京都市の奨学金返済肩代わり
02・03年度分差し止め
監査委員勧告
中村和雄弁護士ら請求
奨学金の返済を京都市が肩代わりする「自立促進援助金」の支出は違法だとして、中村和雄弁護士(市長候補)ら「市民ウオッチャー・京都」が監査請求(第五次)していた問題で、京都市監査委員は二〇〇七年度予算の同援助金のうち、〇二、〇三両年度貸与の返還分につき、支出の差し止めを勧告しました。
十四日に「市民ウオッチャー」が会見して明らかになったもの。同問題での五次にわたる監査請求で勧告が出たのは初めて。
会見した村井豊明弁護士は、「行政を監視する監査委員が、奨学金問題で初めて支出差し止めの勧告を出したことは非常に大きな一歩前進」と評価する一方、違法判断が「所得判定」部分に及んでいないとして提訴する意向を示しました。
京都市長選挙(十七日投票)では、同和行政の終結が中心争点の一つ。「市政刷新の会」の中村和雄候補は不正追及の先頭に立った一人。「特別扱いをきっぱり終結」と訴えています。
現市政は判決後も二十年間で約四十億円にもおよぶ返済肩代わりを続ける意向。「市政継承」を掲げる門川大作候補は「審議会の答申に基づいてやる」と先送りしています。
「自立促進援助金」をめぐっては、〇三年度までは全額無審査で支出され、〇四年度からは「所得判定」を経るよう改められたものの、従来の全額無審査とほとんどかわらないのが実態でした。〇一、〇二両年度分については昨年九月の最高裁決定で大阪高裁の違法判決が確定、〇三、〇四両年度分は今年一月に京都地裁で違法判決が出ています。