議員に渡りをつけとけ。トリップから学べ。再選しそうな議員に寄付金を送れ」「ワイロを?」「ワイロじゃない。合法的に議員を囲え。調査班を組んで、ブリュースターの弱みを探れ。行き先、言動、浮気相手、全て調べろ」「了解」。
 ハワード「ちょっと待て。何だ?」オーディ「方向舵と昇降舵です」「これでいい」「油圧系統には予備のシステムが必要です」「別の操縦桿を用意しろ」「別の操縦桿?」「感触が悪い」。(また明日へ続きます……) 

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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その7

2017-09-19 06:07:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 ハワード、模型を見て「驚きだな」ロバート「座席数60、翼の長さは37メートル、4つのサイクロン・エンジン、最高上昇高度は7620メートル」「総重量は?」「39トン、翼面荷重19キログラム」「空気抵抗が少ないな? 最高巡航速度は時速544キロ?」。うなずくロバート「航続距離は4800キロ。大陸横断できる。ノンストップで」「ロバート、とんでもない奴だな。何かついてるぞ。襟にくっついてる。拭けよ」。ハワードにもらったハンカチで拭くロバート。「ハンカチはそこに捨てろ」「ありがとう。名前は?」「“コンステレーション”。変えるか?」「いや、いい名前だ。気に入った。それでどんな取引条件なんだ?」「最初の40機を提供する。2年は独占契約が結べる」「2年以上だ。他社でこれを使う発想がない。パンナムより先だ。価格は?」「1機45万ドル」「40機で1800万ドルか。TWAにそんな金はない、自腹を切るしかないな。製造をして請求書をノアに回せ」「感謝する。メリークリスマス」。
 ノア「航空史上最高額の発注をするなんて。1800万ドルの請求書が来た」「そうカリカリするな。体に悪いぞ」「カネがかかり過ぎる」「確かに大金だ」「1800万ドルが手元にあると思いますか?」「伝えるのを忘れていた」「忘れていた?」「そうだ。また電話する」。帰ってきたケイトに「ハニー、帰りが早いな」「あなたは泣かない人。私だって同じよ。はっきり言うわ。ある人と出会って恋したから出て行くわ。もっと優しく言えたらいいけど、でも無理だわ。お互いに。私たちの恋は大冒険だった。でも長く続く訳ないわ。私たちは似すぎてる」「男ができたのか?」「私にはもっとふさわしい人よ」「もっとふさわしいとはどういう意味だ?」「私ともっと波長が合う人よ」「俺を見ろ。演技するのはやめろ」「演技してないわ」「何も分かってないな」「皮肉は止めて」「君は出て行くと? 行けよ。女優は安く手に入る。僕は金持ちだからな」「あなたらしくないわ」「これが本当の僕だ。出て行くとヌカすワガママ女を丁重に見送れと?」「もっと大人らしく冷静に受け止めて」「偉そうに見下したしゃべり方はよせ! たかが映画スターだろ?」。ケイト、去る。
 次々に服を燃やすハワード。
 夜、ベッドで寝ているノアに電話。「ハワードだ。“J.C.ペニーズ”で服を買って来い」「閉まってます。夜中の2時ですよ」「そうだったな。明日の朝一番でスーツを2着頼む。明るい色と暗い色だ。Yシャツとテニスシューズも。いや、待て、“ウールワース”で買え。いや、“J.C.ペニーズ”だ」「分かりました。できるだけ早く買います」「録音機を? 会話を録音してるのか?」「いいえ」「オーケイ、信用しよう。朝一番にスーツがいる。待て、“J.C.ペニー”か、“ウールワース”か?」「“ペニーズ”です」「“シアーズ”にしろ」「“シアーズですね”」。ハワード、電話を切る。ノア、妻に謝り、電気を消す。「出ないとずっと鳴り続ける」。
 「そこで止まって。ミス・トマーグ。美容整形は?」「いえ」「傷や痣はあるか?」「いえ」「口紅を落として。ずっといい。私と契約を結ぶ意味が分かってるか? 個人契約だ。分かるか?」。靴を脱ぐトマーグ。「回って。いいね。いい動きだ。家族と生活を?」「そうです」「なるほど。もう一つ聞く。年はいくつだ?」「15歳です」「まだ若いな」。
 社交ダンス。トマーグ「登下校は車で送り迎えよ。高校は卒業するつもり。ハワードは教育が大事だって。放課後は発声練習と美容院とドレスの仮縫い」「驚きだな。パンナムがクラブを経営?」「ジャック・ホアンです」「エヴァです」「元気かい、ハワード」「何とか」「フェイド・マースだ。かけて。なぜロスに?」「ダグラス社とDC-4の契約だ。パンナムが導入するすごい旅客機だ。“コンステレーション”は?」「最高さ」「拝ませてほしいね」「無理だ」「レイ・ローウィを引き抜いたな?」「内装デザインをやってる」「うちでもだ。(中略)メキシコまで路線延長か? なぜ?」「航続距離は4800キロ。ロスからメキシコや南米まで飛べる」「名案だ。ペンはあるか?」「大西洋横断だ。(エヴァに)ハニー、もう十分だろ? スプーンをくれ。手袋がベトベトになる」「飛べるか?」「NYからニュー・ファンドランド、アイルランド、パリ」「パンナムは大歓迎だ。予約が一杯でね。うちだけで運行するのは重荷だ。“コンステレーション”は?」「来年就航だ。DC-4は?」「来年だ」「期待してるよ」「お互いに。次の40機を発注した。(中略)ではまた」。トリップ去る。ジャック「なぜ手のうちを明かすんです?」ハワード「彼に妨害させない。パンナムは全力で阻止する」ジャック、店員に「特大のスコッチだ」「何も分かってないな。失礼する」。(また明日へ続きます……)

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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その6

2017-09-18 05:56:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 “アメリカ映画協会 映倫委員会”の字幕。ハワード「皆さん、遅れてすみません」「ヒューズ氏が到着した ので、委員会を始めよう。では議長」「委員会のメンバーとして『ならず者』を見たが、これほど受け入れがたい作品は初めてだ。リオ役の女優が胸を見せるシーンは映画のおよそ半分に及ぶ。豊満な乳房が惜しげもなくさらされている。よって『ならず者』をワイセツ映画と判断。映倫委員会は承認印を押すのを拒否する。以上です」「ヒューズさん」「どうも議長。グリーンさんとは前にもお会いした。『暗黒街の顔役』の暴力問題で。今度は乳房の露出問題。露出しすぎると言う。今までの上映作品で露出度が最も高いと。それを覆してみせる」。幕を一つずつ取りながら、大きく引き伸ばされたピンナップ写真を示していくハワード。「ジーン・ハーロウ、アン・シェリダン、アイリーン・ダン、クローデット・コルベール、リタ・ヘイワース、ベティ・グレイブル、そして愛しのジェーン・ラッセル。ラッセルの写真を除いて、すべてグリーン氏が許可した映像です。どの作品にもこれらの乳房が登場しています。ここで私の友人を紹介します。コロンビア大学のブランソン博士です。ブランソン博士は著名な数学者です。では博士に検証してもらいましょう。ミス・ラッセルの乳房が他の女優に比べて大きくないことを。博士、どうぞ。カリパスを」教授「委員の皆さん、ヒューズさん。まずこの写真ですが証拠乳房1番と呼びましょう。胸の谷間の長さで測ってみます。それでは13センチ3ミリ。次は……」。
 「映画界の寵児ハワード・ヒューズは大忙し。この幸運児は毎晩豪華なパーティに、違う美女をエスコート。TWA社の宣伝を兼ねて女優たちを連れ歩きます」。
「“ハーキュリーズ”です。“ハーキュリーズ”は飛行機であり、ボート、そして空飛ぶ都市です」「支払いの伝票は私に回せ。客に払わせるな。軍が投資するかしないか、今夜の気分で決まる。美女は揃えたか?」ジョニー「巨乳美女がズラリと勢ぞろい」「陸軍航空隊の幹部にご賞味いただく」「700人の勇敢なアメリカ兵と戦車12台を収容できます。大西洋をひとっ飛び。Uボートの攻撃も届きません。ジュール・ヴェルヌに想像できたでしょうか? フットボール球場よりも巨大な翼を」。
 ケイト「私を侮辱する気?」「ただのゴシップ記事だ」「毎回違う女性とツーショット。屈辱だわ」「大袈裟な」「ジョーン・クロフォード、ジンジャー・ロジャーズ、リンダ・ダーネル、ジョーン・フォンテーン、ベティ・デイヴィス。あきれるわ」「いいか、どの女も3時のおやつだ。本気じゃない」「あら、ご立派な答えね」「君は言ったろ。“男は肉食動物だ”と。ダーウィンの理論だ」「結婚後も女漁りがずっと続く訳?」「どっちが不満なんだ。女か? ゴシップ記事か?」「アイスクリームは食器で食べてよ!」。電話が鳴る。「電話に出るつもり?」。電話に出るハワード「オーディ、今はちょっと都合が悪いんだ。アルミがないと“ハーキュリーズ”は造れない。待て、いや、よく聞こえる。大事な戦略計画だと戦時生産局に伝えろ。ダグラスやボーイングと同じようにアルミを寄越せと」。ケイト「アイスクリームを置かないで!」「アルミが無理なら別の方法を考えろ。代わりになる合金は?」。去るケイト。
「ダメなら木を使うしかない」「200トンの機体ですよ」「飛行機は空飛ぶ船だ。船に使う資材は?」「オーク」「“ハーキュリーズ”は飛行帆船だ。1200トンもある」。
 車中のケイトとハワード。「しっかり」とケイトの頬にキスするハワード。ケイトは撮影所で降りる。ハワード「軽くて頑丈な木材を見つけろ」。
 ケイト、無人のスタジオへ。「取れ」と言って、リンゴが投げられてくる。「うちの農園のリンゴだ。好きなら贈るよ」。感激するケイト。「ヒューズ氏とトラブルを?」「彼はあまりにもハワード・ヒューズでありすぎる。だからトラブルになる」。
 「素晴らしい」「クリスマスも仕事かね?」“ロバート・グロス ロッキード社長”の字幕。「見せたいものが」。ハワード、部屋の奥にロバートを連れていく。「見てくれ。XF-11スパイ偵察機だ。すべて僕の設計。最高速度は時速720キロ。敵機が追いつけない。日本のゼロ戦にH-11のデザインを盗まれて改良した。長年の夢の結晶だ」「“美人”だ。見せたいものとは?」(また明日へ続きます……)

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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その5

2017-09-17 06:31:00 | ノンジャンル
 今朝の新聞朝刊で、ハリー・ディーン・スタントン氏の訃報が報道されていました。『パリ・テキサス』の彼の演技は忘れらません。心より追悼の意を表します。

 さて、また昨日の続きです。
 会食。母「芸術を愛する仲間とコロニーを作ってるの。ジュリアンは抽象画家」ケイト「写真があるのに具象を描く必要はないでしょ?」母「政治的な立場は?」ハワード「何と?」母「私たちは社会主義よ」ケイト「違うわ」母「ルーズベルトをどう思う?」ラドロー「笑ってる」ハワード「何が? 犬が足にジャレついて」父「犬が嫌いか?」母「ルーズベルトを笑うのは許せないわ」「違います」父「犬は? 悪い経験が?(ケイトに)彼の方が有名でムカツかないか? 犬で悪い経験が?」「いえ」父「シャイだな」母「大型犬だったのね」ケイト「記者は卑劣よ」父「ドーベルマンかダックスフンドに吠えられたな」「違います」母「ダックスは小型犬よ」ラドロー「兵士が壁に並んで殺されるの、スペインの絵だっけ?」。肉に目がいくハワード。ジュリアン「ゴヤよ」ラドロー「そう、ゴヤの絵だ。メキシコ人だ。絵の題名は?」ケイト「記者は俗悪よ」母「読書は?」「情報を得る(スナッフ)するために業界誌を」ラドロー「嗅ぐ(スナッフ)?」母「飛行機関係の雑誌?」「何ですって?」ケイト「耳が遠いの」母「飛行機関係?」「エンジニアリングや航空機の雑誌です」母「読書は大好き」ケイト「彼は業界誌を読んで飛行機を設計するの」母「設計の話を」「ワクワクしますよ。たとえば陸軍航空隊の偵察中、これは双発でユニークなデザインです。後部には2本のブームが……」母「ラドローが巣箱を作ったの。そうよね」ラドロー「駄作さ」ジュリアン「確か絵の題名は『19XX年 5月』。ゴヤは過大評価されてるわ」ケイト「ピカソは偉大よ」父「私は泌尿器科医だ」母「いい巣箱よ」ケイト「ピカソは怪物よ」母「コウモリは巣にこだわるわ」ハワード「確かに」母「大きな声で」ハワード「何でもありません」母「言いかけて止めるのは耐えきれないわ」ラドロー「技術学校で飛行機遊びかい?」「そうじゃない」ケイト「3日間で世界一周したのよ」父「聞き飽きた。犬の話も。資金作りは?」ケイト「お金に興味はないわ」ハワード「カネがあるからだ」母「もう一度」「カネに興味がないのは十分あるからだ。(ラドロー、話始めようとする)僕が今話してる。生活のために働く者もいるが、僕は違う。飛行機遊びで結構だ。失礼」とハワードは席を立つ。ハワードがいなくなると、父「気難しい男だな」ケイト「寄ってたかってイジメないで」母「メイヤー氏に『ジェーン・エア』の話を」ケイト「あの俗物ジジイには高尚すぎるわ。新聞、マンガより長いものは読まないんだから」。
 ケイト「戦場を逃げ出したら誰にも尊敬されないわ」ハワード「君が分からない。家族といると別人だ」「あれが家族の望む私の姿。でもケイトは一人。あなたのケイトよ」。
 「航空会社のタイクーン、ヒューズが大事業を計画。映画を編集する一方で、陸軍航空部と密会。彼の愛国心に喝采。新型機が楽しみです。(『ならず者』のジェーン・ラッセルの唇のアップ)」。ハワード「Uボートに沈められた連合軍の船は? 今年だけで681隻。アメリカに必要なのは軍隊を欧州に運ぶ新型機。船はUボートの標的になりやすい。輸送機の設計を? 兵士だけでなく何でも運べる大型機。ジープも戦車も。こいつを見ろ。(女優のピンナップ写真)裏だ。全長61メートル、翼の幅91メートル、2万4000馬力。これこそ軍が求めていたものだ」「本気ですか?」「巨大な飛行機、名付けて“ハーキュリーズ”だ。いい名前だろ?」「総重量は?」「200トン」「楽な仕事じゃない」「このイメージで設計しろ。フロントを持ち上げて、下にかかる力を支える。ジェーン・ラッセルのおっぱいを手本に、滑らかな曲線を作り出せ。技術があればできる」「おっぱいを露出する映画に? 上映許可が下りると?」「当然だ。オッパイは好きだろ?」。(また明日へ続きます……)

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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その4

2017-09-16 06:21:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「デザイナーに壁紙や室内装飾をやらせたが、悪趣味なゲイでね。この部屋は嫌いだ。ゾッとする」「まるでインテリア雑誌の最新号ね」。ケイト、ハワードにキス。「好きな部屋は?」「書斎だ」「連れてって」。キスしながらハワードの服を脱がせていくケイト。「君は本当にノッポだな」「ヒジもヒザも尖ってるから気をつけて」。
 書斎のソファに2人横たわる。「明日は飛行機で撮影所へ行くわ」。
 ハワード、飛行機をチェック。ハワード微笑みうなずくと、オーディら安堵の表情。
 “1935年9月13日 速度記録挑戦”の字幕。オーディ「燃料メーターから目を離すな。2周分しか入っていない」。ハワード、離陸。オーディらと教授、ストップウォッチでスピードを測る。「時速542キロ、555キロ、563キロ!」ハワード「燃料切れだ。落ちるぞ」。畑に不時着するハワード。破壊された飛行機から抜け出したハワード「記録は?」駆けつけたオーディ「最後に時速563キロ」「まだイケる」。
 帰宅したハワード「どこだ? ケイト?」「2階よ」。ハワードの真っ赤な足を見て「大変! どうしたの?」「着陸時にケガをした」「手当をするわ。どうだったの?」「まだ信じられない。羽の生えた弾丸みたいなすごい速さだ」「記録は?」「時速563キロ」「やったわね」「地球最速の男さ」「あなたを誇りに思うわ」「飛行機にも」「そうね。足を見せて。血だらけじゃないの」「赤カブ畑に落ちて赤く染まっただけだ。畑に不時着さ」。2人、笑う。「きれいにしてあげる。これはビニールテープ?」「オーディが巻いた。僕が考えていたのは、君と会うことだけだ」「あなたは私の誇りよ。はがれないわ。バスルームに来て。記者は来てたの?」「ああ、今頃大騒ぎになってるさ。何だ。ケイト? どうした?」「私は有名人として生きてきた。今までずっと。それがどんなことだか分かる?」「『地獄の天使』で叩かれたから慣れてるさ」「本当? 私たちはみんなとは違う。いつも極端に走るし、奇行も多い。だから気をつけなくっちゃ。記者を近づけたら異常者扱いされるわ」「ここなら安全だよ」「踏み込んでくるのよ。私の兄が自殺した時、葬儀を盗み撮りされた。礼儀もありゃしない」「よく思うんだ。僕の性分について。そう思い込んだら最後無我夢中になる。とてつもない未知への挑戦。でも時々怖くなる。正気を失いそうで。正気を失えばどこに飛んでいくか分からない。分かるか?」「飛び方を教えてくれた私がついてるわ」。
 “4日間で世界一周”という記録映画のタイトル。「大空の寵児ハワード・ヒューズが『80日間世界一周』の夢に挑戦。NYを飛び立って4日で世界一周。ワイリー・ポストの持つ記録を3日縮めて新記録を達成。単葉機で無事に帰還しました。(ハワードがNYでパレードをする様子)彼こそ空の勇者、航空界のパイオニアです。リンドバーグのNY・パリ間の記録を半分に短縮。NYを発って35時間後、シベリアの荒野を飛行、25時間後(エンパイアステートビル)リスクの高いアラスカ上空を通過。快調に飛び続けて新記録を樹立」。“ホアン・トリップ パンナム航空社長”の字幕。「彼とクルーの次なる目標は?」「信じられないことに彼はTWAを買収しました」「空を飛んでたはずだろ?」「飛行中に無線で指示を出していたみたいです」「気がかりな噂のある男だ。彼について全て知りたい。情報を集めろ」。
 「パンテージズ劇場はフラッシュの嵐です。「こっちを向いて」「世界一周の感想は?」「次は何の記録に挑戦を?」。ケイト「あなたの人気ぶりに私もカタなしね。LB! いつも堂々としていてすぐ分かるわ。ハワード、心配ないわ。ご機嫌取りも女優の仕事のうちよ」。「“南部のメス虎”エヴァ・ガードナーは輝く美貌です。スターの銀河帝国です。MGMの新人女優です」。
 ケイト「『ジェーン・エア』を撮れば、きっと大当たりするわ」。ハワード、トイレで石鹸を使い手を洗う。松葉杖の男「タオルを取ってくれんか?」。ハワード、迷った末「悪いが、タオルは取れない」。
 ケイト「私バカみたい。本当に悪かったわ」ハワード「もういい」「空しく気取るだけで何の取り柄もない女よ」「いや、君はいい歯をしてる。行こう」「また飛行機に乗せて。私が操縦してあげる」「お好きなように」。
 カメラの列。
 走る車。“ヘップバーン邸 コネティカット州”の字幕。ケイト「心配しないで。私の両親ときっと気が合うわ」一人の男がこちらに向かってカメラを回してる。「カメラの男は誰だ?」「前夫のラドローよ。両親のお気に入りなの」「なぜここに?」「入り浸りなの。(大声で)みんな、聞いてちょうだい。こちらがハワードよ」。ケイトの両親「ようこそ」。ハワードは犬にかまわれて落ち着かない。父「食いやしないよ」ラドロー「珍しく好かれたようだな」。(また明日へ続きます……)

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