米国防総省、
メキシコ国境の壁建設に在韓米軍タンゴ・群山基地の予算も投入
米国防総省、メキシコ国境の壁建設に127件36億ドルを転用
ドイツから4億7千万ドルなど、海外19カ国から18億4千万ドル
米国では本土、グアム、プエルトリコなど17億6千万ドル
消息筋「全世界にわたる決定…韓国に費用転嫁する構造ではない」

米国防総省がメキシコ国境の壁建設に予算を転用することにした国内外の軍事施設事業に、京畿道城南(ソンナム)の韓米連合軍司令部の戦時指揮統制所である「CPタンゴ(Command Post TANGO)」(1750万ドル)と群山(クンサン)空軍基地の無人機格納庫(5300万ドル)が含まれた。
米国防総省は4日(現地時間)、このような内容が含まれた国内外の執行延期事業のリストを公開した。米国防総省は国内外の127件のプロジェクト予算36億ドルを、長さ175マイルのメキシコ国境沿いの壁の建設に転用することにした。このうち半分は米国内の米軍施設事業予算から、残りの半分は海外の米軍施設予算から調達する。
合わせて18億3675万ドルの予算を転用することに決まった海外の国は19カ国(国が特定されなかった2カ所除く)だ。転用される金額が最も大きい国はドイツで、8カ所の施設から4億6755万ドルの予算がメキシコ国境沿いの壁の建設に投入される。日本は横須賀海軍基地など5カ所から4億568万ドル、英国は4カ所から2億5057万ドルが転用される。在韓米軍施設からはCPタンゴと群山の無人機格納庫に関連する予算合わせて7050万ドル(約846億ウォン)が投入される。この他、ギリシャやノルウェー、ポーランド、スペイン、トルコなどの米軍施設が含まれた。
米国では、米本土やグアム、プエルトリコ、バージンアイルランドなど米国領の軍事基地事業予算17億6324万ドルが壁の建設に使われる。
米国防総省のこのような予算転用の決定は、今年2月、ドナルド・トランプ大統領がメキシコ国境地域に国家非常事態を宣布し、議会の承認もなく国防予算を壁の建設に投入できるようにしたことによるものだ。
今回の決定は、今月中に始まる韓米防衛費分担金交渉を控えて行われるため、米国がCPタンゴなど該当予算を韓国政府に負担させるのではないかという懸念の声が上がっている。ジョナサン・ホフマン米国防総省報道官は3日、「(予算転用の決定は)、米議会が関連予算を復元するかどうかを決定し、我々の同盟およびパートナーたちと共に費用分担の改善を話し合う時間を稼ぐためのもの」だと述べた。
しかし、ワシントンのある消息筋は「米国が予算転用に伴う費用負担を韓国に転嫁する構造ではなく、そうした動きはまだ見えない」とし、防衛費分担金交渉との関連性を否定した。同消息筋は「米国防総省の決定は全世界にまたがるもので、韓国はむしろ転用予算規模が相対的に少ない」とし、最近の韓米同盟の亀裂をめぐる議論とも無関係だと強調した。
韓国国防部当局者も「米国防総省がメディアに発表する前に関連内容を公式的に知らせてきた」とし、「該当事業関連予算は米国の独自予算であり、韓国の防衛費分担金とは全く関係のない米国独自の軍事建設事業予算だ。韓国国防部は米国側と緊密に協議し、戦闘態勢の準備に影響がないようにする」と述べた。