盧氏自殺:葬儀は国民葬 韓国政府発表
2009年5月24日 20時45分 更新:5月24日 21時13分
韓国の盧武鉉・前大統領の死を悼む人であふれる祭壇=韓国・金海市で2009年5月24日午前11時50分、西脇真一撮影
【金海(韓国慶尚南道)西脇真一】韓国政府は24日、自殺した盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の葬儀を国民葬として執り行うと発表した。盧氏を追
悼する動きが全国に広がるなか、遺族や支持者の感情に配慮した措置とみられる。ただ、地元の韓国南部・金海市では「盧氏を死に追いやった」として李明博
(イ・ミョンバク)政権批判が高まっており、今後の政権運営にも影響が出そうだ。
盧氏の国民葬は同日、遺族の意向を踏まえ韓昇洙(ハン・スンス)首相主催の会議で決定された。国民葬は国家に多大な貢献をした人物が対象で、費用
の一部を国が補助する。歴代大統領では06年死去の崔圭夏(チェ・ギュハ)氏(第10代、在任1979年12月~80年8月)以来2人目の国民葬となる。
時期は未定だが、29日を軸に調整中。ソウル駅前など各地に弔問所を設けるほか、別に告別式を金海の運動場で行う案も出ている。政府は埋葬地に韓国中部・大田の国立墓地を候補にあげたが、遺族は地元を希望しているという。
一方、金海では盧氏が自殺した23日夜の受け付け開始から弔問客の列が途切れず、その数は既に10万人近くにのぼっている。24日午前には新たに
大きな祭壇が整えられ、目を真っ赤に泣きはらした盧氏の長男建昊(ゴンホ)氏も白菊を献花した。23日に遺体と対面直後に失神し入院した権良淑(クォン・
ヤンスク)夫人は24日朝、自宅に戻ったが姿は見せなかった。
地元では李政権批判が高まっており、韓国南部・大邱市の漢方医、崔長潤(チェ・チャンユン)さん(49)は「これは自殺ではなく、政治的な報復に
よる他殺だ」と、不正資金提供事件をめぐり盧氏に対する最高検の捜査手法を批判した。また、ボランティアで弔問客の整理をしていた同市のタクシー運転手、
呉世憲さん(49)は「李政権が今の姿勢を続ければ、当分は(盧政権を支えた)進歩勢力と保守勢力の葛藤(かっとう)が続く」と指摘。李大統領が弔問する
意向を示したとの報道については「われわれ支持者の反発が強く、ここまで来ることはできないだろう」と強調した。
ヤフーHPより